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プロフィール
コメント数 2254
性別 男性
年齢 77歳
自己紹介 団塊の世代 映画鑑賞歴50年以上 見た映画はおよそ3000本?

1960年~1985年頃はよく映画を見に行きました。その後2000年頃までは忙しくほとんど映画を見なかったのですが、DVD登場とともにまた見るようになりました。最近はメモと記憶を頼りに昔見た映画のDVDを探して懐かしんでいます。

ESPERANZAとはスペイン語で、「希望」の意味です。夢や希望、感動を与えてくれる映画は好きですが、むごたらしい映画や命を粗末にする映画は嫌いです。

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2061.  男はつらいよ フーテンの寅 《ネタバレ》 監督が山田洋次でなくても、脚本は山田洋次、やっぱり寅さんである。シリーズをすべて見たわけではないが、これほど人情に厚く浪花節っぽく、それでいて馬鹿さ加減が目立つ寅さんがあっただろうか。それだけにあきれ果てる場面も多く、いやがられる面も多々あると思う、無理もない。 しかし照れくささに店のすぐそばから電話をかけたり、余興の「花笠道中」で「お志津」と叫んだり、マドンナだけでなく春川ますみや香山美子にも良いところを見せたりするなど、見所はたくさんあると思う。 新珠三千代さんは気品があり、寅さんと一番年齢が近いマドンナだった。蛇足ながらこの新珠三千代さんの恋人になるまったくのちょい役吉井さんは、テレビの水戸黄門シリーズで歴代2位の出演を誇る高野真二さんである。[ビデオ(邦画)] 6点(2011-04-29 10:19:51)《改行有》

2062.  人間の條件 第四部 戦雲篇 《ネタバレ》 上等兵となり初年兵の指導を任される前半部と、ソ連軍との戦闘の描く後半部にはっきり分けられるようだ。 映画の内容も第三部よりも深刻なものとなっていて、建前だけで筋を通すことが難しくなっている。特に終盤の何としても生き抜くんだという梶の強い決意や、戦闘の中の兵士の極限状態はよく描かれていてる。[DVD(邦画)] 8点(2011-04-28 17:35:26)《改行有》

2063.  人間の條件 第三部 望郷篇 《ネタバレ》 一二部から一転して軍隊生活が舞台となる。しかし梶が危険人物とされ、兵役免除が解かれたからといって、二等兵からのスタートなのだろうか。いくら何でも史実と合わないような気がする。(大学卒で若輩ながら労務管理を任されていたエリートのはず) また私が聞いた軍隊は大変きびしい縦社会であり、二等兵が上官に口答えするなどとはとても考えられなかった。だからいくら正義あふれる熱血漢を描こうとしても、現実には存在し得なかったのではないだろうか。 しかし映画の設定に不満は不満はあるものの、軍内部で行われていた訓練の名によるいじめや統制は筆舌尽くしがたいものだったろう。その点はよく描かれていて、訓練に耐えきれず辱めを受けた二等兵の自殺、国境を越えて逃亡した一等兵などよく描かれていると思う。[DVD(邦画)] 8点(2011-04-28 16:34:35)《改行有》

2064.  皇帝のいない八月 骨太な社会派作品を数多く世に送り出した山本薩夫監督の映画だけあってさすがである。これは単なるアクション・サスペンスではない。戦後警察予備隊として発足し、憲法論議を醸し出した「自衛隊」の存在の是非を問う映画でもある。 今日自衛隊はその地位を確立したと思われるが、この映画が生まれた70年代後半は安保闘争や大学紛争の跡が見られた頃でもあった。 そしてちょうどその頃起こったのが「三島事件」と呼ばれるものであった。右翼の小説家三島由紀夫は、自衛隊の決起とクーデターを呼びかけ失敗した。そして割腹自殺を遂げたのである。この映画がその三島事件をヒントに作られたのは言うまでもない。 「自衛隊」というものは本当に日本の国を守るために存在するのだろうか。日米安保を背景に大きくなった「自衛隊」はもはや軍隊ではないだろうか。この三島事件と重なるのは戦前の5.15事件や2.26事件である。その頃の日本はそれらの事件を経て急速に大東亜戦争へと突き進んでいったのではなかったか。これらの諸事件を思い起こしながら映画を見ないと、単におもしろかった、格好良かったの低次元のレベルになってしまう。 戦争は惨たらしいもの、あってはならないものである。戦争を知らない世代がほとんどとなった今だからこそ、この映画の価値があるというもの。自衛隊を右翼のテロリストや腐敗した政治家が握れば再び戦争となるだろう。 今日の竹島や尖閣の領土問題などで紛糾する時代だからこそ、世界に平和を呼びかける日本の存在があるというもの。 前置きがずいぶん長くなってしまったが、この映画の渡瀬恒彦、吉永小百合、山本圭らは見事にその役柄を演じている。実に見応えのある映画だと思う。 [映画館(邦画)] 8点(2011-04-28 00:53:12)《改行有》

2065.  ロミオ&ジュリエット 現代風アレンジと言っても、ここまで作り替えてはシェークスピアも墓場の影で悲しんでいるだろう。これはもはや「ロミオとジュリエット」ではない。情緒もロマンスもまったくなく、下品で見るにたえない。 しかしどういうわけか「ロミオとジュリエット」という名前や登場人物、ストーリーにこだわっている。ある意味では一番原作に忠実(台詞など原作にそっくりというかびっくりもの)であり、音楽も決して悪くないのに、残念である。現代風と原作に忠実とが 反作用で働き、軽薄でちぐはぐになっている。 その昔現代風に作り替えた「ウエスト・サイド物語」は、原作を元にしながらも、名前を変え別物語りにした。そのおかげでヒットしたのだと思う。 [DVD(字幕)] 3点(2011-04-27 16:57:36)《改行有》

2066.  ロミオとジュリエット(1968) 《ネタバレ》 この「ロミオとジュリエット」は映画や舞台で何度も上演されたが、ホワイティング16歳とオリビア・ハッセー15歳の主役は、映画史上最も若いロミオとジュリエットであった。それだけ新鮮で瑞々しく原作の年齢に一番近いものであった。 当時オリビア・ハッセーの美しさは際だっており、映画上映前からすこぶる評判が高かった。それに今までの「ロミオとジュリエット」はどうしても、舞台劇(戯曲)のイメージが強く、この映画で初めて映画らしい映画になったのではないかとも思う。 テーマ曲も美しく、映画の雰囲気を余すところ醸し出している。ただ難を言えば、やや現代風になりすぎて、およそ中世らしくないことかもしれない。 [映画館(字幕)] 8点(2011-04-27 16:22:05)《改行有》

2067.  ロミオとジュリエット(1954) 《ネタバレ》 建物とか踊り、音楽といったものは中世の雰囲気がよく出ていると思うし、情景も美しい。そしてストーリーもすっきりしていてわかりやすい。 しかし、ロミオとジュリエットが愛を語る場面は夜なのに明るすぎてぶちこわしだし、主演の二人にももう少し魅力がほしい。また戯曲の世界だから仕方ないのかもしれないが、たいした決闘シーンもないのに一突きで簡単に死んでしまうのもあっさりしすぎではなかろうか。総じて盛り上がりに欠ける。[DVD(字幕)] 5点(2011-04-27 15:51:11)《改行有》

2068.  青髭八人目の妻 《ネタバレ》 ペローの童話に「青ひげ」というのがある。この童話も8人目の妻の話だから、明らかにこの童話を元に作られている。ただし童話の7人の女性は結婚後殺されているが・・・。 この映画は何というか、良い意味での無茶苦茶である。パジャマを買うのに上だけでいいからと言ってクーパーが半額に値切るところから始まるが、その上手を行くのがコルベール、夫の7回の離婚歴を知って、離婚の慰謝料を決めてから結婚する。そのほかチェコスロバキアを逆から読んだり、ネギのキスなどとどまるところを知らない。 クーパーにしろコルベールにしろ、これほどのコメディアン、コメディアンにしてしまうルビッチ監督って、何なんだ。[DVD(字幕)] 7点(2011-04-26 21:32:07)《改行有》

2069.  ロード・オブ・ザ・リング 最初の方だけおもしろいというか、これから壮大な物語が始まるのだという期待感があったが、徐々におもしろくなくなって、とてつもなく長く感じた。 映画館で、このように早く終わってくれと思った映画は初めてだった。[映画館(字幕)] 4点(2011-04-25 21:32:17)《改行有》

2070.  上海から来た女 《ネタバレ》 前半は恐ろしく退屈、リタ・ヘイワースの美しい姿がなければ、前半で見るのを止めていたところだ。ところが、後半グリズビーが儲け話を持ちかけたところから、急にサスペンス調になる。 これが罠であることはすぐにわかるが、途中から予想外の展開になり、話がわからなくなる。殺人事件の犯人された上に、変な裁判、誰が悪者かわからないうち、急転直下犯人がわかるが、まるで根拠のない推理でお粗末。 前半の話が伏線になっているのかと思いきや、鮫の話をこじつけたぐらいか。[DVD(字幕)] 4点(2011-04-25 20:53:15)《改行有》

