みんなのシネマレビュー |
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2021. あずみ 原作の設定と流れをただなぞっただけの映画作りに落胆したというのが正直な印象だ。個人的には原作自体あまり好きではないのだけれど、それでも原作の持つパワーと真意をまったく反映できていないように感じたことは否めない。せめてこの監督得意とするアクション描写だけは評判通りのインパクトを与えてくれるかと思ったが、それさえも下手なワイヤーアクションやスローモーションを多用しただけに過ぎない陳腐なものだった。カメラワークもただ右往左往するだけで観客を引き込むだけの斬新さはまったく無かったと言える。おそらくろくな演出もなかったらしく、俳優陣の演技もことごとく軽薄である。主演の上戸彩はあずみのキャラクターにはハマっていて、アイドルという肩書きを感じさせない眼光を見せていたが、映画の中でのキャラクター自体が薄かったためもうひとつ目立たない。唯一の救いは「あ、やられちゃったよ」と死んでいく遠藤憲一か…。とにかく、海外からの評価も高い北村龍平であるが、その映画監督としての資質には疑問が残る。3点(2003-12-08 16:27:35) 2022. ファインディング・ニモ もはや洗練しつくされた感さえあるCGアニメーションによる映像美には感嘆した。瑞々しくなめらかなキャラクターたちの動きと海中世界は、まさに小さい頃から想像したビジュアルそのもので素晴らしかったと思う。まさしくアニメでしか描くことはできない魚たちの冒険、親子の愛、成長の姿は人間のそれとまったく同じで感動的であった。[映画館(字幕)] 7点(2003-12-08 16:10:06) 2023. マルコヴィッチの穴 とにかく徹底的なまでに破綻した世界観に圧倒される。1/2階、ハリウッドスターマルコヴィッチの脳への侵入と怖ろしいまでに奇抜なコメディでありながら、核となるテーマは非常に濃密な哲学性である。映画を観ていて今作ほど脚本に驚愕した覚えはない。笑い、衝撃を通りこしてまさに「圧巻」の一言だ。[DVD(字幕)] 9点(2003-12-05 23:23:43) 2024. アンラッキー・モンキー 相変わらずと言っていい主人公の疾走と共に破錠していく展開は興味深いが、例えば「ポストマン・ブルース」ほどのストーリー的な完成度の高さは無かった。主人公の幻想のまま物語自体もぼやけて終わってしまった感が拭えない。5点(2003-12-05 23:17:20) 2025. ポストマン・ブルース 面白い映画がないからと言って俳優から監督に転向しただけあって、SABU監督によるこの映画はただならぬ面白さに溢れている。ヤクザを巻き込み、警察を巻き込み、殺し屋を巻き込む郵便配達員の暴力的なまでの疾走は、そのままこの映画自体のエネルギーへと直結する。圧倒的なまでのストーリー展開にもはや言葉はいらない。[ビデオ(邦画)] 8点(2003-12-05 23:13:34) 2026. ソナチネ(1993) 北野映画におけるヤクザ描写は今作において確立されたと思う。独特の凶暴性と哀愁、ユーモアを含んだヤクザの面々はある意味、北野武監督の最大の売りであることは間違いない。特に今作における大杉漣のキャラクターはそれを代表するものであり、狂気と哀愁に溢れている。映画監督北野武の名を知らしめた紛れもなく傑作。8点(2003-12-05 23:06:04) 2027. HANA-BI 北野映画らしい空気に溢れ、それなりに感慨深い物語ではあるけれど、映画としては他の北野映画に比べると完成度に欠ける感が拭えない。主人公の不器用で悲しげなキャラクターは秀逸と言えるが、ストーリー展開に他作のような荒削りっぽい洗練さが無いように思う。所々で挿入される絵画にも違和感を覚える。[ビデオ(邦画)] 5点(2003-12-05 23:00:51) 2028. ソラリス ひたすらに長く難解だったオリジナル版「惑星ソラリス」と比べると、ソダバーグの小刻みなカット割による展開は、明らかに簡潔で観やすくその世界観に移入しやすかった。