みんなのシネマレビュー |
|
1. レオニー 《ネタバレ》 画はとっても綺麗だけれど、旅の絵はがきのようにただ豪勢で工夫は感じない。大好きなエミリー・モーティマーも実力発揮で素晴らしいんだけど、私が彼女の魅力と思っている部分は不足気味。肝心の物語も、レオニーの半生を丁寧に追ってはいたんだろうけれど、なにかパンチが足らない。これもそれもあれもそう悪くないのに、見終わってみて「はて、なんだったんだろう?」という思いが残った。あの時代にアメリカ人女性が日本で暮らすのは、並大抵ではない苦労があったろうに、この映画では優しい日本人だらけ。その中で「あんた変わってんだよ!」と真正面から言い放った女中のハル役、山野海さんがいい味を出していた。[DVD(字幕)] 6点(2011-10-02 01:23:46) 2. レスラー 70年代主演は健さん…という感じのベタな映画だけど、良くできている。枯れた日常や哀愁たっぷりの間をこれでもかと言わんばかりに叩きつけてくる。リングを選んだのではなく、リングしかなかった彼の痛々しい姿など、魅せ方が非常に上手だと思った。監督は色々とよく解っている、計算のできる人なんだろう。しかしそこが鼻について、どうも手放しで好きと言えない。[DVD(字幕)] 6点(2010-05-23 01:33:23) 3. レディ・チャタレー(2006) 《ネタバレ》 特に美人でないチャタレー夫人と断じて色男とは言えない森番の登場に、ちょっと呆気に取られた。しかし、木立のざわめきと森の景色、その風景の中で肌を寄せる二人はなぜか純粋でとても綺麗だ。ラストなど、別れ行くはずの二人の表情は生きる活力で光っていた。ただ「生きる」ことに「心」が加わって「性」になるという、これを体現させたようなドラマであり、何かに押さえつけられて頑なだった二人が、自己を解放していくドラマでもあった。清々しい空気さえ感じる良作。[DVD(字幕)] 9点(2009-05-25 22:41:31) 4. レディ・イン・ザ・ウォーター 《ネタバレ》 シャマランの映画はやっぱりヘタクソだ。でも今回は、あっと驚くどんでんを使わず強いメッセージを送ってきている。この世を救う予言を持った妖精を、「秩序や掟を守らず攻撃を仕掛ける野獣」から守る物語。どこか世間からずれた人たちが集まるアパート。アフリカンアメリカンの透視少年、南米系、インド系、コリアンの巫女などの活躍。過去に大きな傷を負い淡々と暮らすジアマッティの再生と、ときおりTVに映るイラクの画。ファンタジーとごっちゃになって分かり難いところも多々あったけれど、自らが準主役にまで扮して、シャマランはこの世界の再生を願う気持を伝えてきた。その姿勢を評価したい。批評家をザクザクぶった切ったことも含めて。まあ、ただ単にジアマッティの涙にジーンと来ただけかもしれないけれど、それはそれで素晴らしかった。[映画館(字幕)] 8点(2006-10-03 01:38:05)(良:1票) 5. 恋愛適齢期 《ネタバレ》 最初は「何だ?!これだけ役者揃えておいて、つまらない恋愛ドタバタコメディじゃん!」と腹を立てつつ観ていました。ダイアン・キートンの魅力は見つけられないし。でも、二人で老眼鏡を賭けながら時計を見るシーンあたりで少しほほえましさを感じ、ユニークなニコルソンはやっぱり良いかも、と持ち直してきたのに…ワンワン泣きながら脚本を書くキートンを見て評価急落。なんて鬱陶しい女だ。恋は年齢に関係なく、焦燥感や孤独感を与えてくれるもの。だけど自分に酔って大泣きして、挙げ句の果てに男のことをネタに脚本書くのはルール違反ですよ。更に寄ってきた若い男に相手してもらって気を紛らわせてる。スマートなやり方じゃないな。ジャック・ニコルソンに可愛らしさを感じてしまったので、これでも点数はオマケの方です。しかし、キートン、ニコルソンと来てキアヌ・リーブス。若くてカッコイイ医者役ですが、のっぺり演技が際だって見えてしまいます。マトリックスのように派手な設定の方が、その辺目立たないんでしょうね。4点(2005-01-09 03:13:45) 6. 連弾 竹中流人間群像って感じだろうか。おかしいような悲しいような、が出したかったのかもしれないけれど、このシーソーはおかしい方に傾きっぱなし。子どもも大人も、うまく回らなくなった歯車を何とかしたいともがいているが、よくまとまらないまま映画は終わってしまった。まあ、あまりドロドロしているよりは良いかも。この映画の中で気に入ったのは、監督が作った短い歌。いくつか出てくる。一番好きなのは「きんちょーのうた」。自分で緊張しているときにたまに歌ってしまう。5点(2004-03-24 19:04:52) 7. レッド・バイオリン 《ネタバレ》 これ好きです。楽しめました。永い永い時間、音楽を愛でる人達の手を旅する通称「レッド・バイオリン」の歴史を、オムニバス形式で綴る映画です。何故あれほどまでにみんなこのバイオリンに取り憑かれたのか。ただの楽器のようで、「生き物」なのです。持つ人の器を試しながら、何百年も生き延びてきた血のバイオリンの背景には、ずっと怪しげな空気が流れていて少しどきどきしました。それぞれのエピソードの長さやテンポも良かった。オークションで、バイオリンの永年の運命が一堂に会するアイディアもよかった。でも、ラストは…サミュエルがあれだけの楽器を扱える人には全く見えなかった。最後でがっくり、減点です。7点(2004-02-24 19:08:15) 8. レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ 各シーンに沢山間をおいて、そこでトホホホ、という感じの笑いを誘う、実にカウリスマキらしいやり方。合わない方も多いと思いますが、私はなんだかんだ最後までトホホホ、と見てしまいました。あのトンガリ頭最高です。バスとかに乗ったら前の人突っついちゃうよね、あれ。触ってみたい。6点(2004-01-25 17:33:54)
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS