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181. 炎のメモリアル ホアキンもトラボルタもロバート・パトリックも僕の中では悪役の俳優なんですが、3人とも血の通った熱い演技をみせてくれました。たった1人の消防隊員ごときに、あんなに人数総出で葬式をあげるなんてオーバーだなぁ、と最初は思いました。しかし、ジャックの回想を追っていくうちに、たった1人だけど、その1人にも、守り、支えられる家族がある。普段はおちゃらけている消防隊員仲間がいる。任務のために死と隣り合わせの仕事。次々と仲間を失う絶望感、そして家族と仕事を天秤にかけなければならない苦悩。好きを仕事にするとか、充実感を仕事に見出したいとか、消防隊員にスポットを当てた映画なんだけど、つい僕自身が今やっている仕事についても回顧させられました。『9.11テロ』で殉職していった消防隊員たちを讃えた映画だそうですが、そういう背景を抜きにしても感動しました。[DVD(吹替)] 6点(2005-09-28 21:53:06) 182. インファナル・アフェア 終極無間 時間軸をずらした手法は、『パルプ・フィクション』などですでに有名です。でも、この映画の持つ、濃密な人物関係が、すでに前作で死んだ人物たちの登場を、時間を突然ずらすことで、各人の心理描写を上手く突いていると感服しました。思わず正座して観てしまいました。ホン・サムが組織の利益のために右腕のヤンを捨て駒に使うのを観て、(観ている僕らは1作目を知っているだけに)潜入捜査の中でこうして着々とサムの信頼を勝ち得ていくのだなぁ、と1作目がフラッシュ・バックする。観ているのは2時間の映画なのに、1作目と3作目を4時間分、同時に見ている錯覚に陥る。ラウの苦悩が時間を追うごとに、不眠症となって日増しに募らせていくという、立場は違えど、鏡で隣り合わせのヤンとラウの壮絶な生き様を魅せつけられました。『男たちの挽歌』以来のフィルムノワールに酔いしれました。3部作の結末としては合格点だと思います。最後に一言だけ。なぜこういう映画を現在の日本では作れないんでしょうか? [DVD(吹替)] 9点(2005-09-25 19:34:57)《改行有》 183. スケアクロウ やはり印象に残ったのは、電話ボックスのシーンですね。つらい感情を抑えてマックスに歓喜で抱きつくなどという、むずかしい演技ができるのは、逆にキレた演技が得意なアル・パチーノ以外考えられません。他の方のレビューにもありましたけど、カカシは1本足です。2つのカカシが寄り添いあって、2本足となって、しっかり大地を踏みしめ、歩いてゆく。ライオンにとっては我が子が支えであり、刑務所を出て家庭料理に飢えたマックスにとっては洗車屋を目指すことが支え。ともに家族に近いものがありながら、友情を、ときには反目しつつも確かめ合うところに感動しました。人生をやり直すという夢を叶えるには、あまりにも哀しい現実の仕打ちが悲しかったです。[DVD(字幕)] 8点(2005-09-21 17:47:54) 184. 人情紙風船 《ネタバレ》 しょっぱな、動機不明の○○で始まる。「一体どうしたんだろう?」「お侍も色々あんだよ」と、長屋の人たち同様、我々を惹き込む。人の死すら酒の肴にする、活き活きチャキチャキとした長屋のにぎわい。現代って、近所づきあいとか難しいです。公園の草むしりに出てくる人、来ない人。来ない人に対しては、「○○さん来てないわよ、やぁねぇ」などと陰口をたたく。この映画では、いまの時代では見かけることが不可能になりつつある、裏表のない近所づきあいが、前半、正に下町の人情をほのぼのと展開していく。一方で、どこにでもいる浪人・海野、無頼・新三にスポットを当て、仕事の無心などの生活が苦しい事情を、鬱々と映し出しています。