主人公と亡き妻とのラブストーリーに絞った展開も良かったと思うが、それならばもっと妻役の女優にビジュアルの愛らしい人を配役してほしかった。超筋肉質で怖すぎるほど眼光の鋭いナターシャ・マケルホーンではやや主人公の妻に対する想いに共感できなかった。ただ宇宙船内のセットは素晴らしく、そのビジュアルの美しさには引き込まれた。冒頭のあまりの展開の速さに製作費が思ったより集まらなかった背景が伺えるが、伝説的名作として評判の高い作品を巧くリメイクしていると思う。もっと莫大な製作費が用意されていたなら、スノー役はブラッド・ピットあたりがやっていただろう。[映画館(字幕)] 5点(2003-12-05 22:50:05) 2029. 五条霊戦記//GOJOE 結論付けるならば、やはり石井監督の演出が不味いと言うほかない。これだけのキャストを揃えておきながら、退屈極まりない展開には落胆の程が大きい。ストーリー自体の盛り上がりの無さも致命的であるが、派手なばかりで見にくい映像世界が観ていて辛かった。3点(2003-12-05 17:11:14) 2030. ホーホケキョ となりの山田くん 鑑賞前は「なぜジブリが?」という感じだったけど、実際観てみると「されどジブリだ」という印象を受けた。大層な制作費に対する是非はあるが、アニメーションのクオリティだけ見てみれば流石のクオリティの高さだったと思う。ジブリ=宮崎ワールドではなく、ジブリ=秀逸なアニメーション映画と認識すれば、多様性という面でそれなりに価値ある作品であると思う。[地上波(邦画)] 5点(2003-12-05 17:05:08) 2031. ダンサー 耳が不自由なダンサーという主人公のキャラクター性のわりにはストーリーに濃密さがないのは残念だが、主演したミア・フライアの演技とダンスには確かな力強さがあり見応えがあった。リュック・ベッソンが監督として本気で取り組んでいれば、けっこうな秀作になったかもしれない。[映画館(字幕)] 5点(2003-12-05 16:59:49) 2032. パラサイト 本筋のネタは名作「遊星からの物体X」のパクリだけども、ロバート・ロドリゲス得意のB級ノリが面白い映画に仕上げている。クライマックスのパラサイトの造型などはロドリゲス監督ならではの大胆さだったと思う。「T2」のロバート・パトリックがいち早く寄生される体育教師を演じ、映画ファンを楽しませる。[ビデオ(字幕)] 6点(2003-12-05 16:51:38) 2033. Kids Return キッズ・リターン 「俺たち、もう終わったんすかね?」「バカ、まだ始まってもいねえよ」。このラストシーンにこれからも多くの若者たちが勇気付けられ、感動するに違いない。青春映画は数多いが、北野武の最高傑作の名にふさわしい今作ほど、「青春」というものの多感性と危険性を真摯に描いた映画はないのではないか。痛々しいまでにストレートな彼らの生き方は、不思議な共感を呼ぶ。[ビデオ(邦画)] 9点(2003-12-05 16:35:58) 2034. ホワイトアウト(2000) ついに日本でもそれなりなアクション大作ができたのかなと期待したが、結果は「やはりこの程度か…」という具合だった。今までと変わらず何か足枷でもあるのか言いたくなる中途半端な演出にはほんと辟易してくる。これならば、原作を韓国に渡して映画化してもらったほうがよっぽど凄い映画に仕上げてくれそうである。佐藤浩市をはじめとする脇役陣は良かったが、織田裕二&松嶋奈々子の主演コンビの演技は映画レベルではなかった。[映画館(邦画)] 2点(2003-12-05 16:27:54) 2035. TAXi2 今作の場合、続編ならではの新しさは必要なく、前作のようなノリの良ささえ携えていればそれなりに楽しい映画になっていたはずなのに、それさえ消えうせ只々くだらない駄作に終始してしまった。モロに狙ったギャクも一切笑えず、出るのは失笑ばかり。2点(2003-12-05 16:20:10) 2036. パーフェクト ストーム 災害パニック映画は大好きな私であるが、今作の完成度の高さは数ある災害映画の中でも随一でなかったかと思う。神の意志さえ感じそうな荒れ狂う高波のCGは圧倒的なクオリティの高さだった。何よりも私が感心したのは、今作のラストである。このラストこそ、最も災害を真摯に描いた結果だと思うのだ。8点(2003-12-05 16:15:11) 2037. リプリー 俳優それぞれの演技や部分的な演出は極めて巧く、秀逸な世界観を創造していたと思うが、映画全体としては完成度に欠ける感があった。終盤のストーリー展開に盛り上がりに欠ける印象があり、それが最たる敗因だと思う。マット・デイモンの気持ち悪さはなかなか良かった。5点(2003-12-05 16:09:41) 2038. M:I-2 スパイ・アクション大作の待望の続編としてその年の最大の話題作だった今作。 いつもは一人きりで映画館に足を運ぶのが常だが、今作は珍しく地元の友人と連れ立って観に行った。 が、結果は散々。多大な期待に対してあまりに酷い出来栄えに、鑑賞途中から辟易してしまった。 隣の友人も同様だったらしく、中盤辺りからから居眠りをする始末。友人の寝息が退屈感に拍車をかけて、殊更に集中できなかった。以来、映画を友達と観に行くことは殆どなくなった。 失敗の最大の要因は、「ミッション:インポッシブル」という作品と「監督」の食い合せの悪さだったと思う。 ジョン・ウー監督の独特なアクション演出が、この手のスパイ・アクションにはあまりにも合わなかったのだ。 「ブロークン・アロー」「フェイス/オフ」でのハリウッド進出が大成功したジョン・ウーは、当時最ももてはやされた監督の一人だったと思う。 僕自身、ジョン・ウー監督の映画は好きで、今作も勿論期待したけれど、まあものの見事に失敗している。 何よりも“手際の良さ”が重要視されるべきスパイ・アクションにおいて、スローモーションの多用や、大袈裟なアクションがモットーのジョン・ウーのアクション演出は、あまりに冗長で、ストーリー上の緊張感に即していなかった。 ヒロインが一刻を争う瀕死の状態の最中で、バイクを乗り回した挙句、ダラダラとタイマンを張ろうとするスパイがどこにいるんだという話だ。 またスパイ映画の王道的存在である今作において、それらしい描写が無かったことも致命的だったと思う。 スパイ映画らしい最新兵器やガジェットは皆無だったし、お決まりの“マスクネタ”も一辺倒に多用しすぎていて、工夫が乏しかった。 今回改めて観直してみて、やはりこの映画は「ミッション:インポッシブル」である必要がなかったなと思う。 トム・クルーズも、ジョン・ウーと組んでみたかったのは分かるが、きっと別の企画にすべきだったと後悔したことだろう。 思えば、ジョン・ウーの「迷走」もこの作品から始まっている。 監督、俳優、観客、誰にとってもあまり幸福な映画ではなかったと思う。[映画館(字幕)] 3点(2003-12-05 16:05:41)(良:1票) 《改行有》 2039. あの夏、いちばん静かな海。 静かな夏に繰り広げられる無言の会話は、すべてラストのタイトルコールに集約される。すべてが終わり、「あの夏、いちばん静かな海。」とタイトルが表れた時の身震いが忘れられない。この映画を観るまでは、映画監督北野武を低く見ていた部分があったが、あの瞬間から彼は日本を代表する映画作家だということを認知した。[ビデオ(邦画)] 8点(2003-12-05 16:00:51) 2040. アサシンズ 後味は極めて悪く、正直好きとは言えない映画だが、この作品が持つ混沌とした問題意識は、非常に身近で深いものだと思う。「暗殺」の描写に「レオン」ほどの説得力はなかったが、テーマはもっと社会的な問題なので黙認できる範囲である。映画的な盛り上がりには欠けるが、軽々しく是非を問えないような奥深さを感じた。老暗殺者を演じたミシェル・セローの怖ろしいまでの存在感が秀逸だった。[ビデオ(字幕)] 6点(2003-12-04 12:58:07)
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