みんなのシネマレビュー |
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1. モスラ3 キングギドラ来襲 《ネタバレ》 シナリオがぐだぐだすぎる。子供向けとは言え練りこみが足りなすぎる。子供だけ集めてどうするわけ? 食べるんならその場で食べなさい、溶かすんならすぐに溶かしなさい。おまけに、唐突なタイムトラベルは、あまりにも安易で論理性は一切なし。 特撮も手を抜きすぎ。金と時間がないというのは言い訳にならない。当時の技術であればもっと何とか出来るはずで、監督やスタッフの力量の無さ、あるいは、やる気無さしか感じられない。特に、過去シーンの恐竜の動きのぎこちなさ、スケール感の無さは、素人のクレイアニメよりもひどい。昭和40年代でも、もっとましだった。 東宝お得意のミニチュア特撮、光学合成、新たに取り入れたアニメやCG、どれを取っても劣化させて継ぎ接ぎした感じで、最悪の組み合わせにしてしまったとしか言いようがない。 1は特撮だけは東宝の当時の技術レベルだったのに、2、3でそれすらもぐちゃぐちゃにしてしまった感じである。 2が、子供向けを舐めてかかったひどい映画だったのに、もしかして、そこそこ興行収入があったのだろうか? 2と比べて何も進化していないのが腹立たしい。[試写会(邦画)] 3点(2011-07-18 22:42:44)《改行有》 2. モスラ(1996) 《ネタバレ》 モスラ2を先に見てしまったからか、そこそこ良く出来ていると感じた。 ゴジラでもお得意だった爆発と光学合成の迫力はしっかり生かされてるし、なにより、モスラの形態の制約で怪獣プロレスができないため、爆発と光学合成の迫力を連続的に繰り出さざるをえないのが、功を奏している。 また、ドラマシーンは一応映画風の画面になってるし、テレビの特撮ではなく「映画」を意識した絵作りはされている。シナリオも一応、破綻なく最後まで繋がっている しかし、小美人3姉妹を中心に据えたシナリオは子供ターゲットの安直なものと言わざるをえない。 小美人と子供を出さなければ、平成ガメラのようなシナリオにもなり得たかもしれないのに、子供をターゲットに、自然破壊への警告風のメッセージを含ませたりして、いかにも子供だましのシナリオが、鼻につく。 完全に娯楽映画で、商業主義で、あれだけ火薬使って、自然を大事にって、自己否定でしかないんじゃないの? モスラの2の感想で、「モスラのぬいぐるみ感は、羽以外が動いていないことが一番大きな要因」と書いたが、この映画ではある程度足が動いていた。でも、やっぱり、リアル感は全然増えておらず、ぬいぐるみ感バリバリ。もっとリアルな動きってできないものかなあ。[CS・衛星(邦画)] 4点(2011-07-18 16:44:14)《改行有》 3. モスラ2 海底の大決戦 《ネタバレ》 このぐだぐだな設定とシナリオはなんなんだ。多分小学校低学年以下を対象としたのだろうが、だからといって、ここまで幼稚なシナリオや舞台設定は、かえって子供を馬鹿にしているとしか思えない。 極めて少ない登場人物だけで地球規模の危機の話が進むのは、子供に分かりやすくするためとして何とか許そう。しかし、その登場人物の行動、心理描写、ストーリーなどの論理性は子供向けだからといって手を抜くのは完全に間違っている。子供に解りやすくするということは、こういうことではないだろう。 例えば、悪人が最後に改心するのであれば、前半は完全に悪人に描くだけではなく、前半からその伏線を張るくらいのことはして欲しい。 ピラミッドの中のセットも、壁の装飾が木目調で、床がカーペット張りで、照明まであるなんて、いくらフィクションでもまずいだろう。石を基調に古代科学の粋が詰まったセット作りはできたはずで、これも手抜きとしか言いようがない。 特撮の技術的にも、同時期の平成ガメラのクオリティーの高さを見る限り、もっともっと頑張れたはずで、手を抜いたとしか思えない。 モスラのぬいぐるみ感は、羽以外が動いていないことが一番大きな要因であることぐらい誰でもわかるだろうに、何も工夫がない。 とにかく、せっかく「モスラ」という往年のビッグネームを使っているのに、この手抜きは許しがたい。 