|
プロフィール |
コメント数 |
914 |
性別 |
|
自己紹介 |
ハリウッドのブロックバスター映画からヨーロッパのアート映画まで何でも見ています。 「完璧な映画は存在しない」と考えているので、10点はまずないと思いますが、思い入れの強い映画ほど10点付けるかも。 映画の完成度より自分の嗜好で高得点を付けるタイプです。 目指せ1000本! |
|
1. ユナイテッド93
《ネタバレ》 最後まで動悸が収まらない。勿論、本作は娯楽映画ではない。膨大な資料と電話のやり取りからどこまで911に迫れるか。いつもと変わらない日常から地獄絵図に変わる光景を、一機の旅客機を中心に一気に見せるグリーングラスの演出力に引き込まれる。テロリスト及び乗客乗員が全員死亡した以上、どこまでが真実か分からない。陰謀論を唱える人もいるだろう。ただ、双方の"神に祈る"行為が、「こうあって欲しい」という理想のすれ違いにおける悲劇であることがことさら強調されているように思えた。911後、現代の宗教戦争の様相になっていくが、あくまで"その日"の事態だけを描き、思想・感傷をできるだけ排したフラットで真摯な姿勢が伝わる。[映画館(字幕)] 9点(2018-10-22 20:01:58)(良:1票)
2. EUREKA ユリイカ
《ネタバレ》 偶然とはいえ、製作年に発生した北九州のバスジャック事件を思い起こさせる。そして事件に心に傷を追い、殺人者と化した少年が実在の事件とオーバーラップした。モノクロフィルムをカラーで現像したセピア色の世界が、あやふやに彷徨う当事者の心象風景として映えてくる。同じく重い過去を持つ兄妹の従兄をバスから追い出す運転手の心境は常人には理解できない。どんな人間にも犯罪に手を染めるのには理由や背景がある、と言いたいのだろう。ともすれば、タイトル、映像、演出、全てにおいて娯楽とは対極の本作もまた、観客とは隔絶された世界に向かってしまうわけで。壁ノックが象徴するように、コミュニケーションの不通が本作のテーマだとしたら、寛容か拒絶の二極でしかない現代社会において、それ以外の道を探るこそが【ユリイカ】=【発見】そのものかもしれない。[DVD(邦画)] 5点(2016-10-05 00:27:55)
|