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261.  網走番外地 荒野の対決 《ネタバレ》 シリーズ第5作。約1年ぶりにこのシリーズ見るのだが、今回は「荒野の対決」というサブタイトルどおりかなり西部劇を意識した作風で、北海道が舞台のはずなのにちゃんと西部劇らしい雰囲気が出ているのがまずすごいし、話のほうもヤクザではなく、牧場のイザコザというあたりも任侠映画ではなく西部劇を思わせている。この話を「日本侠客伝」シリーズや「昭和残侠伝」シリーズでやってしまうと違和感がすごそうなのだが、「網走番外地」シリーズの場合だと先の二つに比べると任侠映画というよりアクション映画という印象が強いせいか、そこまで抵抗なく楽しめる。それに東映の映画で馬に乗っている高倉健というのもなかなか新鮮だった。(かつて時代劇スターだった鬼寅役のアラカンが西部劇調の作品に出演しているのもけっこう新鮮な感じ。)今回のドラマ部分のハイライトは健さん演じる橘真一と彼になつく仔馬 花子とのふれあいなのだが、これが動物相手だからか見ている方としては感情移入しやすく安心して見ることができ、この辺は動物映画のようでもあった。しかし、今回は敵側に殺されるのが主人公側にいる人間ではなく、敵である河津清三郎たちと対立している牧場(主人公側)の馬というのが意外だった。馬たちを目の前で殺されたヒロイン(大原麗子)の泣き叫ぶ姿が悲痛で印象に残る。ここから殴り込みシーンになだれこんでいくのだが、さすがにライフル片手というわけにもいかず、いつものようにドスを片手にというのがやっぱり東映の健さん映画らしい。杉浦直樹がこのシリーズでまたもインパクトの強い役柄で登場していて印象に残るが、彼の正体が明かされるのが最終盤であるというのはちょっとまずかった気がして、もう少し早く明かせていればよかったかなと。それと敵ボスである河津清三郎がとどめを刺されないで終わるのもこの時期の東映のシリーズ映画では珍しく思う。カタルシスはないかもしれないが、たまにはこういうのもアリだ。[DVD(邦画)] 6点(2018-01-13 16:20:10)

262.  白昼の通り魔 《ネタバレ》 大島渚監督の創造社時代の代表作の一本。連続通り魔が犯行を重ねていく「復讐するは我にあり」的な話だと思っていたのだが、それよりも男(佐藤慶)がなぜ通り魔になるに至ったかがよく描かれていて、この部分はなかなかに興味深く見ることができたし、男の心理の描き方もリアルで、演じる佐藤慶もはまっている。男とかかわりを持つ二人の女(川口小枝、小山明子)との関係も描かれていて、人間ドラマとしても抜かりはない作り。でも、後半は通り魔の男よりもこの男をめぐる女二人の愛憎劇のようになっていて、この部分も見ごたえがあるものの、通り魔の男の話として見ていると蛇足感があり、終盤の新幹線のシーンはけっこう退屈してしまった。ラストシーンを見ると実は主人公は通り魔の男ではなく、川口小枝演じるシノだったのではと思える(このミスリード自体は上手いと思う。)が、やはり最後まで通り魔の男の話で終わってほしかったような気もする。[DVD(邦画)] 6点(2017-08-11 14:28:57)

263.  暗黒街最大の決斗 《ネタバレ》 井上梅次監督による東映暗黒街シリーズ第2作。今回も任侠映画とは違う印象が残る映画になっていてとくに話にアメリカマフィアが絡んでいるところはいつもの東映ヤクザ映画にはないことでこれがけっこう新鮮。鶴田浩二演じる主人公が友人(大木実)と弟(高倉健)の板挟みになるなどドラマ重視の展開で、主要登場人物の中で純粋悪となる人物も安部徹だけというのが少し異色に感じる。確かにドラマ部分はよく出来ていると思うものの、「暗黒街最後の日」を先週に見たばかりのためか、比べてしまうとアクション映画としてはやや物足りなさが残る感じかな。植村謙二郎がドスを片手に乗り込んで行って射殺されるまでの展開はドラマとしては任侠映画の作風に近く、切なさもあり、やはりここがいちばん印象に残った。東映動画時代の高畑勲監督が助監督として実写劇映画に参加しているのが珍しい映画でもある。[DVD(邦画)] 6点(2017-07-08 16:15:21)

