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1. ラストエンペラー
ますますみずから生まれ育った西洋世界への絶望を深めつつも、それがオリエンタリズムを引き起こしてしまう哀しさ。そんな印象を抱きました。一見壮大な歴史絵巻のようですが、じつは監督の心象風景なのかもしれません。作品の是非はともかく、そうした試みが許される映画監督という仕事に羨望を覚えます。7点(2004-03-01 21:11:32)
2. Love Letter(1995)
「時熟」という言葉がありますが、記憶も時間が経つにつれ、不純物が濾過され、発酵し、甘美なものに変わっていくことがあります。ことに若い日の恋の思い出は。まさに少女マンガ系ですけど。
この映画の回想シーンはさほど樹(♂)のことを気にかけていなかった樹(♀)によるものですが、まるで博子が夢見ているような美しさを湛えています。あるいは昔のことを回想する際には、この時熟効果というか美化効果が自動的に発動しているのかもしれません。ともかく、あなたにもそんなノスタルジックな思い出のひとつくらいあるでしょ。REMEDIOSの音楽が映像とじつにぴったりと合っています。酒井美紀がいい。メール時代の今では失われた手紙の時間感覚・距離感が心地よい。冬が来れば観たくなる逸品。(とはいえ、わたしは恋人の過去をあそこまで知りたいとは全然思わないのですけど。)9点(2004-01-20 21:45:47)《改行有》
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