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プロフィール
コメント数 487
性別 男性
ブログのURL //www.jtnews.jp/blog/23806/
年齢 41歳
自己紹介 多少の恥は承知の上で素直に書きます。

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221.  機動警察パトレイバー2 the Movie 作画のこだわり方が変わっている。東京の風景、機械や小物への描き込みは半端じゃないのに、動きの滑らかさを出そうという努力はほとんど感じられず、それどころか会話中の人の口すらも見せないようにして作画の労力を最小限に省いている。 脚本にしても後藤、南雲中心ではあるものの普通の意味での「主役」ではなく、視点が固定されていない。むしろ奇妙な人工美に満ちた東京と、硬直した政治機構が主役であって、ひとりひとりの人間たちはそのなかで翻弄される存在でしかない。 変なアニメーションだ。ひたすら小難しい台詞が続く紙芝居のような表現には辟易したし、脚本だって完璧だとは思わない。だが、それでも面白かった。これだけ派手なアクションシーンを盛り込みながら死人がほとんど出ていないという点にも、安手のハリウッド映画にはない渋味を感じる。硬質で骨太な世界観と、それを裏打ちする思想があるからだろう。あんまり男臭いので気軽におすすめはできないけど、福井晴敏なんかが好きな人はきっと楽しめるだろうと思う。 それにしても竹中直人、なんでもやってるんですね…。[DVD(邦画)] 7点(2006-12-28 22:50:30)《改行有》

222.  運命じゃない人 とても地味だけど、面白い。題材も人物も舞台も、派手な要素はひとつもないのにも関わらず、脚本だけ、しかもシンプルなアイディアを膨らませるだけで最後まで魅せ切っている。これはほんとうにすごいことだと思う。時間軸の操作という手法にもまだまだ可能性があったんだなあと思った。[DVD(字幕)] 7点(2006-12-04 23:37:07)

223.  40歳の童貞男 《ネタバレ》 DVDのパッケージを見た時点で笑えたので、これは期待できると思った。写真一枚で「ザ・童貞」という印象を作れるスティーヴ・カレル。けっしてオーランド・ブルームにはできない(というかやろうともしない)名演技だ。 アメリカのコメディにありがちな大げさで漫画的な笑いではなく、基本的にリアルで、会話の妙やくだらなすぎる小ネタで笑わせる。『アメリカン・パイ』的なギャグもあれば、ウディ・アレンを思わせるウィットもあり。冒頭のトイレのシーン(ぶっちゃけ共感した)からして、センスが良くなければできない笑いだと思う。 最後の展開はありがちだけど、普通に良かった。何がすごいってあのシーンだけスティーヴ・カレルがかっこよく見えるのがすごい。何気に実力派俳優だと思う。 ラストもすごかった。ハッピーエンドなんだけど、いくらなんでもハッピーすぎやしないか、というくらいにハッピーエンドだった。笑うよりむしろ引いた。 強いて難点を上げるなら、ちょっと長いかな? カットしてもいいんじゃないかというエピソードがある。でもコメディとしては充分、面白かった。[DVD(字幕)] 7点(2006-11-22 11:26:17)《改行有》

224.  隣の女 《ネタバレ》 シンプルかつ、インパクトの強い構成。まず決定的な結末があって、そこに向かって全体のエピソードが無駄なく積み上げられているという感じ。そのため、ラストのショックが凄まじい。非常に洗練された、隙のない脚本だと思う。[ビデオ(字幕)] 7点(2006-10-26 19:29:55)

225.  ハウルの動く城 意外と好きになれた。脚本は単純に失敗(狙ってやったにせよ単純な力不足にせよ)だと思うけど、イメージ豊かな映像やキャラクターの可愛らしさ(とくにマイクル)で許せてしまった。話としては面白くないのに、天才的な想像力に強引にねじ伏せられた感じだ。最近の『ゲド戦記』や『ブレイブ・ストーリー』はCMを見ただけで製作者の想像力の凡庸さがわかるが、宮崎駿作品は全盛期を過ぎてなお、ほんのワンシーンだけで観る者を「おおっ!」と思わせるだけの力を持っている。個人的にはよくできた平凡な作品よりは、こういった天才の失敗作のほうが見ごたえがあって好きだ。ただし、これから宮崎作品に正当派の面白さを期待することは二度とないだろうけど。[地上波(邦画)] 7点(2006-08-03 13:57:01)

