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プロフィール
コメント数 900
性別 男性
年齢 42歳
自己紹介 最近になってまた映画を観る習慣が出来ました。
前はほとんど観なかった邦画をたくさん観るようになり
新しい映画ライフが充実しています。

昔ほど数はこなせませんが
趣味と生活のバランスをうまく保ちながら
なるべくたくさんの映画を観て、
なるべく読み応えのあるレビューを続けていきたいと思います。

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241.  ちょっと今から仕事やめてくる 《ネタバレ》 ほとんど予想通りの展開なのに、うるっときてしまった。 仕事が辛ければ辞めればいい、自分の命を捨てて周りの人を悲しませてまで仕事を続けなくていい。今どきはよく聞くようなメッセージを持った映画ですが、青山(=工藤阿須加さん)の追い詰められる描写をひたすら見せられた後だと、「あー、よく聞く話だよね」と一般論のように見ることはできなくなってしまう。それくらい青山の追い詰められ感、会社のブラック感が鬼気迫るものでした。あんな社訓や部長のパワハラなど、それこそ今どきならSNSで労基にでもすぐ訴え出られそうなものとも思うんですが、日本には何百万もの会社があって、ああいう社風がまかり通るようなところもきっとゼロではないんだろうなという気持ちで見ていました。最後、「ちょっと仕事をやめた」青山くんの同僚たちは、きっと「次の標的は自分になるんじゃないか」と戦々恐々としながら仕事をすることになるんでしょうね。部長はきっと次の怒られ役を作るんだろう。個人的にはあの会社のその後がどうなったのかがとても気になります。 ひとつのことがうまくいかず、連鎖するように他のことも回らなくなり、いつしか自分のことを心配してくれる誰かの声を聞くことも億劫になり、そんな自分を嫌悪してまた悪い方に考えて…というマイナスのスパイラルに陥る気持ちがとてもよくわかって、痛かった。そういう時は、この映画のタイトルのように「ちょっとやめてくるわ」なんて考えには至れないし、至ったとしても踏み出すエネルギーも無い。そのエネルギーを与えてくれたのが「ヤマモト」であるのだが、実際にはこんな風に「ヤマモト」が現れてくれるわけではない。青山はまだ独身で決断がしやすかったと思うが、これが妻帯者や子持ちだったらと思うとまた難しくなってくる。この映画が「ヤマモト」のように同じような立場の人にエネルギーを与えてくれるものになってくれれば嬉しいが。[インターネット(邦画)] 7点(2021-07-25 14:05:31)《改行有》

242.  冷たい熱帯魚 《ネタバレ》 『狐狼の血』を観た影響で、なんとなくグロいヤクザものを観たくなり、それっぽいなと思って選択しました。ヤクザ映画っていうか、サイコパス映画でした。この手の映画は、作中の人物に性格なり考え方が少しでも同調できるものがなかったらただただしんどい。社本一家も、村田も村田妻も、気持ちとか感情が何一つ理解できなかった。何をもって『冷たい熱帯魚』なのかも、ずっと考えながら見てたけどわからなかった。映像描写よりも、出てくる人間たちの性格がグロすぎて正視に耐えない映画でした、ってちゃんと見ましたけどね。 特に何が理解できなかったんだろうか。ノリや何らかの狙いの上で簡単に誰とでも寝る村田嫁?ちょっとのせられたくらいであんな店であんな格好で嬉々として働く娘?意味のわからない理屈で頬をはたかれながら抱かれる社本嫁? 「なんかすごい」と言わせるようなパワーがある映画だとは思いますが、私にはあまり刺さらなかった。有名な監督さんの作品がなにからしいのですが、すみません、良さが分かりませんでした。[インターネット(邦画)] 3点(2021-07-22 23:59:31)《改行有》

243.  ボーダー 二つの世界 《ネタバレ》 彼らはトロルだった。その辺から急に『ロード・オブ・ザ・リング』感が出てきました。もちろん『ロード~』の方はいわゆるファンタジー活劇で、この映画のようにトロルという種族が現代の人間社会でどのように生きていくかというところには話がいかないのであっさりした仕上がりになっていますが、こっちのほうはと言うとまあ、、、ディープなところまで表現しましたね。 これまでは少し変わったただの人、というスタンスで生活を送っていたティーナが、同族のヴォーレと出会って自分の出自についてだんだん理解していく。と同時に人である自分とトロルである自分とのバランスについて悩みながら考えていく。これまではずっと人として生きてきたのだから、一度は思いっきり100%トロルとしての生活を送ってみないとですよね。そう言う意味で色々あったディープな描写は理解できます。 トロルの容姿は顔がゴツゴツしていて毛深くて、ボテッとしたまあ人間で言うとだらしない体型、そして虫を好んで食す、と。まあその設定からして人の嫌悪感を誘うような感じに(わざと?)なっていましたが、もしこれがすごく美男美女のトロルのお話しだったら見る人の評価ってやっぱり変わっちゃうんですかね?美男美女っていってすぐいい例えが出ませんが、例えばティーナをエマ・ワトソンさんや日本人なら綾瀬はるかさんが演じたら、例えばヴォーレをジェイソン・ステイサムさんや日本人なら佐藤健さんが演じたら?(←思いついたのをテキトーに並べただけです、すみません汗) 決して自分がそうじゃないとは言いませんが、物事をを美醜で見るような感じに誘導されてるな、と感じました。まあそれをさっ引いても完全に乳児の形をした無精卵、とかショッキングなものが多かったですけどね。 個人的にはあの感情のにおいが分かる嗅覚で、税関職員ではなくマジシャンや弁護士などの職について成功するサクセスストーリーなどが見たいと思った。ちょっと重いし、一度の鑑賞で全ては飲み込み切らん。かといって二度目を見ようとは思わないし。もう少し違う切り口で見てみたい映画だと思いました。[インターネット(字幕)] 6点(2021-07-19 10:37:55)《改行有》

