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プロフィール
コメント数 2524
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ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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2041.  パシフィック・リム:アップライジング 《ネタバレ》  『トランスフォーマー/最後の騎士王』と『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』という2大アホ映画の焼き直しというしょーもない状態である事以前に、前作がオタクが作った映画なのに対して、コレ、オタク趣味の普通の人が作った映画です。その間には、深い深い溝があるのです・・・。っていうか、リスペクトしてるのが『エヴァンゲリオン』(『ヱヴァンゲリヲン』に非ず)と、ゴジラの中でも『VSデストロイア』ってあたりが、もうね、あー・・・って感じで。  別に富士山が活火山で東京から富士山までせいぜい20~30km程度でも全然構わないんですけどね、ロボット同士のどつきあいはもうさんざん見飽きてる訳ですし、怪獣だって「デカきゃいいってモンじゃないわよ!」と。色々と引用するのはいいんですが、新しいモンを見せて貰いたいワケですよ。  見始めて早々に「嫌な予感がする」って状態ではありました。前作の要素がいっぱい登場するのですが、どうにも上滑りしている感じで、上手く応用できてない、新しいものに発展させられてない、むしろ壊しちゃってる、って印象。ペントコストの息子がああいう人間で、マコがああなっちゃって、ニュートがあんな事になっちゃう、それでもいいけど、ならばそれをちゃんとドラマとして盛り上げて頂きたいんですよね。どうにもこうにも上っ面ばかり描いてるだけなので映画に入り込めやしません。新キャラなんか、ただ居るだけで全然人物像を創造しちゃいませんから、危機に陥ったり犠牲になったところで思い入れも何もあったもんじゃないです。  そしてロボットにしろ怪獣にしろアクションの要素と割り切られていて、そこにフェティッシュな愛は感じられません。もっと舐めるように撫でまわすように撮ろうよ、もっとディティールを無駄なくらいに見せようよ、って。拘り全然無し。発進シーンなんか、あれ、もう全然ダメ。映画が始まる前のいつものIMAXのカウントダウンの方がよっぽど拘りを感じますわ。  で、唯一の見どころポイントがご贔屓ジン・ティエン姐さんなんですけどね、前半のミスリード悪役っぷりの造形がダメだし(あのメイクはなんなん?)、後半になっての活躍っぷりでやっとキタ!って思ったけど見せ場あんまり無いしで、やっぱり残念。もう彼女主役で作ってくれた方がよっぽど良かったのに(それは無い)。[映画館(字幕)] 4点(2018-04-17 20:16:18)(良:1票) 《改行有》

2042.  カンフー・ヨガ 《ネタバレ》  ジャッキーが冴えない。もうこれに尽きるんですよね。  そりゃ「もうアクションは引退」って宣言したジャッキーですから、本格アクションをこなす訳にもいかず、ジャッキーの近作に見られるように、多くのアクションを若手スターに任せてます。でも、じゃあその若手のアクションが魅せるモノかと言えば、何か新鮮なコトをしてくれる訳でもなくて。  話の運びは雑で、優勢だったハズが次のシーンで捕まっちゃってるとか、ハイエナのいる空間は室内から眺められる状態なのに、救出に潜入してみんなで脱出するまでの間は誰も見てませんでしたとか、そもそも『インディ・ジョーンズ』(つーか『レイダース 失われたアーク』)が元ネタです、って宣言しちゃってたり。『インディ・ジョーンズ』が元ネタなジャッキー映画としては『サンダーアーム 龍兄虎弟』がある訳で(そう言えば複数の女性と冒険を繰り広げるパターンはその続編の『プロジェクト・イーグル』でしたっけか)、そんな点も含めて80年代香港映画の雑っぷりが甦ってるような映画で。  っていうか、カンフー・ヨガって言いながら、ちっともヨガ関係ないし。っていうか、マサラムービー的な売り方をしているけれど、実はダンスシーンはエンディング部分だけだし。『ナトゥ 踊る!ニンジャ伝説』くらいのインチキっぷり。アレよりはずっとお金かかってますが。  ホンキで殺しにかかってきてる敵に対してお笑いアクションで対抗するチグハグさも含めて、なんか時代がズレたモノを見せられたような、懐かしい気もするけれどコレジャナイ感覚を抱いたのでした。  で、それより何より、ジャッキーが具合悪かったの?ってくらいに冴えない顔してるんですよね。常に消極的で巻き込まれ型なキャラで、ひたすら振り回されてばかり。そんな役を精彩を欠いたジャッキーが演じているのが見ていてつらくて。ラストのダンスシーンは楽しそうな表情をしてましたけれど。[映画館(字幕)] 4点(2018-01-11 21:13:56)《改行有》

2043.  奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール 《ネタバレ》  この監督の作品の常で、薄っぺらいです。時代の上っ面をすくい取ってペラペラと軽薄に流れてく、でも、それはそれで1つの個性なんで、それを上手く活かせばいいと思うのですが、鈍重なんですよね。薄っぺらさを武器にできてない、マトモにあろうとする重力に足を引っ張られちゃってる?みたいな。  編集部が舞台で、リリー・フランキーが登場、もうこの監督はそれしかないんか?っていうか開き直り?みたいな状態で、そのマンネリっぷりのせいもあってか面白くないんですよね。妻夫木くんの自爆自虐妄想演技を見ても「またこのパターンかぁ」と。虎屋やYOKUMOKUとかの小ネタくらいしか笑えないっていう。  ハナシは『ジュエルに気をつけろ』なわけで、アレも大した映画じゃなかった気がするんですが、アレを超えてる訳でもなくて。水原希子嬢をシンボリックに描いて男のダメっぷり、ガキっぷりを笑うような話、でも希子嬢がひたすらエロティシズムメインの男目線(おっさん目線)でしか描かれていないので、そんな彼女が男を手玉に取る姿は結局ちっとも女性を尊重できてない似非フェミ映画になっちゃってる感じで。  クライマックスの3人の男の回想なんか、説明的でクドいばかりで、あー、さっさと先進んでくんないかなぁ、と。センチメンタリズムに走るラストもありきたりでクドく。  奥田民生に特に思い入れはありませんが、奥田民生は流れるものの、奥田民生というキーワードを映画の内容に上手く反映させている感じでもなくて。  相変わらず安藤サクラが良い、語るべきところはそのくらいだったかなぁ。  で、後は映画の内容とは関係ないハナシ。製作発表よりも前の事、スタッフの方がウチの店をこの映画のロケに使わせて、と依頼に来たのですが(舞台の地理的にも正しいですね)、店長(=私の叔父、そしてついでに義弟)が断っちゃいました。残念よねぇ。ウチの店なんてあと十何年も続きはしないでしょうけれど、映画は製作された時の時代感覚と共に何十年(あるいは何百年?)って残ってゆく、そこに記憶されてゆく訳で、そういうのってステキなのにね。[映画館(邦画)] 4点(2017-09-20 19:36:18)《改行有》

2044.  関ヶ原 《ネタバレ》  例えるなら豪華な素材をいっぱい使ったフルコースを5mm長に刻んでまとめてかき混ぜてスプーンでかっ込むような映画。風情も味わいも何もあったもんじゃない、っていう。  テンポのいい会話劇というのは原田監督の真骨頂な訳ですが、これはテンポいいとかいうレベルじゃなくて、もう役者さん達が必死に大量のセリフを消化しているような状態で。『シン・ゴジラ』が上手くやってたんで、じゃあコレも、って感じ? だけど方言やら発声法やら時代の違いやらで聞き取りづらいったらありゃしない。  その上、エピソードがひたすら点で描かれ、大勢の登場人物の言動がコマ切れになって散りばめられて、だけどそれが1つの作品として大きなうねりになってゆかない、バラバラな印象のままに終わってしまうような感じで。登場人物ごとの流れがちっとも存在していなくて、唐突に変化してゆくものばかり。  それは主人公なハズの石田三成にまで及びます。三成がどのように考え、思い、戦いに臨み、敗北していったのか、その流れがちゃんとしてない訳で、そこくらいはちゃんとすべきだったんじゃないかと思うんですけどねぇ。信念に従って行動した上で、みたいには見えなくて、イライラした上でバタバタして負けちゃった、みたいな。  唯一、役所広司の家康だけは面白味のあるキャラで、そこだけはある程度余裕を持って描いていたような感じで。でも、あの体型であの顔はアンバランスよね。  合戦シーンはひたすら混沌としていて、戦況がどのように動いてゆくのかが判るようなものではなくて。主要人物の誰がどうなった、それだけ。あとはどっちがどっちの軍勢やら、って混戦があっちこっちでバタバタしていて(三成の軍だけは旗で明確ですが)、6時間で決したという、その戦いの流れが見えず、いちばんキモの部分が肩透かし状態。  天下分け目の関ヶ原、それが日本という国においてどれだけ意味のある戦いであったのか、そういうところにはあまり興味のない映画だったみたい。原田監督作の常でキャスト&スタッフが日本語と英語で併記されますが、海外の人に見せる以前に、日本人が見て、コレ、どうなのよ?って感じがします。[映画館(邦画)] 4点(2017-08-30 15:05:40)(良:1票) 《改行有》

2045.  ザ・マミー/呪われた砂漠の王女 《ネタバレ》  「ダーク・ユニバース」って「SPACロマン」の夢(悪夢?)よもう一度とばかりに東宝東和が勝手にやらかしたのかと思いましたが「モンスター映画ならユニバーサル」な発信元本体がやらかしていた訳ですね。ふーん。  コレ、『ハムナプトラ』を期待して見に行ったら『スペースバンパイア』の出来損ないを見せられちゃった、みたいな映画で。  大作っぽいですがスケール小さく(予告編にあったビルがさらさら~ってなっちゃうカット、ああいうのがいっぱいあるのかと思ったらアレだけ)、キャラクターに魅力がなく(トムは強さにもユーモアにも欠けるセコい泥棒野郎だし、ヒロインは物語に振り回されっぱなしだし、ラッセル・クロウはデブだし)、3Dメガネかけてる意味を疑問に感じるくらいの立体感無さっぷりだし(暗い画面が多い映画は3Dは不向きだわさ)、話は爽快感のカケラもないし(アクションよりスペクタクルより、呪いだの悪だのの説明が第一)。隣りに座ったお兄ちゃんの口臭に耐え続けなくちゃならなかったせいもあって1時間50分が長い長い。  で、何が『スペースバンパイア』より決定的に劣るって、ミイラ王女様が大昔の人なのにレオタード着てるところね。本当に潔くないわ。[映画館(字幕)] 4点(2017-07-28 20:20:47)《改行有》

2046.  パワーレンジャー(2017) 《ネタバレ》  2時間ちょっとの上映時間でパワーレンジャーになるまでに1時間半かかります。それでいいんか?っていう。  いや、青春映画としての色が濃いのはいいんです。パワーレンジャーに至るまでの、若さゆえの苦悩とか真の友情とは?とか、そういう要素をメインにしました、っていうのは判ります。でも、だったらそこがちゃんと納得できるほど、満足できるほど描けていたのか?っていうと全然。キャラ立ちしてませんし、それぞれが抱えたドラマも胸に迫るような描き込みがなされてはいません。  一方、パワーレンジャーへと至る展開は『クロニクル』をコピペしたかのような状態でさして新鮮味は無く、やっとこさパワーレンジャーが成立したかと思うとわりとあっさりケリが付いてしまうので激しい物足りなさ。製作費が少ないので見せ場を集中してみせました、っていう感じなのですが、そのパワーレンジャー成立以前の部分にポイントが無いために、娯楽映画としてかなりシンドい状態になってしまっています。  青春映画と特撮ヒーローもの、どちらも中途半端。演出スタイルがよろしくないようで、各人の表情も肉体も印象に残りません。アクションものである以上、その肉体を駆使する姿がハッキリ焼き付いていいと思うのですが、カメラはそこをきちっと捉えてない、そもそもそこに興味を持っていないようで、CGがガチャガチャしてるばかり。ドラマ部分にしろアクション部分にしろ、もっとキャラの個性を際立たせるべきだったんじゃないかと。  元々はもっと子供向けな題材だと思うのですが、これ、子供が見て面白いんでしょうか? アメリカではティーンにウケたのかなぁ? パワーレンジャーの映画ならば、さっさとパワーレンジャーを見せて欲しかったのですが。挫折や苦悩はその後でも描けたんじゃないかな。  続編のために出し惜しみし過ぎてウケなくて続編作れなくなっちゃいました、とか笑えないわ。[映画館(字幕)] 4点(2017-07-16 18:30:50)(良:1票) 《改行有》

2047.  ヒメアノ~ル 《ネタバレ》  悪趣味な映画。殺人シーンとセックスシーンをシンクロさせて描くとか、面白いと思ったりするのかなぁ? ブラックユーモアとかなの? 気持ち悪い。  森田が壊れちゃってる訳じゃないですか。殺人を犯す事に対してなんの躊躇もない。自分の気に食わなければ殺す、気に入っても殺す。でも、そこに言い訳が入っちゃう。森田だって本当は普通のよいコだったんですよ、って。同情してください、って。  その森田に殺される人々は心を抜かれちゃってるのはなんで? 森田には同情しても、森田に殺される人々については同情しないようにしてくださいね、って? それともそこは想像力でフォローしてください、って事? 森田に対してはヤケに説明的なのに?  このテの映画の定番、とても間抜けな警察官の皆様。優秀な警察官じゃ成立しない物語。  全てが一人の殺人鬼のための装置としてしか機能していない、そんな映画。森田を否定的にしか見れない私には、イコール映画自体も否定的にしか捉えられないのでした。[映画館(邦画)] 4点(2017-03-02 21:44:24)《改行有》

2048.  傷物語Ⅲ 冷血篇 《ネタバレ》  延々と執拗に続くヒロインへのセクハラ描写とクライマックスの人体欠損合戦に、結局このアニメの本質ってそこだったんだなぁ、と呆れつつ見ておりました。つーか結局あの「NOIR」に意味なんて無いし。ノワール・・・何が黒いの暗黒なの? カッコだけ。あれ全部削除した方がいいんじゃね?  最終作はそれなりの尺になりましたが大したハナシは残っちゃいない状態でダレます。主人公がキスショットの命を救った事の意味に主人公自身が気付いて戦慄する前半、だけどそんくらい覚悟してなかったんかい、ってな話で一人で何を悲劇のヒーローの如く嘆いているのやら、と。  で、間延びした末の対決で、ご丁寧にセリフで解説されてしまうキスショットの本意の意外性の無さも去る事ながら、最終的な着地点は、つまり、永遠のロリコンの円環の中に閉塞する道。おいおい『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』以前まで退化しちゃったよ・・・  この作品、何か新しい事をしているように見えて、実のところ再生産を繰り返しているばかりに見えます。子供向けでない、エロティックな、或いは残虐な描写でアピールする、そういうのは進化でもなんでもなくて、過去に何度も繰り返された、安易にエログロに走って袋小路にハマるパターン。その先に待っているのは滅亡なので、そっちではない道を探した方がいいと思いますよ?  で、褒められるところがあるとしたら、シネスコ画面にひたすら空虚な背景を重ねてゆく事で、なーんにもないカラッポな世界を描出している点。この作品の本質も実はそんなモンなんですよ、ってシニカルに象徴しているのだとしたら、それはなかなかじゃない?[映画館(邦画)] 4点(2017-02-15 22:47:34)(良:1票) 《改行有》

2049.  グラスホッパー 《ネタバレ》  ハチ公前のスクランブル交差点は109前のスクランブル交差点と信号機の灯火パターンが完全に一致しているので、現実にはあの車はハチ公前に到達する以前に109前で人を撥ねるか、信号待ちの車列に突っ込んでますな。  それはともかく、なんかもっとヒネリのある、展開や構成で楽しませてもらえる映画なのかと期待していたのですが、あちこちひっかかってしまうところだらけで。  主人公が能動的に動いているように見えて、実は操られているだけ、狂言回しで結局物語を動かしてゆく立場にはないっていうのは別にいいとして、その作品世界を構成する人々にまるで気持ちが乗ってゆかない状態。二人の殺し屋に妙に入れ込んでいる感じがしますが、二人とも魅力的な個性、人間性の持ち主とは言い難く、ただの悪人ですよねぇ。それは岩西も同様。  一方、槿もまた目的のためなら手段を選んでいない訳で、寺原Jrを轢いた車のドライバーが殺される事まで当然想定していたと考えると、ラストに至ってこの人に何らかの「感動的な何か」を抱けって言われても無理な訳で。  メッシュの女のいかにもウラがありそうな存在の仕方、寺原会長や比与子の単純な存在の仕方も「なんだかなぁ」って感じで(毎度の石橋蓮司のヤクザの親分のステレオタイプっぷりは、ギャグか何かなんでしょうか?)。  一体この物語の何処に楽しむべき要素があるのか教えて貰いたいもので。不快感で構成してみました、みたいな?  「お前が人がどんどん死んでゆく物語を楽しめないだけだ」って事なんですかねぇ?[映画館(邦画)] 4点(2016-04-18 21:15:22)《改行有》

2050.  暗殺教室~卒業編~ 《ネタバレ》  前作はそれなりに楽しめたのですが、今回は退屈でした。理由は簡単、シリアスなシーンが多かったから。  この物語って基本がバカじゃないですか。マンガだからこそなお話。それを無理矢理映画にしてみましたって状態は、そういうものだって割り切ってこそ楽しめる世界だったわけで、そのバカの枠の中でシリアスになられたところで、一体何を言っているのやら、って興醒めしてしまうばかり。  前作って音痴な映画だったわけですよ。ちゃんとした流れになってなくて、ぎこちなく映像が羅列されている状態。それでも殺せんせーを巡るネタ集だからこそ楽しめたわけで。今回、流れてない、ぎこちない映像の羅列で音痴なままシリアスになっちゃいましたから、不出来さばかりが目立ってしまって。  エピソードやキャラの流れをちゃんと作ってなくて、そこそこ流れがあったのは殺せんせーと主役の少年くらいで、あと全員ほっぽり出されたまま終了みたいな状態。スナイパーや大ボスなんてあれで終了なのか?ってくらいにエピソードどころか必要な映像自体が足りません。  殺せんせーの過去の真相が全て殺せんせーの語りによる回想映像に頼っているのも(いや、正確には殺せんせーの記憶には存在し得ない部分があるのが不自然なのですが)安直で流れを阻害しています。  原作がそもそもそうなんでしょうけれど、1000人以上を殺した元暗殺者が、ちょいといい人っぷりを見せたけど(ちょっといい事して褒められる不良の超拡大版みたいなモンだ)最終的には中学生に自分を殺させるって話なわけですよ。そんなもん、ネタとして笑ってみせるべきでしょ? 中学生に殺人をさせた上で感動してくださいね、っていうのはアリなの?っていう。感動を必死に押し付けてきますが、そもそもそれは感動させていいような性質のものなのか?って疑問ばかり。  月を破壊したとか地球も破壊するとかの大風呂敷広げた設定がセコく収まってしまうのが肩透かしでガッカリですし。  不満点の多くは元々の原作の限界点なのかもしれませんが、それにしても映画は映画としてそこを超えてゆく道というのはあったと思います。でも、こんなぶつ切れエピソードの羅列じゃ更にそこの下を行くしかありません。  映画として原作の徹底的な再構築が必要だったんじゃないかと思いますが、そこまでの余裕は無かったんでしょうね。その余裕の無さが映画ってモノ(この作品のみに止まらず)をダメにしてゆくのがやりきれないなぁ。[映画館(邦画)] 4点(2016-04-04 20:14:17)(良:1票) 《改行有》

