|
プロフィール |
コメント数 |
112 |
性別 |
男性 |
自己紹介 |
10点---- 個人的ツボ。欠点なんて知ったこっちゃない映画。 9点---- 完成度高し。人にすすめたくなるような映画。 8点---- 良作。ちょっと気になる点も。 |
|
1. 善き人のためのソナタ
《ネタバレ》 '00代は個人的に、比較的良作が少ない感じだったが、この年代では五指に入る名作。作家も脚本家も音楽家も演出家も、その他、芸術表現を志す人全てに見て欲しい作品。
芸術家とは、偽りのない感情で表現し、人間の心を動かす人のことだと思う。媚びを売った芸術では、人の心は動かせない。僕はこの映画から、そのようなメッセージを受け取った。
主人公は中盤に、「東ドイツで本音を語れる唯一の場所」で、心を揺さぶる本当の芸術に触れてしまった。監視者は観客になっていく。感情を殺して生きてきた主人公は、その後のシーンで娼婦を抱くのだが、このシーンが切なくて実にいい。主人公は、愛というものをそれまで知らなかったのかもしれない。感情を押し殺してきて、そんな瞬間を知らなかったから、これまで非情に振舞えた。その後も、ベートヴェンやブレヒトが上手くきいている。エレべーターの子供のシーンもうまい。
バーで主人公が、女優に話しかけるシーンで、「あなたの舞台を見た」という。あなたのファンだと。彼が云う舞台とは、冒頭で見た舞台とは別のことだろう。
その後も、感情がすこしずつ顔を出すようになる過程が◎。よく練られた巧い脚本だと思った。ラストシーンも納得。芸術の為に身を投じた主人公に報いる為には、本当の芸術で恩返しするしかない。それ無しでは、あわせる顔もないだろう。
ただひとつ不満なのは、邦題。ソナタは象徴的に使われてはいるが、なぜ本国で題名にされなかったかを考えれば、これはないんじゃないかと。ソナタとは盗聴器で聞いたすべての出来事だと捉えても、誤解を招く表現だと思う。
最後に、芸術家を育て上げた芸術家、ヴィースラー役を演じたウルリッヒ・ミューエのご冥福をお祈り申し上げます。あなた無しでは、このような芸術は生まれなかった。[DVD(字幕)] 10点(2009-01-15 12:42:13)(良:1票) 《改行有》
0 | 0 | 0.00% |
|
1 | 1 | 0.89% |
|
2 | 1 | 0.89% |
|
3 | 3 | 2.68% |
|
4 | 4 | 3.57% |
|
5 | 12 | 10.71% |
|
6 | 11 | 9.82% |
|
7 | 22 | 19.64% |
|
8 | 30 | 26.79% |
|
9 | 16 | 14.29% |
|
10 | 12 | 10.71% |
|
|
|