|
1. 乱歩地獄
《ネタバレ》 キャストや予告編の雰囲気などからかなり期待して見たんだけど・・・。とりあえず、乱歩作品の中でも、いろんな意味で難易度の高い短編に挑んだ点は立派、と最初に言っておく。この果敢さを認めた上で敢えて言いたい、やっぱり映像化しちゃいけなかったんだなあ、と。
特に、『鏡地獄』と『芋虫』。個人的に、最も好きな乱歩短編だから、過剰に期待してしまったむきもある、とは思う。原作(のストーリー)を忠実に再現しないこと自体に異を唱えるのでもない。でも、『芋虫』のあのオチは、いくらなんでもそれはないだろう、というレベルの結末だった。そういう話じゃないだろが、などという野暮なことは、本来なら言いたくないのだが、ものには限度というものがある。それに、「怪人二十面相」や「小林少年」に登場されても、正直困る。
また、凝ったであろうカメラワークやアングル、挟み込まれるつなぎの映像なども効果的に働いたとは思えず。むしろ、奇をてらっている、というか、演出力の乏しさを表面(的な「奇」)でごまかしている、という印象だった。「とりあえず、乱歩だし」といった短絡的な発想で、「とりあえず(視覚的に)乱歩的なもの」をちりばめて、安直な映像化に終止した、と解釈してしまった。
ただ、最後の『蟲』は例外。原作の持つ猟奇的な怖さを、「おかしさ(=本来「怖さ」と紙一重である)」の方向へ展開させることで、ひねりのある映像化に成功した。絵的なセンスも感じられたし。『蟲』で主人公を演じた浅野忠信は、その辺の(おかしさと紙一重であるところの)恐怖、というものを、感覚の部分で理解していたように見えた。 したがって、4点はすべて『蟲』に献上。他のには1点もあげません。[DVD(邦画)] 4点(2006-09-26 13:03:18)(良:1票) 《改行有》
0 | 2 | 5.13% |
|
1 | 0 | 0.00% |
|
2 | 1 | 2.56% |
|
3 | 1 | 2.56% |
|
4 | 8 | 20.51% |
|
5 | 5 | 12.82% |
|
6 | 1 | 2.56% |
|
7 | 4 | 10.26% |
|
8 | 8 | 20.51% |
|
9 | 4 | 10.26% |
|
10 | 5 | 12.82% |
|
|
|