山中監督が仕掛ける陽と陰のコントラスト。そしてラストの海野家の○○。冒頭の○○がここでフッと記憶に蘇る。ぞっとします。どの家庭に不幸があろうとも、長屋(ご近所)はいつも通り、活き活きチャキチャキとにぎわうもの。監督が当時感じていたであろう世相を映画化したのに、なぜか現代に通ずるものがあり、不思議な印象でした。結局、あの二人は駆け落ちしたのかなぁ?[DVD(字幕)] 9点(2005-09-18 21:58:03) 185. 忘れられない人 《ネタバレ》 この映画、冷静に考えるとたしかにストーカーなんですけど、悪意をもって観てほしくないです。いわゆる”普通の人”が恋人であっても、自分を大事にしてくれなかったり、(自販機の2人は恋人ではありませんが)暴力を振るったりします。アダムは”猿の内臓を移植してる”など、一般に偏見をもたれていますが、内面は純粋な青年。この映画、けっこうキスシーンや裸のシーンが多いんですが、そこにはいわゆるエロスを全く感じませんでした。それだけプラトニックな物語だったのではないか、と推察します。スケート場で、いま付き合っている人を告白するキャロラインの笑顔がキラキラ輝いており、アダム本人がいないところで親友に語るキャロラインをマリサ・トメイは上手く演じていたと思います。キャロラインにとっての夢だった、愛する人と観に行くアイスホッケーの試合。日本の名優・松田優作も死ぬ直前、家族を遊園地に連れていったそうです。恋人としての務めを果たしたアダムは、精一杯生き抜いた、最高の恋人だと思いました。[DVD(字幕)] 8点(2005-09-16 21:28:28) 186. ライフ・イズ・ビューティフル 《ネタバレ》 ウソをつくことはいけないと思います。これは、僕も含めてですけど、他の皆さんも子供のころから、知らないうちに自然に学んできたことだと思います。この映画、父親グイドは、我が子を守るために、ウソをつきます。ジョズエは、父を尊敬して、素直に”ゲーム”のルールを守ろうとします。グイドは、一人でいるときは、ユダヤ人の迫害について、絶望を感じてしまいますが、愛息子ジョズエの前では、決して悲しい顔を見せない。現実の不幸から息子を守るグイドの姿、ウソの中にも、「絶対に信じちゃダメだ」など、さりげなく世間の厳しさを教え込むグイドの姿に、序盤、あんなヘラヘラしていた陽気なおじさんが、父親としての覚悟を立派に努めあげたことに涙が出ます。どうしようもない絶望を、父親グイドのウソをホントに変えた戦車がもたらした希望、そして父からの贈り物に感謝し、立派に成長したジョズエが語るラストに、感動してしまいました。理想の父親像ってのは、友達感覚だったり、厳格だったり、これだ、という理想像は一概に決められないと思います。共通して言えるのは、子供を一人前に立派に育て上げたいと願う、父親としての覚悟にあると思います。ウソをつくことはいけないことです。しかし僕は、この愛に溢れた”ウソつき父さん”の物語がとっても大好きです。[DVD(吹替)] 10点(2005-09-16 13:28:28)(良:2票) 187. 丹下左膳餘話 百萬兩の壺 《ネタバレ》 【男はいつまでたっても子供】という機微を絶妙に映し出した大傑作です。 あの最強の大剣豪が、なんと女の尻に敷かれている(´ー`)y─┛~~ 調べたら、1両の価値は2万~36万円ぐらいらしいです。この映画、【100万両は大金なのである!】がテーマのハズなのに、【こけ猿のツボ】を全く探す気がない源三郎を始めとして、小判をメンコに使う安坊など、100万両そっちのけで、お金の価値を考えずに遊び呆ける姿がとっても面白い! 子守唄をBGMに使ったり、洒落の効いたセリフなど、映画の完成度としては『七人の侍』をはるかに超えています。まさか70年も前の映画に爆笑するとは思いもしませんでした。 