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1. レザボア・ドッグス
《ネタバレ》 初めて観たときは相当感動したものだけれど、観返すとそんなには――という感じだった。洒落た会話というのがそんなにピンとこなくて、とくにオレンジの回想パートなんか、なにが面白いのか全然わからない。冒頭や、コードネームを決めるときに大の男が「ピンクは嫌だ!」と本気で騒ぐところは面白かったけれど。逆に、大男同士でじゃれあう場面は今観て初めて良さがわかった気がする。ブルー登場以降の息詰まる展開はやはり圧巻。
公開からそれなりの年月が経った今でもタランティーノの個性は際立っていて、ろくなエピゴーネンすら生まれていない(生まれようがない?)。強い感銘は受けなかったけれど、タラの才能の得難さをつくづく再認識した。
ていうかあの目立たないおじさん、犯罪小説家(で、元常習犯罪者)のエドワード・バンカーだったのか。代表作の『ドック・イート・ドック』に似た感触のお話だなとは思っていたが、やっぱり影響は強かったんだなーと納得した。[DVD(字幕)] 8点(2008-08-16 02:34:33)《改行有》
2. レオン/完全版
《ネタバレ》 荒んだ生活によって無理やり大人になることを強いられた少女と、悲劇ゆえに心の奥に無垢な部分を隠し持ったまま大人になった男。少女は男の強さに憧れ、男は少女の温かさに憧れる。マチルダがレオンに読み書きを教える場面で思ったんですが、レオンとマチルダの関係は『ターミネーター2』のシュワルツネッガーとエドワード・ファーロングの関係に似ていますよね。お互いに欠けたものを補完しあう以上に強い絆はない。親友であり、親子であり、恋人である。殺し屋が少女を守っているようでいて、少女もまた殺し屋を救っている。
冷静に観るとむちゃくちゃだけど、よくできた物語だと思う。序盤でレオンはドアを開いてマチルダを明るい場所に救い出す。しかし最期、自分自身は光の差し込むドアにたどり着けないまま、暗闇の中に倒れてしまう。マチルダとの平和な生活に戻るには、レオンはあまりにも人を殺めすぎてしまっていたのでしょう。結局は暴力を持ってしか愛する人を救うことはできない、というレオンの宿命が切なかった。
ただ、マチルダがあからさまにセックスに誘う場面にはさすがに嫌悪感を覚えた。まあ小さい女の子が「将来はお父さんと結婚する」と言うようなもんかな、と好意的に解釈したいけど。あと他の方も言及なさっていたけど、あの観葉植物、枯れるよね。不用意に植え替えたらいかんと思う。通常版のほうが好きです。[DVD(字幕)] 8点(2006-03-31 16:54:55)《改行有》
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