みんなのシネマレビュー |
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221. おにいちゃんのハナビ タイトルと冒頭の部分だけでラストが見えてしまう、とてもストレートな作りの映画。 主演の二人が好演、特に妹役の女の子がとても明るく、頭を丸めているせいか、 アイドル女優に見られがちな気取りがなくて、自然体で演じているという感じだった。 ロケーションもいいのだが、後半から徐々にベタな演出が目立ち、終盤からラストにかけては さすがにうんざり感が・・・。寡黙な父親役演じる大杉蓮も、こんな見せ方じゃもったいない。 兄思いの妹の描写が印象的な作品だった。[DVD(邦画)] 4点(2012-07-06 02:56:44)《改行有》 222. 蒲田行進曲 つかこうへい原作、京都撮影所を舞台にした人情劇。大袈裟で派手な演出、 風間杜夫演じる銀ちゃんがステレオタイプの自己中人間と、暑苦しいほど人情劇らしい内容だが、 それも計算のうえなのか、大一番の見せ所、オチも効いていて、シナリオの出来がとてもいい。 テーマ曲も作品の内容にぴったり合っていた。日本人なら楽しめるだろう、邦画らしい邦画。[ビデオ(邦画)] 6点(2012-07-05 01:25:30)《改行有》 223. 刑事コロンボ/断たれた音<TVM> チェスを題材にしたエピソード。副題のとおり、ポイントは犯人が耳につけている補聴器で、 チェスはコロンボが犯人の目星をつけるための小道具代わりに使われてます。 犯人が残した矛盾を一つ一つ集め、最後はお得意の仕掛けと、安定感のある流れ。 もちろんコロンボのキャラも、いつもどおり楽しめます。[DVD(吹替)] 5点(2012-07-04 04:27:33)《改行有》 224. バージニア・ウルフなんかこわくない 最初から最後まで、ひどい夫婦喧嘩を舞台劇のような作りで見せた映画。 画面の向こうで飛び交う罵詈雑言の嵐。主役二人以外で登場してくる若い夫婦も、 火に油を注ぐだけの存在で、何の役にも立たず。リズのまるで素でやっているような、 怒気に溢れた演技はとても印象に残っている。"夫婦喧嘩は犬も喰わない"ではないが、 鑑賞者はひたすら傍観者になるばかり。二人はいったいどんな結末を迎えるのか。 実験映画のようなドラマで、なかなか面白かった。[DVD(字幕)] 5点(2012-07-03 01:24:58)《改行有》 225. 刑事コロンボ/ロンドンの傘<TVM> ロンドン警察の視察旅行という変わった設定のため、本作ではとてもロケが多く、 いかにもテレビ映画といった作り。ストーリーそのものはしっかりしてるんだけど、 ラストの仕掛けがあまりにも強引過ぎて苦笑してしまった。 時間も長くて、ややテンポが悪い。 観光気分の素のコロンボのシーンが面白いので、普通には楽しめる作品だと思うけど・・・。[DVD(吹替)] 3点(2012-07-02 03:41:17)《改行有》 226. ミツバチのささやき もの静かで厳かな映像と、巧みな演出が峻烈なインパクトを与えてくる作品。 6歳のヒロインの視点から、初めて意識する" 死 "を中心に、少女の成長を描いた内容だが、 小道具代わりの「フランケンシュタイン」で死を、「ミツバチ」で少女を表現、 それらをさりげなくお話に絡めてくる構成に、制作者側のセンスの良さを感じずにはいられない。 個人的には少女が現実に体験する、「スペイン内戦→負傷兵→少女」のラインに もう少し厚みを持たせたほうが、よりテーマが際立ったのではないかと思う。 物事の真実を見透かすような、少女の澄んだ瞳も印象的な作品だった。[ビデオ(字幕)] 9点(2012-07-01 04:09:38)《改行有》 227. 陽のあたる場所 二人の女性のあいだで揺れ動く、出世欲に駆られた主人公の役を モンゴメリー・クリフトが好演。