物語が進むほど、お金をめぐるドロドロした強欲さが(登場人物みんな、言葉では発してはいるんですが)微塵も感じられなくなっていくから不思議です。 この映画の特徴は随所に上手く散りばめられた”くり返し”にあると思います。 「絶対にいやだ!」と断固として断る左膳が、結局、お藤のピシャリの一言に頭が上がらず、七兵衛を見送ってしまう。お藤もまた安坊を叱っておいて、安坊の竹馬遊びにつきあってしまうなどの、①”あまのじゃく”のくり返し。 金魚釣りのシーン、執事と萩野がそれぞれ全く別々の衝撃の事実を知ってしまう、②望遠鏡でのくり返し(これはおなかが痛くなるくらい笑った)。 ③安坊の実家までの道順を教える、くり返し。 10数えて殺すシーンでの④安坊のセリフ「どうして唸ってるの?」のくり返し(これには背筋がゾッとしました)。 くり返しだから、”時間のムダ”であるようで、この映画では決してムダではなく、むしろ相乗効果を生んでいる。 左膳の無骨な優しさが、教育パパとなって随所に現れていて、とっても微笑ましい。 ところが、安坊が「泣いたのは、おっかあが死んだ時だ」と突然、変化球を投げてくる。さんざん笑わせといて、突然ホロリとさせる。山中貞雄監督は、稀代の天才であったと認めざるを得ません。GHQが削除した殺陣も観ましたが、やはり隻眼隻手の丹下左膳は最強の大剣豪でした。 江戸っ子なのが玉にキズ (ノ∀`) アチャー [DVD(字幕)] 10点(2005-09-15 19:58:41)(良:3票) 《改行有》 188. 復讐者に憐れみを 《ネタバレ》 この映画、主人公が聴覚障害者のリュなのか、娘の復讐を誓うドンジンなのか、主人公の判別が難しいです(もしかしたら、それが狙いなのかもしれません)。探すのが大変なくらいBGMというものが流れません。ビシッ!とか、バキッ!とか、そういう効果音の編集もありません。徹底的に、ムダな”音”を排除しています。音が無いということは、観客を聴覚障害者の感覚へと巧みに誘導しています。上手い。それが、殴る、切るなどの渇いた、しかしリアルな生の音を効果的に活かしています。BGMがあると、テクノサウンドなら激しいアクション、コミカルポップならコメディ、クラシックなら重厚さなど、音楽の影響で観ているシーンについて勝手なイメージをもってしまうと思うからです。この映画を作った人、よく考えてます。しかもラスト、ドンジンへの復讐を果たしたのは、リュにもドンジンにもあった、憎しみや苦悩といった感情が全く無い集団。復讐の手引きをしたのはヨンミだったんですが、そこへ導いたのはリュだったのではないか? 謎は尽きません。復讐の螺旋は終わらないという恐怖と憐れみを感じてしまいました。[DVD(吹替)] 8点(2005-09-15 13:25:52) 189. スティング 《ネタバレ》 この映画は、【紙芝居】の形式で物語が展開していきます。これは一見、僕ら観客をガキ扱いしているかのように思ってしまいますが、実は我々の意識に対して、少しずつ少しずつ、【この映画はですね、脚本の通りに、お話が始まりますよ…】という刷り込みを与えています。手ごわい。かなり手ごわい。実に綿密に計算し尽くされています。素質がありながら堕落した生活で才能を埋もれさせているフッカーと、ルーサーの仇を誓う老練ヘンリー・ゴンドーフ。ストレート・ポーカーの一件でも分かる通り、才能だけでも十分勝てるはずの2人。しかしわざわざエキストラを揃え、確実にロネガンを仕留める段取りをする。なぜだ? なぜなんだ? その答えをつい考えてしまう時から、僕ら観客は製作スタッフのワナに、すでにハメられている。恐ろしい。非常に恐ろしい。まさにこの映画は内外を問わず、用意周到です。ロネガンという人物描写は実に人間の性を突いています。【エビでタイを釣る】とは、まさにこのこと。