みんなのシネマレビュー |
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2061. 知りすぎていた男 《ネタバレ》 前半のモロッコでの後半にロンドンで起こる出来事の伏線の張り方がさすがヒッチコックだと感じます。そしてこの作品に関してはドリス・デイの存在と彼女の歌う「ケ・セラ・セラ」の貢献度がとても高いですね。Jスチュワートとドリス・デイの夫婦が本当にお似合いだったと思います。ヒッチ映画に花を添えた美人女優たち、イングリッド・バーグマンでもなく、グレース・ケリーでもなく、キム・ノヴァクでもなく。やっぱりこの作品にはドリス・デイが似合っている。ドリスがケ・セラ・セラを歌うシーン、母親が子供を愛する気持ちが痛いほど伝わってくるシーンです。これは彼女の持つ雰囲気もとても大きいと思います。[DVD(字幕)] 8点(2008-12-18 20:42:44) 2062. スプレンドール 《ネタバレ》 イタリアの地方都市の映画館が当初は繁盛するも時代の流れと共に閉館に追い込まれるまでを描いた作品です。映画館「スプレンドール座」の支配人に名優マストロヤンニ。人の良い映画館の支配人をこの作品でも手堅く好演していました。スプレンドール座で上映される数々の名作。きっとエットーレ・スコラ監督のお好みの作品ばかりなんでしょうね。そしてラストは閉館を惜しみ、満員の客で埋まるスプレンドール座。名作「素晴らしき哉、人生!」のラストのクリスマスの奇跡をスプレンドール座のラストに合わせるかのように客の一人がハーモニカで蛍の光を奏で、「メリークリスマス!」でその歴史に幕を閉じるスプレンドール座。この粋な終わり方もとても好きです。同時期に公開され、同じイタリアの作品の「ニューシネマ・パラダイス」と比べると地味ですが、どちらも映画への愛に溢れた素晴らしい作品だと思います。[DVD(字幕)] 8点(2008-12-17 23:53:51) 2063. クルーエル・インテンションズ ストーリー的にはあまりドロドロとした人間関係を描く映画は好きではないです。ただ、サラ・ミシェル・ゲラーといえば「バフィー」のかわいい娘というイメージだったのですが、この作品の堂々とした悪女ぶりは見事でした。[CS・衛星(字幕)] 4点(2008-12-17 23:29:31) 2064. 至福のとき 《ネタバレ》 家庭では厄介者にされ、心に傷を負った盲目の少女とひょんなことから彼女の面倒を見なければならなくなった仕事も金も無く、結婚も出来ない冴えない中年男。終始コメディタッチで描かれますが、2人の心が少しずつ近づいていく様子を周囲の愛すべき人々と共に描く温かくも切ない作品でした。ラストはこの作品に関してはありふれててもいい、ハッピーエンドで終わって欲しかったと思います。ただ、最後の録音された彼女のメッセージと中年男の手紙はお互いを思いやる気持ちに溢れていて何とも心温まる肉声のメッセージであり、手紙でした。[DVD(字幕)] 7点(2008-12-17 23:16:39)(良:1票) 2065. 法王の銀行家 《ネタバレ》 実際に起こったあるイタリアの銀行頭取と彼の死をめぐる国際的な金融スキャンダルの解明に挑んだミステリーです。バチカンの知られざる暗部にメスを入れようとした問題作と言ってもいいでしょう。バチカンの宗教界、イタリア、そして世界の政治、金融界が絡んだ大変見ごたえのある作品でした。オメロ・アントヌッティ、ジャンカルロ・ジャンニーニ、ルトガー・ハウアーらの重厚な演技も見ごたえたっぷり。私も全く無名なのがとても惜しい作品だと思います。[DVD(字幕)] 8点(2008-12-16 23:57:14) 2066. ヤァ!ブロード・ストリート 今やポールは一人で元ビートルズを代表して世界中のファンの前でビートルズや自身の過去の名曲を歌い続けてる。その姿からはあとどれくらい続けられるか分からないが一人でも多くのファンに生でビートルズを聴いてもらいたいという、昔ビートルズだったポールの使命感すら感じます。でも、この作品が公開された頃はまだ元ビートルズのメンバーがビートルズを公の場で唄うなんて想像もつかなかった頃。そんな頃に映画の中で曲数は少ないものの、ビートルズを歌ってくれたポールに感謝の気持ちで一杯だった事を思い出す。正直、映画としてはきついものがある。しかし、この作品に関しては脚本もストーリーも演技もどうしても語る気にはなれないのです。[映画館(字幕)] 7点(2008-12-15 21:53:04) 2067. ビヨンド・ザ・マット 《ネタバレ》 2000年頃まで僕はこの作品で描かれているWWF(現WWE)というアメリカの世界最大のプロレス団体の大ファンで、スカパーで毎週欠かさず見ておりました。週2回、2時間番組(現地のアリーナでの中継)が放送され、そこで繰り広げられる男と男、男と女、女と女、様々な人間模様の決して最終回の無い連続ドラマの面白さはケタ外れ的な面白さだった。WWFを見ていた人はお分かりだと思いますが映画にも登場するビンス・マクマホンという人、本当にWWFの社長なのですが、その辺の俳優じゃ太刀打ちできないほどの演技力の持ち主で、レスラーではなく、この人がWWFの真の主役でした。リング上で演説を始めれば、あの映画界の演説王、パチーノも真っ青になるほどのド迫力の大演説をブチかましてくれるし、レスラーでもないのに自らもリングに上がって試合までやってのけます。で、これらにはシナリオライターがいるのは当時から既に常識でした。当時アメリカでは社会現象になるほどの人気だったのでみんな脚本家がいることを知っていました。ビンス自身も「我々がやっているのはスポーツではない、スポーツエンターテイメントだ」と公言していましたしね。でも、あれだけ面白ければ関係ないと言うほど毎週よく練られた脚本で僕たちファンを楽しませてくれていました。映画のレビューではなくこの頃のWWFが面白かった!という以外何も語ってないよう無いような気もしますが、当時WWFに胸を熱くしていた私には特別な作品なのです。[映画館(字幕)] 8点(2008-12-15 20:58:42) 2068. 誘う女(1995・米) 同じような方は他にもいらっしゃる事と思うが、邦題につられて観て失敗した典型的なパターンでした。ニコールはやはり綺麗でしたが。悔しいが、この邦題を考えられた方は仕事の出来る方だと認めざるを得ない。[CS・衛星(字幕)] 4点(2008-12-14 20:38:35) 2069. 世界中がアイ・ラヴ・ユー 《ネタバレ》 ウディ・アレンが歌って踊っている!?でも、アレンの芸域の広さを実感。買い物中の主婦から黒人の太ったオバサン、ショーウィンドーのマネキンまでが歌って踊りだすオープニングからゴキゲン!アレンの遊び心が全快で大いに楽しませてもらいました。ラストの夜の川岸でのワイヤーを使ったダンスのシーンは美しい夜景の中踊る二人がなかなか素敵でした。ミュージカルとしては微妙な出来なのかもしれませんが、みんな頑張っていました。鑑賞後の感想も「楽しかったなあ~!」の一言。ウディ・アレン版ミュージカル、これでいいのだ![CS・衛星(字幕)] 7点(2008-12-14 14:26:34) 2070. 太陽に灼かれて 《ネタバレ》 映画のタイトルや、前半のミハルコフ自らが演じる大佐と家族が田舎で平和に暮らす美しい風景からは想像もつかなかった後半のストーリー展開が衝撃でした。前半の平和な暮らしの描写の時間が長く、退屈に感じられるかもしれませんが、中盤から後半にかけてその平和な暮らしに時代の暗い影が忍び寄るあたりからどんどん物語に引き込まれていきます。それにしても娘役の女の子がミハルコフ監督の実の娘だったとは!その無邪気な可愛らしさが後半からラストにかけて一層物語に悲しさをもたらします。[CS・衛星(字幕)] 6点(2008-12-14 14:20:59) 2071. キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン 《ネタバレ》 ちょっと長めの作品ですが、テンポよく見せる詐欺師とFBIの追いつ追われつが面白かったです。この詐欺師が実在の人物である事に驚きました。様々な職業の人物に化けてFBIの追跡をかわす稀代の天才詐欺師を演じたディカプリオの好演が光っていました。鑑賞後の後味も良かったし、日本では考えられない逮捕後のエピソードにもびっくり。[DVD(字幕)] 6点(2008-12-14 14:15:22) 2072. 北京ヴァイオリン 《ネタバレ》 父と子のお互いを思いやる絆の深さや、その父子と関わり合うことになる北京の人々の描写がとても温かくて良かったと思います。それだけに、やりすぎてしまった感のあるラストがちょっと残念でした。[CS・衛星(字幕)] 5点(2008-12-14 14:10:18) 2073. ドッグヴィル 《ネタバレ》 3時間近くの間、人間の嫌な部分をこれでもかと見せられ気が滅入りました。ラストも後味が悪かったし、鑑賞後はとても疲れました。[DVD(字幕)] 2点(2008-12-13 17:28:41) 2074. 特別な一日 《ネタバレ》 住民は皆イタリアにやって来たナチスを歓迎する式典に出掛け、それを実況しナチスを賛美する、隣人が大音量で垂れ流すラジオ放送以外はひっそり静まり返ったアパートの一室。そこで繰り広げられるマストロヤンニとローレン演じる中年の男と女のたった一日の情事に至るまでを描いた作品です。決して喋りすぎない2人が実にいいです。家事をする姿、お互いを見つめる目、室内を歩く姿、鏡に映る自分を見つめる表情、そして後姿さえも。何気ない一つ一つの動作で表現する2人の心情、心の揺れが痛いほど伝わってきます。この2人の名優が創り上げる室内の空気が見事でした。2人の会話から男は反ファシズムの為職場から追放されたアナウンサーであることが分かる。そして最後には当局に連行されていく男。それを窓越しに見つめる女。男が彼女に残した一冊の本と彼が修理した電球。マストロヤンニ、ローレン、絶妙に配置された小道具が三位一体となって織りなすラストシーンは物悲しくも、僕にとっては忘れられない名シーンの一つとなりました。[DVD(字幕)] 9点(2008-12-13 17:22:34)(良:2票) 2075. レボリューション・めぐり逢い パチーノの熱い演技だけがむなしく印象に残る・・・。[DVD(字幕)] 4点(2008-12-11 22:24:08) 2076. ベルリン・天使の詩 《ネタバレ》 冒頭、モノクロの映像で2人の天使が空からベルリンの街並みを眺めている。この天使の視点の際に用いられるモノクロの映像からは柔らかな陽の光や、生命感や体温などは感じられず寒々しい映像が印象的です。そして、二人の天使が会話を始める。後に人間になる天使ダミエルはこう言う。「霊でいるのにうんざりする時がある。永劫の時に漂うよりも僕を大地に縛り付ける自分の重さを感じたい」と。やがて彼は一人の人間の女性を愛し、彼女を探す為人間として地上に舞い降りる・・・には少々不恰好な地上への登場の仕方でしたが。でも、人間になった瞬間、モノクロからカラーに映像が切り替わるこの時が感動的でした。吐く息は白く、一歩一歩踏みしめる足音。そこには歩んできた自分の足跡が確かに残っている。色にあふれた世界やコーヒーの温かさを感じ、人と触れ合う。彼のこの映画の一番最後のつぶやき「僕は今、知っている。いかなる天使も知らない事を」が感動的であり、説得力がある。この映画のテーマは何気ない日常の中にある幸福や、限りある生命である人間への讃歌という単純明快なものだと感じました。天使だった頃に憧れた自分の重さを確かに感じながら、彼の人間としての物語は今始まったばかり。だからこそ、この映画にラストシーンは無く、「乗船完了!」の声の後、「つづく・・・」という幕の閉じ方は明日への希望を感じさせる何とも素敵な終わり方だと思います。[DVD(字幕)] 8点(2008-12-11 21:58:45)(良:1票) 2077. グッバイ、レーニン! 《ネタバレ》 体が弱い母親のために、ベルリンの壁が崩壊し、東ドイツが消滅した事実を隠すという、息子の母親への愛に満ちた嘘を周りの愛すべき人々と共に描いた心温まる作品です。自分にはこんなに私の事を愛してくれている心優しい息子がいる・・・。その時点で母親にとってはベルリンの壁の崩壊や東ドイツの消滅なんて大した問題では無くなってしまっていたんでしょうね。[DVD(字幕)] 6点(2008-12-10 23:26:23) 2078. PLANET OF THE APES/猿の惑星 評価の高い作品のリメイクはやはり難しいということでしょうか。お猿さんのメイクも個人的にはオリジナルの方がかわいらしくて(ジーラとコーネリアスです)好きでした。[DVD(字幕)] 3点(2008-12-10 21:15:39) 2079. ロマンシング・ストーン/秘宝の谷 《ネタバレ》 冒険ものとしてまずまず楽しめました。ロマンティックで、笑いもあり、ちょっぴりお色気もありで面白かったです。キャスリーン・ターナーが体を張って魅せてくれていたと思います。[DVD(字幕)] 6点(2008-12-09 22:09:56) 2080. ドライビング Miss デイジー 長い年月を100分足らずの間に見せるのでどんどん時代が変わっていきます。もう少し時間が長くなってもいいので一つ一つのエピソードをもう少しじっくりと見たかったと思います。その点だけが残念でした。それ位ジェシカ・タンディとモーガン・フリーマンの二人の演技が素晴らしく深い味わいがありました。この二人に絡むダン・エイクロイドの孝行息子ぶりも微笑ましかったです。老いとは何なのか考えさせられると同時に家族や、生涯付き合える友人の大切さを考えさせられます。そして本作のモーガン・フリーマン演じるホークのように年をとれれば幸せだろうな、としみじみと思わされました。[映画館(字幕)] 8点(2008-12-09 22:00:19)(良:1票)
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