2051.  図書館戦争 THE LAST MISSION 《ネタバレ》  前作から何も進歩してないんで飽きちゃった。  相変わらずの戦争ごっこ映画。設定された状況を弄ぶばかりで先にちっとも進まない、何ら解決を見せないって点ではオタクアニメ的で元々の出自がそういうところなのでこうなっちゃうのか、と。酷く狭い世界で閉塞されてるんですよね。  図書館という限定された空間で繰り広げられる戦闘、そこに殆ど外部の反応が無い、外部の参加が無い状態というのはおかしいですよね。一般人はそんな闘争に興味が無い、表現が規制されてもそれを受け入れてしまう、でもそういう松坂桃李の抱く嘆きは実は作品自体にとって「そうでないと都合が悪いから」でしかないと思うんですよね。作品自体の姿勢がそうあって欲しいと願っちゃってる。だから物語は図書隊と良化隊との対立(と暗躍する未来企画)のみで完結していてラストまで社会との結びつきを描こうとしない、作品自体が(或いは送り手が)一般人に対しての希望を抱いちゃいないんです。展示会に集う受動的な人を描いた程度の、外側に希望の芽は存在しないと言わんばかりの描写では閉塞感しか与えられやしません。  結局「表現の自由を守る」という大義名分を掲げてはいても、実際はそういう設定の中で魅力的なキャラを配して戦争ごっこを楽しむ、一方でロマンスもしっかりありますよ、っていう程度のモノにしか思えないのですわ。  で、今回は戦闘中心の映画になっているのですが、単調な戦闘シーンが続いて(お互いの盾に向かって銃弾浴びせる画が延々と)、勿体付けたタメとスローモーションで間延びした感じ。その上、激しい状況で画調も統一しようというのか、女優さんがキレイに撮れておりません。もう少しヒロインをキレイに撮る努力ってのがあってもいいんじゃないかなぁ。闘争の中の美、みたいなのを目指したのだとすれば、なんかあんまり上手くいってませんんよ?と。  アナモフィックレンズの生むレンズフレアの効果に頼り過ぎな感もあって。  状況自体はちっとも動かない(トップの辞任はあったにしても)世界じゃ、幾らでもいつまでも話は作れちゃうわけで、これで上手くいけばまた続編作っちゃうぞ、みたいなのにダラダラ付き合うっていうのもあまり好ましい事じゃないですね・・・[映画館(邦画)] 4点(2015-10-19 22:46:31)(良:1票) 《改行有》

2052.  天空の蜂 《ネタバレ》  原発や国防という今日的問題を描いている点では意欲的作品なのかもしれませんが、とにかく面白くありません。  登場人物の誰にも魅力を感じる事ができないっていうのはどうした事でしょうか。皆、感情を晒しまくって感情と感情のぶつかりあいみたいな状態になっていますが、国家単位の危機的状況下で一体何をやってるんでしょうかねぇ。制限時間が設定された中で、その会話は必要なのか、その行動は必要なのかっていうシチュエーションだらけ。主人公の奥さんなんかぎゃーぎゃー喚いて主人公を足止めするだけっていう、単なる障害物状態ですからね。息子を助けたいのに足引っ張ります、っていう。  主犯の犯行の動機にだって説得力がありませんし(それは作品そのもののテーマに直結している訳ですが、人を上から見下し自らは結局何もできていない中二秒的視点に過ぎません)、実行犯に至ってはただのおかしい人。  その人の背景がちっとも見えてこないんですね。背景が描かれる人まで含めて。映画で描かれただけの背景はある、けれどだから?みたいな。そんな過去があったからってどうしてそんな人になるのやら、って。手塚とおるの刑事など、そこにそんなおかしな人間を配置する事の必然が全く感じられません。堤幸彦的変人、必要でしょうか?  プロの人達がプロの仕事をする、それで十分見応えがあると思うのですが、過剰な個性や感情の味付けが興を削いでしまっている気がしました。  サスペンスシーンは一連の流れをテレビの実況中継で全て解説するという、画に全く自信がない事を吐露しちゃってるような時点でそのレベルを物語っているようなもので。肝心な瞬間はいちいちカメラがヨソ見してますしね。  即物的な画ばかりの映画で、ラスト近くのモックンがそれを受けとめようとするイメージショットはなんだか唐突でしたね。いきなり何が起こったかと思っちゃった。[映画館(邦画)] 4点(2015-09-22 23:29:41)《改行有》

2053.  進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド 《ネタバレ》  日頃映画に対して大口叩き気味なこの人達の腕をもってしても『サンダ対ガイラ』の出来損ないみたいなモン作るのが精一杯なんですかねぇ。  あらすじと回想とで前作の映像を使いまくり、エンドロールまで引くと正味77分くらいしかない続編、なのにダレます。キャラやドラマがつまらないのは前作同様(っていうか同時に撮られた、元々は1本に収まるようなシロモノですが)。  長谷川博己のキャラなんかは笑わせたいのかなんなのか。『天空の蜂』でも思ったのですが、シャンパングラス手にするとオシャレみたいなビンボ臭いアタマで作ったビジュアル見せられると本当にいたたまれなくなってしまって。  水原希子の言動には流れがなく唐突で何考えてるんだか、って状態ですし、三浦春馬は単にギャーギャー叫んでるばかり。  それでもまだマシだと思ったのは、物語が意外にも凡庸でありきたりなところに落ち着いた点でしょうか。これでヘンにぶっ飛んで行って観客置き去りなオチを付けたとしたら目も当てられなかったわけですが、フツーになった事で「ああ、フツーですね」って。「大きな壁の内と外、って新井素子かよ!」みたいな使い古されたテーマを特に新しい視点で描く訳でもなくフツーに持ってきました、ってところでここら辺が限界点です、みたいなのが垣間見えて。せめてものバランス感覚、ってところでしょうかね。  ただ、エンドロール後の部分は要らなかったと思います。更にありきたりなアレによって作品世界をもの凄く狭く退屈なモノにしてしまっています。  前編のダレまくるドラマ部分と後編の水増し感。セコい商売してないで一本で公開しようよ。[映画館(邦画)] 4点(2015-09-20 22:28:44)(良:2票) 《改行有》

2054.  キングスマン 《ネタバレ》  コリン・ファースの退場の仕方、あんなんで良かったと思います? あれ、納得できます?  どうにも面白いと言ってしまえないひっかかりどころが結構あって。  マイケル・ケインは頭部爆発の原因が判明して以降も普通に傷晒していて結果的にどんだけ大穴よ?ってくらいの墓穴掘るし。  サミュエル・L・ジャクソンの思想と計画のオリジナリティの無さ(それは作品全体を貫くモノのオリジナリティの無さに直結します)、その軽薄な描かれ方には悪意を感じるし。  アクションシーンは例によってコマ切れで見づらく。  でも、それらよりも個人的にはせっかくのスタイリッシュなスパイアクション映画がグロテスクな映像とグロテスクな精神で汚されている感じがとても嫌で。  教会のシーンと『威風堂々』のシーンには嫌悪感しか湧きません。アレを笑って見られる神経が私の中にはありません。  007や『それゆけスマート』『おしゃれマル秘探偵』(あるいはそのリメイクの『アベンジャーズ』・・・マーベルのでなくレイフ・ファインズとユマ・サーマンのアレ)などのオマージュのようでありながら、それらが築いた伝統をも汚してしまっているような感覚を受けてしまって。  キングスマンの基本設定は良いのにそれをわざわざバカ映画にしてしまった感じでガッカリでした。[映画館(字幕)] 4点(2015-09-16 22:23:38)(良:1票) 《改行有》

2055.  進撃の巨人 ATTACK ON TITAN 《ネタバレ》  不安定な足元の世界でキャラ達がもつれるように動いてゆきます。明確な前進のベクトルの無い、運命に囚われた世界。  だけど映画自体が足もつれまくっちゃってるような状態で。  特撮に期待しましたが周囲がヨイショし過ぎたせいか「結局こんなモンか」って。革新的な映像!とか視覚的興奮!とか、そういうトコには行ってなくて。「大きい巨人キタわ~!・・・って『学校の怪談2』のラスボスに似てね?」みたいな。小型サイズの巨人は普通の日本人の方々が演じていらっしゃいます、ってのがよーく見えてちょっといたたまれなくなっちゃいますし。立体機動はハニメーションみたい、つーか『キャシャーン』あたりからちっとも変ってない感じ。  でもね、そんなでも結構面白く見られました、巨人シーンと立体機動シーンは。  問題はドラマ部分で、これがもう面白くもなんともなくて。なんでしょ、ドラマがちゃんとドラマとして昇華されていかない感覚、キャラにちっとも心が動いていかないもどかしい感じ、様々なエピソードや表現が上滑りしまくってる印象、脚本とか演出とか編集とか音楽とか、もうちゃんとまとめようって気が無いのかいな、っていう分裂症気味なシーンの連続なんですよね。カットごと、いや1つのカット内でも画面上のキャラごとにテンションやリズムがバラバラなの。流れが無くて混沌としていて。それは狙った混沌とは違う混沌が生じてるんでないかと。  樋口監督は役者さんを上手く撮る人ではないので、そこを改善できないかなぁ。唐突なスローモーションに頼ってもそれが印象的になるって訳ではないですしねぇ。とりあえず目線、なのかなぁ。もっと印象的な目があれば。  っていうか、それは巨人も同じで。平成ガメラも敵怪獣には目線が存在してないんですよね。ギャオスも成体レギオンもイリスも黒目が無いの(群体レギオンにはあったような気がしてきた・・・確認すんの面倒クサイ)。巨人は黒目があるのですが、その目で見られる恐怖ってのが薄かったなぁ、と。『大魔神』の恐ろしい目、アレが欲しかったなぁ。  人の目を見て話しましょう、って、過去作から見てもそこら辺がウィークポイントになってるのかな。  ただ、IMAXで見るだけのサイズ感はある映画だと思います。邦画には稀有ですから、その点だけは、はい。[映画館(邦画)] 4点(2015-08-01 19:15:05)《改行有》

2056.  HERO(2015) 《ネタバレ》  テレビシリーズを見ていない人間には何が面白いのか判らないシーンだらけ。純粋にこれ単体で映画を見に来た人向けのフォローは一切ありません。  また、脚本的に何の冒険もしていません。「犯罪捜査が大使館の外交特権に阻まれて」なんてお話、刑事ドラマでお馴染みですよね。そこから何らはみ出す事はなく、映画として刺激を受ける部分が希薄です。事件そのものの解決はしても、人間関係にケリつけるような事はせずにお茶を濁してみました、みたいな。  結局テレビシリーズのファンのためのお祭り映画。それ以上のものではありません。最近の邦画にありがちな冒険のない、保守的な展開に人気キャラ配してみましたパターンの映画。見る方も余計な頭も心も使わず安心。アニメも含めてこのところそんなのばっかり。かと言って冒険してるような邦画は大抵監督の自己満足世界だったりしますけど。  キャラのリアクションにウケまくる満席の劇場内で激しい疎外感を抱きながら思ったのは「キムタクは何を演じてもキムタクだねぇ。だけどなんか老けてシャープさが欠けてきたねぇ」とか「お松は齢を重ねてもやっぱりいいねぇ」とかって程度の事。  あと、いちいち食べ物がアクセントになっているところがちょっと面白かったかな。  これと言って特に見るべき、語るべきところもない中で、ちょっと気になったのはカメラの位置が微妙に悪い?って事。人物をミディアム~アップで捉える時のカメラの高さ、これがちょっと低い気が。かなり多くのカットがアオリ気味なんですよね。顔アオると不細工に見えたり高慢に見えたりするんで、その顔でよかったの?ってカット多数。背景の映り込みポジションを優先しちゃったかな?  あ、あと音楽がうるさかったでした。とにかく音楽鳴らしとけ、みたいな。  そんな訳で「テレビシリーズも見てないような映画オタクが特に期待もせずに見たところでカメラポジションの心配しちゃったりする程度の映画」でした。[映画館(邦画)] 4点(2015-07-29 21:53:01)(良:1票) 《改行有》

