みんなのシネマレビュー |
|
2061. チェンジリング(1980) 今思えば、後に色々なホラー映画にパク・・・引用された感のある映画でした。幽霊屋敷ものであると同時に、その幽霊の元の事件に迫ってゆく展開。近頃よく見る「何かいる」系ホラーの雰囲気は、20年以上前のこの映画で既に描かれていました。この映画のカメラワークによるずーんとした恐怖にはなかなか敵わないでしょうけれど。ジョージ・C・スコットの存在感は、この映画の重厚なトーンを更に深くし、恐怖の奥に隠された悲劇をじんわりと引き出し・・・そしてヒカシューの「パイク」でぶち壊し。『ナイル殺人事件』『ビッグ・ウェンズデー』『ヘラクレス』でも同じメに遭っておりますが、洋画にブチ壊しの歌入れるアーティストと配給会社に天罰が下りますよーに![映画館(字幕)] 7点(2003-12-10 23:02:12)(良:1票) 2062. ダンテズ・ピーク 《ネタバレ》 街1つがなくなっちゃうような大状況を描いた映画なのに、後半はたった4人の人間がいかに逃げるか、なサバイバルな展開、それって違うんじゃない?って思いました。こちらが見たいのは、その大状況がどう推移して街のみんながどうなっちゃうのか、ってトコなのに。にげろ~、あぶない~、たすかった~、めでたしめでたし。いや、町長と、危険を警告にきた地質学者が、めでたしで終わってたらマズいでしょ~よ。一大事を前に、今そこにある危機を乗り越えるだけの展開、なんかまるで「世界崩壊の序曲」のリメイクみたいですわなぁ。[映画館(字幕)] 4点(2003-12-10 22:34:12)(良:1票) 2063. 探偵物語(1983) なんだかラストシーンだけ、ちょっとオシャレよ~、って感じに作られても・・・。トーン暗いしスプラッタな映像あるし。映画全体に漂う空疎な雰囲気は、一体ナンのせいなんでしょう? コメディらしいんだけれども、どこも1つも笑えなくて、そもそも殺人事件のハナシだし、でも、それはやっぱり当時、薬師丸ひろ子という女優が私の守備範囲から全く外れていたから、という理由に他ならないのではないか?なんて・・・んにゃ、正解は同時上映の、先に見たもう一本の映画で、アタマがお空の彼方へかけてっちゃってたからでしょ。「土曜日の、じっけんしつ~」って。[映画館(字幕)] 4点(2003-12-10 22:22:50) 2064. ダンジョン&ドラゴン 《ネタバレ》 メイジ、シーフ、ドワーフ、エルフを揃えながらちっともそれを活かしてないのがダメ。モンスターが色々と出てきて主人公一行を苦しめてもよさそうなのに、敵はプロフィオンとダモダー、やられ戦闘員しか設定されていなくてダメ。肝心のドラゴンが殆ど描かれず、言葉だけで処理されててダメ。最強と言われるレッドドラゴンの威力とやらは全く描かれず、クライマックスにやっと登場しても、どこが最強なのやら判らずじまいなのがダメ。ダモダー登場のたびに流れるBGMが、モロにダース・ベイダーしちゃってて、パロディにしか思えないのがダメ。そして、監督が高校生レベルで、見つめ合ったりする映像を入れればドラマティックと思ってるようだけど、不自然に流れを分断して、ワザとらしい画になってるだけなのもダメ。はぁ・・・なんだか疲れる映画でした・・・。[映画館(字幕)] 3点(2003-12-10 22:06:45) 2065. ダンサー・イン・ザ・ダーク 《ネタバレ》 手持ちビデオカメラ撮りによるドキュメンタリータッチ映像は、セルマに寄り添い、やがて観客をセルマの共犯者状態に。納得のゆかない裁判、不幸を全部背負ってみせるばかりのセルマに「なんであんたはそーなのっ!?」とイライラしつつ、虚構と現実の間を行ったり来たりしていたセルマのそれ、が1つになった時にセルマの人生と映画は終わり。後には取り残されて呆然とする共犯者な観客。これって、セルマの自己完結映画なんじゃないかなぁ。いろんな人が出てきて、セルマは人と繋がっているように思えながら、実際にはそれぞれが思い込みや利己的な思考・言動に終始しているワケで、人と人との繋がりに、ある種の絶望っていうか、諦めみたいなものを感じてしまう私。それは監督の自嘲でも皮肉でもあるよーで、かな~りしたたかなモノを感じます。そんな事を色々考えつつも、最大の問題は、私がこの映画と監督が大っ嫌いだ、って事です。ん~、映画的には8点、個人的には1点なので、間を取って、と。5点(2003-12-10 21:52:50) 2066. 卓球温泉 《ネタバレ》 ぽや~ん、とした家出主婦、松坂慶子はすっかりおばさん状態ではありますが、適度な太り具合が逆に魅力的(あ、個人的な好みじゃなくて、あくまでおばさん役として、ですよ)。だけど、そんな彼女の存在感に助けられている感じで、映画そのものは物語が平板で不要に長く、温泉の過疎を描いていながら、それを単にエッセンスに終わらせていたりと問題は多いです。クライマックスのラッシュはいい加減長すぎでクドいですし。映画としてもっと高められる要素はあった筈なのに、「卓球温泉」というタイトルの映画ならこの程度、ってハードルを低く設定しちゃった感じが否めません。フツーの人達の持つ楽しさのパワー、みたいなのが表現されていれば良かったんですけどねぇ。[映画館(字幕)] 5点(2003-12-10 21:28:50) 2067. タキシード(2002) うーん、脚本がかなりマズいです。パーティ会場を舞台にして敵に近づいてゆくという、このテの映画ではもはやカビが生えまくった展開を、事もあろうに1本の映画の中で2度もやっちゃうという情けなさ。ジャッキーがタキシードを着るに至る展開、エージェントを続ける事の動機などの描写が疎かですし、肝心のアクションは少量でCG頼りの見せ場へ移行、と。香港時代のデキの悪いジャッキー映画より更にダメな感じ。でも、何よりガッカリなのは、ジェニファー・ラブ・ヒューイットの老け具合。って、あんたまだ20代前半で、なーんでそんなに? ついこの間までクリクリした童顔に、不釣合いなおっきいおっぱい、ぶいぶい言わせてたのに・・・。[映画館(字幕)] 4点(2003-12-10 21:12:38) 2068. TAXi 印象1:うっわ、その曲、使っちゃうかぁ? 印象2:なんかタッチが香港映画みたい。 印象3:主役のクセに脇役顔ねぇ。 印象4:スピード感は結構あるね。 印象5:警察マヌケ過ぎで楽しめないよ・・・。 印象6:でっかい女刑事、イイ。 印象7:え?もう終わり? 結論:ゲ○で笑いを取ろうとしないでくださーい、お願いします。[映画館(字幕)] 4点(2003-12-10 21:00:40) 2069. 太陽の帝国(1987) 《ネタバレ》 戦争は最大の「大人の事情」ってヤツで、子供は「大人の考える事に口出しするんじゃない!」と有無を言わさず頭を抑え付けられてます。どんな希望も夢も「大人の事情」が簡単に踏みにじり、残るのはただ生に対する欲求。生きてゆくためには心の中の子供な部分を削り取ってゆくしかなくなって・・・。両親に再会するラストシーンは、一見ハッピーエンド、だけど、少年のその顔は、もうあどけなさを取り戻せない、童心の代わりに虚無を刻み込まれたような表情。失われてしまった両親への愛に、再会にも感情を動かさずただ目を閉じる・・・深く悲しみが伝わってくる映画でした。少年期との別離から絶望的な現実へ至る、実は『E.T.』と『シンドラーのリスト』を繋ぐ、スピルバーグを語る上でも重要な一編なのかもしれません。[映画館(字幕)] 9点(2003-12-10 20:44:13) 2070. ダイ・ハード3 《ネタバレ》 んん?クリスマスは?ホリーは?みたいな映画でしたが、面白ければ問題なかったんですけどねぇ。マクレーンとジュース・・・あれ?ゼウスか・・・が巻き込まれるゲームがクド過ぎるんですよね。ちっとも事件の本質の方へ向ってゆかず、ひたすら街中を振り回されるばかり。なので映画のテンションが保ててない感じ。おーい、こっちはとっくに冷めちゃってるよ~い、って。その分サスペンスを学校に仕掛けられた爆薬に持って行ってる感じですけど、それとて・・・ですし。やっとこさ敵に近付いた頃には冷めっぱなしな上に、すかーっ!と更なる空振り見せられて、どうにもこうにも気分削がれっ放し。最後に取って付けたようなオチを見せられて、ええ?それでいいの?なんでそれで終わり?って。うわーん、こんなの期待してなかったよぉ!って感じが強い映画でした。マクレーンのクリスマス受難物語カムバーック!![映画館(字幕)] 5点(2003-12-10 17:11:11) 2071. ダイ・ハード2 《ネタバレ》 アクションの中に織り込まれたお洒落さ加減では前作に遠く及ばず、シャレてるつもりの会話は見てるこっちが恥かしくなっちゃう感じ。大味で、細かな部分に凝る事もなくなっちゃいましたし。今回はマクレーン、怪しいニオイを嗅ぎ取ったり、どんどんと敵に立ち向かって行ったりと、すっかりヒーローになっちゃってますしね。それでも、今度のマクレーンのクリスマス受難物語は巨大な敵に大ゴト状態、孤軍奮闘してゆく彼の姿はやっぱりワクワクさせてくれます。あちこち「んなアホな」が続出ではありますが、まあ楽しませて貰えました(先生、雪の上にこぼれた航空燃料にライターで火は点かないと思います)。個人的には、ちょいとカエル声の女性レポーターの存在が好き。それにしてもテロリストご一行様、ワシントンから無事離陸しても空軍に撃墜されるんじゃ?とは全然思わなかったのかなぁ???[映画館(字幕)] 7点(2003-12-10 16:57:27) 2072. ダイ・ハード 《ネタバレ》 ハデな大爆発、銃撃アクションを描きながら、一方でちょっとしたシーンに凝っていて実に粋な映画です。植込みの木のトゲを痛がる警官、チョコバーが気になっちゃうテロリスト、リムジンの後部座席からバックミラーを見ているティディベア、慌てて笑顔を作るニュースキャスターにウケるアンカーウーマン。もちろん、ジョン・マクレーンのクリスマス受難物語は苦笑なくして見られない名作ですが。本来なら単なるイヤなヤツなテロリスト達も本部長もFBIも、ヘンに愛着持てちゃうし、雪ならぬ紙の舞うラストシーンまで、楽しさいっぱい、面白さを堪能しまくった映画でした。[映画館(字幕)] 10点(2003-12-10 16:43:59)(良:1票) 2073. 大日本帝国 公開当時、戦争賛美とか言われてタイトル共々かなり批判を受けていた気がします。実際には「日本人の視点から見た大戦」という事でヘンな思想の偏りはなかったように思います。大戦での責任の所在や日本人がしてきた事についての言及は殆どなく、日本人を襲った悲劇としての側面が強い感じは否めませんでしたけれど。ただ、あまりに大きな戦争だっただけに、この、部分部分を切り取って描いているだけ、という感じの映画に、冷静に大戦の全容を描く事ができるようになるには、まだまだ時間がかかるんだろうな、って感じがしました。 5点(2003-12-10 15:33:18) 2074. ダイナソー 《ネタバレ》 ぺかー!っとしたデジタル上映の画面にカルチャーショック! でも映画はクラシカルなディズニーフォーマットの枠からはみ出す事なく、しかもキャラクターは恐竜・・・。イグアノドンのヒロインに魅力感じちゃうほどヘンな趣味はないですしねぇ。リアルな恐竜の顔してドラマ語られちゃうと、違和感ばかりが先に立ちます。最後に楽園に辿り着きました~、という激甘なオチはディズニーの限界って感じでした。5点(2003-12-10 15:20:17) 2075. タイトロープ 大劇場で上映するモンだから、イーストウッドがアクションばきばき言わす映画だと思っちゃいました。実際には刑事が捜査を進めるうちに犯人にシンクロして自分の暗部に入り込んじゃうような映画で、んー、この刑事はそんなに倒錯しちゃってんのか?って。単純に健全がいい!とは言いませんけど、彼のドロドロさ加減はちょっと特殊な人、って感じで理解できませんでした。全編画面暗くて気分もやもや。[映画館(字幕)] 5点(2003-12-10 15:09:17) 2076. 大安に仏滅!? ひたすら庶民感覚でごく普通の家族に巻き起こるゴタゴタを描いた映画です。おじいちゃんは東京暮しに馴染めず、長男はコメディアン志望で年上バツイチ女性との結婚を宣言し、長女は婚約解消を言い出し、家は欠陥住宅・・・。問題をいっぱい抱えたお父さんが、家族を形だけでなんとか維持しようとするところから、家を守る経験を通して、本当の家族の幸せに目覚めてゆく物語は、可笑しくも感動的。ヤクザも流血もオカルトもない、普通に生きている人々の映画ですが、そういう映画が日本映画には殆どない、という事実はどうなんでしょ? この映画のように、庶民の視点で描かれた映画がもっとあっていいと思うんですけど。[映画館(邦画)] 7点(2003-12-10 14:49:57) 2077. ターミナル・ベロシティ 《ネタバレ》 空での撮影は「おお~」って感じですけど、構成上、そのテンションが持続されないのがツラいですね。ロシアだの元KGBだのっていうのは単なるエッセンスで、スカイアクションを見せるのがポイントなワケですけれど、展開上、無理に何度も空に上がるワケにはいかないので、とりあえずフツーな地べたサスペンスで繋いでみました、って感じで。ボスの最期はかなりマヌケだったワケですが「ここは笑ってね」って事だったのかな? だり~っとテレビで見てる分にはイイ感じ、くらいの映画ですね。5点(2003-12-10 14:31:10) 2078. ダーティファイター/燃えよ鉄拳 いや~、まさかウータンとお笑い暴走族が主役の映画だとは。何しろバトルな部分っていうのは物語として無理矢理な感じでしかなくって、イーストウッドもそんなコト百も承知なのか、ひたすらヤル気なし状態を見せてて、結果として目立つのは前記の2要素ばかり、と。イーストウッドが主演したバカ映画として稀少価値アリかもしれません。大して笑えませんが。少々テレビドラマの「トラック野郎BJ」とネタかぶりしてますが、こっちのシリーズが先ですか。[映画館(字幕)] 4点(2003-12-10 14:15:10) 2079. ダーティハリー4 《ネタバレ》 予告編で「ごーあへー、めいく、まい、でー」っていうのがあまりに何度も何度もクドく流れるので、ついつい見に行っちゃったよ~、ってトコで。だけど、中身はソンドラ・ロックの復讐物語、巨大な陰謀も悪もあるワケではなくて「キャラハン、チンピラ相手に苦戦すんなよぉ」って感じではありました。ラストは、どうであれ非情に彼女をお縄にした方が、らしかったんじゃないかなぁ。その方がシブい終わりになったと思うんですけど。6点(2003-12-10 14:00:26)(良:1票) 2080. ゾンビ/ダリオ・アルジェント監修版 公開当時はそのおぞましいイメージに、とてもではないですが手が出せず、つい最近劇場で見る機会を得ました。でも、積極的に見たかったワケじゃなかったんですけどね・・・。さすがに映像には時代を感じる部分が多かったのですが、これってホラーって言うより終末パニックものだったんだぁ、と目からウロコ。明日も見えない、行く先も見えない生き残った人々が、迫り来る死から逃れるために生への執着を見せる、と。その死も甘美なモノとは程遠い、死してなお苦痛の続く世界ですからねぇ、そりゃ恐いですわ。閉ざされた絶望の中で、それでも人の業は止まる事を知らない・・・。いい映画じゃないですか。グロ趣味を見て見て~、って映画だとばっかり思ってた私が浅はかでした。でも、これ一度で結構。もうお腹いっぱいです。[映画館(字幕)] 7点(2003-12-10 00:10:22)
|
Copyright(C) 1997-2025 JTNEWS