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1.  ワンダーウーマン 《ネタバレ》 スーパーヒーロー映画を観る時はどうしてもSF的な理屈で自分を納得させる癖があるのだが、これはそれが不可能な神話ファンタジー。ガドットがそんな神様キャラにぴったりはまっているし、クリス・パインのちょいへたれなイケメンぶりもちょうどいい。映像も頑張っている。 第一次世界大戦中の描写はお見事。そこにワンダーウーマンがねじ込まれるとどうなるかという違和感が面白い。ただこの設定で話が進んでいくとどうなるのかという着地には特に工夫が感じられずそのまま進んでいく。そして圧倒的な敵に勝つロジックも「本気で怒って実力出した」だけ(笑)。 アレスおじさんの意外なキャラとかはまあまあ面白いのだが、本性現わしたら髪型変えるとかなんか神様っぽい演出しても良かったんじゃね?鎧着ても顔がちょび髭の貧相な親父のままではなあ。そしてガル・ガドットは最初からうっすら化粧していてどんな時でも髪が乱れないし埃も付かない。こういうのは背景にグリーンバックの存在を感じてしまう。 ここまで荒唐無稽なキャラを実写化して他のシリーズと同世界にするのなら映像の「現実感」にはもうちょっとこだわってもいいんじゃないだろうか。そしてあのかっこいいテーマ曲を劇中でもっと使ってほしかった。[インターネット(字幕)] 6点(2022-12-18 00:31:14)(良:1票) 《改行有》

2.  WATARIDORI 《ネタバレ》 渡り鳥の飛ぶ姿を鳥視点で撮影した映像が最大の売りで、たしかにこれは素晴らしい。羽ばたき方も鳥によって全く違うのもよく分かる。個人的にはガンやコウノトリが砂漠にいる光景が衝撃だった。水辺の鳥が渡りの途中には全く水と無縁の地にも降り立つ。頭では理解していても視覚的にあり得ない光景だ。 多くの人がこの映画の90分を長く感じているが、正直言って鳥好きでドキュメンタリー好きの僕もかなり冗長に感じた。おそらく製作者側もそう思って子供が鳥を助けるドラマ仕立てや旅の途中で狩られたり脱落するシーンを挿入したのだろうが、成功しているとは言い難い。超上空を飛ぶ変なCGもうさん臭くてこの映画の格調に傷を付けている。そしてペンギンを渡り鳥に数えるなら水中を泳ぐシーンがぜひ欲しかったところ。 原題と誤解させるような日本語ローマ字邦題は時代的にこの映画が出始めの時期か?他にもボーカル入りのセンスの良くないBGMや明らかなヤラセ場面と、せっかくの素晴らしい映像素材を編集で台無しにしている感も強い。もったいないもったいない。[DVD(字幕)] 6点(2017-05-07 23:32:45)《改行有》

3.  惑星ソラリス 《ネタバレ》 こう言うとタルコフスキーは草葉の陰で激怒するかもしれないが、この映画の魅力の大半はハリー役のナタリア・ボンダルチュクが負っている。容姿の美しさもさることながら「地球外生命体によって造られた人間のコピー」という難役を完璧に演じ切っている。赤ん坊のように天真爛漫で聞き分けのない登場序盤、思春期のように不器用な中盤、生の感情を爆発させ、突然悟る終盤。 ハリーは男の記憶から造られた女で、「男の夢」を具現化している。この映画に惹かれる人の67%(当社比)はハリーに惹かれている。おれもソラリスに行ってハリーみたいな女が欲しい。タルコフスキーはそれに途中で気付いてラストシーンで慌てて否定するがもう遅い。みんなハリーの虜。 終始陰鬱でアンハッピーエンドな作品にもかかわらず不思議と後味は悪くない。タルコフスキーはSF要素を邪魔と感じていたらしく、SF映画と思って観るとかなりのおあずけ感を食らう。映像的暗喩に次ぐ暗喩、特に前半は暗喩による伏線なので一度観終わってからでないと意味がわからない。この映画は何度か見て初めて真価が分かる作品なのだろう。幸い美しいハリーが待っていてくれる。[DVD(字幕)] 8点(2015-09-24 21:43:28)(良:1票) 《改行有》

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