2071.  うたかたの恋(1968) 1935年のフランス映画のリメイクだが、令嬢マリアが銀行家の娘に変えられている。実はこのリメイク版の方を先に見たが、オーストリア皇太子の悲恋の物語というキャッチフレーズに引かれて見てしまった。 アラビアのロレンス、ドクトル・ジバコの好演が光っていたオマー・シャリフであり、シェルブールの雨傘のカトリーヌ・ドヌーブということで、主役の男女は申し分なしのはずだったが・・・。 オマー・シャリフはエキゾチックな顔立ちでありどうしてもオーストリア皇太子としては違和感があり、カトリーヌ・ドヌーブもシェルブールの雨傘から6年後ということで落ち着きはあるものの初々しさでは疑問だった。 そのような私の思い込み違いと歴史認識の不足から、映画観での印象はあまり良くなかった。[映画館(字幕)] 5点(2011-04-24 23:27:08)《改行有》

2072.  うたかたの戀(1936) 原作がどのように書かれているのか知るよしもないが、映画ではオーストリア皇太子と令嬢の悲恋として描きたかったのかもしれない。しかし、周囲から見るとスキャンダルな事件としか受け取られないだろう。事実原作の元になった事件も、様々な諸説や隠蔽があり、真相は明らかではない。 映画のダニエル・ダリューは若くとても美しい。しかし皇太子ルドルフは、王室育ちのせいかどうしても好きになれないばかりか、二人の愛にも切実なものが感じられない。 ただ王室の華やかさはよく描かれており、J・シュトラウス、モーツァルト、チャイコフスキー、ウェーバーら有名な作曲家の数々の曲が聴けるのはすばらしい。[DVD(字幕)] 5点(2011-04-24 22:49:33)《改行有》

2073.  東京暮色 《ネタバレ》 小津映画の中にあって、この映画はどうしても異色に思える。それほどシリアスなのだ。 有馬稲子はどういうわけか不幸な女性を演じることが多いが、この映画もとてもかわいそうだ。うわごとで何度も「死にたくない。初めからやりなおしたい」と言っていたのに残念である。 かわいそうと言えば、有馬稲子だけではない。原節子も笠智衆もそれに家族を捨てた山田五十鈴もすべて不幸であり、寂しさだけが残る。 そしてまたそれは、東京物語の一抹の寂しさと較べると、赤裸々で強烈に感じる。[DVD(邦画)] 8点(2011-04-24 15:25:11)《改行有》

2074.  東京物語 《ネタバレ》 「秋刀魚の味」で小津映画を知り、すぐさま代表作「東京物語」を見た。何と秋刀魚の味よりも10年近くも古いこの映画で、笠智衆が老人を演じている。息子や娘役の山村聰、杉村春子と何歳かしか違わないのに・・・。それがほぼ年相応の東山千栄子と夫婦をくみ、うちわを仰ぎながら二人でたたずんでいる。まさに絵になる情景だ。 この映画が作られたのは、私が生まれてまもない頃、映画設定はそれ以前だから、はるか大昔。その頃家族は、両親と子供たち以外に祖父祖母がいっしょに住み、長男が必ず親の面倒を見なければならなかった。その時代にあって、こうした家族の問題を取り上げたのは画期的というもの。 子供たちの誰が良くて誰が悪いという問題ではないだろう、核家族へ向けての提言であったのかもしれない。しかし、小津映画の世界とはいえ、親が危篤というのにのんびりしたものだ。喪服の心配ではなく、何が何でも飛んで行くべきだろう、それが親子というものだ。[ビデオ(邦画)] 8点(2011-04-24 08:02:38)《改行有》

2075.  お熱いのがお好き 《ネタバレ》 単なるコメディのドタバタ劇としか見れなければ、評価は下がるかもしれない。しかしよく見ると入念に練られたすばらしい脚本であることがわかる。それもそのはず、「昼下りの情事」で見せたビリー・ワイルダーとI・A・L・ダイアモンドの黄金コンビの担当だ。このコンビはその後も「アパートの鍵貸します」「あなただけ今晩は」という名作も作り上げた。 映画の4分の3を女装で通すジャック・レモンとトニー・カーティスの二人、セックス・シンボルという看板だけで軽薄にとらえられてきたマリリン・モンロー、これらのキャストがすばらしい演技をしている。特にモンローのぱっちり開いた目はかわいいし、今まであの独特のポーズしか知らなかった私の誤った概念を修正することができた。 トニー・カーティスが港からホテルまで使った自転車を、ラストでは逆にモンローがホテルから港まで乗り、駆けつける。なんとも粋な演出だ。[地上波(字幕)] 7点(2011-04-23 22:42:32)《改行有》

2076.  わが谷は緑なりき 《ネタバレ》 イギリスの中でもウェールズは合唱が盛んで「歌の国」とも呼ばれるほどだ。飲料水の衛生面から、ビールが水の替わりをしたらしいが、その飲酒癖を直すために、教会で賛美歌合唱が始まったらしく、メソジスト運動が後押しをしていたようだ。 また炭坑の街、ストライキ、音楽と言えば、「ブラス」という映画が思い出され、ボクシングと言えば「リトルダンサー」が思い出されるのも妙なものである。 この映画はモーガン家の末っ子ヒューの回想として描かれているが、街の渓谷は、かつては深い緑で覆われていたのだろう。それが炭坑の歴史と共に色がくすんでしまったに違いない。しかし、年老いたヒュー・モーガンの眼には、懐かしき良き時代の深い緑色にいつまでも見えたことだろう。[DVD(字幕)] 7点(2011-04-23 12:57:21)(良:1票) 《改行有》

2077.  大地(1937) 《ネタバレ》 パール・バックの「大地」とマーガレット・ミッチェルの「風と共に去りぬ」は共通点が多い。どちらも女性作家であり、ほぼ同時期(大地が数年早い)に書かれ、ともにピューリッツァー賞を受賞し映画化された。違いは舞台が米国南部か中国かであり、「風と共に去りぬ」がタラの土地を基盤にしながらも、ロマンをテーマにしたのに対し、「大地」はあくまでも中国の土地にテーマを固執したことである。 この映画は、大地を耕し収穫を得ながら、飢饉、戦乱、イナゴの大群と次々に苦難に遭遇し何度も土地を失いながら、なおたくましく生きる夫婦の姿を描いている。 特に2年連続のアカデミー主演女優賞を獲得したルイーゼ・ライナーの好演が光っている。[DVD(字幕)] 7点(2011-04-23 07:11:55)《改行有》

2078.  手紙(2006) 《ネタバレ》 「差別は当然なんだ。差別のない場所を探すんじゃない、君はここで生きていくんだ。」電気店の平野会長が主人公に言い聞かせる台詞である。この映画の一番の感動シーンはもちろんラストの刑務所慰問だが、この場面も相当なもの、この会長さんの言葉があったればこそ、手紙を書くのをやめて兄と決別する覚悟が生まれたのだと思う。 差別はいけないことだとは誰もが知っているし、非人道的だと責めることは容易い。しかし犯罪者やそれに近い存在を遠ざけようとする心理もまた当然のことである。(自分の家の隣が暴力団の事務所だったらと考えてみれば・・・) だから会長さんは差別を肯定も否定もせず、その中で強く生きていくように励ましたのだと思う。また本店の会長にお願いし、そうさせた手紙の主由美子のけなげなさに私も心うたれた。 この後はラストの刑務所慰問まで感動の連続だった。邦画も捨てたもんじゃないと思わせる久しぶりの名作。[DVD(邦画)] 9点(2011-04-22 21:40:10)《改行有》

2079.  アラバマ物語 《ネタバレ》 良い映画だとは思うが、グレゴリー・ペックのアティカスはできすぎ。1930年代の米国南部では、黒人差別は相当なもので人権無視は当たり前であった。映画の裁判シーンでもわかるように、判事や弁護士をはじめ陪審員に至るまですべて白人、黒人は傍聴すら2階席という有様だった。そういう裁判では初めから黒人に有利な判決は考えられなかったのである。 アラバマ州において、黒人の人権運動が起こるのは1955年のバスボイコット事件(黒人女性が白人に座席を譲らなかったために逮捕されたことによる)であり、有名な若きキング牧師の抗議活動もこれから始まったのである。 映画ではグレゴリー・ペックの弁護士が正義で、黒人差別をする側が異端のように描かれているが、当時の状況ではまったく逆であったろうと思われる。であるから、良い映画ではあるが、でっち上げや事実をねじ曲げる米国の正義というものも感じられる。 気になるのは題名、日本名の「アラバマ物語」は何の差し障りもないが、原題の「To Kill A Mockingbird」(モノマネ鳥を殺すには)のMockingbirdは何を指しているのだろうか。何となく不気味なものを感じる。[DVD(字幕)] 5点(2011-04-22 20:02:45)《改行有》

2080.  あなただけ今晩は 《ネタバレ》 「アパートの鍵貸します」が好きな人であれば、この映画もきっと見るだろうと思う。同じコンビ(監督、主演の男女)で3年後に作られた映画はカラーとなり、おもしろさも増したと思う。 設定は娼婦とひもという余り芳しくない関係だが、おかしさおもしろさの中に現実離れした素敵なロマンスが存在する。これもニューヨークからパリに舞台を移したせいだろうか、見ようによってはファンタスティックでとてもエレガントである。[DVD(字幕)] 8点(2011-04-21 18:45:05)《改行有》

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