みんなのシネマレビュー |
|
【製作年 : 1970年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. リア王 《ネタバレ》 世界の終わり、ってのが実感できた。善玉でも生き残ってるのもいるし、人民は焼け跡から立ち直ろうとしてたりするんだけど、でももう「世界の終わり」は覆らない、っていう荒涼感が支配している。これが古典悲劇の大きさなんだろう。中世的荒野、石が屹立してたりするとこに、木の匂いもするのがロシア的。木の柵や木の車があって英国より土臭い気配が漂っている。嵐のシーン、天からの視点で捉えるって意図、分からなくもないが、もうリアは十分惨めなわけだし、あそこぐらい晴れ舞台にしてやりたいのが人情。天から見下ろさず、最後の運命への抵抗を(抵抗っていうより愚痴かもしれないけど)、互角にさせてやりたかった。シェイクスピアって悪党の使い方はうまいけど、冒頭のほうでリアが愚かに見えちゃうとこが、この話の難しいところだな。けっきょくあの三人娘と親父はみんな同じ日に死んでしまうわけか。[映画館(字幕)] 6点(2010-07-15 12:17:14)
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS