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21. 屋根裏の散歩者(1992)
古びた鏡の上を這っていくデンデンムシ。プリズムの光の反射する廊下。ものうげに流れるタイスの瞑想曲。それぞれの部屋の痴態はそれぞれの部屋で閉じていなければならないはずで、裸で廊下に出てきたりしてはいけない。これはいわゆる「愉快犯」のハシリですな。殺したい積極的な意志があるわけではなく、殺せる状況を確認したいという感じで、スーパーの飲み物に毒物を入れたりするアレと同じ動機。見るだけでなく、関わることもできることを確認したい天井裏の男。斜めの構図は無理して入れてる。窮屈感ってことか、普通使われる不安感とはちょっと違う。昔のこの人の構図の凝りようは、それなりの納得に通じるものがあったが、このころはもうそれが自己目的化しているようで、味わいとしては薄い。[映画館(邦画)] 5点(2011-02-01 09:54:45)
22. YAMAKASI ヤマカシ
ビルからビルへっていう場面の楽しさは、領界の無視からくるようで。社会の規約によって遠く隔てられているはずの「隣家」が、ただの物理的な距離でしかなくなる。プライバシーを侵犯される不快感に気づかないふりが出来るなら、プライバシーを侵犯する楽しみを徹底して味わえるわけだ。どこもかしこも公共の場になってしまう社会は、遊び場としてならこんなに楽しいぞ、という映画だが、そこで暮らしたいとは思わない。すべての免罪符になってしまう「病床に横たわる子ども」ってのも、なんか恐ろしい。[映画館(字幕)] 5点(2008-07-23 10:47:51)
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