2057.  ヒックとドラゴン2 《ネタバレ》  映画的には6~7点くらいって感じなのですが、前作が私の生涯ベストワンでスクリーンで58回見てシネコンで貸切の上映会までした、それだけ思い入れのある作品の続編の個人的感想としては精一杯でも4点というところで・・・  まず私が最も問題に思ったのは今日的な現実を反映し過ぎた作りだと言う事。フロイトのエディプス・コンプレックスをあからさまに引用し、9.11がなければ存在しないような物語であり、その現実感は『ヒックとドラゴン』の世界に意識が入り込んでゆく事を阻害します。  トゥースがヒックと一心同体である事が描かれた上でのストイックの最期は父親殺しを示していますし、母親とのランデブーは近親相姦願望をイメージさせる、つまりこれは絵に描いたようなエディプス・コンプレックスの世界なわけです。そしてそれは前作をも穢してしまう事になるわけで、トゥースは男根の象徴であり、テストドライブのシーンは精通と射精の快楽を、トゥースがストイックに連れ去られるシーンは去勢の恐怖を象徴していると取れます。もちろん、到底受け入れ難いです。  また理解し合う事のできない敵を配し、「誤った思想」を「正しい思想」の下で力によって制圧する事の正義なんていうのを描かれた日にはアメリカの大義を感じない訳にはいかず、そんな事を『ヒックとドラゴン』でやるなよ・・・と悲しくなります。  この作品内ではヒックはもはや成長もせず(妙に悟ったつまらないキャラで状況を受け入れるだけ)、ヒロインであった筈のアスティにはドラマすら無いヒックの飾りポジション。ラフの方がよっぽどドラマがあるっていう。  また、描きたい事を優先させるあまりに展開に不自然な点が多く、キャラの行動に納得がいかない点ばかり。敵ボス前でヒックが延々と儀式的行為に走り、ボスは何故かそれを放置するという状況が二度も存在しているあたり、どうにも擁護のしようがありません。  作品の価値を高めようとメッセージ性を強めたがゆえに逆に妙に視野が狭く不自然な流れの映画になってしまっている気がしました。  それでも日本では劇場公開されなかったのが残念でなりません。私はたまたまイベント上映に応募してシネコンの大スクリーンで見る事ができましたが(ブルーレイ上映でしたが)、劇場で見たかった多くのファンが涙を飲む事になりました。最近、やたら日本の映画後進国っぷりを象徴する出来事が起こりますが、これもそんな中の1つ。20世紀フォックス配給になってから6本製作されたDWA作品はまだ1本も公開されておらず、中でやっと『ペンギンズ』がビデオ発売と同時に限定公開という扱い。早く他社に配給が移って欲しいもので。[試写会(吹替)] 4点(2015-07-24 22:10:31)《改行有》

2058.  リアル鬼ごっこ(2015) 《ネタバレ》  「園子温、嫌いやわ~」っていうのをわざわざお金払って時間かけて再確認しに行くという不毛な作業ね。  ドローンやステディカムを使った、風のように流れてゆく映像は良いです。死(あるいは時間)からの逃走を試みて駆ける少女をひたすら捉えてゆく、運動し続ける画。  だけど、映画はわりとすぐにこれが不条理劇である事が見えてきて、となるとその生も死もサスペンスも不確実な、不確定要素ばかりな世界だと悟り、つまりは何が起きたところで、それはそういう世界で閉じたモノなんだ、って事になっちゃうのでそれはそれであんまり面白くないなぁ、と。  実際「2人目と3人目」のエピソードに移行してからはどんどんと絵空事っぷりが加速していって、なんだかバカらしい映像が繋がってゆく感じに思えてしまって冷める冷める。  でも、むしろそのままラストシーンまで不条理劇で突っ走ってケムに巻いてくれた方が良かった気も。クライマックスでその不条理の理由をセリフで説明するという不粋な事をしてしまっているので、うっわー、ダサいわー、って感じになっちゃって。どんだけありがちよ?って話に堕ちちゃう。  そこにあるのはある種の悪意ですわな。女性という性を男の消費の対象にするな、っていうフェミニズムを「そういうパッケージング」をされた作品で打ち出してみせる、っていう。見に来たオタクに「オタク大嫌い」って冷や水浴びせた『THE END OF EVANGELION』みたいなモンで。  だけどこの作品の興味はどうにも前半の女子高生が無惨に殺されてゆく部分の方にあるようにしか見えません。大勢の女子高生が胴体真っ二つにされて血飛沫上げてるって画こそが見たい見せたいやりたい事だったんだよね?って(頻出するパンチラはさすがにあざとすぎてわざとらしいですが)。  となるとなんだか自虐的な、言い訳がましい映画のように思えちゃって。「お前が言うな!」ってツッコミ待ちな映画って事かしら?  トリンドル玲奈は可愛らしく撮れておりますが、篠田麻里子は「アイドルも歳を取るんだよ」みたいな撮り方で、そこら辺もその悪意の中の1つって事なのかな?と。  そりゃ舞台挨拶見に来たオタクの方々と舞台上の女優さん達との間に微妙な空気も流れるってモンですわ。上映後の舞台挨拶だったのですが「もう1回2回と見にきてください」って言われた後の気まずさと来たら(苦笑)  あ、私はチケットがダダ余りしてたのでどんなモンなんざんしょ?って取っただけで誰のファンとか全く一切無くてそもそもこのトシでアイドルとか無いわ~って状態なのであくまで蚊帳の外の存在ですからね。そこんとこハッキリさせとかないと(言い訳)。  ヤなモン見ちゃった感じで、いい加減そろそろこの監督の映画にお金払うのやめたいわねぇ・・・。[映画館(邦画)] 4点(2015-07-12 20:10:03)《改行有》

