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Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 972
性別 男性
ホームページ http://yuromovie.blog.shinobi.jp
年齢 39歳
自己紹介 名前をdonkeyから「ゆうろう」に改名しました。
好きな監督は北野武、クリント・イーストウッド、宮崎駿、石井聡互、黒澤明など。


よろしくお願いします。

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181.  ジャッカルの日 《ネタバレ》 殺し屋ジャッカルの、淡々と仕事をすすめていくプロフェッショナルぶりがかっこいい。印象に残っているのは、彼が町中を移動するとき、人々が雑多に行き交う通りに紛れ込むように、ヒキの画で撮られていること。「ウォーリーを探せ」とまではいかなくても(笑)、薄暗い陰気な場所に潜むのではなく、普通の人々の生活圏に自然に紛れ込んでいる様が渋いなあ、と。「電車で隣に座った人が、実は殺し屋かもしれませんぜ」って感じで面白い。そして、存在するかしないかも分からない殺し屋をゼロから探し出すルベル警視もかっこいい。普通のどこにでもいそうオジサンが、イケメンジャッカルをあの手この手で追い込んでいくのがタマラン。追い込めば追い込む程、睡眠不足で目をシバシバさせるのもご愛嬌。彼は彼で追いつめられてるんだな。そして、ジャッカルもそれに負けない。どんなに計画が狂ってグダグダな状況に陥っても、怯むことなくターゲットに迫って行く。途中、行き当たりばったりのように見えたけど、裏を返せば「絶対に逃げることはしない」というポリシーの現れ。そしてラスト。ジャッカルの敗北か、と思っていたら、死んでもなお自分の正体を隠し通したことに脱帽。暗殺を阻止することはできても、ジャッカルの正体を暴くことはできなかった。まさにプロフェッショナル。[DVD(字幕)] 8点(2013-06-07 09:46:09)(良:2票)

182.  インサイダー 個人的に好きなのは、冒頭でアルパチーノがラッセルクロウに取材依頼のため連絡を取るところ。ろくに話もできずに断られても、パチーノは全く戸惑うことも躊躇することもなく次の行動に移る。地味なシーンではあるけれど、主人公の経験豊かなプロデッショナルっぷりが見ていて気持ちがいい。ただ雰囲気だけで「彼はベテランのプロなんですよ」となんとなく説明してしまう映画とは違う感じがする。そしてこのシーンでの2人のキャッチボールが、巨大なスケールに発展していく最初の一投目だと思うと、かなりゾクゾクする。この瞬間から、2人のキャッチボールはリレーを重ね、より間隔は広がり豪速球になっていく。そしていかに相手のボールをキャッチするか、信頼を勝ち取るかが見所。投げるとき以上にキャッチする瞬間にしびれる!にわかプロが一人でブイブイ言わせてる映画とはやっぱり違うと思う。[DVD(字幕)] 8点(2013-06-01 03:37:46)

183.  中学生円山 「妄想」とか「嘘」ってのは、映画ととても相性がいいものなんだなあ、と改めて思わされました。これを言っちゃあおしまいかもしれないけど、この映画自体がすべてクドカンの妄想であって、現実など1秒たりとも映ってない(笑)。けれど、「なぜオレたちは、わざわざ金を払って嘘八百の映画を見に行くのか」ということに対して、これほど端的に応えてくれた映画も久しぶりのような気がします(勝手にオレ"たち"って言っちゃったけど・・・)。個人的に、メタヒーローものというのは苦手で、最近の「キック・アス」はあまり好きでは無かったし、同じクドカン脚本の「ゼブラーマン」なども苦手でした。どうも、ヒーローもの映画を作り手自身が恥じているように感じられてしまって、「いや、これ、あくまでウソのヒーローものですから」って言い訳のように見えてたんですね。これまでで良いいなあと思ったのはクレヨンしんちゃんの「アクション仮面」くらいです。 「円山」に関して言うと、主人公だけでなく、登場人物のほぼすべてが何かしら「妄想」しているのが面白いですね。そして、「私は妄想に逃げずに現実を生きている」ってな態度の人が、これ以上ないくらいの客観的な「現実」を突きつけられた時に狼狽してしまうのもニヤリとします。それを、映画の終盤でサラッとギャグで表現してるのもオツでした。 団地というシチュエーションを巧く利用して、全く同じ風景なのに違ったレイヤーを重ねて見ることでまた違った現実と妄想が展開されるのも面白いです。 ヒーローものに限らず、つまらない映画って、「どうせ妄想だから」「どうせ嘘だから」と作り手が恥じているのが多いと思います。「現実から逃げるな!」というセリフはよく聞きますが、「現実に負けるな!」というのはあまり聞いたことがなくて新鮮でした。映画も現実に負けてはいけないのだなあ。[映画館(邦画)] 8点(2013-05-27 23:42:37)(良:1票) 《改行有》