244.  空(カラ)の味 《ネタバレ》 自分には摂食障害になった経験なんてないので、気持ちがわかる、とかそういう類のことは一切言えません。ただ、どうにもコントロールできない自分自身を理解?というかとにかく受け入れてくれて、解放してくれたのは紛れもなくマキさんなんでしょうね。マキさん、言ってることは支離滅裂だしとにかくテンションが高くて受け止めるのも大変な感じの人なんだが、話し方がすごく良かった。多分個人的にああいう話し方の人が好きなだけなんだろうな。言ってる内容は滅茶苦茶なのに、何故だか心の内側に沁みて入ってくる、そんな喋り方でした。 ほとんどBGMもなく、主人公さとこがだんだんと摂食障害に陥っていく過程をひたすらゆっっっ、、、、、くりと描いていきます。おそらく最初は自分でも変だな、おかしいなくらいのレベルだったものがじっくりとしかし着実に体と心を蝕んでいきます。私は知りませんでしたが、この映画みたいに過食&拒食の複合パターンみたいなのもあるんですね。食欲あるのに吐いてしまうって、すごいな。そんなのが両立することに驚いた。家族の無理解を嘆く描写がありましたが、家族は家族でただただ心配してるだけで、わからないから本人に聞くしかなくて、何だかこの歳になってそっち側の立場でものを見ることが多くなってきたように思う。歳かな(笑)[インターネット(邦画)] 5点(2021-07-17 19:40:55)《改行有》

245.  ジョーカー 《ネタバレ》 期待通りのインパクトがあった。ジョーカーは『ダークナイト』でも出てきますが、アメコミ映画でありながらお決まりの超能力や超常現象は一切起きたりしません。ただの人間がいかにして「ジョーカー」になってゆくのか、それを淡々と描いています。生来持っているものや立場でその人の人生がほぼ決まってしまう街、ゴッサムシティ。その中で障害を持ちながらピエロとして生計を立てる「ハッピー」ことアーサー・フレック。恐怖や緊張、不安を感じると笑い出してしまう障害のため生きにくさを感じながらもコメディアンとしてショーに出て成功を夢見る一人の男。もちろんジョーカーに共感はできませんが、リアルな犯罪者として、冒頭に書いたようにインパクトのあるキャラクターとなっていました。 ジョーカーは、アーサーの抱える他人から認められたいという願望と、にもかかわらず不当に貶められ悪い意味で笑い物にされることに対する怒り、世の中の理不尽への不満などをゴッサムシティやトーマス・ウェインにぶつけようとした結果誕生してしまったんですね。またその過程でたまたまピエロメイクをしている状態でこれまたたまたま銃を持っていて仕事をクビになったところで、ちょっかいを出してきた三人を銃殺してしまったところ、同じように日常や街に不満を持っている貧困者たちのダークヒーローになってしまうという。コメディアンとしてショーに出て成功したかったアーサーには悪名といえど人から称賛されることが快感だったようで、そのまま彼はジョーカーに… 彼と同じように体が小さいことでバカにされてきた職場の仲間には敬意を持って接したりする人間性が垣間見えるところが、余計にリアルでした。ただ無差別に人を殺したりするのではなく、むしろ誰をなぜ殺すのかという理由がわかってしまうところがジョーカーらしい。 思ったことは、真っ当に生きていようとそうでなかろうと、それがショースターであっても寝たきりの老婆であっても、誰しもみんな人に認められたい、愛されたいと思っていて、それが動機になってエネルギーが湧くんだな、湧いてしまうんだな、と思いました。[インターネット(字幕)] 8点(2021-07-17 12:28:08)《改行有》

246.  RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語 《ネタバレ》 以前にも一度観たはずなのですが、ただただ感動してしまった。ジーンとさせようとしてるなーって何となく感じてるんですけどね。分かっててもジーンとしてしまう。それはもう仕方ない(笑) 一流企業に勤めセカセカと働くことに何の疑問も持たず生きてきて、それが友人の死と家族の状況の変化を受け一大決心をする49歳のおじさんの話。こんな歳のおじさんだからこそ魅力的な話の展開になっています。仕事仕事で家族も蔑ろにしていたら気持ちにも余裕がなかったのが、夢だったバタ電の運転士になってからはまるで憑き物が落ちたよう。家族ともゆったりとしかし誠実に向き合い、運転士の仕事にもまっすぐに取り組む。「仕事?楽しいよ。恥ずかしいくらいにな。」縁側で娘とスイカを頬張りながらこう答える父はなんだかとても格好良い。また中井貴一さんっていうのもぴったり合っていたので良かったんでしょう。あの歳でも精悍な佇まいで、地元の人にも愛されそうだ。 多少古い映画ですが、こんな田舎の牧歌的な地方電車ですら、時代の変遷も感じてしまった。少し遅れてくる乗客のために電車を待たせたり、乗客の荷物を運んであげて電車を止めてしまったら、失礼ながらこんな田舎の電車でもやはりあのくらい怒られるんですね。それにSNSも。当たり前ですが、なんだか昭和的に寛容に許されてきたことはもう許されなくなってきてるんだなーと感じてしまった。実生活でもそれはすごく実感することが多いですが、この時代・このロケーションですでにそうなっていたことに、いささかショックを受けました。そしてやはりこれは映画なので、中井貴一さん演じる筒井さんは地元の方の応援のおかげで事なきを得るんですが、実際は筒井さんと同程度の人が現実にいたとしてもああはならないだろうなとも思ってしまう。冒頭に書いたように分かってはいるんですが、そこはうまくいきすぎですよね。 ある程度それまでに稼いでいたり、奥さんが今バリバリ働いているから父親がこんな自由にできるんだろうとは思いますが、それを差し引いてもこの昔の夢を再度追いかける行動力や、仕事に真摯に向き合う姿勢は見習いたいと思いました。色々立ち帰るところを思い出せた映画となりました。[インターネット(邦画)] 9点(2021-07-17 01:35:05)《改行有》

247.  ひとよ 《ネタバレ》 まず、DVで子どもの腕を折り、顔にアザが残るまで殴る。そんな父親が母親に故意に車で轢き殺されるところから始まる。暴力を振るう父から解放され、「これで自由よ。何にでもなりたいものになれる」と言う母。そこから殺人者の母を持つ子どもたちの人生が始まる、、、というストーリー。 それほど大きくない町で一つの場所で暮らす家族にとっては、母が殺人罪で捕まった、というのは実際すごいハンデになったんだろうと推測します。母の立場、子どもたちの立場、職場の人たちの立場、新たに家族になる人の立場、それぞれによってこのことをどう受け止めてどう反応するかは違うと思う。ただ私自身の個人的立場から言わせてもらうなら、殺す必要がある人はやはりいると思う。東野圭吾著の「さまよう刃」で娘をレイプした男たちや、今作のようなDV男、それもかなり悪質な。法の裁きでは不十分、任せられないと思った時点でそれも仕方ないと個人的には思う。特に前述のような目にあった娘の父親の立場なら、殺意しかないだろう。そういう意味で、この母親の行動は納得がいく。自分でもそうするという思いがある。その一方で、それをしてしまったら残った家族はどうなるかということも気になる。結局何もできないのかもしれない。[インターネット(邦画)] 7点(2021-07-13 18:15:14)《改行有》

248.  人のセックスを笑うな 《ネタバレ》 全然笑えないな。みるめ(=松山ケンイチさん)への感情移入が止まらなくて、ずーっと真顔で鑑賞しました。こういう雰囲気の女性に惹かれてしまう気持ちが分かりすぎて、痛い。自分の好きなこの女性の人生の中心には自分はいないことがわかってて、なんとかその中心に入ろうと必死になって、でも全くそれがかなわない。彼女に近づきたくて全然知らないリトグラフを始めたり、家を探し当てたり、でも彼女が結婚してるとわかって距離を取るために携帯電話を針金でぐるぐる巻きにして封印したり、それでもやはり会いたくなって家まで行ってしまったり、、、。奔放なゆり(=永作博美さん)に翻弄されまくるみるめは愚かながらも、でもその気持ちや葛藤の一つとして否定することは自分にはできず、ただただ苦しい気持ちを共有して終わってしまいました。 ゆりは、みるめとの関係においてはたぶん、100%自分のやりたいようにやったんだろうな。関係を始めてから、関係を終わらせるまで、文字通り終始マイペースで。そしてみるめはみるめでそこまで振り回されておきながらゆりとの関係に対して1ミリも後悔はしてないんだろうな。「もっとこうしていれば今も一緒にいられたかも」という後悔はしただろうけど、一緒にいたこと自体を悔やむようなことはきっと無い。ゆりのことをとてつもなく好きだっただろうから。いや好きだろうな、今も。 そんなに好きな相手が突然自分の目の前から消えて、会ってどうするかなんてわからないけどとにかく手がかりを求めて探し回る。電話が来たと思ったら意中の相手は旦那と一緒に海外旅行。気持ちが切り替えきれないみるめ。そしてラスト、 「会えなければ終わるなんて、そんなもんじゃないだろう」 そもそも終わらせるつもりなんてなかったのに、ただただゆりを求めて空虚に彷徨うことしかできなくなってしまった。この彷徨には出口があるんでしょうか。いまだにそんなもの見えてこない。[インターネット(邦画)] 10点(2021-07-08 00:12:30)《改行有》

249.  レナードの朝 《ネタバレ》 かつて一度鑑賞したことがあったが、職場で人と話題になりDVDを貸してくれるというので久しぶりに二度目の鑑賞。一回目の時にレビューもしていなかったようなので改めて記録も取ることにしました。 やはり少し記憶に残っていたようで、なんとなく全体に既視感を覚えながら鑑賞していました。不器用ながら患者のために尽くす医者役のロビン・ウィリアムズさんと、自分の人生の大半を病で過ごし、薬によって少年期の記憶のまま目覚めたレナード役を、もういい年したおっさんのロバート・デ・ニーロさんが見事に演じていました。おっさん顔なのに少年のような笑顔や泣き顔をするってかなり難しいと思うのですが、怪演でした。 医師のセイヤーは、研究畑で慢性神経症どころか臨床経験がほぼないという医者。あれよあれよという間に慢性神経症患者の臨床医となってしまうが、生来の真面目さからか、患者にしっかりと向き合い、やや向こう見ずに突っ走る傾向はありながらも患者のためにまっすぐ力を注ぎます。今でいうと「研究オタク」とでも揶揄されそうなセイヤー医師ですが、患者のために体を張れる、立派な医師だと感じました。そんな人間味あふれるセイヤー医師を、ロビン・ウィリアムズさんが完璧に演じています。いや、本物のセイヤー医師を知らないので完璧というと語弊があるかもしれませんが、不器用ながらも人としての優しさが滲み出ていて、患者たちに信頼される、そんな医者の役がピッタリはまっていたと感じました。 対してロバート・デ・ニーロさんと彼が演じるレナードについて。デ・ニーロさんは上述のように、あの歳にして少年の顔や表現ができる凄い俳優だと感じました。引き出しいっぱいあるんでしょうね。セイヤー医師によりようやく効く薬が見つかって、一晩で劇的に回復したレナード。これまで何十年も言葉すら交わせなかった相手が話しかけてくれたらそれはもう感動ですよね。ここで終わればただのハッピーエンドだったのですが、映画はその後の展開までしっかり描かれます。レナードはじめ他の回復した嗜眠性脳炎患者たちも、時間の経過や今の自分達の置かれてる立場に戸惑いを覚えるようになり、ついには「ここから出せ」「俺たちに自由を!」とデモを始めます。 久しぶりに鑑賞して、じゃあ自分が嗜眠性脳炎患者だったらということを考えてしまいます。段々と手がしびれるようになり、ふと全くの不意に自分が眠ってしまう。体のあちこちがカクカクとしか動かせなくなり、次第に全身の自由もきかず、その間何十年のことも記憶に無い。壮絶ですよね。そしてある日突然目覚めたらそこは病院の中。自分の姿や世の中の変化にも驚きながら、しかしそこで恋もする。好きなあの人と二人で出掛けたりと意識が外へ向かうが一人で外出する自由はレナードにはなく、不満が爆発し上述のようなデモに発展させてしまう。デモまで起こすかはわかりませんが、自分でも何か不満をいだいて不平を述べたりするでしょうね、きっと。脳炎患者たちが回復して各々自分の意志の向くままに動いたり喋ったりするのを見て、病棟の黒人医師が「前のほうが良かった」と冗談のようにぼやきますが、何もせずただそこにいるだけの人形のような患者より、自分の意志で動いて自分の意志を表現する人間のほうが相対する人間にとって面倒がかかるのはまあ当たり前ですよね。 やっと手に入れた自由を謳歌したい患者たちと、突然治った患者たちをいきなり単独で外の世界へ出せない病院のジレンマ、あと双方どちらの主張も理解できる自分に歯がゆさを覚えました。どっちの立場もわかる。なのでどっちの味方になることもできない。ましてレナードは症状の揺り戻しが始まっていた。あの状態で一人で外へ出せないという判断は病院として当然だとも思いました。 嗜眠性脳炎そのものや、誰かがそれを発症したときの周囲の人の気持ちに思いを馳せることができた映画でした。今ではほとんど姿を消した病気ということですが、実際にあったストーリーとしてそういうものを現代でも見られるということが映画の醍醐味ですね。[DVD(字幕)] 8点(2021-07-07 17:46:13)《改行有》

250.  夜明けまで離さない 《ネタバレ》 映画ではこういう謎めいた男、出てきますよね。ただ、現実にはこんな男いないわけですが。そういうお店に来ておいてそういうことしないとか、逆に怪しまれて本当の目的も果たせなくなりますし。店に来た変な男が、たまたま自分の息子が万引きするところに居合わせて仲良くなるってのも、まあ映画ですよね。少し、ご都合的かなとも感じました。時に、現実にもそういう時があるということも分かってはいるつもりですが。 結局宮地真緒さん演じる美咲も、謎の男も、美咲に想いを寄せる刑事(=甲本雅裕さん)も誰も幸せにならない話でしたね。「何年でもあなたを待つ」という美咲の淡い願いくらい叶えさせて欲しかった。 終盤、美咲が夜の街に入った理由が語られますが、どんな事情があれ夜の街に入った人たちは幸せになれないんでしょうか。願っても抜けられないんでしょうか。そんな解釈をすることは極端かもしれませんが、なんだか救われない話を見てしまった後だとそんなふうに感じてしまう。せっかく息子も認めてくれて、あとは刑務所で刑期を終えるのを待つだけだったのに、、、切ないな。 社会では、女として生きようとする母や、母として生きようとする女のことを批判的に語る雰囲気がありますが、どちらも両立させようとした美咲は清々しくていいなあと思いました。こういう女性像は好きです。[インターネット(邦画)] 7点(2021-07-05 20:37:22)《改行有》

251.  天国から来た男たち 《ネタバレ》 20年前の映画かあ。私も一度タイに行ったことがありますが、「アジアの混沌」というものは確かにある。別にそれはフィリピンやタイ特有のものではなくて、普通に日本の中にもあるもので、よその国の人が「おかしい」とか「いかれてる」と思うようなことなんかいっぱいあるんだろう。この話がどれだけリアリティに基づくものかはわかりませんが、そういう尺度で映画を楽しみました。お金次第でなんでも自由な刑務所、なんか本当にありそうですよね。こういうのを見ると、いかに自分が平和で安定した場所が好きなのかよくわかる気がします。英語が多少できますが、だからって日本からそれほど出たいとも思ってないし、やたらと人の輪を広げようとも思わないし、基本的に内に引きこもりたいタイプの人間なんですが改めて「外って怖いなー」と思わせられた作品。たぶん映画が見せたいものとは全く違う感想を持ってしまいましたが。まぁ仕方ない。思ったんだから笑 しかし20年前の映画なのに、吉川晃司さんや遠藤憲一さんはあまり外見に変化がないですね。つい最近撮った映画だと言われてもそんなに違和感はない。ある意味カメレオン俳優だわ。山崎努さんだけは、さすがに『長いお別れ』を観た後でこれを見るとさすがに年取ったなーと言いたくなる。キャラも全然違うしそこは自分の中だけで違和感だらけでした。 話自体は夢がある、というか「色んな世界があるんだなー」と率直に感じた作品。だからってそこに行きたいとはほとんど思わなかったが。いや、少し行きたいかも。ただ、少しブラブラするくらいでがっつりそこで滞在したいとは思わない。どんなところか少し見てみたい、その程度の関心。なんて言うか、ああいうお金や悪いビジネスで繋がるっていう感覚が自分には無くて、毎日そういうことをして綱渡りで生きることが楽しいと思うような自分がもうないんですよね。そもそもそういう要素がある人や若い人ならこの吉川晃司さんや山崎努さんに憧れるのかもしれないけど。自分には全然響きませんでした。最後サクセスストーリーっぽく描かれてますが、特にそれもどうとは思わなかった。 結局この映画は何が大事と言いたかったのか。お金?信仰心?友情?それとも愛する人?混沌の中でも自分を失わない強さが必要ということなのか。色々考えさせられて、自分の大事なものを確認することができました。[インターネット(邦画)] 5点(2021-07-02 23:54:28)《改行有》

252.  ピエロがお前を嘲笑う 《ネタバレ》 なんでこういうパソコン得意です系の映画はお約束のように現実ではコミュ障でオタクキャラが定番なんでしょうか。また、そんなコミュ障を表舞台に引っ張り出すコミュ強が出てくるのもなんだかお決まりの展開。もっと言えば、「クレイ」なるハッカー集団を結成してもやってることは子供のいたずらレベルというのもよく見る展開で、しかも個人的にそういうのが別に好きではないのであまり話に入っていけなかった。彼らハッカー、クラッカーたちの中ではきっと「○✖️に侵入した」「△◻︎を乗っ取った」という実績が重要なんであって、そこで何をしたかはあまり関係ないんでしょうね。身内で盛り上がったり、現実逃避できるという点では例えばソーシャルゲームやカードゲームなどでも同じような感覚を持ってる人はいるんでしょうが、ネット犯罪となると規模が爆発的で、しかも多大な人々に迷惑がかかる。そういうのを面白がってる人たちを見ても別に面白くない。「そういう映画なんだから…」と言われればおしまいです、すみません笑 「クレイ」とユーロポールの攻防ももっとヒリヒリさせて欲しかった。あまり山場もなく、「クレイ」たちはいつも割と簡単に逃げおおせてしまって、淡々としすぎてこちらもあまり楽しめなかった。捜査官側もあまり有能では無い設定だったので、あんなもんなのかな。。。 こんな感想を持ちながら鑑賞していって、最後のベンヤミンのウィンクはキツかったです。[インターネット(字幕)] 5点(2021-07-01 21:48:50)《改行有》

