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1. わが青春に悔なし
《ネタバレ》 黒澤監督の、戦後すぐの民主主義プロパガンダ映画。
GHQの検閲が厳しい折、娯楽性ゼロ、コメディ要素ゼロのシナリオになってしまっている。
そんな中で、美人女優の原節子がお嬢様から汚れ役までこなし、それを感情や情景が滲み出るような印象的な絵作り、カット割りをして、ある女性の数奇な半生のドラマとして「映画」に仕立てたことに黒澤監督の才能を感じる作品。
しかし、この説教じみたストーリー展開だけは、いくら黒澤監督でもいかんともしがたく、面白い映画かと言われれば、好んでみるようなものではない。
シナリオの制約で、娯楽性ゼロのプロパガンダ映画を、一応鑑賞に耐えるドラマ性のある「映画」に仕上げた黒澤監督が凄い、ということを感じる映画。
[DVD(邦画)] 5点(2010-07-12 01:53:39)《改行有》
2. 悪い奴ほどよく眠る
《ネタバレ》 テーマは現実的な社会問題だがストーリーや演出が非現実的な展開という、あらすじを説明すると見たいとは思わなくなるかもしれず、平凡な監督が平凡な脚本で作るとメチャクチャ駄作になりそうなのに、この見応えはさすが世界のクロサワとしか言いようがない。
2時間半の長尺も、最初のシーンでぐっと引き込み、途中の無理やり説明調シーンもダレる一歩手前で展開を変え、コミカルなテイストも織り交ぜつつ最後まで一気に見せてしまう。
他の同時代のクロサワ映画に比べると一歩劣るかもしれないが、それでもこのレベルの高さは驚き。50年前の映画で歴史的な価値があるという観点を一切排除しても、これはA級作品です。[DVD(邦画)] 8点(2010-07-01 01:47:20)《改行有》
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2 | 3 | 1.45% |
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3 | 5 | 2.42% |
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4 | 25 | 12.08% |
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5 | 38 | 18.36% |
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6 | 58 | 28.02% |
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7 | 53 | 25.60% |
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8 | 15 | 7.25% |
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10 | 3 | 1.45% |
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