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【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. ラスト、コーション 《ネタバレ》 傑作。女の心理がとても奥深くまでえぐるように描かれている。理想ばかりをかかげ、何も出来ない青い学生たちと、金と権力を持つ大人の男。前者はなかよしごっこにも見え、後者は孤高である。惹かれてはいけないと思いつつそちらに吸い寄せられていくのが、子宮でものを考える女の性である。観客にその心の動きを丁寧に見せることにより、観客の気持ちがチアチーに移入し、徐々にその人間性が明らかになるイーに惹かれ、イーがどうか殺されませんようにと願いすらする。(そもそも、一度は逃げ教師になったチアチーが、またスパイになった理由が、イーにもう一度「マイ夫人」として逢いたかったからではないかと思う。)しかし一度愛した女に処刑という決断を下せるのがイーという男の性である。心は深く傷ついたとしても、イーはこの先も何事もなかったかのように、職務を続けて行くのだろう。そして、歴史を知っている現在の我々は、彼が仕える政権が、もうまもなく崩壊することを知っている。イーにもイーの妻にも、決して幸福な未来は待っていない。鳩の卵のようなダイヤモンドの、何もかもを見透かしたようなギラリとした輝き。10点献上。[DVD(字幕)] 10点(2009-03-29 16:25:44)(良:2票) 2. ラブ・アクチュアリー 小狡い映画。恋愛の、誰もハッピーでいられる時間。起承転結の『起』だけを繋ぎ合わせて「いいでしょ、ね、愛って素敵」と言われても・・・ハァ? AVで知り合ったカップルがどうするのか。勢いで結婚しちゃった言葉の通じない夫婦がどうするのか。友人の妻を愛してしまった男が自分の気持ちにどう折り合いをつけていくのか。殆どのエピソードが「その後」を描かなければ面白くもなんともない(例外・往年のロックスター。あのエピソードだけは良い!)代物ばかり。恋愛の初期なんてねぇ、職場恋愛だろうが、校内恋愛だろうが、出会い系サイトだろうが、OーN○Tだろうが、誰もがハッピーなのよ~ そこからどう愛を続けていくか。お互いを思いやりつつ本音で会話すること。それが難かしい。そこを描いてこその恋愛映画でしょう。薄い内容を豪華キャストでカバーしたお粗末映画。エマ・トンプソンとリーアム・ニーソンの演技の上手さが台無し。2点(2004-11-12 09:57:57)(笑:1票) 3. ライフ・オブ・デビッド・ゲイル この映画の監督や作者が死刑廃止論者なのかどうか判らないが、『命をオモチャにしている』というような、安っぽい印象が拭えなかった。発案はとても面白いのだけれど、高尚な雰囲気にしてしまったのが イマイチ感の原因なのかもしれない。余命がいくばくもなく、自暴自棄になっている様子とか、妻子に逃げられて、トチ狂っている様子があって、もっと切実な、焦燥感みたいなものが描かれていれば、深い作品になったのではなかろうか。設定が、なんとなく『羊たちの沈黙』『デットマン・ウォーキング』『ユージュアル・サスペクツ』辺りの良い所を寄せ集めて来ました風なのも、安っぽさに一役買っている。5点(2004-07-31 10:52:57) 4. ラスト サムライ これはハリウッドの娯楽映画なのだな、と思った。武士道とか、サムライとか、どうだっていいのよ。ファンタジーと一緒。日本人以外がこれを見る感覚は、「ラスト・オブ・モヒカン」とか「ブレイブ・ハート」を我々が見るのと一緒。藤本ひとみの小説を読むのと一緒。大地真央の洋もの芝居を見るのと一緒。をわおゴージャス、神秘的、ちょっと変? まいっか、映画だし。 どうせそうなんだから、思いっきりブチ壊してくれた方がまだきっと楽しかった。どうせなら全員全部英語にして、敵を思いっきり無能でオバカに描いて、もっと日本人の閉鎖的なイメージをバシバシ出して、それでも村人と打ち解けちゃうナイスガイ、ネイサン@トムクルーズみたいなストーリーにすれば、もうちょっと米国でヒットしたのではなかろうか。変にコムズカシく描いているから、外国人にはいまひとつ理解しづらいだろうし、日本人から見ると、頑張っているけどそれでもやっぱりちょっとヘン。とても宙ぶらりんで、中途半端な映画。渡邉真田両氏の熱演が空回り。個人的に小雪さんは綺麗で良かったです。日本女性的美しさをアピールしていた彼女が一番エライかも。4点(2004-06-27 10:55:33) 5. ラマになった王様 好きです。ディズニーアニメって、キャラが可愛くて、動きがリズミカルで、色彩が派手なのが魅力なんだけど、説教臭さが嫌い。でもこの「ラマになった王様」は、オチがほほえましくて、悪にも愛すべき所があり、善にも憎らしい所がある点が二重丸! 一緒に観賞した息子も大受け。藤原竜也の吹き替えも上手かった。8点(2004-03-29 20:57:26)
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