184.  藁の楯 予告を見た時は「どうせダークナイトの二番煎じでしょ」と思っていましたが、結講見応えがあって良かったです。どちらかというと、昔の西部劇(「決断の3時10分」など)を、現代日本でやるとこうなる、と感じました。それに「ダークナイト」よりも、大衆が襲ってくる動機やプロセスを丁寧に描いているので、一般市民を単なる衆愚として描いてない点はいいと思いました。結局、私刑するにしても止めるにしても、金次第なのかと思うと見終わってゲッソリします。同じところを何度もぐるぐる回る議論も見てて疲れたー。「十三人の刺客」や「悪の教典」でバッサバッサ殺しまくってたのがウソのようです。 最近の三池監督の作品は良い意味で「一般ウケ」する作品が多く、このクオリティの娯楽映画がもっと増えればいいなあ、と思います。主題歌の選曲で大人の事情が露骨に現れてますが、それで予算が下りて本編が充実するなら、少しくらい我慢しまっせ(笑)。むしろ監督、わざと露骨にやってる?[映画館(邦画)] 8点(2013-05-04 03:56:57)《改行有》

185.  ジャッキー・コーガン 70年代っぽいマフィアもののバイオレス映画。渋い。ほとんどBGMがなく、環境音のみで緊張感を盛り上げるシーンがおおくて嬉しい(←?)。ところどころニュース映像やラジオの音声が流れてきて、「これはマフィアの世界を通じて経済のハナシをしている」と感じられてからはより楽しめた。レイ・リオッタの立ち位置も、なんだか象徴的だなあと感じる。音声でも流れていた実際のリーマンショックに対してあまり知識が無かったから、それを知っていればより楽しめたかもしれない。それにしても宣伝がクソです。[映画館(字幕)] 8点(2013-04-30 00:57:21)

186.  アウトレイジ ビヨンド 《ネタバレ》 前作のほうがインパクトがあるし、キャラクターも分かりやすかったけれど、完成度で言えばビヨンドのほうがよく出来てると思う。前作はいい意味でも悪い意味でも単純明快だったけれど、今作はキャラクターたちがみんな一枚も二枚も皮をかぶっていて、そこはかとなく不気味だ。とくに関西・花菱会の面々が凄い。会長の狸オヤジっぷりや、西田・塩見の腹黒さも見所。武が塩見に向かって「チンピラ!」と怒鳴るシーンなど、自分も中野英雄の気分になってハラハラした。まさに野獣同士の取っ組み合い。けれど、「殺られる前に殺っちまえ」というノリだった前作とは違い、「先に手を出したほうが負け」というスリリングな抗争になっているのが良かったと思う。小日向演じる刑事もより極悪になった。武の個人的な知り合いだという「韓国のフィクサー」なんて、あれホンモノじゃないの?と思える迫力で普通に怖い。 この年の邦画は、「ヒエラルキー」や「競争社会」をモチーフにした作品が多かったような気がする。殺し合いのスパイラルから降りる松重豊(正門から)と、雲隠れしていた武が裏門から入ってくる対比が印象的。散々「俺、もう嫌だよ」と言ってスパイラルから抜け出そうとしていた男が、それでもなおヤクザのヒエラルキーや殺し合いの世界に舞い戻る結末に、ゾクリとする。 [映画館(邦画)] 8点(2013-04-27 12:25:00)(良:2票) 《改行有》

