みんなのシネマレビュー |
|
1. 8日で死んだ怪獣の12日の物語 劇場版 《ネタバレ》 現実と非現実、ドキュメンタリー感とファンタジー感とが良い具合に混ざり合い、ちょっと不思議な雰囲気に包まれた「令和版・ウルトラQ」とでも名付けたくなる映画でした。 ウルトラセブン世代が喜びそうな怪獣あるある、星人さんや宇宙留学等のギャグ、「こういう人、いるよなぁ~」的キャラの樋口監督、コロナ社会の象徴のようなオカモトなど、いろいろな要素を絶妙のバランスで調和させ、映画として成り立たせる岩井監督の手腕に驚かされました。 カプセル怪獣を軸とするストーリーを、動画やZOOMを使って表現しただけならただの退屈映画で終わっていたでしょうが、閑散とした都会の様子を映し出すドローン、ダンサーの幻想的な舞踏が加わり、イメージを決定づける音楽と、全体をモノクロに仕立てたことで、映画としてのクオリティが数段アップしたと思います。 テレビや新聞など「コロナで人々の生活や社会がこんなに大変になりました!」だけをクローズアップするマスコミに対し、「困ったよねー」と言いつつもZOOM会話を楽しんだり怪獣を育てたり、大変な状況でもそれなりに日常を楽しんでる人々を描いた本作の方が、よっぽどリアル感があるように思えました。 キアロスタミ監督「そして人生はつづく」の中で、大地震で家族も家も失った人がサッカーのW杯を見るためにアンテナを立てているシーンがありましたが、それと同様に「みんな大変だけど、四六時中うつむいているわけでもない」様子は、励まされたような気分になりました。 この映画、おそらく「全然おもしろくない」と感じる人も結構多いでしょうが、でも鑑賞の視点を少し変えれば、楽しめるポイントはたくさん発見できると思います。[CS・衛星(邦画)] 7点(2021-05-09 15:45:55)《改行有》 2. 夜は短し歩けよ乙女 とにかくアニメのクセが強い!(笑) なので最初は「これは苦手かも・・・」と思っていたら、意外にもすんなりと入ることができ、途中から目が離せなくなりました! 始まってしばらくは、まるで他人の夢の話を聞かされているような、ひとりよがりの自己満足臭が漂ってきそうな気配でしたが、それはただの食わず嫌いの偏見であることを思い知らされます。 こじらせ男子と恋愛モードが固い蕾のままの乙女の心象風景を描いた、まるで新感覚の「不思議の国のアリス」のようでした。そこに時間の濃さと早さの関係性が加わり、さらに、ハイテンションなテンポ感にも関わらず、根底に流れる恋愛観は意外と古風なままであるため、そろそろ人生の折り返し地点に差し掛かっている世代も楽しめそうなテイストに仕上がっていました。 時計の針が早回りしてそうな大人のための青春童話、電気ブランでも飲みながらまた観たいですね。[CS・衛星(邦画)] 9点(2018-11-26 18:39:32)《改行有》 3. 横道世之介 《ネタバレ》 描かれているのは80年代のシーンがほとんどですが、目の位置はあくまでも現代で、「いまを生きる人が、80年代だった時のことを思い出す」という設定です。でも「あの頃は良かったなぁ・・・」的な懐古趣味とは違い、いろいろな人の「そういや昔さぁ・・・」の共通項が横道世之介、つまり「世之介青春物語」ではなく、みんなが世之介のことを思い出す映画です。 多少ウザったいところのある世之介、お嬢様の祥子など、キャラの輪郭を少し誇張しているところはありますが、出てくる人はみんな「普通の人」で、起こる出来事も「ありがちな日常」です。 そこに、世之介の死を「えっ、ここで?」というタイミングで挟んできます。しかもあっさりと。その後も、これまでの延長線上のような感じで世之介の様子が自然に描かれるのですが、ここを境に、ひとつひとつの出来事が、ラストに向けてじわ~っと効いてくるんですよねー。祥子が友人の子供とハンバーグをパンにはさんで食べるシーン、祥子に届いた写真とカメラを手に入れた世之介・・・涙が出てきましたが、でもすごく幸福感がありました。加藤のセリフだったか、まさに「出会ったことで得した気分」になれるような作品でしたね。 この映画、監督や脚本等の力量やセンスはもちろん、役者の演技が光っていました! 特に吉高由里子の、病院で名前を呼び捨てで呼び合うシーン、タクシーの中での表情の演技は素晴らしかったです! 