だましのテクニックをふんだんに使いこなし、ロネガンの強欲を心理的に最後の搾りカスまで全部あぶり出し、終盤のフッカーの苦悩ですら、ラストの伏線に全部つなげていく。ここまでトコトン【映画を作ってやろう】という気概に満ちた映画は観たことがありません。仇敵・ロネガンをだます映画だと思っていたら、本当のターゲットは、実は我々だったとは…! この映画を初見したとき、僕はだまされたことに気がつかず、だまされるシーンがあるたびに、20秒ぐらい、ポカーン…と放心状態でした。たぶん、この映画を超える犯罪映画は今後も生まれてこないと思います。他にも名作を作り上げながら、それらすら霞んでみえてしまう、この奇跡の名作を作り上げた、巨匠ジョージ・ロイ・ヒル監督に敬意を表して、10点満点、気持ちは100点満点献上します。[DVD(字幕)] 10点(2005-09-14 20:50:47)(良:1票) 190. 恋するための3つのルール いやぁ、面白いよコレ! コメディというよりも、とことんマヌケなのが非常に良い。テンポの遅れた笑いというのは、斬新で楽しくってしょうがない。無理してマフィアを演じるマイケルと、仕事はキッチリやりとげるマフィアの面々が滑稽でたまんない。ジェームズ・カーンを起用しているところといい、『ゴッド・ファーザー3』を踏襲するところといい、…て、チャールズ・マルヴェヒルってひと、『ゴッド~3』の製作に関わってますがな。納得。この映画は、我が家の棚のマフィア系ジャンルのDVDでは、燦然と輝くコメディとして君臨しております。平均点が低い理由は、”3つのルール”の3つにこだわる必然性が全く無かったこと。これだけが残念に尽きます。タイトルで損していて非常にもったいない。ヒュー・グラントが演じているだけあって、アメリカン・コメディというよりも、ブリティッシュ・コメディの要素が強いです。[DVD(吹替)] 8点(2005-09-12 23:42:46) 191. グッドフェローズ 『ゴッド・ファーザー』がファミリーを題材とした映画なら、この映画は末端の”チンピラ”たちの映画ですね。「なぜそこで怒るかなぁ」とついついツッコミを入れたくなる、ジョー・ぺシのキレどころが分からない、ムチャクチャなキレっぷりが恐怖です。考えをコロッと変えるジミーはもっと怖い。面倒見のいいポーリーは一番こわい。この世界で生き残るには、仲間をも平気で裏切る。これって、すごく怖い。誰も信用できない裏社会を露骨に表しています。ポーリーをドンとする、ヘンリー・トミー・ジミーの絆は感動的ではなく、濃いようで渇いてもいる、いかにもスコセッシの演出らしい息苦しさを感じる繋がりでした。ヘンリーという、マフィアに憧れた男のだらしなき(しかし実際の末端の”チンピラ”たちもこうなんだろうなぁと思わせる)生き様を如実に表した、ズズィと一歩、踏み込んだ映画であることは間違いないと思います。[DVD(字幕)] 8点(2005-09-12 21:13:14)(良:1票) 192. 美女と野獣(1991) 《ネタバレ》 吹き替えで鑑賞したのですが、ミュージカルの吹き替えって、冷静に考えると大変むずかしいはず。ディズニー映画のクオリティの高さは、ピクサーアニメーションスタジオに代表されるように、期待を裏切らないのは周知の事実だと思いますが、日本のスタッフも手抜きしていなくて、好感がもてます。最初は身も心も野獣と化していた主人公が、ベルの優しさ、美しさに惹かれ、内面から変化していく。この映画では、音楽のテンポ、曲調も秀逸なんですが、それに輪をかけて、野獣の”瞳”の変化に注目ですね。ラストで野獣から王子様に戻っても、彼の”瞳”を見て、魔法が解けたことに気がつくベルが「あなたなのね」と言うセリフに、思わずニンマリです。個人的にはローソクマンと時計おやじのボケとツッコミのかけあいがツボにはまってしまいました。