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1. 素晴らしき哉、人生!(1946)
《ネタバレ》 うーむ、いい映画。主人公はせまい町から出て世界で活躍することを夢見ますが、運命の皮肉から地元に縛られてしまう。となりの芝は青い、とよく言われますが、多分、外に出て行ったとしても考えていたような常に輝かしい人生を送ることはなかったでしょう。ただの楽観主義者ではなく、苦境に立たされたときに悩んでいるのが当たり前といっては当たり前なのですが、人間くさくてこの映画に真実味を与えていたと思います。あらゆる苦境にすぐに「ラッキー!」と前向きに考えていたらこれはもうスーパーマンですよ。印象に残っているのがダンスしているときにプールに落とされるように仕組まれたシーンなのですが、落ちても楽しそうにダンスを続け、しまいには参加者全員をプールに飛び込ませてしまう、周りの人間をハッピーにさせるオーラというのは誰でも持ってるものではありません。普通の人間なら激怒してダンスをやめ、その場の空気をしらけさせてしまうでしょうから。ボロボロの家を自力で徐々に改装して、きれいな家に作り変えるという行為も、どうしようもない苦境も自分の力で切り開いていくことができるというわかりやすい表現でいい。ただ最後はハッピーエンドですが、いい人すぎるとずるい人に利用され続け、自分の意思で人生を選択することができないということも忘れてはいけません。[DVD(字幕)] 10点(2005-04-09 19:45:23)
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