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プロフィール |
コメント数 |
2162 |
性別 |
男性 |
年齢 |
57歳 |
自己紹介 |
実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます
評価:8点以上は特別な映画で 全て10点付けてもいいくらい 映画を観て損をしたと思ったことはないので 酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです
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●今週のレビュー 「」
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1. 村の写真集
極めて個人的な好みで申し訳ないがどうも父親と息子の親子関係を真面目にリアルにそれでいて感動的に描かれるともうそれだけで受け入れ難い。私自身の親子関係が影響してるんだろうけどこればっかりは。前半のギクシャクした親子関係はそれなりに良かったし、そのギクシャクを中和する明らかにまわりとは色合いが違う中国人の彼女の存在がかなり映画を面白くさせているとは思うんだけど、後半、ストーリー的には納得できるんだけどやっぱ親父って凄いって息子が思うような展開があって息子は素直にそのストーリーに添ってゆくってのがどうも・・。息子が写真撮ると被写体の村人たちがぐずぐず言うのとかわざとらしいし。親父と息子の力量の差なんて「写真の笑顔」一発でいいじゃん。それから藤竜也は味があったが味がありすぎて一村民としては存在感がありすぎるような気もした。藤のこの味を活かすなら風景を撮るより、小津の映画みたいな虚構性に富んだ会話劇で見せたほうが面白いと思う。いや、極めて個人的な好みの問題ですよ。生々しい父と息子のドラマは苦手です。[DVD(邦画)] 5点(2011-12-07 16:18:41)
2. 麦の穂をゆらす風
カンヌ・パルムドール獲得の際のインタビューでケン・ローチは「英国が帝国主義的な過去から歩みだす小さな一歩になれば、、」と言っている。あきらかに現英国のイラク派兵に対し、いまだ同じ過ちを繰り返す母国への批判を含んでいると思われる。作品自体も英国に対する擁護など一切無い。今尚続く北アイルランド問題という英国にとって最も重い題材を実に辛辣に描き出す。しかしこの作品の凄さは、ケン・ローチの作品がいつもそうであるように、重々しい題材が描かれる、その背景の美しさにこそある。けして戦争を、また戦闘を美化しているのではなく、『シン・レッド・ライン』のように対比の対象としての美でもなく、ただただそこに美しさがある。もう一つ、複雑な問題をすべて見せようとはせずにピンポイントで描いているので、劇中混乱することもなく鑑賞できるのも好印象。映画で語られる物語は全くといって救いがありません。あるとすればこの映画で語られない部分を想像するしかない。そしてその想像の余地だけを残している。[映画館(字幕)] 8点(2006-11-29 11:53:51)(良:1票)
3. 息子のまなざし
職業訓練所に新しく入った少年は大工コースを選ぶが、主人公の教師は履歴書を見た後、生徒が多いことを理由に断る。その後なぜだかソワソワし始める。家に帰ると女の人が訪ねてくる。最初はこの女性が誰なのかわかんない。これらは後にはっきりとしてくるのですが、「説明」を一切排除しているので、分からないまま見ていた最初の数十分は退屈に感じた。分かってからはのめり込まずにはいられない特殊な設定。設定だけが特異で何が起こるわけでもないが、さりげない会話から少年の同情すべき家庭環境や睡眠薬で眠るしかない後悔と苦悩が前面に出ることなく、でもしっかりと描かれ、それゆえの教師の葛藤がガンガンと迫ってくる。そして『イゴールの約束』でも感心させられたオリヴィエ・グルメの演技を超えた演技にまたしてもやられた。大工仕事の手際の良さはもちろん、その身のこなし、何かのついでに部品を取る仕草、痛めた腰をかばう歩き方、復讐心でも愛情でもない少年に向ける眼差し。オリヴィエ・グルメ、この男を見るだけでも価値がある。そしてこの男をここまで引き上げているのはまぎれもなくダルデンヌ兄弟の力なのだ。[DVD(字幕)] 7点(2006-11-01 11:42:41)
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