みんなのシネマレビュー
アンドレ・タカシさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 2127
性別 男性
自己紹介 2022/3/26に以下のような自己紹介文をアップしました。
ロシアのウクライナ侵攻が始まってひと月経過。
映画は観ていますが、侵略戦争のせいでレビューする気になれません。
私の映画レビューと戦争は直接関係しませんが、
楽しく文章を考える気分じゃない、ってことですね。
ロシアが撤退するか、プーチンがいなくなったら再開します。


そして、
侵略戦争が膠着状態に入り、
いつ終わるか識者にも判断できない状況になりました。
まぁ正直、痺れを切らしたので、レビューを再開します。
ウクライナ、頑張れ!

2024年3月17日更新

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順1234567891011121314151617181920
2122232425
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425

181.  ぱいかじ南海作戦 《ネタバレ》 都会での仕事と生活から離れ、南の島の豊かな自然の中で暮らす。都市生活者なら誰もが一度は夢想するのではないだろうか。そして、観光で実際に島を訪れると海の美しさに感化され、その向こう側に透けて見える都会の環境や暮らしとのギャップにタメイキが出て、ちょっとだけマジに考えてみたりもする。たぶんここまでが普通の流れ。でも、なかなかその先へは進めません。仕事、家族、友人、等々。クリアすべきハードルはたくさんあります。 本作の主人公の島暮らしは、トラブルがあって強制的に始まりました。なんとか生き残ってましたけど、そこはフィクション。常識的には、あんな遭難者のような生活が出来る訳がないと思う。美女がそこに加わるなんて夢のまた夢でしょう。ラストシーン、主人公が曖昧な目的のまま再び海へ乗り出すところで映画は終わります。なんともいい加減な終わり方なんだけど、実はそのあたりがホントのテーマなのかなと思いました。アクションを躊躇する人の背中を押すほどの説得力はないんですけど、思い切らない限りは生活を切り替えることは出来ませんから。全体を通したバカっぽい見え方は「私は責任とれません」と云う原作者のエクスキューズのような気もします。原作未読ですけど(笑)。 以下、余談。自分のことで恐縮ですが、1年半ほど前に東京から沖縄へ移住しました。広告業界で働いていたことも本作の主人公と被り、CMロケの描写には苦笑しました(中途半端にリアルです)。つい先日訪れた西表島では劇中の大富共同組合売店で何度も買い物をしたので、とても身近な映画でした。自分は臆病なので移住前は色々と机上で計算をしましたけど、最後はやっぱり「思い切って」でした。[CS・衛星(邦画)] 5点(2013-11-18 01:31:44)(良:1票) 《改行有》

182.  清須会議 《ネタバレ》 三谷的言葉遊びコメディは抑え目で、真っ当な歴史作品だったと思います。歴史には詳しくないけど、信長亡き後、柴田勝家と羽柴秀吉が対立したことくらいは知っています。その認識を肉付けしてもらった感じです。 秀吉の人物像は至るところで表現されているので特に新しい部分は無かったけど、秀吉と対照的に描かれる柴田勝家が面白かったです。歴史的には典型的な戦国武将で、戦場でこそ器量が生きる人。だから、本作のような会議工作は大の苦手。でも、周囲から「おやじ様」と慕われる人柄が表現されています。秀吉が主人公の物語では、織田家の古参として成り上がりの秀吉を目の仇にする設定が多いけど、嫌いになれない人物像が新鮮でした。池田恒興を新潟の米やカニで買収しようとする朴訥さに脚本的な創意が見られます。 その勝家をフォローする丹羽長秀も秀吉とは違うタイプの事務屋として描かれていて、ここでも勝家との対照が描かれます。生真面目な長秀と鷹揚な勝家の落差のある遣り取りがとても可笑しい。役所広司と小日向文世のキャストがピタッと嵌っていましたね。個人的には、秀吉や長秀との絡みを通して勝家を楽しむ作品でした。[映画館(邦画)] 6点(2013-11-11 21:10:34)(良:1票) 《改行有》

183.  今日、恋をはじめます 《ネタバレ》 別に悪い作品ではないんだけど、中年オヤジには観るべきところがほとんどありません。じゃあ、見るなよって話なんですけど。この監督の作品は酷いのが多いけど、本作は無難にまとめ過ぎていて、やはりかなりツマラナイです。じゃあ、見るなよって話なんですけど。私も子供の頃からの天文ファンですが、残念ながらナンパに使ったことはありませんです。[CS・衛星(邦画)] 3点(2013-11-11 00:45:23)

184.  夢売るふたり 《ネタバレ》 言葉にしにくい感情を表現しているという意味で、ケータイ小説や少女マンガとは別次元の恋愛ものでした。なんか、トリュフォーの映画でも観ている感じで、色んな感情が渦巻いて見応えありました。 中盤で亭主が妻に対して「(俺の)浮気と、生活に余裕のある女たちへの復讐だろう」と指摘します。私もその通りだと思いました。妻も自覚していたはずです。でも、妻は徐々に心の均衡を失って行きます。亭主がカモである独身女性たちに同情的だからです。その同情に対して、妻は嫉妬しているのでした。ここ、すごく微妙な感情の起伏が演出されます。自分がやらせている行為なので、妻は亭主に止めろと言えません。まして、彼女たちに同情するなとは言えません。人柄は鎖に繋げないからです。亭主が金儲けに体を使っている間、自分で慰める妻。生理用ショーツは、受精せずに流されて行く子供の暗喩でしょうか。強靭に見えて、実は脆くてデリケートな妻の心情です。 対する亭主も繊細なんだけど、そんな妻の心情を100%は解せない。これがマンガやドラマなら(笑)、ハッとして妻の内面に気付くシーンが用意されるけど、本作は最後まで転げ落ちます。そこまで追い詰めて、何が見えてくるかを追いかけた作品でした。確かに詐欺は「夢を売る」と形容できると思います。本作の結婚詐欺もそのひとつだけど、この夫婦は結果として自分たちの夢まで売ってしまった。だから、タイトルは半分皮肉です。 本作から何らかのメッセージを得るのは難しかったです。敢えて言葉にすると、男女のデリケートは質が違うってことでしょうか。男のデリケートは外に向かって発揮され、女のデリケートは内に籠って行く。思い切って言うなら、女の方が残酷で怖い。そんな印象です。そして、「ゆれる」と同様に、エンディングの解釈を鑑賞側へ投げてくれます。妻の顔は「もう、放っておいて」と言ってます。あのシチュエーションの相手は亭主以外には考えられない。出所した亭主をにこやかに迎える気になれないのです。自分の心情を汲んでくれなかった恨みが尾を引いているのでしょう。夫婦は共有していた夢を売り尽くした状態から、再スタートが切れるのか? それが監督からの問いかけのような気もします。妻の不機嫌はツンデレの一種、と私は考えたいです。[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-11-10 21:26:34)(良:2票) 《改行有》

185.  ALWAYS 三丁目の夕日‘64 《ネタバレ》 あざとい脚本が鼻に付くシリーズです。本作でも、淳之介を追い出すところとか、婚約者の素性の勘違いとか、とてもワザとらしい。でも、それらを補う描写があちこちにあって、悪口を言う気が失せます(笑)。 今のテレビは量販店で買って持ち帰り、壁の端子にコードを繋いだら見られるけれど、昔は買った日から一週間以上経ってから電気屋さんが運んで来て、屋根に上ってアンテナ工事をして初めて見られる代物でした。そのテレビに映像が映った時の興奮は、家電製品がひとつ増えただけでは無く、生活の向上や社会の成長が実感できる証拠のようなものだったと思います。私は40年ほど前の我家にカラーテレビがやって来た日をまざまざと思い出しました。 5年前に製作された前作から、劇中でも同様に5年の歳月が流れていることも上手く活かしていました。子供たちが育ち、青森から集団就職で上京した堀北真希が嫁に行く。演技者の成長と劇中の成長を重ねられる作品は、最近では「ハリーポッター」くらいだろうか。「1」のレビューに「堀北真希が一皮むけた感じ」なんて書いたのだけど、若手を代表する女優になりました。今後も大きく期待できることが嬉しかったりする。[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-11-07 01:16:01)(良:1票) 《改行有》