187.  ビッグ・フィッシュ ティムバートンらしさとティムバートン”らしくなさ”が絶妙にミックスされた映画です。監督のファンなら今までの作品と見比べる楽しさもあるし、初見の人にも1本の映画として楽しめるのではないでしょうか(それが性に合わない人もいるだろうけど)。 「みんな要点ばかりで話がつまらん!お前の話はつまらん!」と大滝秀治のようなことを言う父の言葉が印象に残りました。バートンの心の声のようにも聞こえます。バートンの映画は、お話の「要点」ではないところを膨らませて語り、基本ヴィジュアル重視で人を楽しませてきた作家だと思います。それが仇となって、テンポの悪さやストーリー展開のイビツさという弱点がありました(個人的には、バットマンなど)。しかしこの映画では、その弱点自体が映画最大の魅力になっていると思いました。「フランケンウィニー」や「シザーハンズ」等は、子どもの頃から抱えてきた抑圧をファンタジーとして昇華した作品だとよく言われています。そんな映画を作ることが、自分の「つまらない」人生を前向きに生き抜くための手段だった・・・。そう考えると、監督自身がビックフィッシュじゃないか、とすら思えてきます。「要点」がそんなに大事なのかよ!というバートンからの反論のようにも感じられました。[DVD(字幕)] 8点(2013-04-22 03:00:27)《改行有》

188.  シザーハンズ 《ネタバレ》 印象に残っているのは、街の住人たちがエドワードのことを割とスンナリ受け入れ、すぐ仲良くなってしまうところ。個性や長所が魅力的に描かれ活かされます。観る前は「ギャー!化け物!」となって町中大騒ぎ・・・けれど、お互い触れ合うことで理解し合う・・・なーんて映画だと思ってました。けど、実際の映画の内容は正反対でした。みんな「差別してはいけない」「じろじろ見たら可愛そう」「個性は認めてあげなくちゃ」と頭ではちゃんと分かっているワケですね。けれど、実際に、これ以上ないくらい個性的なヤツが目の前に現れたら・・・?もし自分の家にエドワードがやってきたら・・・?正直言って、受け入れることはできないですね、少なくとも自分は。 この映画は、ただ単に「人を見た目や出生で区別するな」というような安いメッセージよりも、随分と苦い内容の作品だと思いました。人の容姿にまつわる話というのは、現実世界でもとてもナイーブで、生半可な気持ちで扱っていいものではありません。「うんうん、気持ち分かるよ」などと知ったふうな気持ちで近づくと、相手も自分も傷つけることになります。 そういう、人の個性を受け入れることの難しさをこれ以上ないくらいに切なく描いた作品だと思います。[DVD(字幕)] 8点(2013-04-16 02:51:10)(良:1票) 《改行有》

189.  ヒッチコック 《ネタバレ》 いやー、映画って楽しいですねえ(笑)。軽妙なコメディタッチの作品ですが、実在の事件を題材にした映画を題材にした映画という、なんとも変わった映画です。カポーティは、実際に起きた事件を取材・執筆して以降スランプに陥ってしまいますが、それに比べてヒッチコックは子どものように踊り狂う(笑)。なんとも好対照な作品であり、人物です。夢や妄想の中でエド・ゲインと対話しますが、「たかが映画じゃないか」という有名な言葉のとおり、人一倍、恐ろしいまでに現実と妄想の区別がついているからこそ、闇に落ちることなくエンターテイメントに落とし込むことが出来るんでしょう。映画の最初と最後にヒッチコックが観客に語りかけてくるのも、「これは映画だったんですよ。どうです?驚いたでしょう」と、気持ちよく映画館をあとにできるようにしてくれていると思います。一つ残念なのは、夜中の映画館で観たせいか、客席がガラガラだったこと。満員御礼の映画館で観たら、もっと楽しめる映画だったと思います。[映画館(字幕)] 8点(2013-04-06 13:33:27)(良:1票)

190.  バットマン リターンズ ただでさえ印象の薄かったバットマンが、より印象が薄くなって帰ってきた!子どもの時は「一作目は面白かったけど二作目は退屈だった」という印象でしたが、大人になって見返してみて、評価が逆転しました。(子どもの時に観たレビュアーさんでも、このもの哀しさを感じとってる人も多いですね。大人だなあ) ジョーカーは「明るい狂気」のキャラでしたが、今回の悪役たちはより情念のこもったドロドロした奴らです。原発問題なども、今観るとハッとしますね。ヒーロー物としても一本の映画としても歪な作品ですが、こういう映画もあっていいよなーと思います。特撮も、前作よりクオリティーアップしてていいですね。バットモービルの変形や、動物園のミニチュアなど、よく出来てます。意外とペンギン(動物のほう)の着ぐるみがよく出来てて笑いました。[DVD(字幕)] 8点(2013-04-04 11:29:55)