253.  ローリング 《ネタバレ》 昔盗撮で職を追われた教師がかつての教え子たちと再会し、その盗撮動画をきっかけにさらに転落していく人生を描いた物語。 タイトルはこの「転落」ということかな。または色々合った結果鳥の巣になってしまったという意味で「流転」ということなのかなとも思ったり。権藤の生き方はまさしくROLLINGだなと感じました。 でもあまり共感だったり感情移入できることが少ない話でした。誰の気持ちもわからん。権藤も、貫一も、みはりも、かつての同級生たちも。教師を辞めても教師であった自分に葛藤し続ける権藤もよくわからんし、そんな男について行くみはりもよくわからない。貫一も一見みはりを愛してるように見えて、態度がそっけなかったりやたら束縛したり、いなくなってもあまり気にしてなかったり、それほどみはりのことを大切に思ってなかったのかな。愛に対しても、お金に対しても、それぞれの生き様に対しても、その時だけのいっときの感情の発露だけで生きていく人間たちを描いた物語。そんなふうに見えました。そりゃあ人間なのでいっときの感情に振り回されることはあるでしょうが、時が過ぎれば無くなってしまうような感情なら持たなければいいのに。と、特に貫一には思ってしまった。権藤も大概ですが。 映画としてはそのROLLINGっぷりをただただ見る映画、って感じですかね。最後何がどうなって鳥の巣に辿り着くのかだけは気にしながら鑑賞できました。あとは別に…って感じかな。[インターネット(邦画)] 5点(2021-07-01 03:07:54)《改行有》

254.  ユリゴコロ 《ネタバレ》 自分の出自を知るってそこまでショックを受けてしまうものなのかな。動揺のしかたが少し極端かなと感じた。さすがに親が人殺しだったわけではないですが、いやたぶんね笑、でも成人してそこそこ歳食っていれば清濁合わせ飲むではないがそんなにみんな清廉潔白なわけ無いってうまく処理できそうなもんですが。 自分なら出自なんかより、自分やその周りの人の「今」のほうがよほど大事です。自分が生まれる前の親の過去なんて知ったところで別にそこまで考えない。過去の親の犯罪のせいで付き合ってる女性と別れることになってしまったとかならまだ理解できる。しかしそんなことも起こらず、五体満足ですくすく成長し、自分の店が持てるまでになれたならそれで充分では。殺人鬼の血をひいていたから車の運転が乱暴とでも言いたげな描写も少し引いた。それこそ安直だわ。 「ユリゴコロ」=「揺り心」ってことなのかな。なぜあんな精神科のようなところに行かなければいけなかったのかは定かではありませんが、あのくらいの子があまり喋らないとかまあ普通にあるんではないだろうか。穴に色々生き物を入れてしまうような行動も、描き方が暗すぎて不気味な気がするだけで、普通では。昆虫の標本とか、蟻の巣にイタズラする子どもに似たような演出付ければそれなりに不気味になるでしょう。それよりもそのあと人を殺してしまったことで彼女の運命はもう方向づけられてしまった。そう感じました。 設定では木村多江さんは主役の松坂桃李さんの「親くらい歳が離れてる」と自分で言ってましたが、どう見てもそこまで歳が離れてるようには見えない。なんだったら婚約者の千絵さんと同世代でも通じるくらい。母親役にはちょっと若すぎて違和感でした。 はじめは「ユリゴコロ」を持たなかった美紗子も、洋介と出会って徐々に良い意味でのユリゴコロを持てるようになっていったことが見ていてわかりました。人を好きになって、その人からも愛され必要とされて、人は変わるんだなと思いました。愛する人や子どもの大切さを確認できた映画でした。[インターネット(邦画)] 7点(2021-06-28 21:16:39)《改行有》

255.  ディープ・ブルー2 《ネタバレ》 メガロドンの映画を観てしまった影響でなんとなく観始めてしまった映画。あまり何も考えずただ眺めるように鑑賞していました。生まれたばかりでサイズの小さいサメがピラニアのように襲ってくるというのが「2」の特徴でしょうか。通常サイズの頭の良いサメと一緒に人間を脅かします。観る側としてはもっとサメを倒すシーンを見たかったかな。終盤でサメに閃光弾撃つ以外は基本的にただサメから逃げるのみで面白くなかった。主人公の海中でのアクションや意外な展開などが光った前作ですが、そこは今作でトーンダウンを感じます。キャストの魅力もイマイチ…だったかな。魅力とは違いますが、仲間から「イカレてる」と罵られていた黒人の人、あの人が良くも悪くも一番印象に残った。俳優としては一番良かったってことかな。 映画のほうはまあ、時間潰しにちょうど良い感じでした。[インターネット(字幕)] 5点(2021-06-26 04:17:51)《改行有》

256.  メランコリック 《ネタバレ》 思っていたよりずっと良い映画でした。 そして松本くんを演じていた磯崎義知さん。彼が抜群に良かったので印象に残りました。髪の毛マッキンキンでいかにもまともに仕事とかできなそうな彼ですが、人当たりはとても良くて、言葉は不器用ながらも周りのことをちゃんと考えて気遣いができる、好青年でした。鍋岡くんが殺しの仕事についてどんなに無知でどんなに使えない人だとわかっても彼は常に鍋岡くんを「和彦さん」と呼び敬意を忘れず接していました。最後、撃たれて怪我をした松本くんを必死になって助けたくなるのもわかります。プロフィールを見ると磯崎さんは武道の心得もあるとかで、作中のアクションも素人目からも動きが違うと思いました。いろんな要素が輝いている俳優さんという印象でした。これから注目したい。 舞台は銭湯。通常は普通の銭湯として営業してるそこは、深夜には殺し屋の殺人スペースとして借り出されている、というなんだか面白そうな設定。他だと、中身が設定についてきていない映画とかもあるんですが、これは設定と中身の雰囲気もバッチリ合っていました。松本くんと和彦くんが「黒い仕事」を終えた後に二人で肩を並べて銭湯の湯に浸かってる様はなんだかほっこりします。ロケーション、良いですよね。 そして、和彦くんの最後のナレーションが心に響きました。すごく共感できる、いい言葉でした。自分のための備忘録的に、ここに文面を起こしておきます。 「人生には何度か、一生これが続けばいいのにって思う瞬間がある。何もかもが完璧で、幸福で、この瞬間のために俺は生きてきたんだ。そう思える瞬間が、本当に何度か。そして僕たちはまさしく、その瞬間のためだけに生きてるんだと思う。その、何度か訪れる瞬間のためだけに。それで充分。うん、それで充分だと思う。」[インターネット(邦画)] 9点(2021-06-25 22:07:12)(良:2票) 《改行有》

257.  教誨師 《ネタバレ》 「教誨」=【教え諭すこと。】または、 【あやまちを悔い改め、善に返すために教誨師が囚人を教え諭すこと。】 とのこと。 よけいな前振りはなくいきなり教誨のシーンから始まります。6人の死刑囚それぞれと、それぞれに合わせつつも忍耐強く神の教えを説く大杉漣さん演じる教誨師。確かに少し説教がくどいところはあるが、あんな人に話聞いてもらえたらなんだかほっとしますよね。囚人たちが一様に彼に心を開いていくのもわかる気がする。 毎回の教誨で物事の正悪について議論しようとする高宮。彼は彼であんな態度ながら牧師との話を楽しみにしていた節がある。自分が持っている今の社会への鬱憤を牧師を論破することで晴らそうとしているような。実際、本当に賢ければあそこで牧師を論破しても何にもならないことは分かりそうなものだが。それでも毎回彼は牧師に突っかかっていく。あれはあれで彼の救いになってたんだろうなぁ。彼は認めないだろうが。 あとは、字の読み書きができない進藤さんのことが心に残った。あの年で字を覚え始めてどうなるのとか、そうこうしてるうちに死刑になるんじゃ…などと色々頭をよぎった。そんな彼が最後、晴れてキリスト教徒になった後で牧師に渡したグラビアのページの裏に書いてあった言葉が牧師の心に刺さります。 まあ、例えばあの教誨師さんが10人の囚人の教誨を担当していたとして、じゃあ10人の考え方やその生き様全てに感情移入したり心を砕くことは現実にはきっと不可能だと思う。現実はもっと事務的で割り切ったものだろう。じゃないと心がやられる。少し形は違うが、教誨師さんは刑務所版カウンセラーのような役割も果たしているんでしょうね。[インターネット(邦画)] 6点(2021-06-23 12:04:43)《改行有》

258.  MEG ザ・モンスター 《ネタバレ》 とても久しぶりにここまでシンプルなモンスター・パニック系の映画を観ました。ほんと、単純に面白かったです。"MEG"ってなんだろうと思っていたら「メガロドン~Megalodon~」の略称なんですね。その巨体に似合わない、可愛い名前。 まず、水温躍層の底は実は潜れるって設定が面白い。自分は泳げないので、どれだけ科学が進歩して一般人でもそんなところに行けると言われても絶対イヤですが、ロマンのある面白い設定だと思いました。で、その水温躍層の中で太古の昔からスクスクと育ってきたメガロドンが潜水艇の水温躍層からの脱出の際にできた温度変化で、上の海まで上がってきて人を襲うという、そんなストーリー。 すごい巨体だと言われているメガロドンですが、もっと全体のサイズが分かる描写が欲しかったですね。小型の潜水艇や人が入るサイズのケージを丸呑みできるってところからある程度想像はできるんですが、やはりここはメガロドン全体の画が欲しかったと思いました。それこそジャケット写真のように、水上でプカプカ浮いている人間の真下にこのモンスターMegの魚影が見えるだけでもいいのに、そういったシーンはなんか一瞬で過ぎてしまってなんだかせかせかと、サイズ感を堪能している暇がなかった。 あと、パニックものには似たようなシーンはありがちなんですが、最後のヘリとヘリとが衝突するシーンは白けました。サメVS人間の映画なのに、あそこで急に関係ないアクシデント起こして、ああいうのがリアリティってことなんでしょうか。どうしても船の上の乗員全員をピンチの状態にしたかったのでしょうが、「さすがにそれはないだろ」って急に冷めてしまいました。 キャストは個人的に主役のジェイソン・ステイサムさんよりも、ジャックス役のルビー・ローズさんのほうが印象に残りました。一瞬ミシェル・ロドリゲスさんかと思いましたがよく見たら違う人で、「誰だこれ?」ってなりました。目つきがとても印象的で、それでいてスタイリッシュな雰囲気をまとっているルビーさん。この映画ではルビーさんにアクションの役回りはありませんでしたが、そんな役もできるんじゃないか、と今後の活躍をなんとなく期待してしまいました。[インターネット(字幕)] 7点(2021-06-20 13:32:47)(良:1票) 《改行有》