186.  メランコリア 《ネタバレ》 「うつ病」なるタイトル。接近する巨大惑星も同じ名前だったりする。世界をうつ病で覆い尽くせ、という監督の願いなのか? この監督は本気で「こんな世界は滅んでしまえ!」と思っている気がします。 こんな世界とは、自分勝手で主張の強いクソ女が生きにくい世界。その生きにくさを前半の披露宴シーンでしっかりと見せてくれます。でも、彼女はうつ病というより単に我儘なだけに思えました。うつ病の人は積極的に他者に迷惑を掛けないと思います。ひたすらに不快だったその無軌道ぶりが、世界の終わりという絶対的な平準化を前に意味を変える。死んじまえばみんな同じ、です。世界を憎んでいるクソ女が終末を歓迎するのは分かる。でも、幼い子供を持つ母親を並列に描くことに激しく嫌悪しました。世の中を憎む者の意趣返しとして「滅亡」を描くことに意義があるのでしょうか。本当にそんな日が来るのだとすれば、逸脱者の安寧というレベルで語るよりも描くべきことがあるはずだと思うのです。 適当にお茶を濁す映画とは別格の着眼や主張を持った作品で、その姿勢は高く評価します。でも、語られる内容には同意したくない。キルスティン・ダンストは元々が大嫌いな女優ですが、演技者として見直しました。[CS・衛星(字幕)] 2点(2013-11-04 01:38:18)《改行有》

187.  最強のふたり 《ネタバレ》 良い映画でした。障害をネタにジョークを飛ばす。受け入れる側の度量にも依るが、悪気が無いから赦される。見ていてヒヤヒヤするのは最初だけで、あとは心地良いシーンの連続でした。でも、これは特殊な例なのでしょう。ものの道理が分かり、介護にいくらでもお金が使える富豪と、フランクすぎる欠点を充分にカバーできる能力を持った黒人青年。どこにでもある組み合わせではありません。だから「最強」なのでしょうけど。特に青年は回転の速さや押し引きの匙加減に高い資質が見て取れる。気難しい金持ちを上手く転がした彼の手腕が見どころでした。[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-10-18 00:45:35)(良:2票)

188.  たまたま 《ネタバレ》 蒼井優が異国をブラブラする短編。彼女の目的が良く分からない。テーマらしきことがモノローグで語られるが特に共感しなかった。と云うか、数日前の鑑賞だが、すでに何を言っていたか忘れた。蒼井優は何かを演じていてこその蒼井優だと思う。役を演じていない蒼井優はツマラナイ。[CS・衛星(邦画)] 2点(2013-10-17 01:45:03)

189.  エリジウム 《ネタバレ》 見応えの8割以上が世界観の構築という印象。それは監督のデビュー作「第9地区」と同様ですが、その世界観を物語に昇華しきれず、デビュー作には及ばなかったという評価です。 エリジウムの迎撃システムの非装備や警察警備的システムの手薄は好意的な解釈で納得できても、医療ポッドが地上に「ひとつも無い」ことには解消できない不可解が残ります。格差社会を描くうえで最も大切な部分の考証を映像で見せることを怠り、大味なアクションでお茶を濁しました。 エリジウムの設計や外骨格サイボーグの創意にワクワクしただけに、残念な印象が尾を引きました。 ハードSF的風味を期待できる監督だと思っています。次作に期待します。[映画館(字幕)] 6点(2013-10-16 23:59:12)《改行有》

190.  任侠ヘルパー 《ネタバレ》 ドラマは見ていません。想像していたより良かったです。眼つきの悪い草彅クンがそれっぽく見えました。善人とも悪人とも言えない複雑な人格が面白かったです。 私は詳しくないのですが、介護にまつわる問題点を正しく取り上げているように見受けられました。身内にとっての介護と仕事としての介護の乖離は、どちらの言い分も正しいと思えるだけに、リアルに映りました。ヤクザのシノギと高齢者介護も、おそらく現実的な接点として存在するのだと思います。そういう意味で着眼は良いと思います。 後半はドラマっぽい、つまり安っぽい展開が目に付きました。黒木メイサはドラマのメインキャストなのでしょうが、その登場は本作のストーリーに必然がありません。ストーリーを介護問題に絡めて決着させることを放棄して、腕力によるヤクザの意趣返しに逃げたように映りました。施設を焼いたところで、あの組にとってメリットは何も無いはずだし、草彅クンも別に慈善事業をやろうと思っていた訳ではない。その辺りに甘さを残した作り方でした。もう少しキッチリまとめてあれば、評価が跳ね上がったと思います。[CS・衛星(邦画)] 4点(2013-10-15 00:29:51)(良:2票) 《改行有》

191.  はやぶさ 遥かなる帰還 《ネタバレ》 はやぶさ3作の中では、個人的に最も評価します。はやぶさ帰還の感動話は別にして、関わった人たちの実情を描こうと言う姿勢に魅かれました。 華やかに見える宇宙事業の裏側で、地道な作業を続ける人がいる。「プロジェクト」に関わる人たちが仲良しグループという訳でもない。地味な印象の残る描写ですが、「仕事」とはこんなものだ思うのです。経済社会に於いて生きる為の糧を得る手段が仕事ですが、それだけでは説明できない側面があります。つまり「仕事」とは、夢や希望だけでは成立しないし、打算的な成果だけを希求するものでもない。曖昧なボーダー上で個々人の想いを乗せ、揺れながら進むのが仕事なのだと思います。そんな紆余曲折感がとても良く表現されています。 そして極めつけは「無理なのは分かった、でも何とかならない?」です。何度も同じ目に遭いましたよ。本作は、はやぶさの成功譚と云うよりも、それに形を借りたニッポンのサラリーマン映画ですね。[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-09-24 02:16:29)(良:1票) 《改行有》

192.  おかえり、はやぶさ 《ネタバレ》 はやぶさの帰還という感動的な実話を、既視感のあるフィクションで脚色した作品でした。好き嫌いで言うとかなり嫌いなタイプで、個人評価では、はやぶさ3作で最下位にランクされました。JAXA職員の家族を病気にして、その回復とはやぶさの帰還を同期させる様な芸の無いことを平気でやっています。「のぞみ」で失敗したJAXA教授が講演で語る「宇宙に支えられて生きている」なんて言葉は、どこから借りて来たのか知りませんが、この映画のためだけの台詞だと思いました。冒頭、ガキ同士の開発予算議論にもなんか腹が立ちました。子供に言わせることで、お茶を濁している印象です。 宇宙は分からない事だらけだから、多くの予算を使っても探究する意義がある。これは私の言葉です。[CS・衛星(邦画)] 3点(2013-09-24 02:07:40)《改行有》

193.  キャプテンハーロック -SPACE PIRATE CAPTAIN HARLOCK- 《ネタバレ》 CGの精度は良かったと思う。小栗旬の年齢不相応な渋い声に感心。 でも、それ以外は褒めるところが無い。種として弱体化した5000億人(だっけ?)の宇宙生活者が地球を取り合い戦争をやったらしい。ホームシックでの殺し合いに違和感を覚えつつ、ハーロックのバイタリティと対照させる為の設定だと思っていた。ところが、ハーロックが準備を進めていた計画は総人類の抹殺ですよ。自分の悲嘆に酔いしれた革命家みたいで、激しくガッカリしました。さらに、ダークマターなんて良く分からんモノを持ち出して、多くの場面で様々な機能を発揮させるものだから、何でもアリ感が蔓延して高揚が湧いて来ない。消滅したミーメが再生したり、死んだように見えた乗組員がゾンビのように蘇ったり。あれも、ダークマターのおかげなんだろうか? 最後まで設定、キャラ、ストーリーがシンクロしないチグハグ感を抱えながらの鑑賞だった。 先述の心神喪失気味なハーロックを除くと、物語を構成するモチーフが総じて古臭い。壮大なはずのお話に、既視感があるような兄弟の痴話喧嘩が同レベルで混ざる。保守的な元凶や地球を愛する敵指揮官は、考えてみれば懐かしのTVシリーズと同じ。踏襲したとは思わないが、それも全体を古く見せている気がした。 元々、ハーロックは松本センセの憧れの集大成みたいな人らしいけど、観念的な描写が多くて確固とした実体を伴わないキャラだった。それはそれで、個人的には嫌いじゃなかったのだけど、本作では旗印だった「自由」と「信念」に合致するような行動が見当たらない。寿命まで延びて、さらに不明のキャラになりました。[映画館(邦画)] 3点(2013-09-21 03:51:58)《改行有》