191.  ザ・マスター 《ネタバレ》 映画を見てその世界観に夢中になるのって、カルト宗教に入り込むのと似ているような気がします。「カルト映画」と呼ばれる作品も沢山ありますしね。 イベントや講演などで、映画監督の話を聞いたり直接話したりした時に、ある種の映画監督には良く言えばカリスマ性、悪く言えば詐欺師のような雰囲気が漂っていたのが印象に残っています。自分のマインドをヴィジュアルに落とし込むために沢山のスタッフを「その気」にさせなければいけないわけだから、自然とそうなるんでしょう。そういう監督にはごく一部に熱狂的な信者が沢山いるのも、カルト的ですね。特に学生のような、自力で築き上げた生活基盤を持っていないようなヤツはイチコロです。 おそらくこの映画の主人公も、地に足が着いていない、海の上でユラユラ漂っている状態でマスターと出会ったんでしょうね。外界から遮断され、ある程度の長い時間そこで過ごす軍艦やフェリーは、なんだか象徴的な舞台になっています。 後半からは主人公以外の信者も出てくるんですが、それらが「熱狂的な映画ファン」とそっくりそのままなのも、ちょっと面白かったです。 新参のファンを「にわか」と言ってみたり。心酔するあまり、「前の作品とちょっと違うんですけど・・・」と落胆したり。「作品よりも作家そのもののほうが面白いんだよね」なんて言うヤツが出てきた時は笑ってしまいました。 最初は「カルト宗教」なんて自分には馴染みが無いし、面白いのかなと思いながら観ましたが、んなことぁない!自分のすぐ目の前にある世界そのものじゃないか!と思えて面白かったです。[映画館(字幕)] 8点(2013-03-31 23:06:43)《改行有》

192.  ジャガーノート 《ネタバレ》 基本淡白な演出だったけれど、逆に私はそこが好きでした。それぞれの分野のプロフェッショナルたちが、各々の責任やプライド、メンツにかけて奔走する内容は魅力的です。そして、そんなプロたちにもミスや弱点があるのも面白い。普通だったら描きそうな葛藤やドラマも大幅にカット。爆発で犠牲になった人たちのことは、あくまで情報のみでしか知らされません。それはまるで、自分も船に乗り込み(乗客かそれぞれのプロかはともかく)、事の成り行きを見守ることしかできない感じに似ていました。自分の役目や、できることを必死にやった後は、他のプロフェッショナルに託し信じるしかないわけですね。そして、最後にすべてのプロや乗客たちの運命を一身に背負うことになるファロン中佐が超カッコイイ。クライマックスの行動にはツッコミ所があるし、助っ人船員の活躍も見たかったな、と思いますが、とても魅力的な映画でした。[DVD(字幕)] 8点(2013-03-30 13:03:14)

193.  アンドロメダ・・・ クライトンの小説が好きで、よく読んでます。しかし、映画になると途端にダメダメになってしまうものが多いんですね(例外として、ジュラシックパークはアドベンチャーとしてとても面白い映画でしたが)。この「アンドロメダ・・・」もその数少ない例外の一つではないでしょうか。オープニングタイトルは小説の世界観をよく表していると思います。隔離された研究室で、人類の今後を左右する目に見えない脅威との戦いはとてもスリリングです。そして、事態は一見収束したかに見えても、事件の前と後では誰も気づいていないところで世界は決定的に変化してしまい、そして以前の世界には戻ることができないという変化を描いていると思います。クライマックスの展開はちょっとサービス的でしたけどね。[DVD(字幕)] 8点(2013-03-23 12:44:59)(良:1票)

194.  珈琲時光 エンドロールで初めて、主演が一青窈だと知りました。知らない女優さんだな~と。おかげで余計な先入観もなく映画を楽しむことができました。 真冬に観たけど、夏の空気感がよく表現されていて、とても心地よかったです。 中途半端に陳腐なドラマや事件が出てこなくて本当に良かったですよ。 それでいて人物や物語はしっかりある。そして「目の前にありながら、あまり注目しない風景」を見事に映画にしていて、それだけでも嬉しくなりますね。 「有楽町の駅前をこう切り取るか~」とか、「東西線と並走する、あのちょっとした気まずい感じ」とか、観ていて楽しい。外国人監督ならではの作品かもしれません。 ホウ・シャオシェンの他の映画も観てみようと思います。[DVD(邦画)] 8点(2013-03-07 16:28:52)《改行有》

195.  世界にひとつのプレイブック 性格(精神?)的に難ありな男女と、その周辺の人々が織りなすドラマ。 初めて予告編を観たときは、「また薄味な映画なんだろうなあ」と思って期待していませんでしたが、良い意味で裏切られました。監督デヴィッド・O・ラッセルの持ち味で、ハートフルならぬパワフルな映画になっています。 外へ外へとエネルギーを発散させる「ザ・ファイター」とは好対照で、内へ内へとギューッと凝縮されたような映画です(別に引きこもってるわけでは無いです)。登場人物たちの丁々発止のやりとりも楽しい。  自分も、主人公程ではありませんがカッとなりやすい性格です。そして散々一人で暴れた後、すぐ後悔するのもよく分かります。なので、周囲から理解されない主人公のもどかしさに、かなり感情移入してしまいました。 極端に感情的になるのはもちろん良いことではありませんが、まるで「感情をなくせ!」と言われているかのような周囲の反応に、結構イライラしてしまいました(汗)。周囲の人々からすればハタ迷惑なのもよく分かりますが。 ただ、「周りから理解されないもどかしさ」はとても描けていたと思いますが、逆に「他人の気持ちを察し、理解する」ことに関してはあまり掘り下げられてないような気がしました。 そこに気づけない自分が、まだまだ大人になりきれてないってことなのかなあ。[映画館(字幕)] 8点(2013-02-23 14:45:54)(良:1票) 《改行有》

196.  ゼロ・ダーク・サーティ 映画開始初っ端からトイレに行きたくなり、ずーっとムズムズしながら鑑賞しました。さっさとトイレに行けば良かったものの、どうしてもスクリーンから目が離せなくなり、結局最後まで踏ん張っていました(汗)。映画を観てて思い出したのは、韓国映画「殺人の追憶」です。実際に起きた殺人事件の、あまりにも杜撰な捜査や、刑事たちの追い込まれて行く様が、「ゼロ・ダーク・サーティ」を観ていて頭をよぎりました。「殺人~」は、証拠の捏造や容疑者への拷問が日常茶飯事として描かれていて、逆に笑ってしまう程ひどいレベル。しかし今作はその「笑ってしまう程ひどい」行為を、全世界を巻き込む国家レベルで繰り広げています。これはもうゾッとするなんてもんじゃないですよ。「殺人~」を観て「こんなムチャクチャな警察がいるかよ!」とあくまで娯楽として笑っていたものが、現実として突きつけられるんですから。(「殺人~」も実話ですが、かなり脚色されたフィクションということになっています)  主人公が、そしてアメリカ自体が「殺人の追憶」に囚われてしまっているようでした。[映画館(字幕)] 8点(2013-02-17 03:45:41)

197.  松ヶ根乱射事件 《ネタバレ》 自分にとっての「非日常」を「日常」として生きている人々が直面する「非日常」といった感じの映画。山下監督の映画はどれもそういう感じがするなあ。けど、最後まで見ていると、自分からはそう遠く離れたところのハナシではないなあ、と考えさせられます。途中、「あれ?なかなか乱射する気配がないぞ。もしかしてこれはアッチを乱射する映画なのか?」と思っていましたが、最後にやってくれました。そして「スイマセン。もう大丈夫です」と急にまとも(?)になるのも分かるなあ~。別に乱射する機会なんて無いけれど、「もう何もかも全部うんざりだ!ウガー!!」となったすぐ後に急に冷静になるのは分かる気がします。 賢者タイム![DVD(邦画)] 8点(2013-02-02 13:19:45)

198.  ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 《ネタバレ》 ここまでファンタジー色の強い作品だったとは思わなかったです。水平線が見えなくなり、空と海の境界線がなくなって、まるで宇宙を旅しているよう。イシュ・パテルの短編アニメ「ビーズ・ゲーム」を思い出させる生命の進化の様子。人間が辿り着けないほど奥の、宇宙の行き着く先の光景。そんな幻想的な映像が、もうグワーっと強烈なイメージとなって押し寄せてきて、頭が朦朧としてきます。 途中で漂着する浮き島に至っては、もはやこの世ならぬ世界を覗き見しているようで、狂気すら感じる。ミーアキャットたちが、「もののけ姫」のコダマっぽく見えてきて、なんだかあの島に取り込まれていった人間たちの魂のように見えて怖かったです。 映画を見る前は、ろくに調べもせずに「実話の映画化」なんだろうと思っていました。が、主人公が語る物語だけでなく原作(スミマセン、読んでないw)自体も嘘か真か曖昧なものだったのも驚き。「トラと漂流した227日」というサブタイトルや、「なぜ少年は生きることができたのか」という、過去形のキャッチコピーに上手いことのせられました。 しかし、散々ファンジックな映像に真実はわからない物語、そして抽象的な人物やシチュエーションを見せられても、圧倒的なリアリティを感じる不思議な作品でした。[映画館(字幕)] 8点(2013-01-26 13:14:21)《改行有》

199.  ハート・ロッカー 《ネタバレ》 主人公が言う「皆、何かを恐れている」という台詞もあるように、僕はこの映画を「疑心暗鬼」の物語だと受け取りました。 爆弾解体モノでは、まず最初にその爆弾の威力を見せつけ、その後の緊張感を持たせるのが定番のパターン。この映画も例外ではなく定番通りの演出をしています。このシーンがあるから、芋づる式に爆弾が目の前に現れるシーンはゾッとするし、防護服を着ていたって安心できないハラハラを味わいます。しかし、冒頭で刷り込まれたのは爆弾への脅威だけではなく、他人に対する「疑心暗鬼」も含まれています。これ以後、米兵たちの人を疑う心がどんどん肥大化していくんですね。 どこからテロリストが仕掛けてくるか分からない。何の罪もない一般市民にでも銃を向けなければならない。味方であってもミスをするかもしれないし、裏切るかもしれない。装備は欠陥があるかもしれない。敵か味方かはもちろん、イラク人たちの顔の見分けも付かず、何を考えてるのかも分からない。 映画中盤では、爆弾の話がどっかにいってしまいますが(笑)、「疑心暗鬼」の物語だと思えば筋はしっかり通っていると思います。 「人を疑う心が、暗闇に鬼を見る」というように、何もない暗闇や、自分が理解できない人間の中に鬼を見いだし始めると、自分自身が鬼と化している。米兵が銃を構える度に、アメリカ自身が鬼と化しているように見えてきて、考えさせられます。 元軍人の方が「不正確」と言ったそうですが、多分リアリティを重視した作品ではなく、もっと観念的な作品なんじゃないかな、と思います。 「怪物と闘う者は、その過程で自らが怪物と化さぬよう心せよ。おまえが長く深淵を覗くならば、深淵もまた等しくおまえを見返すのだ。」 これは、この映画を観ている観客にも当てはまるんじゃないでしょうか。この映画の中にいる鬼を見ようとして、自分自身が鬼と化しているんじゃないかと、ちょっとゾっとします。まるで鏡を覗き込むような作品。賛否両論沸き起こるわけですね。 「ハートロッカー」というタイトルや、「戦争は麻薬だ」という序文からすると、この解釈はズレてるところがあるのかもしれませんが・・・。 ラストシーンは、何もない道(爆弾があるんでしょうが、映像では映っていません)を、主人公が黙々と向かっていく、そして「任務終了まで365日」のテロップ。答えも出ずに永遠と続く結末に、めまいがしました。[DVD(字幕)] 8点(2013-01-24 03:57:59)(良:1票) 《改行有》

200.  タンポポ 最近の映画で、「世知辛い世の中だけど、美味しい食べ物で人を幸せにしよう。自分のすぐそばにある豊かさに気づこう」みたいな胸糞悪くなるような映画が多くて、食にまつわる映画というのは避けてました。1発ネタだけで勝負してる風に思えちゃうんですね。しかし、実際観てみるとこれがなかなかどうしてどうして(笑)。凄く楽しい映画でした。「食」が題材の映画ではあるんですが、様々なジャンル映画の魅力をこれでもか!と、この一本の映画にありったけブチ込んでいます。西部劇、アクション、友情、恋愛、親子愛、犯罪、美、シュール、生と死、そしてセックス!まるで「これが映画だ!」と言わんばかりです。「映画」で「食」の魅力を表現するのではなく、「食」を通して「映画」の魅力を表現しようとしているようにも思えてくるんです。このへんが、ただ「食」を題材にした「だけ」の映画にはない魅力だと思います。「威勢がいいだけで1ヶ月で抜かれる店」とは違うぜ!って気概を感じます。[映画館(字幕)] 8点(2013-01-23 01:44:52)

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