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2561. オリバー・ツイスト(2005) 《ネタバレ》 悪党なんだけど心優しい部分もあるフェイギンや、オリバーにシンパシーを覚え彼を救い出そうとするナンシーなど、それぞれのキャラの個性がとてもうまく活かされていて、作品をより味わい深いものにしています。貧困から抜け出せない世界、貧困スパイラルの世界を見事に描き切っていると思います。オリバーに主体性がないという批判もある様ですが、彼はまだ9歳の子供ですし、それにこの物語は善人のオリバーを虐げ、悪が利用するその悲惨さにこの作品の原作者ディケンズの「貧困者を救いたまえ」というメッセージ性が出てるんだろうと思うんです。こういった過程を得て現在のイギリスがあるのだという観点で見ると作品をより面白く見る事が出来るんじゃないでしょうか。CGに頼る事無く、当時の街並みをそのまま再現した点にもこだわりを感じられ好感を持ちます。[CS・衛星(字幕)] 8点(2008-07-20 00:20:59) 2562. ライラの冒険/黄金の羅針盤 《ネタバレ》 この作品の一番の見所はなんといっても造形美にありますね。ライラの羅針盤やコールター夫人の偵察虫などの小道具。飛行船や自動車や気球などの乗り物。教権や工場などの建物。劇中登場するこういった数々の造形がとても美しく、小物好き、メカニック好きの私にはなかなかぐっとくるものがあります。ただ、いかんせんストーリーにぐっとくる要素が無い。3部作の初めの1作ということだそうですが、まずこの世界観を観客に伝えるための説明的要素が大半を占める為か、葛藤などの部分が薄く、振り返って心に残ったのはライラとクマちゃんの友情ぐらい。一連のシリーズを構成する最初のページとしてはいいかもしれませんが、単品として見るとこのぐらいの点数です。[DVD(字幕)] 6点(2008-07-19 23:10:34) 2563. リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い 《ネタバレ》 なかなか楽しい映画でしたね。それぞれのキャラの魅力を存分に発揮し、CGをうまいこと使って効果的に見せてます。ベニスでのヴァンパイア&カーアクションのスピード感と迫力はなかなかのものです。ただ、あまりにCGのショットが多過ぎて予算的に無理があったのか、ちょっと出来の悪いシーンもありましたね。特にCGで描く水の表現がちょっとショボい。コネリーさんはこのまま引退ということになると、これが遺作ってことになりますよね。果たして彼の遺作にふさわしい作品かどうか、、、。[地上波(吹替)] 7点(2008-07-17 01:14:45) 2564. 訣別の街 《ネタバレ》 市民が白で、ヤクザが黒、そして政治家は灰色に位置する。全体的に地味ですけど、パチーノお約束の大声演説シーンや、ラストでの補佐官に真実を打ち明けるシーンなど、それなりに印象深いところはあります。ただ、補佐官が命をかけ、市長に怒鳴られてまで探偵まがいのことをやる意志というのはなんなのか、ただの正義感というだけでは、動機不十分な気もする。[CS・衛星(字幕)] 6点(2008-07-15 01:45:03) 2565. 88ミニッツ 《ネタバレ》 【ミスター・グレイ】さんの言う事、よくわかります、、、。確かに携帯電話というのは、サスペンス映画の醍醐味をそぎ落とすような要素がありますもんね。アル・パチーノもすっかり老けちゃったなぁ。年齢を考えると、まだ走れてるだけマシな方なのかもしれませんが、、。ストーリーの方はというと、誰が犯人でもおかしくない感じで展開し、途中から実はジャックが犯人なのでは?というような方向に行きつつも、最後にはローレンが犯人だという結末になります。しかし、ローレンがなぜフォースターの言いなりになったのかの説得力がどうにも弱いなという気がしますし、彼女が犯人であるということによる、謎解きによって生まれるはずのカタルシスが今作には全くないのが致命的。せっかくの大御所が主演しているのですから、テレビドラマレベルのシナリオをもう一段階上げる努力はしてほしい。[DVD(字幕)] 6点(2008-07-13 02:48:58) 2566. Mr.ビーン カンヌで大迷惑?! 《ネタバレ》 前作の方がよかったですねぇ。なんかあまりに平和過ぎるというか、毒がない様な気がします。見終わって印象に残ってるのと言えば、いつもの顔芸と牡蠣をバックの中に放り込むシーンぐらい。[DVD(字幕)] 5点(2008-07-13 02:25:10) 2567. ALWAYS 続・三丁目の夕日 《ネタバレ》 素晴らしいですよ。もともとは続編を作る予定はなかったそうですけど、前作が大ヒット&好評だったもので、この続編が制作されることになったという。それにしちゃほとんど同一あるいはそれ以上のクオリティを保ってます。相変わらずシナリオが本当によく出来てる。別れ際、女の子に新品の色鉛筆をプレゼントするシーンで思わずほろっときてしまった。絞り脱水機?やら飛行機やら日本橋やら、小ネタも満載でビジュアル的にも楽しめる。ただ不満もないわけではないです。茶川が芥川賞に落選する展開があまりに見え見えだし、ラストの淳之介の「三人でいるから~」のクサい台詞にある様な、全体的に一言多いな思うシーンが時々ある。つまりは良い話にしよう、泣かせよう、という山崎氏の気持ちが少々先んじちゃってる様な気がする。しかしそれでも、よく考えられた構成とセット&VFXがそのクサさを補って余りある。ここまできたら、どうせならさらに続編を作って(次はオリンピックかな?)、見事な3部作にして完結してほしい。[DVD(邦画)] 8点(2008-07-10 21:15:13)(良:1票) 2568. アース 《ネタバレ》 確かに、これは「プラネット・アース」の再編集、ダイジェスト版ですね。あのシリーズの良いとこ取りを寄せ集めた様な感じなので、それぞれ印象深くて飽きないんですけど、ただ欲を言えば「プラネット~」にあった南極のペンギンたち及び深海の生物の映像をぜひとも組み込んでほしかったですねぇ。それと温暖化の話で終わらせるのも、なんかもううんざりしてきちゃいますよね。でも動物たちの生の映像は本当に素晴らしいですよ。形容すれば「命のドラマ」ですね。動物たちの表情や仕草とかが生々しくて、観ている人間の私も、種を超えた共感みたいなものを覚えざるをえないですね。命をかけてついにたどり着いた水辺で元気よく泳ぎ回る象たちだとか、闘いに破れ足を引きずりながらセイウチの群れの中で一人死んでいくホッキョクグマとか。あれだけの映像を撮影するスタッフたちは本当に凄い。ダーウィンを生み出したイギリスの力量と底力の様なものを感じます。[DVD(吹替)] 7点(2008-07-08 17:44:21) 2569. ゲゲゲの鬼太郎(2007) 大泉洋はこの役をやる為に芸能人になったのではと思うぐらいのハマり役。[地上波(邦画)] 6点(2008-07-07 12:36:32) 2570. アナコンダ2 《ネタバレ》 いやいやいや、これ、前作よりも面白いんじゃないですか?まったく期待せずに観たからかもしれませんが、これは実に優良なB級ムービーだと思いますよ。世の中には実に多くのB級映画がありますけど、そのほとんどは自分がB級であることに後ろめたさを感じるのか、なよっとして下を向く人間のような姿勢の作品ばかりです。しかしこの作品のように「オレ~はB級だぞ~!」と、前を向き風を切りかっぽして歩くような作品は見ていて実に清々しい。こういう作品にあれこれ突っ込みを入れるのはナンセンスです。私はゲラゲラ笑いながら楽しく観る事が出来ました。アナコンダVS人間というより、人間VS人間時々アナコンダ、といった感じです。不満と言うと、どの方々もそれぞれ死に方が豪快で素晴らしいんですけど、それに比べると悪役の兄ちゃんの死に様がちょっと物足りないと感じた点。[地上波(吹替)] 6点(2008-06-30 21:19:05) 2571. L change the WorLd 《ネタバレ》 な、なんと、夜神月とあれだけの闘いを繰り広げたL君は、また一方でこんな死闘を繰り広げてたんですね!なんと忙しい最期だこと(笑)。このスピンオフ作品、鑑賞した印象としては、開始早々デスノートを燃やしL君がやたらいい人になり飛んだりはねたり走ったり、前2作とは違う笑いの要素及び死ぬ様のブラックジョークっぷりなんかを見る限り、デスノートファンへの一種のおまけ、余興、アンコール後のお遊び、そんな感じに受け取れましたね。アクションシーンがどうにもショボくてあか抜けない感じなのと、シナリオに粗が目立つなどいけ好かない点が多いんですが、それでも一応娯楽作品としてはギリギリ及第点かなぁ。あ、それとナンチャンは完全に笑うとこですよ。 [DVD(邦画)] 6点(2008-06-29 02:22:20)(良:1票) 《改行有》 2572. アイガー・サンクション 《ネタバレ》 これ、高所恐怖症の方にはお薦めできません・・・。見た感じ、クリント・イーストウッド本人が山登りしてますよね?す、すす、、す、、すごいです!終盤の北壁シーン、今ならCGを簡単に使っちゃいそうですけど、はめ込みとかもなく、全部本物!ぶっちゃけ前半のアクションシーンとか、裏の顔の話とかそんなのどうでもいいです。ベンとの絶壁のぼりのシーンと終盤の北壁のシーンだけに7点つけちゃいます。[CS・衛星(字幕)] 7点(2008-06-27 14:05:25) 2573. ミュンヘン 《ネタバレ》 カミンスキーと組んでからというもの、必ず露出過多のぼんやりシーンを入れるようになったスピルバーグですけど、この作品ではそれが頂点に達していて、様々な場面が光の宴のような感じになってます。銃弾が顔を貫通して血が吹き出るとか、全裸の女性に矢を吹きかけ息の根を止めるなどリアルな残酷趣味描写も秀逸です。この作品は社会派であってエンターテイメントではないという方もいますけど、まぎれもなくこれは007タイプのエンターテイメント作品です。本作はある意味では、伝えるメッセージというのに乏しいかもしれません。単にありのままの姿を描いた。それをどう見るかは観客次第だ、という作風です。ですから、その点に関してはいろいろと批判もあるんでしょう。ただ、映画一本で答えが出せる様な問題なら、とっくの昔に中東に平和が訪れてるでしょうけどね、、、。[映画館(字幕)] 7点(2008-06-20 21:15:53) 2574. 県庁の星 まぁ確かにステレオタイプにすぎる面はあるかもしれませんが、でもただのエンターテイメント作品とは違ってちゃんとメッセージ性があるのが素晴らしい。「俺はこの窓から何を見ていたんだろうな・・」「お前、なんか変わったな」「今度は県庁が変わるばんかもな」そうです。その通りです!今や日本全国全ての自治体がガラガラポンしなきゃいけない時代。こういう作品が出てくるのは喜ばしい。ということでちょっとおまけの7点。[地上波(邦画)] 7点(2008-06-20 19:32:10) 2575. 蘇える金狼(1979) 《ネタバレ》 濡れ場シーンもいいし、アクションはどれもそれなりの緊迫感があってよろしい。ストーリーはかなり強引で、特に敵側の判断や動きにご都合主義を否めない。言ってみれば、全ての敵、脇役、女、登場人物が、松田優作の為にあるような、全てが彼に集約されるているような、そんな作品。優作氏の演技というのは、例えば腹を刺されてからフラフラと歩き回ったり、空港でのコケ方も芸人顔負けだったりと、オーバーで非現実的であるが、それ故に印象的で、独特な存在感がある。彼の独自の一匹狼性を鑑みていると、「松田優作はハードボイルドがうまい」というよりも、むしろハードボイルドでしか、彼のよさは発揮されないのではないか、という気がする。[CS・衛星(邦画)] 6点(2008-06-18 19:07:25) 2576. 時をかける少女(1983) 《ネタバレ》 この作品は今の時代に見ると、別の意味で「時をかける少女」だな、とつくづく思う。ただただ初々しいばかりのアイドル映画なわけだが、こういう清楚で純真なアイドル映画、というのがもはや今の時代には存在しない。「まぁ、とっても素敵な歌だわ」といって一緒に唄ったり、「カズオ君のハンカチ、お醤油の匂いがするわぁ」だなんて言ってハンカチーフを手渡したりするような女の子は少なくとも今の時代には(昔はどうかしらんが)絶滅している。こういう女の子像、そしてこういうのが「アイドル」であったあの頃、そう、まさに時をかけて時間の流れをタイムワープさせる懐古性を今にもたらすのである。[CS・衛星(邦画)] 6点(2008-06-18 18:38:34)(良:1票) 2577. スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師 《ネタバレ》 どことなくティム・バートンらしくないなと思って観ていたのですが、たぶんそれは音楽がダニー・エルフマンじゃないからでしょうね。個人的には、バートン×エルフマンというのは、宮崎駿×久石譲みたいなもんだと思ってるんで、その片割れがいつもと違うと雰囲気も変わってくる。さて、ティム・バートンという人は、スピルバーグも顔負け、いやそれ以上の残酷趣味をお持ちの方ですけど、今回もまたそれがいかんなく発揮されていて、モノトーンの背景に真っ赤な血が画面めがけてばしゃばしゃ降り掛かってくる嫌らしさはなかなか笑えるものがあります。それに死体を地下に投げ落とすシーンなんか、見るからにその死体がお人形さんなんですけど、ああいうキッチュさがこれまたティム・バートンらしくていい。ただ、彼の作品群の中ではこれは凡作の類に入ると思う。突き抜けたものを感じないし、心揺さぶる様な情感にも乏しいと感じた。バートンファン、デップファンは当然見るだろうが、それ以外の新たな客層をつかみ取れるほどの革新性を前作「~チョコレート工場」同様持ち合わせていない様に思える。 [DVD(字幕)] 6点(2008-06-16 21:59:41)《改行有》 2578. 地下鉄(メトロ)に乗って 《ネタバレ》 最初、地下鉄にホームから降りるとそこは昭和30年代にタイムスリップ、という展開なので、地下鉄がタイムマシンにでもなってるのかと思いきや、どういうわけか眠ったらタイムスリップしているというよくわからない展開になり、なんでもありかよ!と思わず突っ込みを入れてしまった。メトロのシーンになるとテクノっぽい音楽が入るのも作品とマッチしてるようには思えん。それと、主役の真次がその当時15歳だったのなら、今はもうかなりの年齢になっているはずで、顔と年齢が合ってないだろ、と思ったんだけど、たぶん原作が1994年刊行のものだからなんでしょう。そんなこんなで違和感ばかりがはなについてとても感動出来る代物ではなかった。[地上波(邦画)] 4点(2008-06-16 21:07:35) 2579. インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 《ネタバレ》 先ほど映画館から帰ってきて、家に到着しました。そして今、パソコンの前に座りこのページを開いています。率直に言って、私はとても混乱しています。頭が痛いです。前もって言いますと、私は自称・日本一のインディファンなんです。幼少の頃は毎日、学校から帰ったら真っ先にビデオのインディシリーズ3部作を見返し、それも何百回と繰り返し見て、私の映画好きのDNAは完全にインディアナ・ジョーンズによって形成されているわけです。ですから今回の新作を鑑賞するというのは、私にして見れば自分の存在や人格や感性というものを、自分で確認するようなものなのです。その鑑賞という「儀式」をついに行いにいってきたわけですが、、、どうしましょう。私にはスクリーンに映っている映像が、いまだに本物だと信じられないのです。長い夢を見ているんじゃないか、という半信半疑の気持ちなのです。13体のスカルが一つのグレイになり、スパルコが燃えて灰となる時、私の肉体も同様に燃え尽き、灰となったのです。遺跡が宙に浮き、ぐるぐる周り、アダムスキー型の乗り物が出てきて消えていったラストを見たとき、私は自分の魂が宙に浮き、ぐるぐる周り、混乱の闇へと消えていくのをはっきりと感じとりました。今、私は自分のDNA、遺伝子を組み換えてこの作品を許容することにするのか、それとも過去3作の輝かしい思い出をずっと固めて保守に回るのかで、とても混乱しているのです。「何かを得る為には、何かを失わなければならない」という言葉があります。私は今、前に行くべきか、後ろにとどまるべきかの瀬戸際に立たされているのです。[映画館(字幕)] 7点(2008-06-15 01:00:48)(笑:5票) (良:6票) 2580. アサルト13 要塞警察 《ネタバレ》 敵とのドンパチや、どうやって逃げ出すかといったサスペンス性よりも、警察署の中で仲間割れしたり協力し合ったりする人間ドラマが割と面白い。監獄に入っていたワル二人はちゃんと戦って死ぬのかと思いきやまんまと脱出して狙撃されるし、一応恋人のような雰囲気を漂わせていかにも生き残りそうなカウンセラーは銃で殺されてしまう。ジャスパーが実は裏切り者だったというのも意外だった。氷で目を突き刺すのはダイハード2のオマージュかな?[地上波(吹替)] 6点(2008-06-08 21:44:39)
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