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1.  レッド・ドラゴン(2002) レンタルで見たけど、3本中もっともオーソドックスで地味な印象。不満としては、クライマックスに行くにつれて、普通のサイコサスペンスになったきらいはあるかなというのが残念。もっと、エドワードノートンとレクター、そして犯人の知恵比べみたいな部分が欲しかった。盲目の女性が圧巻だった。犯人が、なんか食われてたな。なんだかんだで、一応水準点クリアってとこかな?まzまずでした。7点(2004-05-16 15:37:10)(良:1票)

2.  恋愛適齢期 ジャック・ニコルソンとダイアン・キートンでもってる映画。30、40年代に山ほど作られたスクリューボールコメディ(奇人変人喜劇)を骨子にしてるんだなと思ったが、残念ながら、舌ったらづなくせに、今風の主義主張(フェミニズムとか)を、前に出しすぎて頭でっかちで、理屈っぽい。こういう映画は、粋にクスクス、ゲラゲラ笑わせてくれればよろしい。イデオロギーはいらんのよ。うるさい。演出が、舌足らずなせいで、コメディで2時間強は長い。ハワード・ホークス、エルンスト・ルビッチあたりなら、長くても1時間40分くらいにピタリと収めてるだろう。また、こういう映画は結末はわかってるんだから、「ああ、そう来るか」とニンマリ、ホンワカさせてくれないと。引っ張ったわりにゃ、落ちが弱い。ジャック・ニコルソンがやった役は、昔ならケーリー・グラントがやった役。それをジャック・ニコルソンがやるってのはミスキャストはミスキャストだが、この映画や「恋愛小説家」では成功してる。何ともチャーミングで、彼が段々ゴールデン・リトリバーのように愛らしく見えてくる。ダイアン・キートンは綺麗です!この2人の演技のアンサンブルを見てりゃいいような映画。お二人さん、いやはや大変な貫禄で、キアヌ・リーブスが影薄かった。まだまだ、貫禄不足です。監督も、2人の貫禄に食われてるなあ。ニコルソンとダイアンが2人で作ったといってもいい映画だ。コメディとしては、ギリギリ及第点ってところ。佳作です。7点(2004-04-16 22:08:51)

3.  レイジング・ブル 作品によって、痩せたり太ったりするデニーロの良さが、最良の形で出ている傑作。栄光の絶頂にいる時の主人公は、とにかく嫌な奴。というより、ほとんど性格破綻者といっていいくらい付き合いたくない奴だ。嫉妬心と猜疑心に凝り固まった、そしてそれがリングで闘う時の何よりのガソリンで、見ているうちに魅力的にすら見えてくる人間の不思議。嫌な奴なのに憎みきれない「何か」を秘めた男。後半、見る影もなく肥ってしまって、ドンドン人の良いオッサンになっていく。終いにゃ場末のクラブで芸人になっていく。落ちるところまで落ちたこの男が嫌がる弟に懐かしがって抱きつくところに惨めと背中合わせの安堵感を見てる側にもたらしてくれる。惨めな生活だけど、人間としては、こいつにはこれが幸せなのかもしれない。実際、主人公は、どこか満ち足りた穏やかな顔をしている。だから、この映画は本当はハッピーエンドなのかもしれない。「神様は、こういう形で幸福を与えることがあるんだよ」と最後に出てくる聖書の一節が言ってるように思う。 カメラが素晴らしい。10点(2004-01-16 01:27:00)(良:1票)

4.  恋愛小説家 30,40年代のハリウッドで無数に作られた「スクリューボールコメディ(変人喜劇)」を現代にといったところか。エキセントリックな男と女が反発しながらも惹かれあい最後はめでたく結ばれる喜劇だが、すべてそのお決まりをやっている。ゲイの画家が出てくるのも、「今風でしょ?」と言う意図が見え見え。またコメディとして致命的なのは長すぎること。2時間15分は長い。この手の映画の名手、ハワードホークスなら1時間40分くらいで、きれいに納めるだろう。無駄な話があるからではないか?それでも、まずまず見られるのはジャックニコルソンに尽きる。やり過ぎ演技の彼がこの映画では実にチャーミング。まずまずといったところですな。7点(2003-12-19 00:19:58)

5.  レニー・ブルース モノクロの画面。レニーの関係者へのインタビューという擬似ドキュメンタリー形式で、間にエピソードを挟んだドラマ作りがいま見ても新鮮。レニーの妻を演じたのは「スーパーマン」で悪玉レックスルーサーの情婦ミスティッシュマーカーを演じた人だけど、この映画で、こんなに巧い人だったのかと驚いた。ただどこまでも堕ちていくスタンダップコメディアンの人生に、勝手なロマンチシズムを押し付けてるような気がしないでもない。それとキツイ言い方だが、レニーブルースは芸人としては平凡だったのかもしれない。芸人というものは、捕まっちゃいけない。捕まらないで権威や権力を、からかい、キリキリ舞いさせてこその芸人だと思う。だから、平凡な芸人が、たまたま「時代」と寝たために起きた悲劇かもしれない。でも、彼の漫談を聞いてると「言葉って何だろうな」と真面目に考えたくなる。力作にして秀作。8点(2003-11-17 13:28:33)(良:1票)

6.  レナードの朝 目覚めたデニーロが、何十年ぶりかで「ママ、ママ、ママ!」と言ってお母さんと抱き合うところ、同じ病気で固まってる女性患者が、クラシック音楽の旋律に、かすかに表情を動かして反応するtころは泣けます。デニーロが演技過剰なのが難。8点(2003-10-24 23:59:08)

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