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1. ルームメイト(1992)
《ネタバレ》 前半は退屈したが、後半ヘディの孤独がポイントになってきてから乗れた。愛ゆえの攻撃。双子の片割れを失っているという喪失感と言う神話を背負っている。アリーもかなり自分勝手な女なわけで、でも今の都会生活ではある程度の割りきりが必要、同僚に手柄を横取りされないよう気を張っていなければならない。一方ヘディは粘着的田舎から双子の記憶を引きずって、そういう都会にやってきたわけ。初対面のときアリーが泣いてたのが、同じような人だ、という好意のもとになったのね。スリラーとしての味わいは、同じ衣装を見つけるあたりからか。クリックひとつで衣装のデザインが変わっていくソフトのイメージと連絡。殺人てことになってくると線を越えちゃってちょっとつまんなくなっちゃうんだけど、でも一緒に逃げようとするあたりがあるのでいいか。「あなたこそ孤独を怖がってたくせに」。おとなしそうだったものが荒れ狂うのがスリラーの基本。アリーが今度は双子の片割れを失った感覚を持って生きていくことになるのか。半分ずつ顔を合わせた合成写真でのエンディング。ボリュームを上げて助けを求めるアイデア。[映画館(字幕)] 6点(2011-12-23 10:41:14)
2. ルビー・カイロ
さしてストーリー上それほどの必然性もないのに世界各地を回るって、なんか初期のころの007を思い出し懐かしい。と音楽もジョン・バリーだ。そしてエキゾチックな世界での展開とね。集金旅行ってところがイマふうなのか、ツヤがないな。この妻の夫への愛が、旅の中であんまり感じられないんだ。夫の未知の部分を知りたいってのが「従」になって、暗号ごっこが「主」になってしまった。この手のストーリーは、夫をとっかえっこしたいっていう妻の夢を合理的に達成させてくれるシステムなのかな。外国を飛び回るあたりも、最初のうちは気後れしててだんだん慣れてくる、って変化みたいなものでもあればいいんだけれど、海外レポートが並んでるだけみたいで。[映画館(字幕)] 5点(2011-12-21 10:21:37)
3. 流転の海
森繁が若いときだったら似合いの配役だったんだろうけど、遅すぎました。本人がやりたがったらしいが、もう脂っけが抜けちゃってて、この役無理。これ、第一部ってことで、登場人物羅列の紹介篇で、これがあとでこう絡んでくのかな、と伏線を勝手に想像する楽しみはありましたが、でも映画の楽しみの本道ではないわな。けっきょく続きは作られずじまい。共産主義の人っていつも机の上に「資本論」を置いておくものなのでしょうか。焼け跡にはいつも「リンゴの歌」しか流れてなかったのでしょうか。なんか、これならこう、という安直な記号みたいな場面が多くて。[映画館(邦画)] 5点(2008-04-25 12:12:47)
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