194.  終の信託 《ネタバレ》 裁判的には、あの女医は有罪でしょう。致死量を超える鎮静剤で事を収めた訳ですから。病人を苦しませたのは失態でした。しかも、慄く家族の前で子守唄なんか歌うもんだから、そりゃ異常に映ります。執行猶予付きの判決は、まことに日本らしい決着のつけ方だと思いました。 私は年齢的に患者側の立場で見ていました。自分も延命措置なんてして欲しくない。大方の人はそうだと思います。ならば、何をしておくきべきなのか。普段は考えないことなので、刺激的でした。 興味深かったのは女医の描写です。覇気が無くコミュニケーションが下手。オツムは優秀だけど、計算高いことは出来ない。技術を持っているから医者は出来ても、文系なら社会で使いものにならないタイプ。営業スマイルなんて、絶対に無理でしょう。その人物像がとてもリアルでした。真面目過ぎて、上手に生きられない。そんな薄幸な人を草刈民代はそれらしく陰気に演じていました。 【信託】とは信頼して任せること。人生の最期を信託するのは肉親であるべきですが、それが叶わない場合、本作の女医のような人は信頼できると思いました。無器用な女医の生きざまと、生死に於ける信任のバランス。それが本作の重たい見応えに繋がっているのだと思いました。[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-09-19 02:34:09)(良:1票) 《改行有》

195.  ウルヴァリン:SAMURAI 《ネタバレ》 残念系ハリウッド制作ジャパンムービーだった。元がマンガとはいえ、悪者は全員「ヤクザ」、工作員は全員「忍者」。自分としては、新幹線や僧上寺のように、背景に日本の風景が映されるだけで興味深く観られるのだが、それだけでは日本でロケをする意義が無いらしい。そこに不満を垂れるのは野暮なのかも知れないが、漏れるタメイキは止められない。近年、ハリウッドが描く日本も徐々にそれらしくなって来ていたのだけど、本作に関しては半世紀前の「007は二度死ぬ」の頃に戻ったような印象だった。 序盤、山に籠るローガンの行動原理に武士道的なニュアンスを含ませるが、上手く消化できたとは言い難い。日本的な気質や恩義の描写がいびつな観念に映った。ヒロインが父や祖父に抱く感情を適当に流している部分もマイナスポイント。そもそも、ローガンが危険を冒してヒロインを庇う動機が良く分からん。情報操作の意図は無いと思うが、「2発目」が投下された長崎が漁村しかない場所に見えた。[映画館(字幕)] 3点(2013-09-16 13:50:30)《改行有》

196.  戦火の馬 《ネタバレ》 しなやかな馬の肢体と疾走感だけでも充分に見どころがあるのですが、随所に挟まる描写に「きれいごと」を感じて個人的評価を下げました。ジョーイの人間的な献身や戦線均衡地帯での英独兵士の遣り取りなどです。本来は感動ポイントなのでしょうけど。有刺鉄線のバリケードをいくつも引きずって暴れまわったら、あの程度じゃ済まないことはかつての大仁田厚を見ていれば分かることで、そのあたりも「きれいごと」でした。裂傷だらけの馬が見たいのでは無く、傷口を見せない演出が見たかった。スピルバーグは思い切った冷徹な描写も出来る人ですが、本作ではそれを封印してファンタジックにまとめています。そのスタンスが本来のスピルバーグとも言えますが、私は物足りなさを覚えました。[CS・衛星(字幕)] 4点(2013-09-15 01:51:51)