自分の笑いのツボにハマったのが、同じアパートの小暮さん。小窓から顔だけ出して「隣の人、死んでるかもしれないし」「やっぱ東京ではそういうことがよく・・・」「ないわよ。めったにないわよ!」のシーン、何度も見返して笑っちゃいました。 ただひとつ、ラストで、祥子に宛てた手紙を読む母親の声、あれはどうなんでしょう??? これまでの流れにそぐわない、違和感のある演出のように感じました・・・。ラストなんだし、あんな説明的な感じよりも、映像でもっと素敵に伝える方法があったと思うのですが・・・、 でも、全体のクオリティはかなりハイレベルで、満足できる一本であることに変わりありません。[CS・衛星(邦画)] 9点(2017-04-03 20:38:44)(良:1票) 《改行有》 4. 世にも怪奇な物語 三話を、別々のタイミングで見てしまったので、その時の気分で印象はかなり変わりますが、1話目はあまり好みではありませんでした。2話目が一番面白いと思いましたが、でもそれほど好きな話でもありません。3話目は、わけがわからないところも多かったにも関わらず、目が離せませんでした。ポーは好きですが、この映画はそれほどでも・・・って感じです。[CS・衛星(字幕)] 5点(2014-06-08 16:17:42) 5. 歓びを歌にのせて 音楽を中心に、関わる人々の人間模様を描くというパターンはよくありますが、肝心なのはその表現方法。聖歌隊がレベルアップしていく様子にまったく現実感がないため、話そのものに対する印象も、底の浅い内容に感じられ残念でした。[CS・衛星(字幕)] 4点(2013-12-11 16:03:47) 6. 妖星ゴラス 《ネタバレ》 何の前知識もなく見始め、最初はガメラのような子供向け映画か?と思ったら、当時としてはかなりの力作だったと思われるSF映画でした。確かに今見るとツッコミどころ満載で、特に若い宇宙飛行士たちの能天気な歌のシーンは大笑い。でも当時のスタッフの「いいもの作ろう」という気概のようなものを感じました。[CS・衛星(邦画)] 5点(2012-11-23 20:23:03) 7. 八日目の蝉 《ネタバレ》 見応えのある映画でした。最初の裁判シーンで「こんな女、母親が叫んだように死刑にでもすればいいのに」と思ったのに、途中から希和子と薫の2人がどんどん微笑ましく映り、逆に本当の母親が憎らしくさえ見えてきました。これってこわいことですよね。犯罪も、見せ方ひとつ・伝え方ひとつで裁判員の印象もガラッと変わってしまいそうです。2時間半近い長さを感じさせないのは、原作はもちろん、脚本の力だと思います。警察に捕まるシーンや最後の写真館などは泣けました。重苦しい話を、小豆島のスローな雰囲気が中和してくれて、映像ならではの表現力が充分に発揮された、いい作品だったと思います。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2012-04-30 01:36:49)(良:1票) 《改行有》 8. 蘇える金狼(1979) いま観ると、演出や設定等の古さばかりが目について、最後まで観るのが苦痛でした。松田優作の演技もアクションに頼っているだけで、お世辞にも上手とは言えません。風吹ジュンが若くてかわいかったところだけが好印象でした。[CS・衛星(邦画)] 4点(2012-04-20 16:57:47) 9. 夜のピクニック 観たのはつい最近なのに、もう、どんなストーリーだったか忘れてしまうほど、印象の薄い映画でした。同年代の子供が見れば、共感できるところも多かったのかな?[CS・衛星(邦画)] 4点(2011-07-11 01:14:36) 10. 容疑者Xの献身 《ネタバレ》 ひどい。ひど過ぎる!あんなに素晴らしい原作が台無しです。福山雅治は役に振り回されて演技になっていないし、最初の爆発シーンや後半の雪山シーンなどでなんとか映画らしく見せようとしたのでしょうが、まったくの無駄。ラストも、原作通りに石神の号泣で終わらせれば少しはマシになったかもしれないのに、最後に福山と柴咲を出してしまい、これではもう2時間ドラマ以下です。救いは堤真一の素晴らしい演技。これがなければ0点でした。[CS・衛星(邦画)] 2点(2011-07-04 22:59:01)
|
Copyright(C) 1997-2025 JTNEWS