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1. 屋根裏の散歩者(1992)
江戸川乱歩はミステリー作家ではなく耽美小説作家である。パズラーではなくスリラーである。後年の少年探偵団のような子供向け冒険活劇とは異なり、「孤島の鬼」や「パノラマ島奇談」に代表されるような長編小説、そして「押絵と旅する男」のような短編小説の類いは、昭和初期のノスタルジアと人間の奥底に潜む怪しい本能を堪能するもので、子供が見るようなものじゃないのだ。そういった意味ではこの実相寺監督の「屋根裏~」と「D坂の~」は、原作の精神をもっとも忠実に表現したものと言える。こんなエッチな映画、テレビシリーズにゃできないですもんね。DVDやビデオ探しまくっているが、おそらく発売されていないんでしょ。また池袋の新文芸座でかかるのを待つしかないですか。10点(2004-03-20 16:50:05)
2. 八つ墓村(1977)
《ネタバレ》 これは金田一シリーズのなかでは傑作といえる一本。金田一役が渥美清だろうが別に問題ないのだ。謎なんか解かずに殺されるのを見ていて洞窟の前で解説しているだけなのだから。この作品は謎解きミステリーではない。ホラー映画なのだ。ショーケンの好演も光るのだが、最大の見所は、山崎努そして何より小川真由美のあまりの怖さにつきる。洞窟のシーンは、江戸川乱歩の傑作「孤島の鬼」を思わせる恐怖。「ドラゴンクエスト」でたいまつをもたずにダンジョンに入って、モンスターに出会うようなものですな。おばあさん役の市原悦子もなにやら不気味だし、落人狩りやら尼子一族の復讐やらの設定と相俟って、強烈な印象を与えます。そう、この作品は、金田一役なんか、誰だっていいのだ。極端なことを言うと、いなくたっていいのだ。9点(2004-03-19 00:42:50)
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