みんなのシネマレビュー |
|
【製作年 : 1990年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. U・ボート ディレクターズ・カット版 《ネタバレ》 第二次世界大戦中のドイツ軍の潜水艦の中が舞台。時間のほとんどが潜水艦の中の映像で占められていて、息苦しさが伝わってきます。空軍のような派手さはなく、陸軍のような泥臭さもなく、深海に身を潜め、水圧におののきつつ耐える時間がジリジリと続き、ひとたび爆雷を受けると、逃げ場がないだけに、狭く細長い潜水艦の中を隊員とカメラが右往左往という迫真の臨場感です。しかし、潜水艦で水が入ってきたらアウトかと思うのですが、何度水が入ってきても、いずれは止まり、何事もなかったかのように潜行を続ける様に、「ええぃ、ドイツのUボートは化け物か?」と思ってしまいました。艦長のウスラ笑いがいいです。[DVD(字幕)] 8点(2023-11-22 17:51:36) 2. ユメノ銀河 《ネタバレ》 原作となる夢野久作の「少女地獄」「殺人リレー」は未読です。こだわって創り上げた、淡くて繊細な白黒映像。色の飛んだ昔の写真のようで郷愁を誘います。漢字とカタカナからなる洗練されたキャプションは、夢野久作の独特の表現世界に通じているように思います。主人公のうら若き女車掌(バスガール)が、事故を装い女車掌を殺す連続殺人鬼と噂される運転手と仕事でペアを組むことになり、自分が殺されるかも知れないという妄想を膨らませながらも、恋に落ちるというような話です。妄想と現実が入り交じった不思議な感じがいいです。文学的、審美的ではあるのですが、エンターテインメント要素はないので、深夜に鑑賞していると、寝落ちしますね(笑)20年近く前の作品なので、浅野忠信も若く、少年ぽさを残していて、オッサンくさくないです。主人公の小嶺麗奈や、友人京野ことみがまだまだ少女然としているのに対して、同僚役の真野きりなが、飄々としつつも女っぽくて、いい味を出していたと思います。[DVD(字幕)] 7点(2023-03-26 15:34:05) 3. ユージュアル・サスペクツ 《ネタバレ》 停留する船舶で起きた爆発炎上事件について、生き残りの男の回想を追って、最後に真相が明らかになるという話。それ演技だろ?と一度は疑ってしまっていたので、途中ミスリードにつられはしたものの、結末については、あまり大きな驚きはありませんでした。でも、後から各シーンを振り返り思い起こしてみると、じわじわ来ますね。[DVD(字幕)] 5点(2023-04-09 13:09:36) 4. UFO少年アブドラジャン 《ネタバレ》 人間の少年の姿をした宇宙人がやってきたことによって、コルホーズ(集団農場)に巻き起こる騒動を、牧歌的コメディタッチで描いています。作品内のナレーションで、本作品はスピルバーグの「E.T.」に対する返歌であるようなことが語られれています。舞台がウズベキスタンのコルホーズであるということは貴重だと思いますが、それ以外は、取り立てて新味を感じません。牧歌的なわかりやすい笑いなので、ちょっとあざとさを感じてしまう部分もあります。現代に深く切り込むような目的をさらさら持たないスタンスは良いとして、さりとてハリウッド作品ほどの一般娯楽性があるわけでもなく、製作原資の出所や視聴ターゲット、興行状況等、要は誰が何のために作ったのかという情報も不足していて、ちょっとモヤモヤします。コルホーズ、ソフホーズは、中学の歴史教科書内ではゴシック体になっていて、テストに出るので言葉としては覚えた記憶があります。こうして農村の映像を見ると、暗記しただけで実体とのヒモ付けがなされていなかった言葉に、多少なりともイメージが肉付けされたような気がします。[DVD(字幕)] 4点(2024-03-22 18:09:27)
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS