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プロフィール
コメント数 574
性別 男性
年齢 50歳
自己紹介 管理人さま、レビュアーのみなさま、いつもお世話になっております。

タケノコと申します。

みなさまのレビューをとても楽しみにしています。
( まるで映画のように、感動し、笑い、ときに泣きます )


よろしくお願いいたします。

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241.  π(パイ) 《ネタバレ》 これは、モノクロの終末的な映像のなか、無機質で閉鎖感が漂う街に住む、悲壮感漂う辛気臭い男が、意味不明な数字の謎に取り憑かれて、自らドリルで穴を開けて砕け散るという、とても救いのない物語です。雰囲気はまるで、リンチの「イレイザーヘッド」を彷彿させます。かなり影響受けてますよね。一見、とてもミステリアスなストーリーですが、要するには "中毒性あるもの" とその依存症 (中毒者) の恐怖を描いた物語と思います。この数学の謎を薬物やギャンブルの依存症に置き換えるとわかりやすいかな? だから本格的な数学の謎解きを期待しても肩透かしを食らうし、数学の描写もそこまでのリアリティはありません。(サスペンスの要素としての数学、なんです) そしてこの映画に夢や希望はいっさいありません。ただ、逆説的にそれを提示はしています。爺さんの台詞が全て意味深で、特にアルキメデスのエピソードが面白いです。彼は歴史の偉人に対して、その功績や閃きに触れることなく、「最も大切なのは妻の存在だ」と言いました。もちろんこれは、マックスに遠回しに提言しています。彼は隣人の女性の好意、つまり目の前にある幸せに目もくれず、答えのないもの (=叶わない夢) を追い求めて砕け散った。本作は極めて作家性が高くカルト映画のにおいが漂いますが、もっと身近な小さな幸せに目を向けよう、という等身大で普遍的なヒューマンドラマである、と断言します。[DVD(字幕)] 6点(2019-12-07 23:03:01)

242.  ゾンビランド:ダブルタップ 《ネタバレ》 前作から10年、、ゾンビの進化よりも、アビゲイルちゃんの劣化の方が強烈だった・・(泣) そして、昔からよく似ていると思っていたが、エマ・ストーンのマイケル・ジャクソン化もますます気になる。 よし、前作はビル・マーレイ宅、今回はエルヴィス宅、そして次作はマイケル・ジャクソン宅「ネバーランド」で決まりかな? (^w^)[映画館(字幕)] 7点(2019-12-04 11:27:15)

243.  アダムス・ファミリー(1991) これ、ティム・バートン監督の映画ですか?(笑) でもティム・バートン監督は人間よりの目線によって異形を描くことに執着しますが、こちらはあくまで怪物目線。そして彼らは人間たちの視線を全く気にしません。そこが決定的に違うところ。まさにアダムス・ファミリーによるアダムス・ファミリーのための映画、なんです。個人的には、コメディとしてはそれほど笑えませんでしたが、ここまで独自の世界観 (雰囲気) を作り込めるのはすごいと思うし、視覚的にはわりと楽しめました。特にモーティシアとウェンズデーによるゴス系ファッションは雰囲気抜群で素敵でした。反対に残念なのはおばあちゃん。一人だけありがちなんですよね。年老いた魔女と言うよりは、これでは市川崑監督の金田一シリーズに出てくる老婆にしか見えなかったです。今にも、「これは村に伝わる祟りじゃあ~~」とか言い出しそうで。 (俺だけか?)[DVD(字幕)] 6点(2019-11-24 18:38:01)

244.  鬼灯さん家のアネキ 《ネタバレ》 主演は前野朋哉くんと言って、「桐島、部活やめるってよ」の映画オタク役で意外と印象に残っておりました。なので心に誓って、谷桃子さんのナイスバディに食指が動いたわけではありません。(スミマセン、嘘です) しかし今回の吾朗役は完璧にハマっていますね。抜擢した今泉監督、ナイス。商業的にはもう少しイケメン (オタク風の) でいきたいですが、あえてそうしないところに私は監督の信念を感じましたよ。今回気になったのは、盗撮ネタ。実は過去の作品にもありますね。なぜか盗撮にやたら執着する今泉監督、そして監督が描く盗撮にはあるルールがあることに気づいてしまった私。それは、盗撮者が好きな人個人に向けて仕掛けていること。犯人が、愛に悩み、苦しみ、迷った末の過ちとしての盗撮なんです。だから、学校や公園のトイレに無差別的に仕掛ける盗撮とは明らかに異なります。もう一つ、仕掛けたヤツは必ずバレる → 開き直る (or反省する) → 謝る → 和解する。 だって最後まで隠し通したら顔見知りだろうが絶対に犯罪だから (笑) ちょっとおかしな方向に話がそれてきたので、ここで話題を変えよう。好きなシーンは、部屋の中でテントを張って語らうところ。個人的に登山が好きなこともありますが、とてもロマンチックでしたね。それにしても題名は彼らの苗字なだけですが、やたらと意味深。鬼灯、ほおずき、その花は綺麗でとても風情があります。そして漢字で書いても音で読んでもどこか情緒的で、なんと毒性もあるそうな。だから "鬼灯さん家のアネキ" って、いろんな想像してしまって意味もなくドキドキしますね。(俺だけか?) と、とにかく・・今泉監督は初期の作品にハズレなし! 以上。[DVD(邦画)] 8点(2019-11-13 00:02:56)(良:2票)

245.  スウィングガールズ 《ネタバレ》 わりと始めのほう、トランペット? の中にゲロをはくシーンでとても嫌な予感がしました。 ・・全く笑えない。 レコードは転がすわ、楽器に穴をあけるわ、、まぁ次から次へと出るわ出るわ・・。 でも最大の問題は笑えないことじゃなくて、もっと根本的なところ。これはジャズの映画でしょう? 楽器へのリスペクトも、ジャズという素材に対する監督の愛情もこの映画から全く感じられない。引き合いに出すのは甚だ失礼かもしれんが、アメリカ映画におけるベースボール (野球) の扱いを見てください。素材に対する深い愛情や敬愛があるから、バットを折ったり傷つけたり、グローブにゲロをはくようなことは絶対にしません。 「男子高生にシンクロやらせたらヒットしたな~、今度は女子高生にジャズでもやらせてみっか?」 この考えが映画から透けて見えますわ。 映画の精神はキライですが、出演者はよくやってる。与えられた役に対して、しっかりと努力したのがよく伝わってきます。彼らに2点を捧げます。決して君たちのせいじゃない。[DVD(邦画)] 2点(2019-11-11 23:04:28)(良:1票)

246.  いつか読書する日 《ネタバレ》 よい意味で古臭くて、とても風情のある映画。牛乳配達とか、坂道や階段の多い街並みとか、どこか懐かしい感じがした。原作者も監督も、誠実で真面目な方だろうな、というのは映画からよく伝わってくる。育児放棄や介護問題など、重たいテーマに気が滅入りながらも、時折映る街の風景に癒されながら映画は淡々と進む。高梨槐多 (岸部一徳) の人生は平凡なように見えて、その内に秘める熱さは誰も知らない。無表情で大人しい男だな、、と思っていたら、突然激高して殴りかかったり、激情の愛に身を任せたり。彼のこころは、冷静でいるか情熱に身を任せるか、その真ん中が無い気がした。そんな彼が、長い時をかけて熟成された想いをようやく成し遂げて、やり遂げたように死んでいく姿が切ない。彼が最後に幸せだったのかはわからない。でもきっと彼女は過去を辿ると思う。彼が生きていたこと、してきたこと、残したこと。一人の人生を一冊の本に例えるなら、その本を読む者があってこそ、生きた証なのかもしれません。[DVD(邦画)] 7点(2019-11-11 00:02:40)

247.  しゃぼん玉 《ネタバレ》 乃南アサ氏の原作は、何年も前に読んでございますが、細部をかなり忘れていて、今回の映画が初見のようになりました。 始め、青年 (林遣都クン) は鬼のような形相で、悪いことをたくさんしますが、どこかしら人の優しさを知らずに育った (粗暴な) 野良犬のようなところがありました。 そんな彼が、流れ着いた宮崎県の山奥 (椎葉村) の風景と人の優しさに癒され、憑物が1枚1枚剥がれていくように人間らしく表情が宿っていく、、。 村で過ごした彼が、人生で初めて知ったもの。 スマの優しさ。 シゲ爺の厳しさ。 人を好きになること。 人の心を知って、人として成長して、人として罪を償って、また村に帰る彼の姿に大きな感動を覚えました。 本作は少年院や刑務所で上映されているようですが、確かにこの映画には、罪人を更生させるだけの「力」があると思います。 「ぼう、ぼーう」 彼をそう呼ぶ市原悦子さんの声がどこまでも優しかったです。 山でおむすびがころころ転がった場面では、私は日本昔ばなし「おむすびころりん」を思い出し、今にも彼女のナレーションが聞こえてきそうでした。[DVD(邦画)] 8点(2019-11-05 17:23:35)

248.  イエスタデイ(2019) 《ネタバレ》 ビートルズの曲を全く知らない人たちが、初めてその名曲を聴いて、一体どれほど感動するんだろう? その期待通り、「イエスタデイ」と「The Long And Winding Road」のシーンが素晴らしかったです。ここは曲はもちろん、むしろ聴く人たちの驚きと感動の表情に心が震えました。でも、個人的にはここが映画的高揚の頂点で、後半はこの感動を越えてはゆきません。この奇跡の出会いと発見こそが本作最大の感動なので、知ってしまったその後は、ビートルズの曲をモチーフにした恋愛系音楽映画に過ぎませんから。盗作を隠しながら売れていく葛藤や、謎めいた二人の存在は面白かったですが。そして終盤は予想通りの幸せオーラに包まれて、リチャード・カーティス色が全開です。今回は特に音楽の演出部分が出来を左右するので、メガホンはダニー・ボイル監督に任せたかな? なお私はアルバム「LET IT BE」を聴きながらレビューを書きました。(2009.9.9再発の紙ジャケ版) 改めて、この時代、この年齢で初めて聴くことを想像すると、、納得です (笑)[映画館(字幕)] 7点(2019-11-04 13:15:45)

249.  ジョーカー 《ネタバレ》 これは大傑作だ。でもとても反社会的で、おかしな影響受けそうなちょっと怖い映画。白状するが、彼と同じく "名もなき群衆" の一人として血が騒いだわ。 でも、この映画を観て感想を冷静にコメントしてるうちは大丈夫。ジョーカー、カッコイイ!! などと、騒いでいるうちも、まあ大丈夫だろう。そうそう、ヤツが階段を降りながら踊るシーン、、これにはカッコ良すぎて、しびれた!! ヤツと同じようにピエロのメイクしたり、笑い方を真似したり、独り部屋で鏡に映った自分に話しかけるようになったら、、これはマジであぶないかもね。 ・・って、なんかやっぱり、コメント書いてるだけでも「タクシードライバー」そっくりだ (笑) もちろん、「キング・オブ・コメディ」のリスペクトでもあるし、久しぶりにデ・ニーロが刺激的な役をやってくれて往年のファンとしては嬉しかったね。 その余韻に浸る私に向かって、会社の部下(男性・20代前半)はしれっと言ってくれた。「ホアキン・フェニックスかっこよかった!! マーレー役の人は何て言う俳優ですか!?」 ・・・。 ったく、ズッコケさせてくれるぜ。 とても時代を感じたが、、でもこれを機にあの二作を知ってくれたら、オジサンは嬉しいよ。 昔のデ・ニーロ、カッコ良すぎてちびるなよ。[映画館(字幕)] 8点(2019-10-22 22:56:51)(良:1票)

250.  ドント・ブリーズ このドンブリ爺さんが、イラク戦争帰りという設定が面白い。だってイラク戦争って戦闘終結宣言はあるけど、終戦宣言はまだされていないわけでしょう? だからさ、爺さん目が見えないし、きっと戦争再開と思ったんじゃない? イラク軍がここまで侵攻してきたって思ったんだよきっと。[DVD(字幕)] 6点(2019-10-19 20:59:01)

251.  レイクサイド マーダーケース 《ネタバレ》 東野圭吾氏の原作「レイクサイド」はかなり昔に読んでいますが、ストーリーはもう完全に忘れました。細部ならともかく、大筋も全く覚えていないという・・。いわゆる、あまり大した話じゃないということでしょうが、改めて映画版を観て確信しました。やっぱり、あまり大した話じゃない (笑) 役者に救われてはいますが、ストーリー自体はテレビドラマでよくありそうなお話で、わざわざ映画にするほど魅力を感じません。そして殺人現場や崖だったり、クライマックスで一堂が勢揃いするのは、まさに火曜サスペンスでよく目にする演出ですよね。そこでお約束の通り、カメラに全員収まる配置で棒立ちして、事件の説明を順番に始めるという・・。脱いだ女優さんはキレイな方でしたが、何と言うか、、出演シーンの大半が裸か死体という、考えてみればかわいそうな役だよねえ。[DVD(邦画)] 4点(2019-10-14 13:20:23)

252.  いまを生きる 《ネタバレ》 本来、学校の先生は形式通りのステレオタイプが理想的だけど、本作のように勉強しかとりえがないエリート養成学校のお坊ちゃんたちには、キーティングのように型破りな教師の方が面白いかもしれませんね。だって、学校を卒業した後の途方もなく長い人生で重要になってくるのは、勉強以外のことだから。・・って、それは学校の教壇で教えられるようなことじゃないから、キーティング、その人そのものが、彼らにとって良き人生の教科書なんだよね。彼自身が、それをわかってる。 そうそう、忘れてはならないのが、本作の映像美。校舎内の光と影、色づく木々を照らす陽光、池の水面に映る風景、、それはまさに、芸術性の高いものでした。実は、ティーンエイジャーがごった返す学校の風景は毎度チープな演出をされがちですが、そこは手抜きをすることなく、これほど「学校」の風景を美しく撮った映画も珍しいですよ。ご存知、映像美には定評のあるピーター・ウィアー監督ならでは、ですね。 一つの大きな出来事として、ニールは死んだ。自殺とか殺されたとか、それは別にして、映画としてあるのは、死という明確な事実の提示。そもそも、原題からして死にまつわる映画です。そこから対比的に "生きること" を鮮明に描き出すなら、死の描写は絶対に避けて通れない。 必死に生きるか、必死に死ぬか。 それは、どちらも命懸けだろうけど、必死にいまを生きること (それはつまりこれからを生きていくこと) を宣誓した生徒たちの、旅立ちでも巣立ちでもなく、これは力強い「船出」の物語。 立ち上がる者、そうではない者、、そのどちらも、生きていくなら乗らざるをえない、人生という果てしなく長い航海の始まりです。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2019-10-13 12:32:47)

253.  恋は雨上がりのように 《ネタバレ》 小松菜奈さんの魅力についてはもう語りつくされておりますので、強いて言うなら、陸上競技者、それも単なる一部員ではなく、人を惹きつける短距離界のスター候補生、といった観点から、これは完璧なキャスティングではないかと。多くは書きませんが、競技場のトラックを颯爽と駆け抜ける橘あきら、、その姿を観た方ならわかるはず。 かたや、羨ましい店長の近藤正己は45歳、公開当時の大泉洋も45歳、ついでに、私は44歳。(ちくしょーめが このやろめ なんだこの差はこんちくしょうめ) そんな店長の良さについてはもう語りつくされておりますので、強いて言うなら、(またかい) 私が好きな彼の優しい気遣いについてコメントを。彼の、「息子に走りを教えてやってほしい」はタテマエ。その本音としては、あきらが再び走り出す、本当の意味での「キッカケ」を与えたかったのですね。 何度でも観たくなる終わり方は、雨上がりに覗いた晴れ間のように、一片の曇りもなく、キレイに爽やかに。 そして、小松菜奈という女優としては、これが青春映画のゴールになるだろうか。 私の中でも大好きな女優が、その「青春」という通過点を、颯爽と、自信に満ち溢れたその姿を残して、駆け抜けていきました。[ブルーレイ(邦画)] 8点(2019-10-12 17:33:02)

254.  県庁の星 意外と面白かった、けど。 残念なことに、主人公、野村聡の私生活がほとんど見えないんです。どうして、131分もありながら、彼の部屋での暮らしぶりを映そうとしないんでしょう? 彼、独身男性でしょう? 一人で自炊してたり、洗濯物を干していたり、いびきかいて爆睡してたり、そういう姿に人間味や生活感を感じるってものです。これだから、本当に「県庁」の人にしか見えないし、野村聡ではなくて織田裕二なんですよ。 まぁ、一般庶民の暮らしに放り込まれてみて、「事件は会議室で起きてるんじゃない! 現場で起きてるんだ!!」てのは身に染みてわかったと思うけど。[DVD(邦画)] 5点(2019-10-10 00:11:00)

255.  サッド ヴァケイション 《ネタバレ》 日の目を見ない者たちの物語らしく、橋の裏側など、目立たないところや人が普段は意識して注目しないところ、を意図したと思えるカメラのアングルが印象的。そして陰惨な場面に不釣合いな軽い音楽は、セオリーを明らかに外してます。そんな感じでやたらアーティスティックで、自称オシャレな人たちには受けそうな映画。出演者については、言われているように、浅野忠信とオダギリジョーの二人、確かに雰囲気が被ります。そこは同感。でも意外にも何度か共演していました。 (黒沢清監督のアカルイミライとか・・) 監督たちは、たとえ似たもの同士を出演させてでも、個性派同士による化学反応を求めた気がします。 (特にビジュアルといった意味で) その答えとして、この二人がカルスト地帯を登って山々を望む場面があります。私はこの場面が、人も風景も本作で最も記憶に残る絵でした。物語としては、密入国斡旋に殺人、レイプ、、この壮絶で複雑なドラマをどう落とし込むのか、この興味だけで引っ張りましたが、最後はシャボン玉でパ~~~ン! と全てノーサイドですか。責任とか問題とか、全てに決着つけないで何だかスッキリしない終わり方。[DVD(邦画)] 5点(2019-10-06 16:17:58)

256.  ビブリア古書堂の事件手帖 《ネタバレ》 原作は未読です。古書にまつわる物語、と聞いて想像するようなミステリーとかロマンとか、全体的にちょっと物足りなかったです。古書に歴史あり、ならば時の経過を感じたいところですが、今と昔を行ったり来たりでは、過去から時系列で丹念に描くほどの大きな感動は得ません。そしてこの題材ゆえに、小道具や美術には手を抜いてほしくないですが、う~んどうだろう? NHKの朝ドラとあまり変わりませんね。その代わりと言っては何ですが、五浦くんの洋服にはやたら気を遣っていましたね。どうやら数着のTシャツとパーカをローテーションして着回していて、何が何でも襟付きのシャツは着ないというこだわりぶり、、ここに衣装さんのお仕事はよく伝わってきました。そこにはこだわるのかい! って感じですが。否定的な意見ばかりになりましたが、想像を搔き立てる要素がてんこ盛りという意味では、そもそも映画化 (映像化) 自体のハードルが高かったように思えるのですが・・。[DVD(邦画)] 4点(2019-10-01 00:06:12)

257.  レクイエム・フォー・ドリーム 《ネタバレ》 脳天を強く殴られたような強烈な映画で、その後味はともかく一度観たら死ぬまで絶対に忘れない、という意味での高評価です。確かに、薬物を打った時の創造性溢れる映像表現は面白い。でもそんなことはおまけに思えてくるほど、ストーリーそのものが放つ破壊力が凄まじい。この映画では、薬物依存者たちの物語は二つのチームに分かれます。お互いに薬物をけしかけ合って自滅した三人。孤独なゆえに依存症の蟻地獄に堕ちたサラ。その堕ち方こそ対象的でしたが、実は共通点が一つあります。彼らは、救う者がないまま、とうとう最後まで孤立無援だったということ。そもそもこの映画って、薬物依存者による破滅の物語ではなくて、薬物依存者に寄り添うべき良識ある者が誰もいないという恐怖、を描いています。絶対に堕ちるしかないという・・。だから主要な登場人物以外は人間に感情が宿っていない、というか全体的に空虚で無機質な感じがします。おばさんの集団、冷たい医者たち、ブラウン管の向う側で笑う者たち、レストランの男、、。そしてどことなく近未来的な空気があって、私は「時計じかけのオレンジ」を思い出しました。(もちろんお母さんの髪の色に電気ショックも、、) 全編通して、暗示的な海辺の風景が印象的ですが、それは夢か現実か、あるいは幻覚症状なのか、とても曖昧です。そしてその風景は、不思議と美しくなっていくように見えます。でも実は何一つ変わってはいません。それが美しく輝きを増していくように見えたのは、彼らが破滅して普遍的な正しい人生とは無縁になったから。海辺の美しい風景は、もう決して手が届かない幸せや夢の象徴だからです。[DVD(字幕)] 8点(2019-09-29 17:51:27)

