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プロフィール |
コメント数 |
56 |
性別 |
女性 |
年齢 |
56歳 |
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1. モロッコ
《ネタバレ》 スタンバーグ監督はディートリッヒの女神のように崇拝していたのでしょうか。とにかく彼女を中心に、彼女が美しく見えるよう、細心の注意を払って映画を作っています。年代物なので、画像は悪いですが、何も凝らないシンプルなモノクロ画面が美しく、燕尾服とトップ・ハット、煙草の煙りに100万$の足、ハスキーな歌声、そして女性とのキスまで、とにかくサービス満点。でも、この監督は相当の職人です。趣味に走りすぎず、彼女のプロモーション・ムービー一歩手前で止めて、ちゃんとした恋愛映画を作っています。トーキー初期らしく音も大事に撮っていて、特に真珠がバラけるところが秀逸です。それでも、相手役がミス・キャストだと駄作になったでしょうが、よかったことに、相手役は上品な金持ち紳士を演じたら右に出る者はいないアドルフ・マンジューと若き日のゲイリー・クーパー。クーパーはちょっと2人に押され気味ですが、それでも格好いいですね。
はっきりいって、この映画は主役3人の存在感だけで成り立っています。話自体には全くヒネったところはないし、その後の2人に未来はないでしょうが、アミーとトムが交わす2本指の挨拶、鏡に書いたルージュの伝言、砂漠に脱ぎ捨てたハイヒールと、これでもかというくらいに小道具の使い方とポーズが決まっていて、映画が格好よければそれでいいんだという、有無を言わせない強引な説得力が伝わってきました。はい、砂は熱くないですか?なんて野暮は言わずに、格好よかったとだけ言いましょう。あと、蛇足ですが、アミーの持っていた2体のお人形がなんか妙に味があってよかったです。[DVD(字幕)] 8点(2004-07-04 22:58:47)(良:1票) 《改行有》
2. モダン・タイムス
《ネタバレ》 チャップリン映画の転回点、もしくは分岐点の映画だと思います。まず、チャップリンのトレードマークである、山高帽とドタ靴、窮屈な上着にステッキ姿は、この映画で完全に姿を消します。そして、サイレントを頑なに守り続けたチャップリンは、この映画でとうとう声を出すのです。1930年代、映画が急激に変わっていくのに対応できず、多くの映画人が去る中で、それでも10年ほど健闘してきたチャップリンが初めて作ったトーキーは、トーキーに屈するどころか、正面から闘いを挑んだ意欲作です。トーキーの象徴の機械を相手に、無声のまま痛快なバトルを繰り広げ、最後にどこの言葉でもない(インチキスペイン語っぽいけど)歌と、おなじみのパントマイムでトーキーデビューを果たしたのです。そして、映画の中身はボードビル出身の芸人、チャップリンの至芸が散りばめられていて飽きさせません。ローラースケートはメチャ上手いし、建てたんじゃなく、見つけた(!)壊れまくりのボロ家もいいし、川へのダイビングは見ているこっちがイタタタ・・・。チェスター・コンクリン演じる親方とのコントはもっと見たかったくらい。あと、カフェのロースト・ダックのおじさんは、気の毒で笑わせてもらいました。料理を落とさずに、ホールを回り続ける芸も秀逸。ヒロイン役のポーレット・ゴダードは野性的な強い目が、印象的でした。そしてラスト、山高帽のチャップリンが遠くなっていく姿に、元気を分けてもらい、淋しさを感じました。この2人はこの先、何があっても、笑い飛ばして歩いていってほしいし、きっとそうするんだろうと思いました。[DVD(字幕)] 9点(2004-06-27 22:48:12)(良:2票)
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