197.  ハンガー・ゲーム 《ネタバレ》 シビアな殺し合いの映画かと思っていたら、そうでも無かった。シビアじゃない、という意味です。多くの矛盾点が指摘されていますが、私はさほど気にならなかった。主人公の心情を丁寧に追っていることが好感で、矛盾を感じても好意的に解釈しながら観ていたのだと思います。ただ、あのゲームで支配体制が維持できるという理屈だけは分かりません。郷土の若者を供出させられ、90%以上が殺される。不平が募るのが常識的な反応だと思いますけどね。 玉虫色のルール変更によって彼女たちが自ら命を絶ち、それに不満を覚えた民衆が暴動を起こすような結末を想像しました。そんな安易な方向へ行かなくて良かったのですが、あの結末からカタルシスは得られません。体制側に一泡吹かせてやったのは確かですが、そこまでのストレスを考えると貸しの方が圧倒的に多い。気持ち悪いです。[CS・衛星(字幕)] 5点(2013-09-15 01:30:43)《改行有》

198.  ボーン・レガシー 《ネタバレ》 ジェイソン・ボーンの設定から派生したスピンオフ的作品でした。まぁ、それは観る前から分かっていたんだけど、ボーンシリーズを詳細に記憶している訳では無いので導入が分かりにくい。序盤、部署と肩書きだけをテロップ表示される人たちが密室で言い争っているシーンが続き、何が起こっているのか良く分からないまま虐殺と追撃が始まります。断片的な台詞は迫真性を増すと言うより、分かりにくさを助長していたと思います。途中からは追う者・追われる者の構図がハッキリしていて観やすいのですが、ストーリー的には逃げ切って終わるだけで、特にカタルシスがありません。単純なお話を無理に複雑そうに見せて無駄に尺を伸ばしている映画でした。例えば、主人公の性別を変えるとか、中国が横やりを入れてくるとか、何か新味を入れないとダメでしょう。ちなみに、ジェレミー・レナーは馬鹿に戻りたくないのでフィリピンまで行ったんですよね?[CS・衛星(字幕)] 3点(2013-09-05 23:12:50)(良:1票)

199.  マン・オブ・スティール 《ネタバレ》 クリプトン星でのプロローグに始まり、超人的な能力を疎みながらも地球での家族やロイス・レインとの交流を通して「人間」的な成長を遂げた主人公が、実の父に会って使命感を担い「スーパーマン」になる。この流れが良かったです。単に「空飛ぶ力持ち」では無い主人公像を作り、地球における彼の存在意義を固める作業だったのだと思います。能力にも目を瞠る。パワーよりも加速力とスピード感に重点が置かれ、過去に見たことがない描写が頻出。本作を見る限りはアベンジャーズが束になって掛かっても敵わない強さで、元祖的な風格を持つヒーローのリブート作品らしい仕上がりでした。 でも、そんな感慨もゾッド将軍がやって来てからはどんどん削られて行きました。最初のうちは面白かった戦闘シーンも、やがて瓦礫の量が気になり始め、環境改造が始まると映像には映されない死者の数に気分が重くなりました。壊し過ぎ、殺し過ぎなんです。例えば、怪獣とロボットが戦う映画で当然のようにスルーしていたことが、コチラではとても気になる。これは前半で誠実に描かれた主人公像とのギャップであり、シビアなヒーローものがB級まがいに変化した違和感だと思います。さらに、この惨事を引き起こした原因を辿ると主人公が地球へ来たことに突き当たるはずです。「彼のおかげ」で地球が救われたと云うより、「彼のせい」で多くの命が失われたと、少なくとも遺族は考えるでしょう。この種の作品は破壊描写が見せ所ですが、そこへの配慮が足りなくて前半と後半で世界観に落差が生まれ、バランスを悪くしたという意見です。前半が良かっただけに、勿体ない。[映画館(字幕)] 6点(2013-09-05 18:49:46)(良:2票) 《改行有》

200.  ガッチャマン 《ネタバレ》 伝統的なダメダメ邦画SFの腐臭に満ちていました。ちょっと懐かしさを覚えるくらい。理屈が先行してストーリーを為さない腐った脚本を、演出がさらにドロドロにする感じです。酷評の嵐に興味を掻き立てられましたが、観て良かったです。「ガッチャマン」というタイトルで無ければ、平均点がもう少し高いのかもしれません。私がイチバン残念だったのはジュンのコスチューム。なんでパンツなの。[映画館(邦画)] 1点(2013-08-30 10:42:43)(良:2票)

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS