みんなのシネマレビュー |
|
【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. レディ・イン・ザ・ウォーター 《ネタバレ》 普通に評価したらまったくもってつまらない、そりゃラズベリーW受賞もするよって出来なんだけど、なぜか憎めない。シャマランはほんとうに変な人だ。 冒頭の虫(ネズミ?)と戦う図や、ボールペンをばらして空気を吸うためのストローにする流れ、コーンフレークのパッケージからメッセージを読み取る少年など、話の大枠ががたがたなのに、しょうもないディティールが絶妙な楽しさ。良くも悪くも、どこを切り取っても個性が感じられる。ジアマッティの拙い祈りの言葉や、鷲が舞い降りる瞬間を水面に映す演出なんかはとてもよかった。 妖精の名前が〝ストーリー〟とは……。メタファーと表現するのもためらわれるほど大胆不敵なネーミングだ。〝器〟の役割として監督自身が出演するのも明らかに含意がある。本を出してもなかなか認められず、最終的にはそのために死ぬはめになるが、一人の少年に影響を与え、やがては世界を変えることになる――シャマラン監督は大真面目にそんな気構えで映画を作っているんだろうか……そうなんだろーなー。 きっと彼は物語は「作る」というより「授かる」もので、自分が得たインスピレーションを観客に届けることを使命のように捉えているんじゃないだろうか。一笑に付しても許されるところだろうけれども、やっぱり嫌いにはなれない。 もっと設定を練って、冷静な目で脚本を組み直すことさえできれば、結構普通に良い作品になっていたかもしれない。[DVD(字幕)] 6点(2009-05-03 13:29:22)(良:1票) 《改行有》 2. Ray/レイ レイが愛人に平然と子供の中絶を要求した時点ですでに薄ら寒い思いがしていたのだが、直後に怒り出した愛人に刺激を受けて新曲を発想、「その怒りを忘れないで」とそのまま歌わせたのには心底ぞっとした。観客を怖がらせようとする演出ではなかったが、あきらかにまともな人間の発想ではない。胎児の命には何の執着もなく、傷ついて怒りを露にする愛人の気持ちを察するよりもまず、音楽をとる。あの修羅場で平気で鍵盤を叩き出す神経には空恐ろしいものを感じた。奥さんがレイを説得する場面は感動すべきところなのだろうが、このときも何気なく「家族よりも音楽を愛している」という真実が語られている。どの分野でも天才と呼ばれる人々は、才能と引き換えに大きな犠牲を払っている。普通の人にはないものを持ち、普通の人にはあるものが欠けている。空高く飛べる分、地上を歩くのは下手糞だ。トラウマを絡めてヒューマンドラマに仕立てようとしたのは却って蛇足だったかもしれない(回復の場面は陳腐だ)。"音楽の神様"が"神様"たるためにいかに"人間"を犠牲にしていたのかということを知った。[DVD(字幕)] 7点(2005-12-21 17:30:44)(良:1票) 3. 恋愛適齢期 ジャック・ニコルソンの演技に関しては文句なくよかった。ダイアン・キートンも非常に魅力的。高齢の彼女がもてもての脚本は女性にとって都合が良すぎるという声も多いけど、男性の自分から見てもとくに違和感を覚えなかった。年をとってもあれだけ可愛らしければもてるだろう。 ただ途中までは俳優の魅力でとても楽しく観られたのだが、二人がケンカするシーン以降は冷めてしまった。無理やりドラマチックな展開にしようとして、無駄に長くなってしまっている。 それに主要登場人物の感覚が、あまりにも幼稚。精神年齢が低いので情緒も中学生レベル、思春期レベルである。恋愛適齢期はまだ来ていないんじゃないか? キアヌが可哀そう過ぎるぞ。コメディとしては楽しめるが、ラブストーリーとしてはバカバカしい点が目立つ。[DVD(字幕)] 6点(2005-11-21 22:35:50) 4. レクイエム・フォー・ドリーム 麻薬で破滅していくストーリーの大きな流れ自体はほとんど陳腐なのに、映画は陳腐では片付けられない出来。孤独なサラのエピソードはとくに胸に迫って、忘れられそうにない。6点(2004-08-25 00:52:02)
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS