みんなのシネマレビュー |
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221. 父の祈りを 実話が基になっているようで、一応社会派ドラマのジャンルなんだろうけど、 父と子の絆を核にしたシナリオ作りで、ドラマとしてのストーリーに厚みを持たせてます。 しょーもない息子のキャラあってこそのラストの流れが、思わずう~んと唸らせてくれる。 父親役の俳優さんがとても優しそうな顔をしてて、本作ではハマリ役だったかと。 実話ベースでなければもう少し高い評価をつけたいところだが、総体的には良作な映画だった。[DVD(字幕)] 6点(2012-08-14 03:59:37)《改行有》 222. 積木の箱 嫌になるくらいドロドロ系の暗いホームドラマ。題材自体は悪くないと思うし、 主人公の少年を視点に彼の苦悩を描いた作りはいいのだが、感情がとても激しすぎて、 終始青春ドラマのワンエピソードを観ているような青臭さを感じてしまう。当然ながら、 他の登場人物たちの描写が浅く、若尾文子、緒形拳、荒木道子等の味のある役者さんたちは、 彼らでなくてもいいかなという程度の位置づけ。松尾嘉代の怪しいキャラが浮きまくってて、 彼女だけは別の意味で目立っていたが・・・。[ビデオ(邦画)] 3点(2012-08-13 13:16:24)《改行有》 223. ニュー・シネマ・パラダイス シナリオ、配役、映像、演出、音楽と、それぞれが高レベルの至高の逸品。 ただノスタルジーを満足させるばかりではなく、現在と過去が一つの流れになっていて、 物語としても、また"映画"そのものを小道具にした設定ともにシナリオの完成度が高い。 中盤過ぎにちょっとバタつく展開があったのは残念だが、終盤からラストにかけての演出は、 制作者側の抜群のセンスの良さに脱帽。ちなみに完全オリジナル版のほうで、 首を捻った終盤の展開があったのだが、2時間版ではバッサリとカットされていた。 こちらのほうが自然な流れでいい。音楽は文句なく最高。名作でもあり、秀作でもある作品。[ビデオ(字幕)] 10点(2012-08-12 04:35:57)《改行有》 224. 野良犬(1949) 猪突猛進型の新米刑事に沈着冷静なベテラン刑事と、今ではオーソドックスな設定ながらも、 黒澤監督らしい、リアルでディテールの深い描写が緊張感を持続させてくれる。 新米刑事の苦悩を中心に描いたストーリー展開も悪くはないのだが、彼の人間臭さが、 変な人情シーンやシナリオの粗さをちょっと目立たせてしまったという印象。 それらを差し引いても、娯楽作としては十分楽しめる作品だった。[DVD(邦画)] 5点(2012-08-11 13:26:24)《改行有》 225. 刑事コロンボ/野望の果て<TVM> シリーズの中でも、わりとオーソドックスな作りの部類に入るエピソードかと。 アリバイ工作は決して目を惹くものではないが、入門編としてなら悪くもない。 コロンボのキャラと、しつこいシーンは相変わらず笑えた。ラストは今一つだったけど、 これもコロンボに追いつめられた犯人側の心理を思えば、それなりに楽しめるかな。[DVD(吹替)] 5点(2012-08-10 11:34:08)《改行有》 226. 宇宙人ポール 内容や大まかなストーリーの流れは、まんま「E.T」。友情テーマだけは基本路線に、 宇宙人や登場人物たちの設定を変え、コメディーとロードムービー色を付加して、 まったく毛色の違う作品に仕上げている。娯楽映画としては素直に面白い。 宇宙人のキャラが愉快だったけど、「未知との遭遇」のパロディには思わずにやり。 子供からお年寄りまで、家族揃って安心して鑑賞できる映画。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2012-08-08 18:46:12)《改行有》 227. 情炎(1967) 女の愛と性、心の中に潜む情欲を、淡々としたカメラワークと映像で表現した作品。 メロドラマ系の内容で、本来はどろどろうんざりした流れになるはずなのだが、 フランス映画を鑑賞しているような雰囲気という点では、監督さんのこだわりを感じる。 モノクロに岡田茉莉子の終始クールな表情は、向こうの古いファッション雑誌のモデルさんを 見ているよう。対照的に、高橋悦史の荒々しいキャラが妙に印象に残っている。[DVD(邦画)] 5点(2012-08-07 22:57:08)《改行有》 228. 刑事コロンボ/死者のメッセージ<TVM> 女流推理作家との対決と相成れど、犯人役がチャーミングなおばあちゃんということで、 キャラを生かした内容に。お年寄りなので、当然ながらコロンボのどぎつい仕掛けはなし。 その代わり、密室、ダイニングメッセージなど、一つ一つの断片を繋ぎ合わせて、 パズルを解くような展開を見せてくれます。いかにも犯人が推理作家といったエピソードで、 これはこれで面白かった。[DVD(吹替)] 5点(2012-08-06 07:44:19)《改行有》 229. 去年マリエンバートで 開始早々、五分で深い眠りへと誘ってくれる睡眠薬のような映画。 絵画的、幻想的、抽象的、前衛的、幾何学的、無機質、怠惰、ミステリアス、サスペンス・・・。 男と女の心理ドラマを卓抜な演出で描いており、まるで難解なパズルを解いているよう。 過去と現在の時系列さえバラバラという手の込みようだが、服と背景で判別できるように、 取っ掛かりはちゃんと用意されてます。知恵を絞っても、真相は霧の向こうにあるがごとく。 脳みそを嫌というほど刺激してくれる作品だが、睡眠をたっぷり取ってからの鑑賞は必須。[ビデオ(字幕)] 8点(2012-08-05 01:49:02)《改行有》 230. バンド・ワゴン(1953) フレッド・アステア主演、コメディー仕立てのミュージカル映画。 アステアのスリムな身体から繰り出される軽快なステップは、観ていてとても心地がいい。 お話の流れにはややテンポの悪さを感じるけど、アステアの紳士的な風貌どおり、 品のある作品に仕上がってます。ブロードウェイの舞台などに興味がある人には、特にお薦め。[DVD(字幕)] 5点(2012-08-04 07:44:54)《改行有》 231. 江戸川乱歩猟奇館 屋根裏の散歩者 ミステリーというか、タイトルどおり、人間の持つ猟奇性を追及した内容に。 もともと原作自体が下世話な内容なので、絡みのシーンもふんだんに織り込まれており、 もう退廃的な匂いがぷんぷんと漂ってます。ヒロインの宮下順子は、この役柄には合わない。 乱歩のおどろおどろしさは伝わってくるし、「人間椅子」のエピソードも出てくるけど、 総体的に面白さはまったく感じなかったかな。[DVD(邦画)] 1点(2012-08-03 12:48:53)《改行有》 232. グリース 明るくて楽しい学園ミュージカル映画。サントラも大ヒットした。 設定も作りもチープだが、ハイスクール生活の楽しさは十分に伝わってくる。 当時30歳のオリビアの女子高生役はちょいキツいが、遠目からだとそれらしく見えてかわいい。 髪にグリースべたべたのジョンは、とっぽいロックンローラー役がハマっていて笑える。 50年代が舞台ということで音楽はすべてポップ調で軽く、ミュージカル映画であるとともに、 昔懐かしい青春映画という印象も受けた作品。[映画館(字幕)] 6点(2012-08-02 07:44:03)《改行有》 233. 刑事コロンボ/悪の温室<TVM> 今回のエピソードではコロンボの仕掛けらしい仕掛けはなく、 刑事らしい緻密な捜査で犯人を追いつめていく展開。ちょっと物足りなさは感じるけど、 コロンボのキャラは楽しめるし、ストーリーそのものはそんなに悪くはないです。 どちらかといえば、普通の刑事ドラマの1エピソードに近い内容の作品だった。[DVD(吹替)] 4点(2012-08-01 10:28:40)《改行有》 234. 美しさと哀しみと(1965) 川端康成原作ということで、京都と鎌倉を舞台に、古都の風景を交えた文芸色の濃い作り。 基本的に同性愛を題材にした作品ではあるが、耽美な世界も下世話にならないレベルで表現、 また女の情欲、愛憎もよく伝わってくる。小悪魔的な加賀まりこは適役だと思うが、 芝居がかったセリフの連続には好き嫌いが分かれるところか。ラストも今一つかな。 八千草薫と渡辺美佐子は問題なし。個人的に主人公の妻役を演じた渡辺は好きな女優さんなので、 こちらの夫婦の愛憎シーンを中心に見たかった。[DVD(邦画)] 5点(2012-07-31 05:32:06)《改行有》 235. ブレイン・スナッチャー/恐怖の洗脳生物 テレビ映画4~5回分の連続ドラマを一本にまとめたような作品。 一般人ばかりでなく、政府側からの視点を交えた構成はいいと思うんだけど、 物語の展開が早く、登場人物や各エピソードの描写も薄いため、緊張感やスリルには乏しい。 B級映画らしいチャチな作りで、思わず笑っちゃうシーンもあるが、 そのぶん肩の力を抜いて鑑賞できる映画ではある。[地上波(字幕)] 2点(2012-07-30 06:02:36)《改行有》 236. 復讐するは我にあり 犯罪実録ドラマとしては、理屈抜きで圧倒的に面白い作品。 主人公の緒形拳とその父親役の三國連太郎はもちろん、脇役にもいぶし銀の役者さんを揃え、 手に汗を握るような迫力のある演技を見せてくれる。欠点を挙げれば映像がやや暗いことと、 なぜ彼が殺人鬼と化したのか、人間描写が浅く、主人公の狂気ばかりが目立ってしまう所か。 悪魔の申し子なのか、環境が彼を変えたのか、人間ドラマとしての物足りなさはあるが、 とにもかくにも一人の人間の生き様を垣間見たという点では、見応えのある作品だった。[ビデオ(邦画)] 7点(2012-07-29 08:27:26)《改行有》 237. ヘッドライト 泥臭い中年男の哀愁と、暗い映像がやけに物悲しいメロドラマ。 不倫愛を題材にした内容ということで、お話自体に引き込まれるような魅力は覚えないが、 一番の見所はやっぱりジャン・ギャバンの渋くて重厚な演技。寡黙で家庭に安息を見出せない、 主人公の悲哀さをたっぷりと表現してくれている。陰のあるヒロイン役の女優さんも美しい。 "ヘッドライトは、二人の行く末をも照らしたか?"が、本作のキャッチフレーズかな。 フランス映画らしく、映像から伝わる雰囲気に情緒を感じさせる作品だった。[ビデオ(字幕)] 6点(2012-07-28 07:11:09)《改行有》 238. 刑事コロンボ/殺しの序曲<TVM> 知能指数の高い犯人ということで、凝ったトリックに見応えあり。 クラブハウスでのシーンが多く、あまり場面が切り変わらないのも観やすい。 コロンボも閃きと洞察力で犯人を追いつめるが、ラストは天才らしくない凡ミス。 まあここはコロンボのファインプレーということで、全般的には面白いエピソードだった。[DVD(吹替)] 5点(2012-07-27 05:48:58)《改行有》 239. 夜汽車の女 姉妹の愛憎を描いたエロチック作品。どろどろ系のストーリーで、コメディー色はなし。 心情描写などを表現した映像面に目を惹くものは感じるが、主演の二人に魅力がないうえに、 演技があまりにも下手なので観ているのがつらかった。絡みのシーンもかなり少ない。 女の情欲、嫉妬、狂気というテーマはいいんだけど、面白いというところまではとても・・・。[DVD(邦画)] 2点(2012-07-26 05:13:49)《改行有》 240. いそしぎ エリザベス・テイラー演じる、自由奔放に生きるシングルマザーが主役のメロドラマ。 ヒロインが画家、主人公が宗教家の教育者という設定もあってか、 普通のラブストーリーとは一風変わったお話の展開を見せてくれるけど、 基本的にストーリーは面白くないです。この時期のリズは私生活でいろいろあったのか、 女優さんとしての魅力も感じなかった。舞台であるカリフォルニアの海辺のシーンは印象的。[地上波(吹替)] 3点(2012-07-24 07:58:59)《改行有》
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