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1. リディック
この映画が十年前に作られていたら、もっと注目を集めていたかもしれない。
SF映画は、すでにいろんなパターンが作られていて、この映画のような古典的な宇宙ものは、とっくに乗り越えられてしまっている。
ただ映画は、スターウォーズ(1977)からブレードランナー(1982)へと、SFの歴史を五十年ほどすっとばしてしまったので、宇宙の物語としての面白さを十分表現することなく、ここまできてしまった。
広大な宇宙、星々への旅、破天荒な異世界、そういった世界を舞台にした荒唐無稽な冒険物語、われわれが最初にSFにハマるきっかけは、そのあたりの魅力に惹かれてであるが、それをマトモに映画化した作品は意外に少なくて、スターウォーズかスタートレックぐらいしかなかった。
この映画に昔の正統派SFの趣を感じるのは、その魅力を下敷きにした上で物語が展開しているからである。スターウォーズやスタートレックが明るいスペースオペラなら、リディックは暗いスペースオペラ。こっちの方がヘヴィーでよろしい。画面もかなり強烈。
物語の目新しさからいえば、とくにこれといったものがあるわけではなく、きわめてオーソドックスな、SFらしいSF映画。しかし、それこそがこの映画の魅力的な点である。
原題にリディック年代記とあるから、これから先の展開が楽しみ。
欲をいえば、もう少し異性物らしいキャラクターがほしいなあ。まともな人間が多すぎ。[映画館(字幕)] 5点(2017-12-02 18:11:55)《改行有》
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