226.  シルミド/SILMIDO あまりにも過酷な展開のために、共感する以上に圧倒されてしまった。見終えた後には、精神的に困憊してしまい、ぐったり。感動という言葉では生ぬるい衝撃を受けた。登場人物は男ばかり、あらすじだけ読むと非常に重厚な物語だが、脚本が上手い。実に自然で面白く、娯楽作のように素直に鑑賞でき、しかもそれでいて安っぽいメロドラマに堕しているということもない。重厚さと娯楽性の間で絶妙なバランスを保っている。138分という長さを感じさせない(いや、疲れましたが)良作だった。[DVD(字幕)] 7点(2006-06-29 14:56:13)

227.  タクシードライバー(1976) 女性心理を繊細に描く作品は多々あるけれど、これはプライドの生き物である男性の心理を丁寧に描いた作品。職場の先輩に「俺たちのような負け犬に何ができる」と諭される場面はなかなか痛い。社会的な敗者になることへの強い恐怖は多くの男性が理解できるだろうと思う。そしてそれに妥協して生きていくだけの強さ(?)を持ち合わせておらず、たまりにたまったフラストレーションを上手く発散させることができない場合は、危険ですらある。暴力という最悪の手段をもって自己実現を図ることがあるからだ。 美しいが、あくまで硬質で冷たいニューヨークの街並みは『グロリア』を思わせる。なんともいえない寂しい雰囲気とともに、鮮烈に脳裏に焼きついた。[DVD(字幕)] 7点(2006-04-12 08:56:15)《改行有》

228.  8 1/2 《ネタバレ》 超絶生意気なことを言わせてもらうと、結末においてこちらの予想を超える着地をみせてもらえなかったのが残念です。自殺を期に一足飛びに悟ってしまうのが納得できず、主人公の至った結論にも価値観を揺さぶられるようなことはなかった。しかし「自分のことばかり書いて、観客が楽しめるのか?」「独りよがりはやめろ」なんて自作で自作につっこみを入れてしまう辺り、まともじゃありません。ここまでメタ的な構造の映画は初めて観た。自分の映画はどんな意味を持つのかというような苦悩を自分の映画で吐露するなんて、常人の発想ではない。好きかというとそうでもないが、革新的なアイディアに基づいた唯一無二、他作品とは比べようもない作品であることは確か。奔放なイマジネーションの発現からも目が離せない。[ビデオ(字幕)] 7点(2006-04-11 08:58:17)(良:1票)

229.  フレイルティー/妄執 《ネタバレ》 最近ではどんでん返しには飽き飽きしてしまったところがあって、これは比較的よくできていたとは思うけど、無いなら無いで別に良かったかな。愛していた父親がある日突然発狂して子供たちに殺人を強制する、というアイディアだけで充分面白い。中盤までを丁寧かつ叙情豊かに描けば、キングの代表作のような泣けるホラーとして記憶に残る味わいを出せただろう。少年時代の兄に感情移入して観ていただけに、もっとドラマ部分をみせて欲しかった。 それにしても、近年のサスペンスって、どんでん返し中毒ですよね。でもどんでん返しというのはいわば必殺パンチであって、フットワークやジャブを磨いて初めて効果的に生きる技。そこばかり拘っていると一発屋的な、二度以上の鑑賞に耐えない浅い作品になってしまう。だから本作もまずまず面白いんだけど、なんか微妙なんだよなあ。今一歩、心に残るものがない。[DVD(字幕)] 7点(2006-03-22 15:16:25)《改行有》

230.  悪魔のいけにえ 怖くはなかったが、面白かった。  これほど幼児的・動物的で理解し難い殺人者も珍しい。実話を基にしているというものの、モデルになった事件とはかなりかけ離れている。このようなパーソナリティの殺人者など実在しないはずだ。それでもリアリティが失われていないのは、この殺人者が属する家族の関係性に妙な説得力があるからだろう。  一番凶暴で強靭だが知性がなく、父親と弟のいうことは大人しく聞く長男(レザーフェイス)、弱々しいが父親に反抗できる弟、いちばんまともだが家族の長である父親、ほとんど死にかけている(認知症?)のに家族には慕われている祖父。一般的な家族愛とは違うが、不思議と強い絆に結ばれているように見える。  レザーフェイスは確かに恐ろしいが、おそらくこの家族のフォローがなければまともに生きていけず、一生を精神病院で送るのが関の山だろうと思われる。つまりレザーフェイスは家族全体が揃って初めて本当に恐ろしい怪物になりえるのだ。この奇怪な一家の存在感は半端ではなく、たぶん(犯罪を犯しているかどうかは別として)モデルとなった家族は実在するのではないだろうか。弱々しい老人に無理やりハンマーを持たせてヒロインを屠らせようとする"家族団欒"の場面が強烈な印象を残す。  いたずらに派手ではない殺し方といい、夕陽の中での奇妙なダンスといい、並みの映画とは狂気の迫真性が違う。監督自身が内側に狂気を秘めた人でなければ、これは創れないと思う。  ちなみに主演女優の方、初見時はただただうるさいと思っていたが、よく観ると恐慌状態にもきちんと段階をつけて演技している。ラストの逃げ切った後のヒステリックな笑いの演技なんかはとくに感心した。[ビデオ(字幕)] 7点(2006-03-08 13:34:12)《改行有》

