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1. メランコリア
《ネタバレ》 世界の終わりが来ることによって、鬱病患者とそうでない人間の立場が逆転するという構成が気持ち良かった。「鬱病の監督が撮った陰鬱なだけの作品」というよりは、むしろ逆かと思う。なぜなら、地球が滅びることを解放と感じて喜ぶ主人公が、姉やその子どもに対しては憐れみの感情をしっかり持っているのがわかるから。「世界が終わって嬉しい」という感情と、「家族が死ぬのは可哀想」という感情は、何の矛盾もなく両立する。そこに温かな余韻があり、セラピーめいた前向きさすら感じるのだ。落ち込んでいるときにこそ、見てみるべき作品なんじゃないかと思います。[インターネット(字幕)] 8点(2023-02-06 22:11:31)(良:1票)
2. メリー・ポピンズ リターンズ
元祖『メリー・ポピンズ』が冒頭からメリー・ポピンズをチラ見せし、バートが歌う魅力的な「チム・チム・チェリー」のメロディで心を掴むのに対して、この『リターンズ』の冒頭10分は「設定を説明するためだけの会話の連続(とりあえず形だけの歌もあるよ)」という感じで、この時点でもう「ハズレだな……」と思った。
その設定も、借金がどうとか父の株券がどうとか、本当にどうでもいい。1ミリも興味を持てない。なぜ元祖のように「謎めいたナニーの魔法に翻弄されるうちに、機能不全ファミリーが再生していく」といったシンプルな作りにできないのか。
アニメパートは、黄金期のアニメーターの仕事に敵うわけがないのは当然としても、CGにあぐらをかいているのが見え見えで芳醇さを微塵も感じられなかったし、歌については1曲も耳に残らなかった。
エミリー・ブラントは歌唱力以前に、「陰」か「陽」かで言うと「陰」の女優だと思うのでそもそものミスキャスト感が否めない(尾野真千子が明るい役をやっているときの違和感に近い)。相手役のリン=マニュエル・ミランダも、ただただプエルトリコ系のクドさだけが目立った。キャスティングのポリコレにこだわるなら、ヴィクトリア時代の話など作らなければいいのにと思う。
とにかく作り手の情熱とか才能みたいなものがまったく香ってこず、「人から作品が生まれる」のではなく「企画ありきで人を集める(適任者がいなくても無理に作る)」という、近年の業界にありがちな1本に思えた。[インターネット(字幕)] 3点(2022-04-27 08:09:14)《改行有》
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