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1. 容疑者Xの献身
《ネタバレ》 TVシリーズ→TV版X→小説版Xを経てのレビューです。
偽富樫を警察が富樫と誤断した背景・裏付けの描写が弱く、言いたいことは分かるけど、どうも釈然としない。
石神の緻密な計画には、いくつかの偶然があって、初めて成立したトリックという感が否めない。
偽富樫が扇屋に入ったときはフロントに「外出中」の張り紙がしてあり、顔を見ておらず富樫と偽富樫の区別がつかなかったとか・・・
とはいえ素直に見れば非常に良くできたストーリー。
堤真一、松雪泰子の演技が素晴らしかった。
ダンカンはちょっとイメージが違った。私の中では板尾創路に決定。
万が一に備え、ストーカーを演じ、自分だけ捕まる計画までしていた石神の気持ちがやりきれない。
石神がこの計画を成立させるためには、靖子に対してもストーカー的恐怖心を与えたまま、捕まれば良かった。
けど、石神は茶封筒の形で自分の気持・愛情と言う要素を組み込んでしまった、人生で最初で最後のラブレターのつもりだったのかもしれない、伝えられずにはいられなかったのだろう。
おそらくこの茶封筒が無ければ、たとえ湯川に真実を知らされようとも、靖子が自首することはなかったのではないだろうか。
結局、花岡親子の幸せな生活を想像しながら、刑務所で好きな数学と向き合って後世を過ごす、最悪だけど石神が望んでいた結末にはならなかった。
原作では、靖子の子供の自殺未遂まで描かれている。献身的愛の代償は、あまりにも悲しく切ない。[地上波(邦画)] 8点(2010-01-06 12:40:53)《改行有》
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