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1. 柔らかい肌
シンプルでシャープな脚本が冴えている。(おそらく題名のもとになったのであろう)主人公が眼を閉じたフランソワーズ・ドルレアックの足をさするシーンは静謐で美しく、それでいて危険な空気を孕んでいる。”柔らかい肌”に魅せられる主人公の姿が、恋に溺れて我を見失っている状態を巧みに表現していた。普段は知的な人間なのに、目つきがいっちゃってる(笑)。たとえ安穏な生活を送っていても、いつ心のバランスを崩してしまうようなきっかけが訪れるとも限らない。そして一度バランスを崩したら、一気に転がり落ちてしまうということも――。 恋愛もののはずなのに完全にサスペンス風の音楽が新鮮。ドルレアックもきれいで、出演作が少ないのを残念に思った。[ビデオ(字幕)] 7点(2005-07-03 02:34:11)
2. 山猫
高得点が並ぶ中あれなんですが…わかりませんでした。確かに映像は美しい。豪華絢爛で、恐ろしいまでに徹底的な美意識。でも、自分にはとても退屈で…しかも僕が見たのは180分以上ある初公開版を再現したもので、通常版よりもさらに長いもの。ファンの方が観ればとても楽しめたのでしょうが。そろそろ終わるかな、この場面でしめかな、と何度も思ったのにまったく終わる気配がない。あまりにも長いので「もしかして自分は次元のひずみに迷い込んでしまって、これから永遠にこの映画を観続けるのではないか?」と疑ったほどでした。軽く本気で。しかし終盤近くの公爵が涙を流す場面などは、とてもよかった。(失礼ですが)あんなおじさんの涙が、あれほど美しくなるものなんですね。個人的にはアラン・ドロンよりも公爵の存在感の方が強烈でした。二時間くらいに編集したバージョンなら、もっと点数は高くしたでしょう。3点(2005-02-06 01:34:29)
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