258.  知らなすぎた男 《ネタバレ》 冒頭の空港スタッフとの全くかみ合わない会話。もちろん、 本人はかみ合ってると思っています。私的にはもう、これでつかみはOK。そして、弟宅のメイドさんをいきなり抱擁する壮絶な空気の読めなさ。色々とウォレス・リッチーという男を紹介する入り方としては上々で、巻き込まれていることに最後まで気づかない巻き込まれ役、としての資質は充分、ということを概ね理解させていただきました。 もちろん、随所で気の利いたアドリブがパッと出るのも、彼が役者志望の映画好きということで説得力を持たせています。 そしてストーリーについては、皆様が言われている通り。あり得ませんね、堂々たるコメディです (笑) 何しろ弾に当たらないし。でも極めて低確率の超偶然が何十回と続いていく展開であって、決して超常現象が起こるわけではありません。 だからこのストーリーが成立するのは確率0%ではないのが本作の面白いところ。現実でもいつか世界を悪の手から救うのは、意外とこんなヤツ、かもしれません。 さあ、みなさんも一緒に、Let's ポジティブシンキング!![DVD(字幕)] 6点(2019-09-29 00:01:13)

259.  エリン・ブロコビッチ 《ネタバレ》 これは実話ベースのサクセスストーリー、つまり結末はだいたいわかっています。それでも全く退屈させないのは、やはり脚本がよくできているから。まず回想場面に頼ることなく、あくまで現在進行形で物語を語っていく点は好感が持てます。悪役ポジションのPG&E社はあまりにも巨大な組織ゆえに、弁護士同士の対決という構図にしたのはよいアイデアと思います。ちなみに、味方であるべき大手事務所の弁護士たちも、エリン目線では一方的に敵対心むき出しで、まるで悪役のようにされていて笑えました。そして視聴者を信用していて、ここは見せる、考えさせるのメリハリが効いています。一例ですが、機密文書を知る男とのBARでのやり取り。その後はどうなったか語らずとも、彼と何があったかわかりますよね。もちろん、和解金を勝ち取った裁判をバッサリ省くあたりの、潔さもいい。(結果がわかっているので、ここは省いて大正解) そして何より、エリンとエドワードの掛け合いが楽しくて、映画の一つの見どころ (笑いどころ) となっています。「弁護士は謝らない人種なの? ムカつくわ」(←序盤のエリン) 「ミスコンの女王は謝らない人種かね? ムカつくね」(←ラストのエドワード) 私、この応酬が大好きで (笑) こんなお茶目なお二人が、こんな大仕事をやってのけるという、実に爽快なサクセスストーリー。それにしても二人の会話って、往年の名画 (ラブストーリー) の空気を感じさせますね。[DVD(字幕)] 7点(2019-09-24 23:35:35)

260.  鉄道員(ぽっぽや)(1999) 《ネタバレ》 そのストーリー以上に、この映画は邦画の歴史における、大きな一つの分岐点。 なんせ、昭和をいつまでも引きずっているような健さんと、まさかのMK5、あの広末涼子ですから、、。時代は、「昭和」から「平成」へ。これは降旗監督と健さんによる、新時代の若者たちへのバトンである。 「駅」と寒村から真っ直ぐに延びていく線路は、未来に向けた出発を感じさせ、実に映画性を高めているように思う。 郷愁と失ったものや消えゆくものに対する敬愛の念を感じますが、地方の過疎化問題にも言及していて、根幹に社会派ドラマの色を感じました。[映画館(邦画)] 7点(2019-09-23 11:12:08)

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