2059.  ターミネーター:新起動/ジェニシス 《ネタバレ》  「審判の日を回避するだとぅ? 『2』の愚行を再び犯すのか!」と予告編見て憤懣やるかたない状態だった『1』至上主義な私ですが(なので個人的には『2』よりも『3』や『4』の方がまだマシ)、本編見たらそれ以前の問題でした。どんどん別の時間軸が生じて、どんどん書き換え可能です、って設定にしたらさ、もうなんでもアリだっての。そんなもん、幾らでも作れちゃう。  映画は二次創作みたいな状態です。『1』と『2』の事が大好きなオタクが妄想爆発させました、みたいなシロモノで、その両作の設定をひたすら弄ぶばかり。物語は『4』以外の定型フォーマットに則って毎度おなじみの事してます、って状態。何か新しい事をしたか、と言えばその都合のいい設定をした事と、今回の敵が(既に予告編時点でネタバレしてるので書いちゃいますが)ジョンだって事くらい。それだって過去の設定を弄んだだけですけどね。  T-800が老けてる部分を始めとして「むしろファンとしてこのオマージュから来る面白味を共有してね」的な甘い作りが目立ちます。でも、そのワリにそこはおかしいんじゃない?って部分もあって。カイルがジョンから貰ったサラの写真は途中で燃えちゃうハズじゃなかった?みたいな、そもそも『1』と比較してズレてる部分があれこれあるんですけど?って点があって。  大体、シュワT-800の顔にはとことんこだわってるクセになんでサラとかジョンとかカイルとか似てなさ過ぎなん?  でも今回最大の問題はキャラにちっとも魅力がない点ですね。T-800は単なる過去作のパロディキャラの域を出ませんし、サラはこれまでと別の第三の人格として登場しますが背景がややこしい事になっているので背負ってるものの重さが見えてきません。カイルに至っては一切の影が無くなってただの短気なおっさん。T-1000は単なる咬ませ犬で「これでもか」っぷりがとても希薄。  色々なシチュエーションを並べて「これって面白いでしょ?」って見せつけてくる感じですが、キャラに魅力がなくて、どうとでもなる設定では危機感も希薄になって、もう『ターミネーター』の世界で遊んでます、って感覚。  謎を残して更なる続きの予感を示して終わりますが、この物語に延長線を引っ張ったところで同じ事をダラダラ続けるばかりになる気がするんですが。  未来に向かうとか言いながらひたすら過去に囚われ続けてちっとも未来に進んでいかない皮肉なデキの映画ではありました。[映画館(字幕)] 4点(2015-07-10 22:06:49)(良:3票) 《改行有》

2060.  夫婦フーフー日記 《ネタバレ》  一体、何が描きたかったのか掴めませんでした。  死んだはずの妻が生前と同じように目の前に存在していて、という部分が映画の主題にはなっていません。それは必ずしも大事な設定ではない、一要素に過ぎないと。で、そこから笑いがそんなに生み出される訳でもなく。  その上で、とてもチグハグな印象を与えるのが、時系列がバラバラな構成と、長回しによる1シーン1シーンの長さ。時系列がバラバラなクセに物語はさして動かず、なので一体何故わざわざ崩したのか意味不明で。流れが分断される事でドラマ性はスポイルされ、感情移入は拒まれ、感動は薄まってゆく、よって長回しは無駄に長いシーンと感じるばかり、という。  そこから死んでゆく事、残される事について、感情的にではなく事象として冷静に向き合ってみましょう、とでも言いたいのかもしれませんが、映画側が一方的に酔っているように見えて、何か主人公の自己陶酔のように見えてしまいます。もっとエピソードを重ねても良かったんじゃないかと。  なんかこのところ擁護するように「役者は良かった」って毎回書いてる気がしますが、これもまあそんなところで。  時系列バラす、長回し、BGMをあまり使わず会話シーン主体、そして幽霊話があくまで主人公の中だけに終始する、とまるで映画ごと自己完結しちゃってるようで、やってる方は繊細なつもりだけど見てる側からすると雑な映画、という印象でした。[映画館(邦画)] 4点(2015-05-31 20:52:56)《改行有》

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