231.  死刑執行人もまた死す 多少古びた感はあるにしても、やはり非常に見ごたえがある作品だった。暗殺者をあぶりだすために数百人の人質が取られ、もくろみが失敗すれば関係者全員が銃殺されることを前提に物語が進む。政治がらみとはいえ、ここまで酷薄で重厚な雰囲気のサスペンス映画も珍しい。  味方であるはずのチェコ人たちには、敵役のナチスほどではないにせよ空恐ろしさを感じた。密告屋らしい人物がいるとわかるとたちまち集まってきて、しまいにはリンチに発展しそうになる場面は生々しい。一人の暗殺者を守るために四百人の人質を死なせるという決断にほぼ全員がためらわずに賛成するのにも驚いた。  誇りを失うくらいなら命をも捨てる彼らに、戦時中に一億総玉砕を叫んだ日本人の姿が重なって見える。このような価値観を一概に否定すべきではないのかもしれないが、もし自分が暗殺者だったら自首したであろうことは確かだ。彼らの不屈の意志をテーマにした歌には完全に引いてしまった。  大戦直後のドイツを舞台とした小説で、ユダヤ人の子供たちが徒党を組んでドイツ人の子供を蛆虫と歌う場面があったのを思い出した。感情的になった集団はどんな行為をも正当化する。フリッツ・ラング監督がドイツ人であることを差し引いても、彼の群集心理に対する洞察力は否定できないと思う。  そして何より、小難しいことを言わなくても、単純に娯楽作として優れているというのが素晴らしい。もっとも、クライマックスもまた形を変えたリンチなのだが……[ビデオ(字幕)] 7点(2006-02-28 09:50:22)(良:1票) 《改行有》

232.  ポゼッション(1981) これはすごい。ガラスを金属で擦るときの嫌な音を聴かされているような、背筋がざわざわする不快感がほぼ全編に渡って持続する。おぞましい狂気をそのまま具現化したような映画だ。  主要登場人物はことごとく狂っているし、何気ない映像も陰鬱でどこか不穏な空気を孕んでいる。湿った空を思わせる青白い映像は、とくに奇をてらっているわけではないのに肝心なところでどこかずれていたり、意味もなく揺れたりする。かと思うといきなりぐるぐる回りだしたりで、かなーり気持ち悪い。作った人は本当に頭がおかしいんじゃないかと疑ってしまった。  真っ黒な精神世界をグロテスクな映像に置き換えるという点では、クローネンバーグやデヴィッド・リンチに引けを取っていない。とくにクローネンバーグの『ザ・ブルード』や『戦慄の絆』に非常に近いものを感じたので、そういうのが好きな人にはお奨めしたい(つまり、一般受けはない)。  イザベル・アジャーニという女優魂のある人を迎えたことも作品としてとても幸運なことだったと思う。ものすごいわ、この人。すごすぎて途中ちょっと笑っちゃったもん。しかも一人二役を演じていることに途中まで全然気がつかなかった(なぜか裸を見て気づいた。そこら辺の観察力には自信がある)。今まで全然注目していなかったけど、超がつくほどの実力派だったんですね。脱帽。[ビデオ(字幕)] 7点(2006-02-27 08:54:15)(笑:2票) 《改行有》

233.  裏窓(1954) ジェームズ・スチュアートがギプスで曲げられない足の先を必死に掻こうとする場面を観て、昔骨折して満足に身体を動かせなかったときのもどかしさを思い出した。この届きそうで届かない"もどかしい感覚"というのを上手に使っていると思う。  肝心なものは見えそうで見えない、証拠はないのにどう考えてもあやしい、調べたくても人に頼むしかない……とくにグレイス・ケリーの行動を遠くから見ていることしかできない場面はものすごく恐ろしかった。こういう悪夢をときどき見る。ある人に危険が迫っていることがわかっていても報せることができず、殺人者はどんどん近づいてくるのだ。肌がざわざわと粟立つようなスリルを味わう作品であって、どんでん返しを期待するのは筋違いではないかと思う。   BGMもなく必要以上に派手な演出をせずに淡々とみせるのは、サスペンスを日常生活に組み込もうとする試みだろう。地味すぎて現代では通じないという意見もあるが、たとえば『サイコ』だって音楽やどんでん返しが重要な仕掛けとなっているわけで、この作品の異常なまでの抑制の仕方は当時としても異色だったに違いない。  休暇中に部屋からぼんやりと窓の外を眺めていて、ふと目に留まったささやかな光景から始まる恐怖の物語。悪夢は非日常の世界にあるのではなく、あくまでも日常生活の裏側に潜んでいる。一見平和な生活も、裏窓から覗いてみればどんなグロテスクな様相を示すかわからないのである。この着眼点が秀逸な作品だと思う。[DVD(字幕)] 7点(2006-02-19 12:13:01)《改行有》

234.  羊たちの沈黙 《ネタバレ》 究極の悪ハンニバル・レクターという題材を手に入れ、さらにアンソニー・ホプキンスという素晴らしい役者を迎え入れた時点でこの作品は勝利していたのだろう。  並外れた知性を持ち、あらゆる倫理規範を軽々と飛び越えてしまう怪物。クラリスはバッファロー・ビルから「羊」を救出するが、レクター博士という獣の前には無力だった。恐怖を感じつつも、その超人的な能力に不思議と惹かれてしまう人も少なくないはずだ。  実際のFBI捜査官は、レクター博士を連続殺人者としてはリアリティがなくむしろカルト宗教の幹部にふさわしいと評していて、それを聞いたときはなるほどと思った(そういえば犯行も儀式的で、被害者の死体が殉教者に見立てられている)。これほど強烈なカリスマ性を獲得した犯罪者は他になく、悪役としては史上もっとも秀逸な人物造型だと思う。  ――と褒めつつも微妙な点数なのは、なぜか個人的にはあまりはまれないから。本作と不幸な出会い方をしたのもあるし、久しぶりに再見してレクター博士も脱走方法も「ありえないなー」と冷静に見てしまった。終盤があまり盛り上がらないというのもストーリー展開としてきれいじゃない。自分はむしろあまりの高評価に違和感を覚えてしまう側の人。素直に楽しめなくて非常に残念に思う。[ビデオ(字幕)] 7点(2006-02-12 21:42:51)《改行有》

235.  BULLY ブリー 唖然。こいつら、アホ過ぎる。"十代の無軌道な…"という形容詞はよく聞くけど、ここまで無鉄砲な連中は想像できなかった。あってないような計画性を元に、ノリで行われる殺人。「あいつ殺すから手伝ってよ」「別にいーよ」って、どんだけ軽いノリだよ?! 見事に神経を逆撫でする登場人物ばかりで、一切の感情移入を許さない。互いに責任を擦り付け合い、どんな刑罰が待っているかも全然わかっていない。犯人の一人は犯行後「たぶん法律か何かで裁かれる」と発言。「法律か何か」ってお前…  主人公以外に美形の俳優はゼロ、ドラマチックな展開はなく、とことんリアルに徹した作りになっている。やりすぎで多少ぐだぐだな感は否めないが、残酷さが際立つ殺人の場面は素晴らしかった。スズメバチのように素早く飛びついては刺すマイケル・ピットが恐ろしい。  それにしても、被害者に同情的に描かれているが、こいつはどう考えてもクソ野郎である。優しい一面や悲惨な家庭環境を描くことで人間的に見せかけているものの、彼は暴行とレイプの常習犯。あきらかに危険な人間であり、正直なところ殺されてもあまり可哀そうだと思えない人物である。  逆に彼がマーティに対して行なった虐待の直接的な描写は少なく、まるで大した理由もなく殺されたかのような錯覚を覚えそうになるが、被害者の悪党ぶりはおざなりな描写でも伝わってくる。どうも加害者から同情の余地を奪い、現実以上の凶悪犯に見せたがっているように感じる。物語が成立する上で最も重要であるはずのボビーとマーティの関係すらきちんと説明されていない。監督は彼らに対する憎悪と侮蔑が先立ち、冷静に事件を理解しようとする姿勢に欠けているように思う。【クロエ】さんが言及なさっている原作の内容が気になる。  ラストで少年らに課された刑の重さには呆れた。年齢や事情を考えれば更生できる可能性は少なくないにもかかわらず、日本では考えられない厳罰処分が下る。社会平和のためでない復讐のための法律である。しかもこの映画ではそれを「ざまあみろ」と言わんばかりに映す。  監督は堕落したティーンエイジャーを憎悪しているんだろうな。かといって彼らのことを深く理解できているわけでもなさそうだ。映画自体は面白かったけど、その点は気になった。[ビデオ(字幕)] 7点(2006-02-08 02:20:38)(良:1票) 《改行有》

236.  タワーリング・インフェルノ やや冗長ではあったが、クライマックスの救出シーンの迫力と容赦のない展開に縮み上がった。ぼろぼろぼろぼろ人が死ぬ。ほんとうにもう、ゴミのように死んでいく。善良で勇敢な人たちも残酷な死を遂げたのにはさすがに涙腺が緩んだ。それぞれに愛する人、それぞれの人生があることを示し、命の重さを伝えた上でそれらがいかにたやすく奪われていくかを見せる。ある意味ではこれこそが災害の怖いところであると思う。たとえばニュースで数十人、数百人が死んだと知らされてもすぐにはぴんと来ないけど、一人一人の顔を想像しようとすれば気が遠くなってくる。失われたものが大きすぎて、把握することすら不可能なのだ。まさにインフェルノ(地獄)の名を冠するにふさわしい、凄まじい作品。[DVD(字幕)] 7点(2006-01-31 05:11:37)(良:1票)

237.  蜘蛛女のキス 《ネタバレ》 現実でも映画でもごついオカマには良い役回りは割り当てられないものだけど、本作のモリーナはよかった。悲惨だけど、美しい役だ。ウィリアム・ハートはたくましい男性の殻を着た可愛らしい女性を見事に演じており、下手な女性以上に女性らしかった。たった一晩だけ愛する人と結ばれた後に待つ、あまりにも悲惨な末路。胸がきりきりと痛んだ。[ビデオ(字幕)] 7点(2006-01-28 01:42:59)

238.  天使が見た夢(1998) 地味で暗いんだけど、気に入りました。気性が荒くて、自分の感情を喉に詰まらせて窒息しそうな女の子、マリー(なんだか『ベティ・ブルー』を思い出す)。そんな問題児におせっかいを焼いてしまう親友のイザベル。 つい最近、身近な友達が似たような人間関係に陥っているのを見て、「気持ちはわかるけど、その子との関係には見切りをつけたほうがいいよ」とアドバイスした。冷たいようだが、人の性格はそう簡単に変わるものではない。ある人をその人自身から救うためには、それ相応のエネルギーが要る。よっぽどの覚悟がない限りそんなことは不可能だし、全力を尽くしたとしても勝算はそれほど高くない。 結末は絶妙だ。悲劇のなかに込められた控えめな希望。友達を助けることはできるかもしれないし、できないかもしれない。イザベルが選んだ道は華やかさには欠けるものの、地に足着いた前向きさがある。彼女の凛々しい表情に、救われる思いがした。[ビデオ(字幕)] 7点(2006-01-19 17:31:43)

239.  石のゲーム 主要登場人物は「石」のみ。でも可愛いんです。楽しいんです。きれいなんです。そしてちょっと可哀そうなんです……単純だからこそ、シュヴァンクマイエルの魔術の素晴らしさを実感できる作品。[ビデオ(字幕)] 7点(2006-01-12 09:57:59)

240.  ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ スピーディスピーディと言われているのでどんなに速いのかと思ったら、『スナッチ』を先に観ていたのでちょっと遅く感じたくらいだった。意外とゆるい感じ。ゆるゆると進んで、突然爆発する。悪党どもがドミノ倒しのようにパタパタ倒れていくのが笑えた。出てくるのは悪党ばっかりで暴力描写も盛りだくさんなのに、結末はほぼ勧善懲悪が完遂されるので後味がすごくいい。そしてなぜかいちばん迫力があったのは、バーを経営している主人公の親父。って、スティングじゃん! どうりで、目つきが只者じゃなかった…[DVD(字幕)] 7点(2006-01-06 10:03:15)(笑:1票)

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