これだけ、夢いっぱいロマンスいっぱいに満ちたアニメーションは、これまで宮崎アニメ以外では見ていない気がします。子供に観せたいアニメ映画では、5本の指に入りますね。もう、イチ押しです。アニメ初のアカデミー作品賞ノミネートにも十分うなづけます。[DVD(吹替)] 9点(2005-09-10 21:12:31) 193. 小さな恋のメロディ 《ネタバレ》 新聞に火をつけるような悪ガキと、露天商の金魚をそっと逃がす心優しき女の子が、恋をする。2人でいるときはお手手つないでいて、人がいるところでは照れながら手をそっと離す。そんでまたお手手をつなぐ。…素晴らしい!大人の立場からすれば、子供同士ではなぜ結婚できないかを、社会的にも経済的にも、もちろん性的な部分でも、子供にうまく説明するのは難しい。「幸せになりたいだけなのに、なぜ結婚しちゃいけないの?」メロディの涙ながらの訴えが、グッときます。この映画の影の主役はオーンショーですね。彼なくして、この、何とも見守ってあげたい、いじらしい小さな恋をうまく演出できなかったように思います。後半のカメラワークはメリハリが効いていて、すっごく良かったです。[DVD(字幕)] 9点(2005-09-10 10:56:33)(良:1票) 194. カサブランカ 《ネタバレ》 元カノをどこまで許せるか?がテーマですね。一方でゲシュタポと地下組織との闘い。裏切られたら、誰だってリックのようにイルザを許す気にはなれない。だって助ける義理がないもん。しかし、駅にこなかった理由を知り、まだ愛してくれていたと知り、元カノの危機を救う。男じゃないですか(涙)。最初、「君の瞳に乾杯!」のセリフに、(なんだコイツは、キザったらしいな)と思っていました。しかし、地下組織を支援するため、自分には得にならないラズロを、命を賭して逃がす(真意はイルザのため)リック。そして笑顔で去ってゆく。男の中の男でした。とっても真似できないよ。女を許すのが男の度量ってことですね。まだまだ僕では、経験不足ですね(落胆)。[DVD(字幕)] 7点(2005-09-09 21:47:43) 195. デーヴ 《ネタバレ》 今、郵政民営化問題と衆院選の造反議員への刺客やらで、話題になっています。この映画の良いところは、デーヴのみならずエレンやナンス副大統領らが、『本当に』庶民の味方である点です。政治ゲームに惑わされず、目の前の惨状を親身に改善しようとするデーヴの人間味あふれる政治活動に、何度観ても気持ちがほんわかとなってしまいます。SPの「君のためなら死ねる」はベタでも感動せずにはいられません。大統領、やめたらタダの人、ですが、ラストの抱擁、そしてあの人のガードは、こういう結末で良かったと思いました。こういう映画こそ現代の政治家に観てもらいたいです。政治的なしがらみがあるのも分かりますけど、デーヴのように生徒会長、いや、学級委員長のような青臭い理想を持ち続けてほしいです。[DVD(吹替)] 10点(2005-09-08 22:13:07)(良:1票) 196. 大脱走 《ネタバレ》 よくこれだけ豪華な俳優陣を揃えたもんです。いまリメイクしたら、ギャラだけで200億円ぐらいいきそうですね。その手のプロたちが、洗練された技術で着々と準備していく。250人分の服って、どうやって調達すんだよ? 掘った穴の隠し方は? 土は? 展開が進みながら、ワクワクしてしまう。しかも、チャールズ・ブロンソン演ずるダニーやコリン、序盤ヒルツと一緒だった小さい人のように、精神に支障をきたしてきた人たちの模様が、脱走に対する希望と不安を強弱をつけて煽ってくれました。脱走後の逃走手段も飽きがこない。邦題は直訳ですが、あえて砕けたタイトルにするなら、やっぱ『塀の中の懲りない面々』かなぁ。懲りないってのは、もちろんスティーブ・マックィーン。