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プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


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1.  ルイスと未来泥棒 夢にあふれた未来世界も「前を向いて進め」というメッセージも実にディズニーらしくていいし、何よりもこのような優等生的な物言いを嫌味なくこなしてしまうのはさすがディズニー。でもこれが子供向けなのかというとちょいと怪しい。例えば山高帽の男のアホさには何度となく笑わされたのだが、あきらかに大人に向けて笑いを誘っている。未来世界のドンチャン騒ぎ自体は子供向けユーモアに見えるが、ストーリーとの絡み具合がわかりにくい。全体のストーリーも大人だから単純にすら見えるがうちの子(小学二年生)はおそらく山高帽の男の正体を理解していない。主人公は自分を捨てた本当の母の顔を見たがった。しかし見なかった。過去を振り返らずに前を向いて進み続ける。この言葉自体は素敵だが、ルイスが過去を知りたがる気持ちは子供でも理解できるわけで、その純粋な欲求に屈しないことを良しとする展開を子供は受け入れられるのだろうか。これは子供向けではなく子供に見せても大丈夫だと思ってもらえる大人に向けた作品のような気がする。まあ戦略としてはじゅうぶんアリだろうが。[DVD(字幕)] 5点(2009-06-23 14:43:47)

2.  ルパン三世 カリオストロの城 大人になって見直したことはないのだが、見る度に心底楽しんだことは間違いなく覚えている。もしモンキー・パンチの漫画しか知らずにこれを見たら戸惑いもしただろうが、宮崎ルパンはテレビで何度も見ているのでじゅうぶん受け入れられる。そもそもテレビアニメの後期ルパン(赤いジャケットのやつ)よりも初期の宮崎ルパンが好きだったし。というか後期のはパッチリ目の峰不二子がイヤだった。ただ、この作品のルパンは同じ宮崎ルパンであってもテレビ版よりも遥かに優しくて大人。だらしなさやスケベな面にこそキャラクターの面白さが現れていたテレビ版とは打って変わる。そこに「ルパン三世」としては物足りないものを感じるわけだが、言い換えればすでに培われたキャラクターに頼ることなく面白いものを作り上げたともいえる。実際この映画の面白さはルパンや次元や五右ヱ門のキャラにあるのではなくアクションシーンにある(クラリスは例外)。このアクションの一つ一つが心底楽しいのだ。ラストの銭形のセリフには感動しないどころか気持ち悪いとさえ思ったのだが、それはやっぱりテレビ版との違和感がそう思わせたのだろう。それでもあえてそうすることで1本の完結した映画として昇華させているのだと思う。[ビデオ(字幕)] 7点(2008-11-04 17:25:15)

3.  ルナシー 《ネタバレ》 精神病院を舞台にした管理する者と管理される者の、抑圧と自由のせめぎ合い、という簡単なお話ではない。『まぼろしの市街戦』は正常と異常があって主人公は二者択一に迫られる。『カッコーの巣の上で』は抑圧と自由があって主人公は戦う。この『ルナシー』は結果的には病院を仕切る二つの方法が描かれるがそれだけで終わらない。二つの方法とは「完全な自由」と「徹底した監視と体罰」。冒頭に監督自身が言ったもう一つのやり方が描かれない。でも実は描かれていた。以前シュヴァンクマイエルについて書かれた物を読んだことがあるのですが、そこでたしか「完全なる管理」について語ったものがありましたがそれが描かれていました。この作品はストーリーは実写で描かれ、その合間にいつものシュヴァンクマイエルらしいグロテスクな舌や肉がストーリーの進行とは関係なく映される。でもストーリーには繋がらなくてもこの舌や肉は確実に話をなぞっている事に気づきます。ラストカットはラップで包装された肉。透明なラップ。管理されていることに気づかない管理。冒頭で監督がもう一つのやり方について言う。「それが使われているのが我々の住む狂った世界」。  哲学的ホラーとはよく言ったもので、ここで書ききれるほどの浅い作品ではありません。侯爵のあきらかなモデルとなっているサド侯爵について知りたくなりました。知ることによってこの作品のもっと深いところに行き着きたい。そんな欲望を奮い起こさせる刺激的な作品です。[映画館(字幕)] 8点(2007-04-02 17:39:22)(良:1票)

4.  ルシアンの青春 《ネタバレ》 人として成熟していないある時期というのは、深い考えなしで平気で生き物を傷つけたりするものである。そしてその一方で権力というものに人一倍憧れるものであると思う。家では親、学校では先生という権力の下に常に身を置いているわけだから当然だと思う。そんな時期に、レジスタンスもゲシュタポもよく知らない状態で、暗黒の時代に翻弄されるがままに落ちていったルシアンを誰が責めることが出来ようか。少年ルシアンの青春はとてつもなく哀しい。ナチズムだとかファシズムだとかというのは、誰もが経験するある意味残酷性を持った少年期の思想そのものかもしれない。そんなことを思った映画であると同時に『さよなら子供たち』以上のルイ・マル監督の懺悔を感じた。[CS・衛星(字幕)] 7点(2006-02-24 15:33:18)

5.  ルナ・パパ 内容を掻い摘んで話すとすんごい悲劇的なお話なんですけど、これがなんとも愉快な映画になってる。そして「映画」の持つ様々な要素を多分に含んでいる。戦争の後遺症で精神に障害をもつ兄の存在や父親が誰かもわからない子を身ごもったために村八分にされるという閉鎖的社会の描写などに代表される社会風刺、主人公のキャラを活かした笑い、家族の絆を描いたテーマ性、まだ生まれぬ子のナレーションで始まりまた終わらせたことで一貫して母の物語としたメッセージ性、村や村の人々を細やかに描いたリアリズム、ラストがびっくりの幻想的な展開と娯楽性..。よくまあ、うまく仕上げたもんだ。主人公の優雅なダンスとこれまでに見たこともないほど幻想的で美しい性交シーンが印象に残ります。ラストは封建的な社会からの亡命を意味するのでしょうか。社会のための社会から個のための社会への。7点(2005-01-28 14:02:26)(良:2票)

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