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1. アナと雪の女王
キビキビと締まった脚本でまずます。
ちょっとした演技のディティールも丁寧に
計算されていてキャラクタ造形や、展開の
味付けに一味加えていていいノリだと思う。
往年の米ミュージカルのテイストもあって、
中盤まではなかなかの出来。
但し、ミュージカルとしては中途半端。
後半は前半で登場させた要素を完全には生かし
切れておらず疾走感のみで落としたって感じで
もったいない。
良くも悪くもごく普通の作品。
但し、劇場で千数百円払う価値は感じない。
[DVD(吹替)] 5点(2014-08-02 17:17:24)《改行有》
2. 借りぐらしのアリエッティ
個人的にはジブリの中ではベスト3に入ります。
ストーリに起伏がないという意見がよく見られますが
登場人物が大声をあげたり、アドレナリンをだしまくる
ような物語は正直辟易としているので、このアニメの
淡々と声を抑えた物語ががとてもすきです。
BGMもきわめて控えめででしゃばらず、小人から見た
世界の景色や音、物理法則をスケールを考慮して描いて
いたり(例えばポットの表面張力とか)ディティールが
とてもいいです。
歴史や世界観といった大げさなものではなく、もう少し
家族数代といったぐらいのスケールの、きわめてローカルな、
個人の時間の積み重ねみたいなものがきちんとにじんでいるのも
とても素晴らしい。
必要以上に世界や歴史をしょい込んだ物語ではない点
(ナウシカやもののけと違って)、小人といっても、
トトロのような「お話」ではなく、きわめてリアルでみずみずしい
ファンタジーになってるところ、などなど。
絵空事ということではなく、生活感覚と密着した幻想性みたいな
感じがとても好きです(妖精もこんな感じでもっとリアルで近しい
ものだったのでは?)
物語に大きな起伏がないのに、何度みても飽きない。
傑作なんだと思います。[地上波(邦画)] 9点(2014-07-19 00:26:26)(良:1票) 《改行有》
3. 藁の楯
私刑を禁じた「民主的法治国家」が抱える古いが本質的な
問題を扱っている映画はたくさん作られている。
そういう意味でストーリもテーマも取り立ててみるべき点は
ない映画だった。
唯一、犯人の理解し難さ加減を必要以上にキャラクターっぽく
物語化することなく、また妙な予定調和におわらせることなく
最後まで淡々と「何かが抜けおちている奴」で徹底させている
ところがいいとおもう(救いがないが)。
その点では藤原達也の「うまい演技」も余計なものかもしれない。
精神鑑定の結果、無罪になるという更に救われない現実があるが
そういう意味ではまだこれでも現実の救われなさのほんの少し
しか描かれてはいないのでしょう。[地上波(邦画)] 6点(2014-06-08 11:48:10)《改行有》
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