4回ある壁キャッチボールも、順番に、思案・苛立ち・確信・闘志を感じました。いやぁ、面白かった。[DVD(吹替)] 9点(2005-09-07 22:15:26)(良:1票) 197. 八月のクリスマス(1998) 《ネタバレ》 交際しているわけではないのに、気がついたら惹かれていて、逢えないときになって…、ていうのって、いいですね。ちょっと切なくて。温厚でおとなしく優しいカメラ屋さんが唯一、交番で感情を剥き出しにしたのが印象的でした。死と向かい合いながらも、淡々と毎日をいつも通りにすごすことって、思い切った意思が必要なのかもしれません。淡々としているからこそ、時折見せる、ちょっとした微笑がカメラ屋さんのその時々の心情を分かりやすく伝えてくれています。お金がかかってなくても良いものは良いですね。[DVD(吹替)] 6点(2005-09-07 17:54:26) 198. デイ・アフター・トゥモロー 《ネタバレ》 ちょうどこのレビューを書いている時期に、アメリカで超大型ハリケーン『カトリーナ』が爪痕を残しており、黒人差別だ、無法地帯だ、と騒いでいますので、今日の昼間、再び観ました。結論から言えば、作品自体は、展開はあとひとつでした。ただ、良かったのは、非常事態下で、富める者×貧しい者、アメリカ×メキシコ、など、相反するものが、政策やら偏見やらの枠を超えて協力し合う点です。それを皮肉と捉えるのか、美談と捉えるのかは、それぞれの人の見方によると思います。僕は後者の方で捉えました。CGしか見所がない点や、日本のシーンやオオカミなど評価の低い理由がてんこもりなのが残念です。 でも、災害の怖さは、よーく分かりました。地球温暖化を阻止すべく、自動車のアイドリングをストップしたほうがよさそうですね。[DVD(吹替)] 6点(2005-09-05 22:33:36) 199. ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12ヶ月 《ネタバレ》 一生懸命だけど空回りしてしまう、ドジなブリジット・ジョーンズがとっても大好きです。それを演じたレニー・ゼルウィガーさんが、特に終盤のタイの留置場の面会室でのマークに差し出す手の震えが、そのときのブリジットの心情をこの映画の中で一番分かりやすく演じていて、スゴイと思いました。シカゴでスレンダーだったのを、この役作りのために体重を増やしたことも当然ながら、バリバリ(か?)のキャリア・ウーマンの峠を越した女性を演じるのって、素でやれそうで意外と難しい役どころだと思います。そういう意味では、”女優のプライドを捨てた女優”として、レニーさんはスゴイ女性だと思います。とってもブサカワイイから最高です。お人形さんみたいな女優よりも全然飽きがこなくて良いです。コリンとヒューによる、お馴染みのインテリ×イケメンがガキっぽい取っ組み合いのケンカをするのも、ほのぼのしてて良いです。作品としての評価は、ホントは6点ぐらいの評価なんだけど、なんだか憎めないのでもう1点サービスしてあげたい。[DVD(吹替)] 7点(2005-09-05 21:58:24) 200. アンタッチャブル 禁酒法とアル・カポネ。史実を元にした映画だそうですが、豪華な役者陣、練りこまれた脚本にすっかりのめり込んでしまいました。おそらく何度も撮り直したであろう、長く360度の立体感に満ちたカメラワークが凄すぎるッ!さすがブライアン・デ・パルマだッ!(自分の髪の毛をわざわざ抜いてアル・カポネ役を演じたという、)ロバート・デ・ニーロの存在感も圧倒的すぎるッ! ・デ・と入力するのが面倒くさすぎるッ!以上、終わりッ![DVD(吹替)] 9点(2005-09-03 23:35:39)
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