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1. 甦える大地
《ネタバレ》 この映画には、今までの裕次郎映画に、私が不満と感じていた情熱の源が描かれている。当人たちすら理解しなかった、水害被害民たちへの救済意識という志が描かれている。
すばらしい。
ただし、その後の住民たちの非農家への転身への批判は余計。言いたくなるのは分からんでもないが、彼らにも職業選択の自由はある。
「逆流」が言いたかったのかな?でも「土地による貧困から民を救う」のが、趣旨だったんじゃない?まっ、今までの「なし遂げたぁ!」で終わってしまった映画よりはちっとシニカルで、開発というものへの問題提起なのかも知れないな。
いずれにせよ、彼らはよく戦った。脈々と続く思いを成し遂げた、大いなる話に感動した。[DVD(邦画)] 7点(2013-04-15 06:14:27)《改行有》
2. 四つの恋の物語(1965)
《ネタバレ》 日活版『若草物語』となんか被る感じ。しかし、こちらの話にはお父さんがいる。娘が4人もいると、お父さんも大変だ。しかもこんなに開けっぴろげに目の前で「好きの嫌いの」ってやられちゃあ…。
ところで最近やっと、日活青春映画における和泉雅子の役割というようなものを、理解し始めた気がしている。このタイトルを見直して、四人目の娘の恋の物語が入っていないじゃん、などと思ってはいけないという事を。和泉雅子はそういう役割なのだ。そして、その四つ目は、なんとお父さんの話だった!
これは、驚き!
[ビデオ(邦画)] 6点(2013-03-01 18:15:44)《改行有》
3. 歓びを歌にのせて
《ネタバレ》 リリコおすすめの映画だというので観てみたが、ありがちな単館系の感動映画。それでも、ちょっと盛り上がりに欠ける感じ。
歌を歌うということに、"人の生き方"を絡めてくるようなタイプの、そういうコーラスを望んでいたわけではないだろうに、主人公は、そういう精神論から始めちゃう。映画もそうであろうとしているのか、物語はちょっとは彼らにも変化があるが、それほど劇的に変えたようには描かれない。
そんな彼らの、生き方としての歌を聴かせてくれると思った、最後のコンサートはクライマックスを期待させるが、タイトルの割にはそこでは実際の歌はなし。ここは歌でしょ!会場中の大ハーモニーってのはちょっと感動的ではあるが。…あ、原題には「歌」は入ってないのか。
しかし、最後にあそこで主人公が来れない展開は、悲しい。主人公は、自分の心因性の発作を知っていて、なお、コンクールに参加することを選んだのだろうが、そこの所の葛藤やら、決意やらがあまり見られないので、もう大丈夫なのかと思ってしった。でも、「あれ?やっぱりダメなの?」という感じで、ビックリさせられる。と同時に、「え?この人自身が変わる話じゃないの?」[DVD(字幕)] 5点(2012-09-02 11:23:45)《改行有》
4. 喜びも悲しみも幾歳月
《ネタバレ》 見合いをして、結婚して三日目に、すぐさま灯台守の仕事に就いた夫婦が、世の中の事情と厳しい自然環境に、揉まれ苦しめられながらも生きてゆく、灯台守の夫婦の一代記。
灯台の光を集中させるフレネルレンズの、ギラリとした質感が何故だかすごいと感じた。日本初のカラー映画を撮った人にしては、6年ぶりのカラー2作目なのは意外だったが、この複雑な光の屈折を見せるレンズの描写は、灯台の光がある意味、主人公を象徴している事を考えると、実に見事だ。
最後に、娘の結婚旅行の船に光と霧笛を送るシーンは、ジンと来る。
[DVD(邦画)] 6点(2012-08-04 04:53:30)《改行有》
5. 八日目の蝉
《ネタバレ》 この映画の幸せ感って、何かを「見る」ことのか。
希和子が薫に言った「綺麗なものいっぱい見ようね」が、幸せの一つの実現とすると、八日目に他の蝉が見られなかったものを見た、つまり成長した薫が”八日目”に見た「綺麗なもの」は、十数年間憎んでいた育ての母の、自分への愛情と、その思い出だったのだろう。
それが、最後に「まだ見てもいないこの子のことが~」となる結末は、巧い。
運命に翻弄されたこの少女が、母親の愛情を知った事を、希和子に教えてあげたくなった。「良かったな、お母さん」と。
[DVD(邦画)] 7点(2012-01-15 17:25:18)(良:2票) 《改行有》
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