1996年のモスラ、1998年のモスラ3は未だ見ていないが、絶対見て酷評しよう、、、って、やっぱり日本の特撮映画自体は駄作も含めて嫌いじゃないので見てしまう(^^;[CS・衛星(邦画)] 3点(2011-07-17 00:37:26)《改行有》 4. もののけ姫 世界に誇る宮崎アニメを十分堪能させてくれる作品。アニメであることをここまで活かした映像で世界観を表現できるのは、ジブリの右に出るものなしと言う感じ。 映像、展開、カット割り、キャラクターの演技?は、アニメであっても実写映画と同様に論じることができる質の高さを持っている。そして、アニメでしか表現できない部分で、実写映画を完全に超えており、さすがとしか言いようがない。 実写映画では表現に限界があり、特撮、光学合成、CG等でこれを補っているが、アニメでは自由に表現できる。その自由さが、幼稚であったり、ご都合主義過ぎたりすることが多く、かえって「映画」としての質をスポイルして、実写映画より一段低い、どちらかと言えば子供向けの娯楽作品と評価されてしまう。 このため、例えば古いディズニーのアニメは、キャラクターの動きを現実に近づけることで、むしろアニメの自由さをやや抑えて「映画」の質を高めてきた。 しかし、この映画では、アニメの表現の自由さを最大限利用して、なお高い完成度で「映画」の質を高めることに成功している。 シナリオへの賛否両論はあるだろうが、そのメッセージ、世界観は充分に伝わってくる。充分伝わってくるがゆえに好き嫌いで評価しやすく、嫌いの部類の人は極端に低い評価になるかもしれないが、名作であることは間違いない。[地上波(邦画)] 8点(2011-07-03 18:00:47)《改行有》 5. モスラ(1961) 《ネタバレ》 50年近く前の作品だが、シネマスコープでカラーでも見劣りのしない特撮でがんばっており、かなりお金をかけた当時の勢いを感じる。 今見ると、当然ちゃちなところも多々あるが、CG無しでここまでやれるのは見事な職人芸と言う他ない。 しかし、シナリオが幼稚すぎる。とんでもない設定や展開であっても、演出次第でもっと違和感なく見せることも可能だろう。ストーリーの本筋が単純なだけに、それ以外の枝葉を安直に設定してしまうとB級感漂いまくりとなり、役者がまじめな演技をしていると駄作感すら漂ってくる。 出てくる役者はみな芸達者で、それぞれのシーンではキラキラ光るいい演技をしているのに、演出がまずいのか、全体の中でうまく生かせておらず、逆にいい演技が浮きまくってる感じさえある。 あと、外人と子供がぶち壊し。外人は吹き替えるべきだし、子供は出しちゃだめだ。コミカルを狙ったのだろうが、幼稚なシナリオでは絶対だめ。もっと細部をじっくり詰めて欲しかった。[CS・衛星(邦画)] 4点(2010-07-01 02:07:27)《改行有》 6. モスラ対ゴジラ 《ネタバレ》 モスラの卵を儲けの対象としか考えていない悪徳業者がやられるというストーリーが、「怪獣特撮」だけで興行収入が上がるから脚本は二の次という東宝の路線とダブって見えてしまった。 東宝はこれも映画のひとつの形と割り切ってたのかも知れず、滅んではいないが。 なぜゴジラが出現したのか何の説明もないし、南の島の住人は日本語しゃべるし、岩場のセットの地面が人が歩くと揺れて板張り丸出しだし、ゴジラが海に落ちただけで死んだのかどうかはっきりしないし、特撮を見せたいだけかなとも思う反面、反原水爆とか新聞記者のヒューマニズムとかが扱われていて、完全に子供向けにもB級にも徹し切れておらず、中途半端な印象。 1作目「ゴジラ」は別格、2作目は努力不足として、3作目以降脚本が手抜きになってきて、展開が不自然になり人間ドラマが軽薄になってるのは明らか。 特撮は、前3作にはないはめ込み合成の多用が本作品に見られるが、画面で後ろの人の動きが透けて見えて透明人間っぽくなってるのは、当時の技術の限界か予算の限界か。[CS・衛星(邦画)] 5点(2010-07-01 00:56:33)《改行有》
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