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1. 夕凪の街 桜の国
映画としての完成度は低いけれど、素材が文句なしによい。麻生久美子のセリフ「私らは、一度死んでしまえばいいと思われたのにも関わらず、生き残っている。それでええんやろか。」っが心に突き刺さった。「戦争は悲惨だとか、ひどいからやめよう」という言い方では、戦争の是非(=大義名分の正当性)をめぐっての論争になってしまう。この映画は、いままで人間たちが戦争についてあーだこーだ言ってきた言葉のなかに、決定的に欠けていたこと=戦う相手から僕らは死んでしまってもいいものと思われているという点を気づかせてくれたことで、一見の価値があると思われるが、端的にいってしまえば、原作の漫画を読めばそれで十分という気がするのも事実。[映画館(邦画)] 6点(2008-05-06 08:58:30)(良:1票)
2. ゆれる
《ネタバレ》 本当の事実は、タケルがカメラの望遠レンズでしっかりと見ていた。そのことを示唆するシーンで、僕は兜を脱ぎます。それと音楽がいい。 ミノルの恐ろしさは、人当たりのいい人格者という側面が徹頭徹尾仮面であったことにある。人から受け入れられたり、評価されたりする部分が全てウソで塗り固められた表層であることを知ったタケルは、耐えられなかったのだと思う。弟が兄を断罪したのは、チエコを殺害したかどうかの罪ではなく、兄の表層を形成するのが、「ウソ」であったことの罪であった。自分の思いを正直に出す性格のタケルにとって、正直さと純粋さは同義語だった。そのため、タケルからみてミノルの「優しさ」が作り物、純粋さのカケラもないものだと感じられたのだろう。純粋さと作為的な「ウソ」と、どちらが人間らしいのかについては様々な意見がありうると思う。とても難しい問題だ。「人間らしさ」なんかにこだわらなければ、そんなこと別にどうでもいいのだが。[映画館(字幕)] 9点(2006-10-01 19:02:33)(良:2票)
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