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1. ワイルドバンチ
《ネタバレ》 冒頭の虐殺シーンには衝撃を通り越してあきれるばかりだったので、クライマックスの展開はとても意外だった。単なる無法者の集まりでしかなかった男達が、逃避行のうちにいつか友情で結ばれ、最後には仲間のために命を捨ててしまう。およそ「仲間」や「名誉」といったものが似つかわしくないけものみたいな男達が、まるでサムライみたいな最期を選んだことにびっくりした。
もちろん武士道みたいなご立派な信念を持つような連中ではなく、衝動的な、ほとんど本能的な行動でしかないわけだけど、それでもやっぱり胸を打たれてしまう。あの一本の瓶からみんなで酒を飲むシーンは彼らなりの儀式で、無意識のうちに兄弟の盃みたいなものを交わしていたのだろうと思う。
自分はむしろ保身のために敵に寝返ったソーントンのようなタイプかもしれない。すべてが終わったあとに死体の山を歩きながら呆然とする彼の気持ちが手に取るように想像できた。かつての仲間達の死に様は、ソーントンの恐怖に捻じ曲げられた生き方とはまったく正反対だったわけで。どちらの生がほんとうに“無意味”のあるものなのかは、なんとも判別しきれない。
ところでまったくどうでもいい話ですが、四人が将軍のもとに仲間を返してもらいに行く下り、海賊マンガ『ONE PIECE』の魚人編にそっくりな場面がありませんか? 尾田さんは影響を受けたのでしょうか(って、ここでいってもあまりわかってもらえないのか?)。[ビデオ(字幕)] 8点(2007-03-25 23:46:08)《改行有》
2. ワイズマンとのピクニック
《ネタバレ》 家具の皆さんが記念写真を撮っているのには笑いました。普通の家具なのに、シュヴァンクマイエルの手にかかるとなんだか可愛らしい生き物になってしまう。観ていない人は信じてくれないだろうが、「椅子」が可愛いんですよ! あの「椅子」が! そしてラストのどんでん返し。何があったんだワイズマン(笑)。家具たちが反乱を起こしたのでしょうか?? ただ欠点をあげるとすれば、他作品に比べてやや地味なところだろうか。瞼に焼きつく鮮烈な映像がなく、脳みそに新しい回路を作られるようないつもの斬新さがない。だからこそラストが生きるのかもしれないが、華に欠ける感は拭えなかった。[ビデオ(字幕)] 6点(2006-01-11 16:07:59)
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