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1. ユア・マイ・サンシャイン
《ネタバレ》 韓国のサイトで見たため、字幕無し。
『スキャンダル』では、凛とした気品のあるたたずまいを見せていたチョン・ドヨンは、この映画での役どころは田舎のタバンのアガシで、最初は実に安い女に見える。日本語だと、喫茶店のウェイトレス、といいたいところなのだが、実際やっていることは、コールガールである。店は真昼間から営業していて、ふつうに喫茶店として利用する客もいるし、ホテルなどから電話で注文があると、コーヒーを持ってスクーターで配達(ほんとの商品はコーヒーではなくウェイトレス自身)、という調子で、妙にあっけらかんとしている。
いわゆる風俗嬢であるチョン・ドヨンに、ファン・ジョンミン演じる、農家の次男坊で、母親と暮らしている36歳のさえない独身男が岡惚れし、彼女のすべてを受入れ、まったく揺るぐことのない愛を捧げるという、純愛物語なのである。こう書くと、実にアホらしいし、実際純愛などというものは、他人から見ればアホとしかいいようのない世界なのだが、この映画は、そのような純愛を描いて、まったく飽きさせることなく、物語にきっちりとひきこんでくれる。
ファン・ジョンミンも、存在感のあるいい演技だが、チョン・ドヨンがとにかくすばらしい。にこやかでいながら、内に猜疑心を秘めたはすっぱな表情、愛に酔う幸せいっぱいの表情、そしてラストの出所してくるシーンの透明な美しさに満ちた笑顔など、彼女の顔を見ているだけで飽きない。
刑務所の内と外に引き裂かれて、面会所で泣き叫ぶシーンよりも、新婚ほやほやの幸せの中で、永遠の愛を誓い合う、見てるほうが恥ずかしいようなべたべたのシーンのほうが哀切に感じるのだから不思議なものである。
ちなみに、彼女が犯した罪は「エイズ予防法」違反で、HIV 保菌者であることを知りながら(実際は知らないのだが)、売春を続け、無防備なセックスをしたというもの。このカップルは、実在のモデルがいるのだそうだ。エイズへの偏見や差別も淡々と描かれている。
しかし、刑務所の中で、彼女が顔や腕の湿疹に気づいて発病の恐怖におびえる、というシーンがあるのだが、その次のシーンではすっかり元気そうになっているのは、いったいどうなっているんだろうか。男性にいたっては、自分が感染することへの恐怖はまったく描かれず、大事な彼女が死ぬ心配ばかりしている。さすがにこれは、ちょっと現実的じゃないような気もしたが。[インターネット(字幕)] 7点(2007-07-27 17:34:30)(良:1票) 《改行有》
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