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プロフィール |
コメント数 |
73 |
性別 |
男性 |
自己紹介 |
映画をいっぱい観るようになったのは、大学生になってから。 映画を創作できること自体とてもすごいことだと思うので、 なるべく誠意のあるレビューを書こうと思っています。 好きな映画のレビューだけ書こうと思っていたのですが、 ちょっと個性が埋没してしまいそうなので、おいおい酷評も 入れちゃおう。
☆好きな監督☆
黒澤 明 山中貞雄 溝口健二 エルンスト・ルビッチ フランク・キャプラ ビリー・ワイルダー アルフレッド・ヒッチコック ミロス・フォアマン チャン・イーモウ |
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1. 我が道を往く
老いも若きも、男も女も、みんなの「GOING MY WAY」が見事に一本の映画に集約されています。おそらく「我が道」とは自分で努力し、精進しながら切り開いて往く道のことではなく、むしろ現実を受け入れ、逆らわないという、いわば天から「与えられた道」を往くことなのでしょう。すべてが理想的な場所に落ち着いて行くストーリーは、この「与えられた道」が決して悪いものではない、とても素晴らしいものなのだという、暖かいメッセージではないでしょうか。老神父のバリー・フィツジェラルドが実に人間味あふれる名演です。特に母と再会するシーンは秀逸で、思わず涙がこぼれそうになります。ビング・クロスビーが教会を去るという結末は、この作品における最大の「GOING MY WAY」。心温まる温和な作品に、哀愁というスパイスをプラスして、観客すべてを感化していくかのような見事なラストシーケンスです。合唱を通して感化された少年の眼差しも印象的。「我が道」を発見し、それを往く時に全ては輝きに満ちあふれる。希望と良心に満ちた傑作です。9点(2004-02-14 13:58:24)(良:1票)
2. 我が家の楽園
《ネタバレ》 キャプラが描く最高級の人生讃歌です。笑いどころも満載で、これほど笑わせる映画との出会いは特別なものでした。と言いつつも、いつも思うのは、キャプラのヒューマニズムによって高らかに謳いあげられる人々は極めて少数の限られた人達であり、裏を返せばその本質は少数派ゆえの「いばらの道」であるということです。それゆえに予め敷かれたレールの上を歩むのではなく、これをはみ出して歩もうとする人々の勇気を賞賛し、その第一歩にスポットライトを当てていきます。「Do You Like it(そんなことして楽しいかい?)」。「我が家」の大黒柱であるバンダーホフが黙々と仕事をする事務員に唐突にかけたこの言葉によって物語に一気に引き込まれます。仕事は楽しいものではないと言うのが一般論で、楽しくないことをやっていてもしょうがないから、大好きなおもちゃを作りましょうというのは、その価値観はあっても行動するには大変な勇気が要ることでしょう。「我が家」で暮らす人々はこの勇気を持ち得た人々で、社会的にみれば、少数派で風変わりなおかしな人々です。当然、少数派の彼等の存在を高らかに謳い上げる行為は社会批判や風刺につながっていき、それを特に体現しているのが、バンダーホフと税務署とのおかしなやり取りのシーケンスで、キャプラのヒューマニズムにはこうした風刺は必然とも言えるでしょう。レールをはみ出す勇気。輝かしき第一歩。それどころか、この作品ではそもそもレールなんてないんだよ、というところまでメッセージしている気がしてきます。「我が家」の仲間入りを果たす勇気は持ち合わせている人は少ないけど、実は価値観を持ち合わせている人は多い。ラストで大富豪のカービーがハーモニカを手に取り、「我が家」に仲間入りした瞬間に、感動とともに大きな拍手を送りたくなったのは、自分がそんな価値観を持ち合わせており、映画の中でその勇気を体験したような心持ちにさせてくれたからなのでしょう。それにしても「我が家」の人々は面白い。傑作中の傑作だと思います。10点(2004-01-30 23:26:36)(良:1票)
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