エリザベス・テイラーも今回は演技らしい演技を見せてくれるが、 サブヒロインの女優さんのインパクトが強い。ストーリーは心理サスペンスのような流れで、 先の展開に期待を持たせるのだが、後半からの主人公の行動にはちょっと疑問符があり、 ラストも今一つピンとこなかった。個人的には皮肉な結末という形のほうがよかったかな。 男性のほうが感情移入しやすいドラマ。[DVD(字幕)] 6点(2012-06-30 05:53:11)《改行有》 228. 愛と誠 完結篇 三部作の完結編。単行本全16巻中、およそ11~16巻までのエピソードで構成。 前作とのあいだ(およそ7巻から10巻あたり)がすっぽり抜け落ちていることもあり、 設定の変更やハショリが結構多く、ストーリーもかなりの駆け足気味という印象。 原作との違いを楽しむのもいいかも。相変わらずレトロ感は満足させてくれる。[DVD(邦画)] 1点(2012-06-29 03:50:22)《改行有》 229. 刑事コロンボ/逆転の構図<TVM> 知り合いの前科者を犯人に仕立て、完全アリバイの遂行を目論むカメラマンのエピソード。 他の刑事たちの目はごまかせても、コロンボの目はごまかせない。 状況だけ見れば確かに前科者が犯人。でも別の角度から見れば・・・・・・。 コロンボの仕掛けは、まさに逆転の発想。安定感のある面白さ。[DVD(吹替)] 5点(2012-06-28 01:45:19)《改行有》 230. 穴(1960) まさに「脱獄ものに外れなし」、実話をベースにしているそうだが、素直に面白い。 脱獄方法は地味ながらも、リアルさとともに心理サスペンス的な要素が随所に織り込まれており、 大きな緊張感を途切れることなく与えてくれる。そして迎える衝撃のラスト。欲を言えば、 最後にもう少し余韻を残してくれると良かったんだけど、ストイックかつ繊細な描写に大満足。[ビデオ(字幕)] 7点(2012-06-27 01:23:02)《改行有》 231. 刑事コロンボ/溶ける糸<TVM> 今回の犯人は野心家の外科医さん。冷静沈着な相手だけに、 コロンボも中々証拠を掴めず焦ったのか、突然キレだしたのにはびっくりした。 やはり彼は、相手をいらいらさせる飄々としたキャラのほうが観ていて楽しい。 ラストも仕掛けらしい仕掛けはなく、まるで普通の刑事ドラマのような展開だったが、 これはちょっと無理があるかな。決してつまらなくはないけど今ひとつ。[DVD(吹替)] 4点(2012-06-25 03:30:29)《改行有》 232. 誰が為に鐘は鳴る とても古い映画だが、「風と共に去りぬ」と同様にスケールが大きく、 当時としては大作だったことが窺い知れる作品。戦火の中のラブストーリーということで、 いかにも粗が目立ちそうな設定だが、ストーリーは予想以上にうまくまとまっていた。 ただ主人公は重大な任務を請け負っているので、そちらのお話にも力を入れなければならず、 多少ラブロマンスとどっちつかずの感はなきにしもあらず。バーグマンは本当にきれいだった。 主人公のゲイリー・クーパーもラストに男らしいシーンを存分に見せてくれる。 格別ドラマチックな展開はないが、映像もきれいだし、それなりに見応えはあるクラシック映画。[DVD(字幕)] 5点(2012-06-24 13:56:34)《改行有》 233. 続・愛と誠 「1」がヒットしたことで、誠役を西城秀樹から南条弘二に代えて製作された続編。 単行本全16巻中の4巻~6巻あたりを描いており、さすがにハショリはあるものの、 原作には割と忠実。昔懐かしい映像と雰囲気は、レトロ感を大いに刺激してくれる。 高原由紀役の多岐川裕美がまあまあというぐらいで、みんな演技はオーバーで下手だし、 いかにも安上がりといった作りだけど、劇画の映画化はこれでいいんじゃないかと思う。 漫画は真剣に読んでいたのに、どうしても笑えてしまうところがいい。本作では、 岩清水君の出番がなかったのは残念。[DVD(邦画)] 2点(2012-06-23 13:21:10)《改行有》 234. 静かなる決闘 感染症という題材とともに、一人の医師の苦悩と葛藤を描いたヒューマニズム溢れた作品。 ストーリーの内容を顧みれば、「静かなる決闘」はとてもいいタイトルだと思うし、 主人公の誠実なキャラもいいんだけど、三船はちょっと激情型のイメージが強く、 多少の違和感を覚えてしまう。それでも映像演出面において目を見張るシーンが用意され、 黒澤の真骨頂は十分伝わるのではないかと。主人公のキャラと相反する看護婦役、 千石規子の好演が光る佳作。[DVD(邦画)] 6点(2012-06-22 08:24:15)《改行有》 235. 白い恐怖(1945) ロマンスを絡めた、ちょっと変わった内容のサイコサスペンス。 グレゴリー・ペックは相変わらずカッコいいし、バーグマンも透明感があってきれい。 堅物の女医さんが恋に落ちる描写は面白いんだけど、肝心のストーリー展開が粗っぽく、 シナリオの完成度としての高さはあまり感じなかった。それでも一応ヒネリやオチがあり、 ヒッチコックらしい安定感とともに、普通に楽しめるサスペンスではないかと・・・。[DVD(字幕)] 5点(2012-06-21 04:10:23)《改行有》 236. 刑事コロンボ/意識の下の映像<TVM> サブリミナル効果を使った犯行ということで、コロンボが証拠固めと凶器探しに奔走。 犯人側の状況設定、バリエーションに富んだ犯行内容が、このシリーズの面白いところ。 もちろん犯人を徐々に追いつめていく、コロンボの独特のキャラも見ていて楽しい。 ラストの仕掛けはちょっと読めてしまうけど、安定感のあるエピソードに仕上がってます。[DVD(吹替)] 5点(2012-06-20 14:25:34)《改行有》 237. 新・課外教授 キャロル・ベイカー主演。不能の夫に悶々とする妻。義理の息子に・・・と、 まるで官能小説のようなシチュエーションだが、思ったより真面目な作りの映画で、 コメディー色はほとんどない。面白いかと言われると微妙だけど、キャロルはがんばってます。 ラストはこれでいいのかな? 映像は昔のポルノ映画を観ているような感じ。[DVD(字幕)] 2点(2012-06-19 04:19:32)《改行有》 238. 刑事コロンボ/第三の終章<TVM> 計画犯と実行犯が別々にいるという、ちょっと変わった設定のエピソード。 完全犯罪を目論んでも、偶発的な出来事だけは予想できず、本作の犯人の殺人計画には、 この偶発的な出来事が二つ起こります。コロンボは推理を重ね、アリバイ崩しと証拠固めに、 巧妙な罠を仕掛けていくのだが、相変わらずの安定感。犯人役の俳優さんもアクの強さがいい。[DVD(吹替)] 5点(2012-06-18 12:58:12)《改行有》 239. 地獄の黙示録 ストーリー云々よりも、映像や演出で戦争の狂気を表現しているといった印象の作品。 戦争映画は苦手なのに、映画館で観て、その後もテレビでやってると、つい鑑賞してしまう。 強烈なインパクトを受けたという意味では、監督の才能を素直に評価したい。 内容が内容だけに受けつけない人もいるかと思うが、普通の感覚じゃこんな映画は作れない。[映画館(字幕)] 7点(2012-06-17 14:58:50)《改行有》 240. “アイデンティティー” シナリオのよく練られたミステリー・サスペンス。ちょっとサイコも入っていて、 鑑賞者を選ばないタイプの作品かと。ひねくれてるといってしまえばそれまでだけど、 ヒントは劇中にちゃんと提示されており、ロジカルなストーリー展開は緊張感を途切れさせない。 ラストのオチもよかった。とても丁寧に作られているといった印象の作品。[DVD(字幕)] 7点(2012-06-16 12:03:20)《改行有》
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