みんなのシネマレビュー |
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2001. オーメン(1976) 《ネタバレ》 ホラーが苦手な(ワリには見てますが)私が、学校の友達のつきあいで嫌々見に行った映画。せっかくの大スクリーンな有楽座なのに、私の好きな前の方じゃなくってみんなに合わせて後ろの方で見たせいもあってか、ちっとも恐くなくて「あー、はいはい終りましたね、結局努力は全然無駄だったってコトね」って印象しか持ちませんでした(今でも記憶に残る、遠くから見たシネスコスクリーンに大映しになる銃弾)。首コロコロ~ってしても、なんだかお人形さんだよね、みたいな印象でしたし、串刺しも「なんか背中のトコに棒が立ってるだけじゃない?」って思いましたし。なんつーか、冷めまくり。今見れば、もしかすると全然違った印象を受けるのかもしれませんが、どうも初見の印象が悪くて・・・。悪魔がやる事のセコさとか、ダミアン出生の秘密とか、どうもB級っぽくてピンと来ないんですよねぇ。[映画館(字幕)] 5点(2003-11-22 20:25:31) 2002. アルタード・ステーツ/未知への挑戦 《ネタバレ》 「ええ~?なんで~?」とツッコミどころ満載な映画ではあります。原初的な記憶を遡り、と、そこまではいい感じ。でも、実際にお猿になってうっほうほ、とか、それより前のもげもげしてた時代のモノになったりとか、んなアホな、って感じで。しかもクスリキメて液体にぷかぁ、と浮かんでるだけで。細胞単位で刻まれている記憶情報がいちいち退行を呼んでたら、ちょっとしたハズミで街のあちこちでもげもげしちゃってそう。設定では別にDNA単位で操作しちゃってるワケじゃないですしねぇ。しかも、もげもげした状態の人に触れただけでそれが感染しちゃう、ってのはどーなのかしらねぇ? だけど、「そーゆーモンなの!」という確固たる信念で作られているんで、こちらも「ああ、そうですか」と割り切って見られるワケですけどもね。[映画館(字幕)] 5点(2003-11-22 17:28:04)(笑:1票) 2003. ハッスル(1975) これは、なんにもする事がない昼下がり、テレビの洋画劇場でぼーっと見ていれば、なかなかに泣ける映画じゃないの、くらいには思えるかもしれませんね。少なくとも、うぉー、期待しちゃってるぞ、見るぞ!という積極的な視点で見ちゃイケナいタイプ。ところで当時、映画雑誌に大事なシーンのネタバレスチールが掲載されていたワケですが、そこを知ってしまうと、この映画って見るべきところがなーんにもなくなっちゃうような気が・・・。うわーん。5点(2003-11-22 15:57:26) 2004. ターミネーター3 《ネタバレ》 もはや出がらしみたいなもので、こんなんだったら何作でも作れちゃうよねぇ、と思いつつ、アクションシーンはフツーに面白く楽しめ(トイレクラッシュ大バトルなんてメジャーなタイトルでやっちゃう度胸がステキ)、だけどラストの対決は呆気なさ過ぎでしょ。もっともっと激しくやってくんなくっちゃ。でも、「2」で『どーなってんの!』と怒った、どこかへ行っちゃった審判の日をキチンと元に戻してくれたので、そこは納得です。やっぱり審判の日なくして「ターミネーター」の世界は成立しないし、語れないでしょうよ、と。[映画館(字幕)] 5点(2003-11-22 14:32:39) 2005. 女王蜂(1978) 《ネタバレ》 映画のカラーをきらびやかに、というコンセプトは、金田一シリーズのイメージとの食い合わせの悪さを生じ、激しく消化不良状態にもがく事になっちゃいました。化粧品メーカーとのタイアップが、映画全体をぎくしゃくさせちゃったんじゃないでしょうか。それぞれのエピソードが上手く繋がってない感じで、間延びしまくってます。冒頭こそ、いきなり殺人現場から始まって、一気に引き込む導入部となっていましたが、中はぐだぐだ。殺人シーンはそんなのアリ?みたいなのもありますし(天井からナイフがずどずどずどっ!って、ええ~?)。市川=石坂金田一もので唯一イメージソングが存在するこの映画、宣伝効果もあって、満員でしたが、ホラーものと勘違いした小学生達が、ダレダレ~ン、となっていたのが印象的でした。[試写会(字幕)] 5点(2003-11-22 13:56:10) 2006. バレット モンク チョウ・ユンファ!ジョン・ウー!ってところで期待しちゃうと、ガッカリしちゃうかもだ。良くも悪くもハリウッド映画なので。東洋の神秘を面白がるタイプで、アクションをたっぷり見せるよりは、物語を進めるのに忙しいって感じ。もう少し、香港映画テイストが欲しかったんですけどね。ハミ出したところのない、ソツなくまとめたって感じが強くて、多くを期待しなければ、まあそこそこ楽しいんじゃない、って。[試写会(字幕)] 5点(2003-11-21 23:10:09) 2007. 片腕カンフー対空とぶギロチン(93分版) 《ネタバレ》 主人公が卑怯者、って、なかなか素敵。勝つためには手段を選ばない、でもダークじゃなくて天然。対する空飛ぶギロチンは、もう少し改良の余地がありそうです。あれじゃ、ちょっとしたアイディアで無効化されちゃうのもムリないって。途中、延々続く「天下一武闘会」は、あってもなくてもどうでもいい、物語本体にはほとんど影響のない展開というところが斬新!安心してトイレに行けます。でも、この作品の最大の問題点は、映画館の大スクリーンに映るのが、全然似合ってない事。場末の映画館の3本立てか、画質の悪いビデオでゆるーいけだるーい気分で、缶チューハイでも飲みながら「あはは、バカでー」って見るのが正しい気がします。そういう意味では、5点くらいのユルい評価が合ってるんじゃないかと。[映画館(字幕)] 5点(2003-11-21 22:10:34) 2008. ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ! ビートルズ世代ではなくって、知ってる曲も両手の指で足りるくらい、という私には、当時の風俗を映しだす記録的価値しか見出せませんでした。この一作で、4人の魅力を判れ!と言われても無理ですしね。当時のファンのためのお祭り映画だった、という事でしょう。アーティストを知る、という点では、むしろ、完全な記録映画の方が楽しめたのかもしれません。初心者じゃなく中級者以上向け、かな。5点(2003-11-21 17:28:13) 2009. キングコング(1976) 《ネタバレ》 純粋な映画少年(?)だった当時「騙された!」と思った映画。イラストじゃ貿易センタービルをまたいでるコング、実際には貿易センタービルの間を飛び移るだけで必死だし。実物大を作った!と宣伝してたコングは腕とか首とか、ごくごく部分的に、のたーのたーと動くだけだし(着ぐるみと毛並みも色も違うヨ!)、固定ショットと移動ショットを合成しちゃってるし、落下するコングが空中から突如現れたりするし。でも、今思い返すと渋谷のガラガラのボロい映画館の淋しい状況と、映画に漂う空虚なイメージとが重なって、切ない思い出が甦ってノスタルジー気分。コング大暴れ!という映画じゃなくて、ガラーンとしたニューヨークをコングがとぼとぼ歩き、なんだかやたら編成の少ないオケによるジョン・バリーの音楽が淋しい気分を更に盛り上げてくれる、大作って言ってもナカミがないモノもあるのよ、っていうのを実際のカタチにして映画少年に現実を見せつけてくれたよーな映画だったんだなぁ、と。だからって評価高くしたりはしないですけどね。[映画館(字幕)] 5点(2003-11-21 11:56:53) 2010. マトリックス レボリューションズ 《ネタバレ》 「リローデッド」は眠くて仕方なかったんですけど、これはちゃんと起きてました。生キアヌも見られたしね。でも、大きなオチを用意したら、それがネタだとみんなに気付かれず(デウス・エクス・マキナを創作用語通りに出してみました、という)、思いっきりハズしちゃいました、みたいな感じが悲しいウォシャウスキー兄弟。ちょっと映画がシリアスになり過ぎちゃったのかな? CGお腹いっぱいな戦闘シーンは凄いけど、「マトリックス」で見たい映像じゃなかったですし。求めていたのは、1作目の、あの、ひたすらカッコつけたアクションの世界だったんですけどねぇ。 【追加】ああっ、眠ったままのネオを救いにゆく展開、甦ったものの主力戦には参加しない主人公一同、この展開は「スター・ウォーズ」の「帝国」~「ジェダイ」の流れではっ?・・・ってそれに気付いたからどーなの?・・・むぅ。[映画館(字幕)] 5点(2003-11-21 10:11:18)(良:1票) 2011. ゴーストバスターズ/フローズン・サマー 《ネタバレ》 なんか見ててあんまり面白くなくて、でも『ゴーストバスターズ』って1作目からずっと女性版以外あんまり面白くないよねー、って。 前作同様、フィービーが魅力的なキャラなんだけど、今回何がイヤだったかって大人たちがみんな良識人ぶった存在で、映画自体がそれを肯定してる感じなのがもうつまんない。フィービーの若さゆえの未熟さがダメなのよねー、って感じの映画で、いや彼女に謝らせるなや、みたいな。親たちも旧バスターズもみーんなつまんない存在。幽霊の友達だけが面白かったのにそれをネガティブな要素にしてるものだから救いがないわ、って。 ゴーストバスターズ的に特に新ネタがあるって感じでもなくて相変わらずのネタで引っ張ってる状態(スライマーにマシュマロマン、図書館での1作目の再現ネタなんか寒いわ、フローズンムービーだわ)、ボスキャラ最弱じゃね?みたいな状態で(復活から退場まで随分とアッサリだわよ)なんか1つのネタで延々引っ張ってますって出涸らし感ハンパないわ。 音楽もエルマー・バーンスタインをリスペクトし過ぎちゃってるし、なんかもう全然違うコトできないのかしらねぇ? 女性版の続きが見たいわねぇ。[映画館(字幕)] 4点(2024-04-08 15:55:49)《改行有》 2012. 天間荘の三姉妹 《ネタバレ》 とにかく最初に言いたいのはダルくなるくらいに長いわ。とてもじゃないけどここまでの尺は要らないわよ。 生者と死者を巡る感動的な物語、かと思ったら冒頭からずっと頭ヒネりまくり、ハテナマーク浮かびまくりのおかしな映画だったわ。 展開上、隠されている、徐々に見えてくる要素がいっぱいあるのだけれど、それを隠したことが映画にとって有効だったのかどうかが甚だ疑問なのよね。ドラマで魅せたいのならば、登場人物に対してはともかく観客にはむしろ最初から映画世界の仕組みを説明しておいた方が良かったんじゃないかしら? 隠されていた、あるいは明確にさせていなかったポイントは以下の通り。 ・まずこれは『スカイハイ』の番外編、『スカイハイ』と同一の世界観で描かれる作品であること。 ・登場人物の殆どは死者であること。 ・旅館を訪れる客のみが生死の境(意識不明状態)にあること。 ・旅館の一家のみが自ら既に死んでいることを認識しており、町の人びとは死んだことに気付いていないこと。 ・そして旅館の一家を含む町の人びとが東日本大震災の犠牲者であること。 ずっと作品世界の設定ルールが明確でないためドラマを堪能する以前に何がどうなってるの?っていうのが先に来てしまうのね。その上で「お行きなさい」とか言い出すので『地獄少女』?・・・じゃなかった『スカイハイ』みたい?って。更に東日本大震災という現実の出来事を題材にしながら「お行きなさい」を繰り返すので(ここでは「お逝きなさい」はさすがに使われてないわよね)、何?ふざけてるの?って。 とてもじゃないけれど震災の犠牲者に対してこの娯楽映画のあり様、カタチが相応しいとは思えないのよ。別にそういう映画を作るべきじゃないとか言わないけれど、鎮魂と残された人への癒しとしてはあまりに無神経で雑な出来だと思うわ。なんで『スカイハイ』なのよ「お行きなさい」とか言ってんじゃないわよ、って思ったのが正直なところ。 カメラ動かしまくり、ぐるぐるとテクニックに走った長回し、そんなこれ見よがしの要素(ついでに恥ずかしいレベルのVFX)が余計に題材に対する不真面目さを醸してしまっているのよね。 連なったエピソードもほのぼのとか癒しとかの方面じゃなくてギスギス、トゲトゲ、バタバタしたものばかり、豪華スターの競演によるドタバタ混乱劇よ。 そんな中でのんさんは独特な存在感があって良かったわ。彼女に抱いていたイメージと違う、ちょっと大柄で(周囲が小さい?)しなやかな体躯が際立って映えてるのよね。映画自体の印象と同じな、繊細とは言えない、ちょっと雑なカンジが彼女のキャラにだけは合っていたわ。 全編を説教臭さ、押しつけがましさが支配していて、こんな映画に過去を胸に未来を生きろ!とか言われても「偉そうに何よ?」ってカンジだったわね。[映画館(邦画)] 4点(2022-11-02 15:39:20)(良:1票) 《改行有》 2013. TANG タング 《ネタバレ》 三木孝浩監督の「記録と記憶の三部作」2本目。 記憶をなくしたポンコツロボットのタングと出会ったダメ男が妻に愛想つかされて家を追い出され、メーカーにタングを新品と交換して貰おうと旅に出るお話。メーカーの正規品ではないために交換して貰えず、タングを狙う怪しい連中に追われタングを誘拐され、更にタングの開発者の元へ・・・ 話が進むうちにタングに愛着を抱いてゆく主人公と、感情のようなモノが芽生えてゆくタングと。開発者にとってはタングの行動によって得られた記録のみが重要だけれど、主人公とタングにとってそれは記録ではなく記憶となって大切なココロの繋がりになってゆくのね。 映画としては使い古されまくったお話。アタシがよく喩える『E.T.』フォーマットってヤツ。『ショート・サーキット』から『アイアン・ジャイアント』を経て『ロン/僕のポンコツ・ボット』に連なるロボット友達の系譜のアレ。そしてそれらを決して越えてはゆかない、今時そんなところをウロウロしてるの?ってシロモノでしかないのよね。 良かったのはタングの可愛さ。動きとか喋りとか本当に可愛いの。主人公のためにコーヒーを運んでくるシーンなんか健気で泣けてくるわ。 でもそのタングの存在に対して人間側がまるで応えられてないの。脚本でも演出でも演技でも。 三木孝浩監督の演出はこのテのハリウッド風エンターテイメントには全く不向きとしか言えないのよね。簡潔にキッチリ計算された作りが求められると思うのだけどダルい演技の間や同じような画を延々と続けるクドさによって密度に欠けて隙間だらけなの。ニノや満島ひかりさんの泣きの演技なんか、変化もなく長々とやられると本当にシンドいわ。 そのシンドさに輪をかけてしまうかまいたちの二人の浮き具合。あれは映画の演技ではなくコントだわね。見てて『模倣犯』の爆笑問題思い出しちゃったわ。なんでこの映画にかまいたちが必要だったのか、必然性がまるで見えてこない、理解できないわ。 あと途中で協力する学者の奈緒さん、アレで終わり?その後どうなったの?ってすっぽり抜けてる感じで扱いが雑だったわね。 タング以外に良かった点としては武田鉄矢が悪役だったところかしらね。アタシの中であの人って胡散臭いオッサンでしかないから金〇先生みたいに善人演じられると...ねぇ。 あと近未来SFって事で三木監督の長所の1つ、ロケーションの魅力が封じ手になっちゃうんじゃない?って思ったけれどCGを駆使しての世界描写、結構頑張ってたわ。美術的には見どころありってカンジ。 ただタングの可愛さを愛でる映画、っていかんせんそれだけではツラいカンジで三木孝浩監督、このテのジャンルは向いてないかぁ、と残念な思いを抱いたわ。つーか山〇貴監督が撮ってればいいんじゃね?みたいな映画ね。[映画館(邦画)] 4点(2022-09-08 18:55:21)《改行有》 2014. ジュラシック・ワールド/新たなる支配者 《ネタバレ》 【注:超ネタバレ】 「ドジスンってあのドジスン? もう全然イメージ繋がんないんですけど? アレ、そういうキャラじゃなかったわよね? 単に偶然の一致?・・・ってシェービングクリームの缶、やっぱりあのドジスンなのね!ドジスン、ネドリーと同じ死に方、ここも1作目に繋いだってコトなのね」 って映画の興味が持続したとこそこだけね。あとはもう何やってんのかしら・・・って感じの映画だったわ。ガッカリもいいところよ。 前作ラストでもう地球大変、一大カタストロフ?みたいなカンジだったワケじゃない。それが今回なんやそれ、『怪獣総進撃』の怪獣ランドかいな、みたいな状況でちっちゃくまとめたところから始まって恐竜そっちのけで007の出来損ないみたいな人間同士の追っかけっこ、世界を股にかけて陰謀を追います!ってジャンル変わってるし。前作では恐竜にぐーっとキモチ寄せてたのに今回は恐竜が障害物みたいになっちゃって前作より扱いが退化しちゃったわ。 さらわれたメイジーとブルーちゃんの子を追うオーウェンとクレア、巨大イナゴの出所を追うグラント博士とサトラー博士との二元状態で進行してゆくのだけど、どちらもキャラがどんどん出てきて入り乱れドタバタして散漫もいいところ。ドジスンはボスとしてはあまりにキャラが弱くてありきたりで抜けていて。シリーズ最弱ボスよ。まああのドジスンだからねぇ。 問題は全キャラ薄いのよ。あちこち立てようとして結果的に全員薄くなっちゃってるの。オーウェンはこれまでのシリーズほど活躍しないし、せっかくの再登場のグラント博士、サトラー博士、そしてマルコム博士もドタバタ要員でしかなくて。ちっともこれまで確立したキャラを活かせてないの。 エピソードの数々は見せ場作りのための『ジュラシック・パーク』らしからぬ画が刹那的に連なるばかり。もっと恐竜見せてよ、恐竜を。 ジアッキーノ先生の音楽すらもジョン・ウィリアムズ御大のテーマ曲を盛り上げるでもなく、自身が前2作で提示したテーマを活かすでもなく、なんかハンパに鳴らしちゃったカンジでジアッキーノ先生のファンとしてこちらも肩透かしだわ。 そりゃ『ジュラシック・パーク』から全作初日に見てるくらいにはリアルタイムで触れてきたがゆえの感動ポイントがないワケじゃないわ。だけどそういうファンの気持ちすらも上手に作品創りに利用できてないのよね。何やってるのかしら? シリーズ完結、今までのシリーズの総括になると期待したのだけど、こんなドタバタが見たかったワケじゃないわ。唯一の萌えポイント、ブルーちゃんも今回出番が少なくて「あーもー!」ってストレス溜まっちゃったわね。[映画館(字幕)] 4点(2022-07-29 19:39:01)(良:3票) 《改行有》 2015. ソー:ラブ&サンダー 《ネタバレ》 なんだか眠たいデキの映画だったわ。 『ソー』って元々MCUの中でも特に絵空事感つよ~いシリーズだったけれど(神様のハナシだしね)、今回はその傾向が相当強くて。この世界とは違うどっか遠くで起きてる出来事って印象で(実際に現実空間を示すような画が殆ど存在してないし)、ソーのキャラがひたすら浮いてる(浮世離れしてる、上滑りしてる)ので鬱陶しさ醸してるし。ほぼ全編そんな彼がメインなので色々山あり谷ありな物語のハズなのだけどどうにも単調に感じてしまって。 冒頭、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの面々と共闘してる、ハズなのだけれどソーが場を荒らしてるのをただ眺めてる程度の軽い扱いでガッカリな感じだし(マンティスの顔がかなり変わっちゃったのだけど、どうして? 黒目がちな前の方が良かったわ)、せっかくのクリスチャン・ベールの悪役なのに出番少なくて前作のケイト・ブランシェット同様勿体ないとしか言いようのない扱いだし。子供をさらって以降、ソーたちを描くのに忙しくてその間殆ど動いてませんでした、って感じ。冒頭とラストにしかキャラが描かれてないのでナカミがすっぽり抜けてる感じなのよね。 せめてソーとジェーンのラブストーリーに酔わせて貰いたいところだったけれど、そういうキャラじゃなかったわね。ジェーンのマイティ・ソーっぷりは良かったけれど、これにて終了って幕引きしちゃったのが残念。 端役を意外な人たちが演じてたりするのだけど、そういう小ネタというかウケ狙いよりも、もっと本筋を面白くしてくれないかしら?って思ったわ。 良かったのはちょろっとだけどダーシーが出てきたこと。誰?今回ダーシーは出ないとか言ってたの。彼女の麗しい顔が見られて嬉しかったわ。[映画館(字幕)] 4点(2022-07-08 21:34:00)《改行有》 2016. 炎の少女チャーリー(2022) 《ネタバレ》 なんでへっぽこな前作の邦題をまたわざわざ持ってきちゃったの?ってカンジだけど、キングの『ファイアスターター』の再映画化というよりは『炎の少女チャーリー』のへっぽこさの再現みたいな映画なのでこれでいいのかもしれないわね。 今回も大した映画ではないわ。分厚いキングの小説からこってりとした人間描写を抜いてあらすじだけ抜き取ったらただのB級ホラーになるというのはさんざん繰り返されてきた事だけれど、この映画もまた同じようにB級の道をまっしぐら。 登場人物が少なく、舞台となる場所も決して多くはないのでとても狭い世界で展開する、まるで半径5Kmくらいで全ての出来事が起きてるみたいな映画なのよね。しかも登場人物の誰にも魅力を感じられないの。前作もそんな感じだったけれど、少なくともドリューのチャーリーはまだ愛嬌があったわ。今回のチャーリーは不機嫌っていうかちょっと邪悪さすらあるっていうか。ネコの一件なんかあれ自分が原因だし。酷いコね。犬猫が犠牲になる映画はそれだけで不快だわよ。あそこは大いなる力には大いなる責任が伴う、ってコトなんでしょうけどさ。 今回はチャーリーの能力が両親から遺伝してて発火だけじゃなくて予知能力や念動力もセットになってゆくのだけどクライマックスで何故か防火服の連中に発火だけで対抗して苦戦してるのよね。その前に念動力でも戦ってるのだから発火以外で戦えたハズなのに。発火の威力や作用も含めてチャーリーの能力をきちんと定義できてないので見せ場を作りきれてない感じだわ。 あとお爺ちゃんほったらかしだわね。流れから考えたらお爺ちゃんと寝たきりのお婆ちゃん、あれ殺されちゃったんじゃないかしら・・・ その上で拍子抜けっていうか、なんだそりゃ、みたいなオチになるでしょ。アレはつまり能力者同士で生きてくしかないんだ、みたいな話よね。原作や前作のラストは一応希望というか、チャーリーが社会の中で生きてゆける道みたいなものを提示してたと思うのよね。でも今回のラストは社会との断絶を示唆しているようにも思えるわ。ミュータントだけの世界、『X-MEN』みたいなハナシ? 「大いなる力には~」と共にこの映画、アメコミモノを意識してるわね。チャーリーはこの後、どっかの正義の味方組織に加入しそう。ユニバーサル映画は大コケしたダーク・ユニバースを諦めてないのかしら? そんなのキングが納得しそうにないけど。いっそキング・ユニバースとか作るとか? それはそれで見てみたいわね・・・ [映画館(字幕)] 4点(2022-06-26 13:09:03)(良:2票) 《改行有》 2017. いのちの停車場 《ネタバレ》 ムビチケ貰ったので(協賛企業経由なヤツ)見に行ったのだけど、なんだか色々と残念な映画だったわ。 冒頭の大事故スペクタクルなシーンが、ただ病院が大混雑したために手が回らなくなりました、という状況のためだけに存在していて。 田中泯と吉永小百合が親子っていう設定に無理があって(吉永小百合を40~50代として見てくださいね、という事なのかしらね)。 役者さんたちの会話のタイミングが妙に悪くて(特に西田敏行の間の空け方は危なっかしさすら感じて)。 患者が出てきては死んで泣かせてのパターンを繰り返して。 広瀬すずの境遇が明かされるのが結構経ってからで(あんな少人数の職場でそんなに長く明かされないものかしら?)。 何故か小池栄子と伊勢谷友介のエピソードは放ったらかしなままで終了して。 ラストはまさかの絶望エンド。 なんていうか、コロナ禍でちゃんと撮りきれないまま公開するしかなかったのかしら? 伊勢谷友介はまあアレがあったからアレだけど。 在宅医療や終末期医療、安楽死の問題を盛り込んで人間性、情の側面から現代の医療を捉えているのは判るのね。でもひたすらに感情的、感傷的になってしまっている気がして、それはどうなのかしらねぇ。もちろん心が無いのは良くないけれど、法律には勿論それが存在することの意味があるのだから、それを無闇に間違っている、あるいは法律よりも優先されるべきである的な投げかけをしても良くないのよね。冷静に論理的に考えるべきものまで感情論で潰しちゃダメだと思うわ。さすがにサユリスト向き映画的情緒で片付けちゃいけないわよね。 救いは松坂桃李かしらねぇ。喜怒哀楽ハッキリしたキャラなので映画の中で生きてる!ってカンジがしたわ。莫迦だけど。[映画館(邦画)] 4点(2021-06-18 21:07:26)《改行有》 2018. トムとジェリー 《ネタバレ》 映画の本体はクロエで、トムとジェリーは装置、道具としての機能しかしていないのが残念ね。 しかも高級ホテルを舞台にしたクロエの物語は今時こんなモノ見せる?ってレベルで(まるで80年代のジョン・ヒューズ作品の亜流映画みたいな安っぽいコメディ)、その上、クロエがキャラとして褒められたモンじゃなかったり(利己的でかなり悪いヤツよ)、ついでにいつもは面白いペーニャもここではただのセコい悪役だったりして、魅力を感じられるところがちっとも無いのよね。 トムとジェリーは喋らない、セリフが無くて、だから物語を任せられるほどにウエイトを置く訳にもいかない、って事なのかしらねぇ? ドタバタと追いかけっこをして、結果的に破壊と混乱をもたらすものとして障害物扱い、それでも元のキャラゆえの面白さがあるのだけれど、何しろクロエが主役なので登場しない時間が結構あって、いや、アタシ、トムとジェリーの映画を見にきたんだけど?みたいな。 もっとも『トムとジェリー』って作品がいっぱいあって、MGMの短編映画時代は面白かったけれど、テレビシリーズ版はアニメートも含めてレベルが相当落ちるとかあって(そこすらもシリーズや製作会社の違いなどバリエーションいっぱいで)、トムとジェリーをコレ!って定義するのは難しいのだけれど。 でも、だからこそ、追っかけっこのドタバタっていうセオリーに囚われない、あくまで主役としてのトムとジェリーが見たかったわ。[映画館(吹替)] 4点(2021-04-05 14:23:51)(良:2票) 《改行有》 2019. 約束のネバーランド 《ネタバレ》 浜辺美波のまるでヅカの子供役みたいな感じと、ヅカオタな北川景子の、もうヅカ意識しまくりました!みたいな役作り&演技とで、これはもうヅカオタなアタシとしては大感激!・・・とはいかなかったわ。 映画と言うよりは舞台的な、意識的に「作り」ました、って世界なのだけれど、浜辺美波と北川景子の100点な状態の中間に60点くらいの渡辺直美がブレブレな状態で存在していて(明らかにこの映画のトーンに合わないノリで、それって笑わせたいの?)、子供達の20点30点のきっつい演技で学芸会ノリがブレンドされて。申し訳ないのだけど、メイン3人のうちの黒髪のコが喋るとなんか可笑しくなってしまって。もう少しなんとかしてあげられなかった? 脚本と演出がね、かなりシンドいの。一本調子っていうか、緩急、メリハリ無いの。一大事が訪れてもそれまでのテンポとかテンションとかと一緒に流れてゆく感じ。ひたすらエピソードの羅列よ羅列。 それに意外性が全然無いのね。このキャラはこういうキャラ?って見えてるそのまんま。渡辺直美も北川景子もこう見えて実は!みたいなカンジじゃなくて。っていうか自分からペラペラどんどん自分を語ってしまうしねぇ(そこら辺はやっぱりマンガ原作よねぇ、って)。 作品世界もアレだわ。『わたしを離さないで』に『進撃の巨人』と『メイズランナー』混ぜました、以上。みたいな状態で。もうね、壁映画。『キング・コング』を始めとして『進撃の巨人』とか『ウォームボディーズ』『ワールドウォーZ』等でお馴染みの壁映画でございますよー、ってカンジ(塀映画が正しいのかしら?でも「へいえいが」だと語感悪いし~)。ちなみに同様に壁映画にカテゴライズされそうな『ウルフウォーカー』は今年の、っていうかここ10年くらいで最高のアニメーション映画なので超お薦め。・・・話が逸れたわ。 緑を基調とした画作り、光と影のコントラストを強調したライティング、その雰囲気はいいのね。いいお仕事してるの。でも、そこにきっついノリの素材がぼんぼん放り込まれてる状態で闇鍋状態だわ。カオスよ。 結局は「俺たちの戦いはこれからだ」状態の映画で、また1つオタク系作品の痛いノリを見せられました、ってカンジだわねぇ・・・[映画館(邦画)] 4点(2020-12-23 18:59:31)《改行有》 2020. 新解釈・三國志 《ネタバレ》 新解釈と言いつつ、基本は『三国志演義』ね。で、キャラや設定のデザイン関係は『真・三國無双』シリーズ頼り。桃園の誓いから赤壁の戦いまでを描いてみせました、って点でもなんかフツーっていうか。『レッドクリフ』フツーに持ってきたよね?みたいな感じもあるし。 要はキャラが面白い、会話が面白い、ってところがキモなんだけど、そこがつまり毎度の福田雄一ワールドなワケで、そこにウンザリしちゃう人間にはなんの価値もない映画よね。アタシ的には嫌悪感を抱くほどでもなく、笑える時は笑える、って程度なんで、まあこんなモンでしょう、みたいな。ただし佐藤二朗のねちっこい芸風は全く笑えないのだけど。今回はそこがそんなでもなかったのでまだマシ(何しろ董卓なので出番は最初の方だけだし)、でも代わりにムロがねちっこかったわね。 安いアクションシーンとか、肝心のところを省略しまくりとか、そういう部分をツッコんでも仕方ない、って程度の映画。でもただのネタ集状態で、殆どのキャラに流れが存在しないので退屈しちゃった。ドラマにも物語にもなっていなくて、どのキャラもオチてないの。その生にケリが着いてないのね。上っ面だけを羅列した状態のモノに、映画的感動なんて求めるだけ無意味なんでしょうけどさ。 最大の問題は渡辺直美の扱いかしらね。今時酷いルッキズム。っていうか正確にはルッキズムを笑おうとしつつ、そこに堕しちゃってるカンジなのよね。広瀬すずをオチみたいに出した事でおかしくなっちゃった。彼女をブス扱いする事で今の時代の価値観も絶対視してないのよ、ってスタンスのハズが、当時(というかこの映画の世界)の価値観を笑うだけのシロモノになっちゃってるのよね。渡辺直美のままに美しく散らせる事が必要だったのよ。彼女には彼女だけの美しさがあるのだから。 そこら辺の福田雄一のセンスとそれを許してしまう出演者の意識、そこに問題があると思うので減点ね。[映画館(邦画)] 4点(2020-12-20 14:28:20)(良:2票) 《改行有》
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