259.  レイクサイド マーダーケース 《ネタバレ》 ミステリーやサスペンスを期待して鑑賞した映画ですが…どちらの要素も中途半端だったかな。ミステリーなら犯人探しやトリック、真犯人の犯行の動機や背景などが詳らかになっていくのが見ていて引き込まれる。サスペンスなら人間同士の葛藤や関係のもつれ、それらが重なっての犯行や狂気性などを見るジャンルと言えると思いますが、この映画はそのどちらもなかった。事件は起きるがそれの対処はひたすら普通の人たちが普通に考えて思いつくことをやっているだけ。しかもそれを延々と。湖に捨てるまでのシーンなんてあんなに長くいるかなあ。結局犯人もはっきりしないから動機もよくわからないし。憶測の動機について親たちや先生があれこれ言ってそれで終わり。楽しめたかと言われると首を縦には振れない。 あと自分がお受験というものに対してあそこまで思い入れがないことも話に入り込めない一因です。結局あんな極端な感じの私立に入れて本人は幸せになるのかなって思ってしまう。まあ自分がそんな私立に行ったことがないしもちろん環境は大事とは思うのですが、個人的にはちょっと良い公立くらいでちょうど良いと思ってしまう。まあそれも、私立で人生が決まった、決まると思っている親には通じない理屈なんでしょうが。 実際あんなふうに子供の受験のために親まで泊まり込みで合宿、なんてあるんですかね。私なら、人付き合いも苦手だし絶対嫌がってるな(笑) ずっと冷静で、言ってしまえばとても冷たい対応をしていた豊川悦司さんが終盤、子供たちやその親たちに急に感情的になり罵詈雑言浴びせて罵るシーンがありましたが、あれ、驚くほど棒読みの台詞でしたね。すごく感情出そうとしてるのにあそこだけ演技がすごく下手で、なんだか見てて冷めてしまいました。あんな感情剥き出しにしていうセリフが心に響かないってちょっと致命的だな。それなら終始ずっと冷たいキャラでいってもらった方がよかった。かえってあれで話に入りにくくなってしまいました。 タイトルやあらすじが引き込まれる内容だっただけに中身が残念という、本当に残念な映画でした。こういう話題性のみで作って予告編まで楽しい、みたいな映画が減ることを願います。[インターネット(邦画)] 3点(2021-06-19 00:30:19)《改行有》

260.  かもめ食堂 《ネタバレ》 たとえば日本で、どこの国の人ともわからない人がどこの国のものかもわからない食べ物を出してる食堂を見つけたら……… けっこう面白そうですよね(笑) それと同じで、日本人がフィンランドでおにぎりメインの食堂なんか出したら、まあみんな好奇の目で見ますよね(笑)ある意味あの時点でもうこの店は流行っていたのかもしれない。しかしはじめは閑古鳥。来る日も来る日も来店するのは日本かぶれの豚身くんのみ。しかも来店第一号でずっとコーヒーはタダ。映画のラストにはこの店閉めてしまうのかなとか思ってしまったりして。 しかし日本人同士の奇妙な縁から始まり、段々とお店は流行っていきます。とんかつ定食などを美味しそうに頬張るフィンランドの人たちが、雅子さんが頼んだパリッパリの海苔で巻いたおにぎりを食べるシーンを凝視するのにはまた笑えた。めっちゃ美味しそうですよね。 そこからなのでしょうか、フィンランドの人たちが文字通り老若男女を問わずかもめ食堂におにぎりを食べるために訪れ、食事を楽しんでいきます。けっこうロックないでたちをした女の子たちも食べていましたね。 最初にした例え話ですが、もし日本でよその国の人がたった一人でその国の食べ物を出す食堂をしていたら………やはり最初は好奇の目で眺め、その後徐々に入っていく人たちに紛れ、自分もその店に食べにいくんだろうな。 「おにぎりは日本のソウルフード」 確かに。[インターネット(邦画)] 8点(2021-06-17 22:43:06)(良:1票) 《改行有》

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