264.  日本侠客伝 決斗神田祭り 《ネタバレ》 シリーズ第4作。このシリーズ今のところ順番どおりに見てるんだけど、4作目にして脚本をひとりが担当しているのがなにか新鮮に感じる。いつもの東映の任侠映画だと悪役であることの多い河津清三郎が最後まで善玉という捻ったキャスティングも面白く、多少違和感はあるものの、これはこれでいいし、善人役を演じていても悪役とは違う持ち味を出している河津清三郎の演技の幅の広さが感じられる。しかし、今までの三本と比べるとなにか物足りないのも事実で、主人公が火消しでタイトルに祭りと入っているといういかにもマキノ雅弘監督らしい盛り上がる設定ながら、どこかマキノ監督の演出もおとなしめで、躍動感もあまり感じられなかったのは残念だったか。高倉健と藤純子、鶴田浩二と野際陽子(←だよね。)それぞれのドラマも何か物足りないし、鶴田浩二の単身殴り込みのシーンも説得力に欠けイマイチグッとくるものがなく、鶴田浩二が殺されてしまったあとに高倉健が殴り込むというのはパターン上分かってはいるが、少々まどろっこしく感じてしまったのもちょっと残念。マキノ監督らしく脇役陣は光っていて、藤山寛美や出番はそれほど多くないものの長門裕之も印象に残る。でも全体としては決してつまらなくはないもののやっぱり物足りなさが残る一編であることは確かである。[DVD(邦画)] 6点(2017-05-26 21:15:36)

265.  獣の戯れ 《ネタバレ》 三島由紀夫原作の映画で主演が若尾文子。となれば増村保造監督の映画かと思ってしまいそうだが違う。話としては決してつまらないというわけではなく、若尾文子演じるヒロインの悪女ぶりもいつものようにハマっていて、彼女が主演の映画を見るのがかなり久しぶりなこともあり、懐かしさもあるが、増村作品ほどのインパクトはなく、あまり生かされてもいない感じでそこが物足りないし、主要人物三人のドロドロした関係は退屈せずに見られるものの、このストーリーもなにか増村監督に向いている気がして、見ながら増村監督がもし手掛けていたらどんな映画になっていただろうと考えてしまった。(絶対に傑作になっていたに違いない。)話自体は悪くないだけになんかもったいない気がする。そんな中で印象に残るのはヒロインの夫を演じる河津清三郎。やな感じで女遊びの激しい前半の社長の姿から、頭を殴られたことで脳に重度の障害を負った後半の姿を演じているのだが、この変わり身がうまく、前半はいつもの憎まれ役という感じだったのに、後半では全く違うどこか哀れみを感じさせる演技で、さんざん弄んだ妻に介護されながら生きる男の皮肉や哀しみを見事に演じていて、後半ではこの夫に感情移入してしまうシーンも何度かあった。この後半の河津清三郎の哀れさがいちばん心に残る。でも本作に関してはやっぱり三島由紀夫原作で若尾文子主演なら増村監督で見たかったと強く思うのが正直なところである。[DVD(邦画)] 6点(2017-01-26 00:23:02)(良:1票)

266.  網走番外地 悪への挑戦 《ネタバレ》 シリーズ第9作。今回は網走で刑期を終えて九州へやってきた橘真一(高倉健)が鬼寅(嵐寛寿郎)が働く不良少年の更生施設で働くことになるところから話がはじまり、刑務所帰りの真一が不良少年たちを更生させていく話・・・にはなっていないのがさすがにこの時期の東映の健さん映画。ストーリーとしての見どころは施設を脱走した一人の不良少年(谷隼人)と真一の友情なのだが、これがやっぱり印象に残るものになっていて良いアクセントになっている。川津祐介がメインゲストとして出演していたり、敵役のヤクザの親分を演じるのが東宝専属の田崎潤だったりと、東映ではなじみのない俳優が出演しているのが新鮮に感じられた。(この時期の田崎潤の他社出演は当時の邦画の斜陽を感じなくもない。)不良少年の一人を演じる石橋蓮司も若いが、不良少年たちの中に「男はつらいよ」シリーズで博を演じる以前の前田吟の姿があるのはけっこう貴重だ。それともう一つ、いつもは主人公の仲間として出ている印象が強い田中邦衛がほんのチョイ役なのは意外に感じる。(久しぶりにこのシリーズ見るからかもしれないが。)ラスト、威勢のいいだんじり囃子の聞こえる中で殴り込みが行われるのは演出としてなかなか効果的だったと思う。[DVD(邦画)] 6点(2016-12-30 12:49:21)

267.  お嫁においで 《ネタバレ》 この時期既に特撮、怪獣映画ばかりを任されていた本多猪四郎監督が手掛けた加山雄三のヒット曲を基にした本人主演の青春映画で、有島一郎や飯田蝶子も登場し、劇中何度か主人公が歌を歌うなど、一見すると若大将シリーズの延長線上にある映画のようだが、松山善三の脚本はやはり若大将シリーズよりはドラマ性を意識したつくりになっていて、全体的に見ても若大将シリーズとは違うものを目指しているようだ。特撮シーンの一切ない本多監督の映画を見たのは初めてだったのだが、その演出も丁寧で、決して完成度は高いとは言えないもののオーソドックスな青春映画に仕上げており、どうしても特撮映画の印象が強い監督だが、それだけではなく職人監督として「ゴジラ」前後のようにもっといろんな映画をこの時期にも作ってほしかったなと思う。(その意味では貴重な作品だ。)ラストは主人公がヒロイン(若大将シリーズにも澄子の恋のライバル役で出演したことのある沢井桂子)にふられるという若大将シリーズとは真逆の結末だが、このラストでヒロインが幸福について語るというのが印象的で、ちょっと考えさせられてしまうし、この部分は松山善三のカラーがよく出ているような気がする。後年の「兄貴の恋人」でも加山雄三演じる主人公の妹役で出演している内藤洋子が本作にも主人公の妹役で出演していて、こちらでもやはり主人公の相手役ヒロインよりも印象に残る。[DVD(邦画)] 6点(2016-04-28 23:50:12)

268.  花と竜(1962) 舛田利雄監督による裕次郎主演のアクション映画だが、基本的に現代劇という印象がある日活アクション映画では珍しく明治時代が舞台の任侠映画っぽい雰囲気の作品になっている。ストーリー自体はそこそこ面白いと思うし、浅丘ルリ子扮するヒロインの技もインパクトがあって強烈で、裕次郎演じる玉井金五郎のタフさにも驚かされるのだが、いかんせん初めて見る着流し姿の裕次郎には違和感がつきまとい、見慣れた東映の鶴田浩二や高倉健の着流し姿と比べてしまうとその似合わなさが際立って見えてしまい、この役に裕次郎というのはちょっとミスキャストに感じ、もっとほかにいなかったのだろうかと考えてしまった。もちろん裕次郎主演ということがウリな映画ということは分かってはいるけれど。[DVD(邦画)] 6点(2015-11-14 16:57:36)

269.  あヽ同期の桜 学徒兵として戦場に散った若者たちの遺稿集を原作とする東映の戦争映画。青春の只中に学徒出陣で軍隊にかり出された若者たちの姿がドキュメンタリータッチに近い演出で描かれているが、いかに軍隊というところが厳しく、そして人間としての尊厳などまるでないところかというのがよく分かる映画になっていて、面白いとかは別にしても見て良かったと思える映画だった。任侠映画全盛期の東映で作られたこともあって出演者の大半は任侠映画で見たことのある人が占めているが、映画自体が任侠映画のような雰囲気にはならず、出演者の演技にもとくに違和感はなく見れたのも良かった。とくに実際に特攻隊にかかわっていた鶴田浩二はこういう軍人役を見るといつもハマっているように思う。ただ、不満を言えば見る前に中島貞夫監督の意に沿わない編集がされた作品というのを知ったが、そのせいか個々の登場人物の人間ドラマとしてはけっこう散漫な印象を受ける部分が多いように感じるのは少し残念だった。[DVD(邦画)] 6点(2015-08-29 10:18:15)

270.  兄貴の恋人 森谷司郎監督による加山雄三主演の青春映画。ヒロインが酒井和歌子というのもあってか、翌年からはじまる若大将シリーズ社会人篇のパイロット版と思えなくもないが、若大将シリーズと違ってコメディ色はそれほど強くなく、ある程度のリアリティのある映画になっている。本作では主人公の妹(内藤洋子)が主人公の縁談になると相手にケチをつけまくるというのが若大将シリーズにはない展開で新鮮だった。森谷監督の演出もこの前「動乱」を見たせいか、それとくらべると変に力みがない演出で最後まで安心して見られるホームドラマといった感じの映画に仕上げているのもいい。ヒロインの兄を演じている江原達怡が江口とはまるで違うガラの悪い男を演じていて、最初はだれか分からなかったが、こういうのも若大将シリーズとは違うところでやはり新鮮に感じられる。[DVD(邦画)] 6点(2015-05-23 17:16:37)

271.  御金蔵破り 大川橋蔵扮する若者と片岡千恵蔵扮する泥棒が江戸城の御金蔵を狙う犯罪映画。石井輝男監督が「網走番外地」シリーズを手がけはじめる前年に手がけた作品で、本作でも冒頭が牢屋での拷問シーンなのは「網走番外地」シリーズや「大脱獄」を先に見ているとなにかそれだけでこの監督らしいと思えてしまう。石井監督の時代劇を初めて見たのだが、橋蔵が主演のためか思ったよりもオーソドックスな娯楽作に仕上がっていてそこそこ楽しめる。登場する脇役陣も個性的なのだが、中でも東映映画でお馴染みの悪役俳優である安部徹演じるヤクザの親分がどこかお茶目で印象に残る。どことなく「ルパン三世」のテレビシリーズにもありそうな内容だったのだか、千恵蔵に付きまとう岡っ引き役の丹波哲郎(こういう役、ちょっとイメージ違うけど。)がどことなく銭形警部みたいに感じるのは偶然だろうか。ラストのオチや橋蔵、千恵蔵、丹波の三人が海の前で話すラストシーンもどこか「ルパン三世」を見ているような雰囲気があった。全体的にはすごく面白いというわけではないが、娯楽作としてはそこそこの出来にはなっていると思う。[DVD(邦画)] 6点(2015-03-27 00:25:43)

272.  喜劇 初詣列車 《ネタバレ》 列車シリーズ最後の作品となる第3作。今回は1作目同様、渥美清演じる車掌が列車の中で偶然、佐久間良子演じる幼馴染と再会するところから始まるが、さすがに3作目ともなると安定した面白さがある。今回はのちの「男はつらいよ」シリーズの出演者も少ないのだが、失踪したヒロインの弟を探すという展開で、こういうのは寅さんにも何回かあった気がするし、探し当てた弟(小松政夫)がフーテンをやっていたというのも「男はつらいよ」シリーズを連想させるもの。これまでにもこのシリーズは寅さんシリーズを思わせる描写があったが、3作すべて見てひょっとしたら山田洋次監督はこのシリーズを見ていたんだろうなとつい思わずにはいられない。今回、主人公の妻を演じるのは中村玉緒で、意外な組み合わせに感じたが、これがなかなか良かった。また、主人公の弟役が川崎敬三で、大映専属の二人の共演を東映作品で見られるのも珍しく、貴重かもしれない。ただ、前の2本と比べるとギャグが少し過激になってしまった印象があるのは残念で、主人公が長髪のかつらをかぶっているシーンも、渥美清に長髪というのがあまりにも似合わなすぎて違和感があった。これでこのシリーズはすべて見たわけだが、個人的にはやっぱり2作目の「喜劇 団体列車」が好きかな。本シリーズと同じ瀬川昌治監督がこのあとに松竹で手がけた旅行シリーズもいつか見てみたい。[DVD(邦画)] 6点(2014-12-18 14:05:36)

273.  あいつと私(1961) 《ネタバレ》 裕次郎と芦川いづみのコンビによる石坂洋次郎原作の青春映画で監督は中平康。冒頭から登場人物たちが早口でしゃべり、テンポがよく、コメディタッチで明るく、いかにも日活らしい青春映画という感じで、見ていてけっこう楽しかった。芦川いづみをかなり久しぶりに見たのだが、やはりとてもキュートで可愛らしく、やっぱりいいなあと思うし、本作にはブレイク前の吉永小百合もヒロインの妹役で出演しているのだが、それでもやっぱり芦川いづみのほうが魅力的で個人的には好みだし、本作は彼女の視点ですすんでいくので、実質的な主人公は彼女演じるゆみ子というのも嬉しい。裕次郎も生意気できざったらしい青年役なのだが、なぜか厭味ったらしくなることなく逆に好感が持ててしまうから不思議で、このコンビの青春映画だと本当に安心して見ていられる。二人が大雨の中、木の下でキスをするシーンがとくに印象的で、なかなかの名シーンだ。日米安保反対運動が出てくるあたりは当時の時代の空気感が出ている。恋人に裏切られる友達や、裕次郎演じる黒川の出生の秘密など深刻なエピソードもあるのだが、それらをあまり深く追求しないのでドラマとしては若干の物足りなさを感じる部分もあるのがちょっと残念なのだけど、そこまで気にはならない。裕次郎のうたう主題歌がコミカルでかつインパクトがあり、矢鱈と印象に残るのだが、本作に合っているかは微妙。でも、けっしてこの歌自体は嫌いではない。[CS・衛星(邦画)] 6点(2014-09-10 00:11:50)

274.  網走番外地 北海篇 《ネタバレ》 今回は冒頭から刑務所が登場し、刑務所内での物語が展開するのかと思いきや、釈放された橘真一(高倉健)が千葉真一扮する刑務所仲間にあることを頼まれ、トラックで北海道の大地をゆくという内容。トラックに乗り合わせる人々の人間ドラマがそこそこ面白く、見ていてあまり退屈はしないし、健さんもいつもどおりカッコイイのだが、やはりアクション映画なのかロードムービーなのかややどっちつかずの印象が残る。今回も悪役は安部徹なのだが、中盤に登場する小沢栄太郎扮する親分に食われてしまっており、このシリーズで安部徹が演じる悪役の中ではいちばんしょぼく感じてしまった。前回登場した時には強烈な悪役だった杉浦直樹がトラックに乗り込むわけありの男を演じていて、前回よりは今回のほうが役柄的に似合っている感じがする。アラカンも前回のような貫ろくのある親分役もいいが、このシリーズでは鬼寅として登場するほうがしっくりする。映画としては物足りない部分もあるのだが、思っていたよりは面白かったので少々甘めかもしれないが6点。そうそう忘れていたが、ヒロイン役が大原麗子で、若くてあどけなさがありながらも既に後年の面影をどことなく漂わせていたのが印象的だった。[DVD(邦画)] 6点(2013-06-26 13:25:51)

275.  網走番外地 望郷篇 《ネタバレ》 シリーズ第3作。今回は「網走番外地」というよりは完全に「日本侠客伝」のような任侠映画のような雰囲気で、見ていて何か違和感を感じるものの、これはこれで面白い。橘(高倉健)と混血の少女との交流がいいアクセントになっていて、これが本作を印象に残るものにしていると思うし、健さんのカッコよさも前作より今回のほうが出ている。「七つの子」を口笛で吹きながら登場する敵側ヤクザの用心棒を演じる杉浦直樹のキャラがどこかぶっ飛んでいて、ここらへんがマキノ雅弘監督の任侠映画とは違う石井輝男監督の持ち味なのかもしれない。(石井監督の映画を見るのもこのシリーズ見るのも3本目なのであまり大きなことは言えないかも知れないが。)前作では全く刑務所が出てこなかったが、今回は1作目の回想というかたちで少し登場するのでちょっと安心。アラカンが前作までと違う役柄を演じているのは先週に前作を見たばかりのせいか、ものすごく違和感を感じたが、「緋牡丹博徒」シリーズ同様にこういう親分役の彼は様になっておりカッコイイ。ただ敵側の親分がまたしても安部徹で、そこに3作目にして早くもマンネリを感じ、すぐに4作目を見るかどうするか少々迷うところ。[DVD(邦画)] 6点(2013-06-13 09:44:56)

276.  続・網走番外地 《ネタバレ》 シリーズ第2作。出所した健さん扮する主人公・橘真一が宝石強盗事件に巻き込まれるストーリーで、なんと刑務所すら出てこないのだが、シリーズとして続けるにはさすがに刑務所内だけではストーリーが作りづらいのだろう。続編(シリーズ化)が急遽決まり、脚本執筆開始からクランクアップまで3週間ほどしかなかったということでつまんないかもと思っていたが、つっこみどころ満載なところも含めてけっこう楽しく見れた。健さんは後年の主演作だとストイックで無口という印象が強いのだが、この橘真一という主人公は饒舌で明るく、健さんの従来のイメージとはかけ離れているが、それが新鮮で見ていて楽しい。とくに啖呵売をするシーンではその品物をあの高倉健が口上述べて売っているという画がもうおかしく、つい声を出して笑ってしまった。(まさか健さんでこんなに笑うとはかなり以外。)健さんのピンチに突如現れるアラカン演じる鬼寅の存在感や、宝石強盗団のボスを演じる安部徹の悪役ぶり(いつもこの俳優の演じる悪役は見ていて本当に憎たらしくなる。)も素晴らしい。突貫工事的に製作されている映画だが、前作は白黒で、ほぼ男しか出ていなかったのに対して今回はカラーになり、ヒロインも登場するというものになっており、これだけでも東映がこの続編に期待をかけていたことが分かる。けっして手放しでほめられる映画ではないが、面白かった。[DVD(邦画)] 6点(2013-06-05 00:31:54)

277.  上を向いて歩こう 《ネタバレ》 坂本九の世界的名曲「上を向いて歩こう」をモチーフにした舛田利雄監督による青春映画で、主演はもちろん坂本九。しかし、彼の明るい印象とは対象的に、若者たちのすれ違いや誤解から生ずる対立が描かれ、坂本九の恋人になる女性(渡辺友子)が障害者であるなどどことなく暗い内容。舛田監督といえばこういった青春映画よりもアクション映画の印象が強い監督だが、この映画でもクライマックスのケンカのシーンに力が入っており、およそ爽やかな青春映画とはかけ離れているが、その壮絶なケンカが吉永小百合演じる娘の一言によって終息するというのが、多少強引で甘いような気もしないでもないが、映画自体は思っていたよりは面白かった。劇中ずっと「上を向いて歩こう」のメロディーが流れるのだが、歌は最後だけ、という焦らしがうまく、これによって主題歌が流れまくるくどさは感じないし、逆に最後の合唱シーンで、今まで暗めの物語の中にあって、最後に流れるからこそ、明るく見終わることができるという構成がにくいし、思わず待ってましたという気にさせられる。歌われる「上を向いて歩こう」に四番歌詞が歌われているが、「手をつなぎ歌おう、若いぼくらの歌」でしめる歌詞が希望があってよく、のちにこの映画のために加筆されたものなのか、好きな歌だけにリリース盤に収録されていないのが惜しい気がする。[DVD(邦画)] 6点(2013-01-23 18:17:07)(良:1票)

278.  日本侠客伝 《ネタバレ》 マキノ雅弘監督、高倉健主演による任侠映画シリーズ第一作。東映が時代劇から任侠映画に移行しはじめた時期の作品ではあるが、かなり豪華なキャストで、力の入った映画になっている。東映の任侠映画は何本か見ているが、この初期作にしてパターンが既に出来上がっていて、初期作ということをあまり意識せずとも楽しめた。津川雅彦と長門裕之の共演もマキノ監督の映画では初めて見るような気がする。長門裕之の片思いの相手が南田洋子であるのは思わず突っ込みたくなるが、これもマキノ監督ならではのことだろう。健さんは開始20分ほどしてからの登場だが、登場までがけっこうじれったかったが、登場してからはなんだか安心。でも、特別出演とある錦之助の扱いがなんだかなあという感じで、単身殴り込みの前の妻(三田佳子)とのシーンは良かったものの、その後、拳銃片手に殴り込みをするのは違和感バリバリで、せめてドスを片手に殴りこんでほしかったし、死に方もあっけない。本人もこれは不本意だったのではないかと思う。それに錦之助といえば時代劇俳優という印象がどうしても強く、こういう任侠映画ではちょっと浮いて見え、その意味でももったいない気がする。錦之助が宮本武蔵を演じた同時期の「宮本武蔵」シリーズ(内田吐夢監督)ではライバルの佐々木小次郎を演じる健さんに違和感があったが、この映画では逆のことが起きてしまっている。錦之助は時代劇にこだわりがあると聞いたことがあるが、この映画を見てあらためて錦之助は時代劇でこそ映える役者なのだと思った。[DVD(邦画)] 6点(2012-12-06 14:30:53)

279.  雪の喪章 《ネタバレ》 三隅研次監督による若尾文子主演の年代記もの。三隅監督といえば座頭市や眠狂四郎をはじめとした時代劇の印象が強いが、こんな映画も手がけていたのだなあ。話としては昭和初期から戦後にいたるまでの一人の女の人生を描いているが、どうも駆け足気味で、特に後半になるとイベントが起こりすぎて見ていてちょっと疲れてしまうし、こういう映画で若尾文子を主演に起用するなら、三隅監督ではなく増村保造監督のほうが良かったのではと思えてしまう。若尾文子が老け役を演じているとのことだったが、冒頭とラストを比べてもそれほど印象は変わらなかった。天知茂(ほかの三隅監督の映画でも印象に残る役柄の多い。)や中村玉緒が好演しているだけになんだか惜しい。それにしても雪の降る日に誰か死ぬというのはみんな単なる偶然だろうが、それにしてはちょっと重なりすぎていて薄気味悪い。ホラー映画じゃないんだから。[CS・衛星(邦画)] 6点(2012-10-30 14:28:27)

280.  御用金 フジテレビが初めて映画製作に参加した作品で、監督は当時フジテレビの演出家だった五社英雄。あまりこの監督の映画は見ないのだが、この映画は娯楽時代劇としては普通に面白かった。ただ、ストーリーはけっこう重い話で、見終わってもスカッとしない部分があるのにつくりとしては軽い娯楽映画という感じなのでやや中途半端な印象は否めない。仲代達矢と丹波哲郎、それに神隠しで一人生き残った浅丘ルリ子の心情をもっと掘り下げるとかしていれば、ドラマに深みが出たのではないか。それでも、クライマックスの雪山での仲代と丹波の決闘は見ごたえがあるし、全体的に見ていて退屈はしない。仲代と旧知の浪人役を錦之助が演じているが、最初は三船敏郎がキャスティングされていて、実際に三船で途中まで撮影されていたんだとか。確かに実際見てみると特別出演のわりに仲代との絡みが少なくなく、この役は三船のほうが良かったのではないかと思えてしまう。錦之助は変に三船を意識することなく自分の演技をしているが、やはり三船で見たかったなあ。[CS・衛星(邦画)] 6点(2012-06-03 13:01:49)

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