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261.  メリダとおそろしの森 《ネタバレ》  基本的なストーリーはおとぎ話にありがちなもの。  運命は「変えられる」って話が、魔法で変わってしまった姿を「元に戻そう」とする話なのは、ちょっと皮肉。ま、変えすぎちゃったって事か…。  モルデューに襲われるメリダの前に、すっくと立ちはだかって娘を守ろうとした王女にはちょっと感動させられるが、運命がらみの話としては、そこでクマとなる運命を受け入れる、王女の決意なんか見せてくれても良かったと思う。  途中で三つの国の人たちを感動させたメリダの演説は、物語の最後にあった方が良いような気もする。「運命は自分で切り開くのだ。このように」というように。[DVD(字幕)] 6点(2013-06-02 02:56:54)《改行有》

262.  衝動殺人 息子よ 《ネタバレ》  自分が学校で人権(特に加害者や少年のそれ)について学んでいる時代に、未だにこういった問題があって映画になっているとは正直、驚きだった。人間社会の成長は、犯罪が起こった時に、被害者救う→犯人懲らしめる→遺族慰める→犯人にも人権はある、という過程を経ていると思っていたからだ。  主人公が、犯罪被害者に対する補償制度制定に尽力したのは分かる。一家の大黒柱を失った人は、実際問題として収入を失う訳だし、大切な人を失った喪失感は、甚大だろう。  だけど、劇中にもあるとおり、保証金貰っても死んだ人は帰ってこないし、悲しい思いをする人が減る訳でもない。子を失った親が行きついた結論としては、ちょっと対処療法的過ぎる気もする。  被害者を含む多くの人が、この誰でもよかった殺人(誰でも犠牲者になれる)について普通に疑問に思うのは、何故なのだ?という事だろう。ナントカ心理学だかナニ社会学だかは分からないが、被害者救済のもう一方に本来あるはずの、その究明が(恐らく沢山こういう事が起きたのであろう)この時期に、なされなかったのかどうか?非常に気になる。そして、そっち側の話も見てみたい。  全国の被害者をまとめて、法立案のアドバイザにまでなった行動力はりっぱだが、天国の息子が本当に望んだことは、それだったのだろうか?[DVD(邦画)] 6点(2013-05-30 06:01:29)《改行有》

263.  ウエスト・サイド物語(1961) 《ネタバレ》  私の考えている、ミュージカルの(特に作曲者の)評価基準に、音楽による世界観というのがある。その作品世界を的確・端的にあらわした音楽、そしてどの一曲をとってみても、その世界の一部であることが明白に分かる統一感。  『南太平洋』は聴いただけで潮の香りがしてくるし、『キャッツ』では忽ち月夜の猫の集会に引き込まれ、『ミス・サイゴン』では東南アジアの落日の前に喧騒の街が浮かび上がる。そう多くは無いそういった優れた楽曲の一つが、この『ウエストサイドストーリー』だ。そのプロローグで我々は、対立する不良グループのイキがった争いを目の当たりにする。  しかも、このシーンはダンスまでが一体となって、二つのグループの諍いとその緊張感を表現していた。とりわけ、彼らの小競り合いがそのままダンスになっているのは見事で、才能というものを感じさせる。  ジュリエットであるマリアがトニーと共に死なないのは、ちょっとバランスが悪い感じはするのだが、一方それにより物語の視点が「二人の悲劇」にある感じの原典よりも、二つのグループの対立に重きが置かれ、よりテーマを前面に押し出していて、それはそれで良いのかも知れない。[DVD(字幕)] 8点(2013-05-28 19:47:27)《改行有》

264.  許されざる者(1960) 《ネタバレ》  昔のTVドラマなどによくある、子供をすり替えられたり、攫われたりするドラマは、攫われた側の倫理観・正義感で物語が進行することが多いと思う。こういう攫った側の倫理観で進む話は珍しいな、と考えたら、ちょっと前に『八日目の蝉』を観たことを思い出した。  あの場合はまだ小さな子供だったし、法の支配する社会の話だから、子は生みの親に戻されたが、本作のような事情の場合、あながちインディアン側を支持する気にもならない。  この映画を白人入植者が、原住民であるインディアンを侵略し子を強奪した話として、現代の倫理観でコキ下ろすのは簡単だが、その子は白人の社会で生活し家族を得ているのだ。  「血は水よりも濃い」とは言うが、「生みの親より育ての親」とも言う。今ある絆を絶つのも簡単な事ではないし、本人は白人のつもりでいるのだ。たとえ許されなくても、家族として乗り切る事を非難は出来ない。  ところが、そんな事以上に違和感、というか嫌悪感を起こさせることがある。レイチェルとベンの結婚を匂わせる件である。「家族」という絆をテコに、この状況を乗り越えようとしている時に、突然兄妹が夫婦になる(レイチェルにとってキスは結婚を意味していた)、3人兄弟の抱擁のシーン(弟妹を両の腕で抱きかかえているが、弟に見えないように妹とキスするシーン)は、ちょっとショックだった。  私には、白人―インディアン問題より、この方がよっぽど嫌悪感が強い。最後にレイチェルがインディアン側の兄を撃ったのは、家族の為ではなく男の為のように見えてしまうではないか。[DVD(字幕)] 5点(2013-05-23 22:38:05)《改行有》

265.  真夜中の招待状 《ネタバレ》  なんだか、イマイチなお話だと思っていたら、犯人の動機となる事件が原作と全く異なるようで。  確かに昔の、しかも田舎の事だから、大きな薬屋の薬を信じて、大病を治せないばかりかおかしな事になっちゃうなんて、ありそうではあるがその後の展開が納得しづらい。…といか、最初に医者にかかれ。  いわゆる犯人が悪人一辺倒ではなく、むしろある種の被害者である点、しかし人を監禁して自殺に至らしめている点、却って失踪者側が酷い連中であった点なども相まって、解決部を見てもミステリ特有のすっきり感が薄い。だからと言って、人の心の脆さや闇が描き切れているのかというと、そうは思えない。原作は未読だが、あの遠藤周作が書いたのなら、そういう部分がこの作品のキモなのではなかったか。  ところで、なぜ、3件とも真夜中だったのか?それぞれ蒸発が11日(こういう事実系で嘘は言えまい)なのは何故か?最後までよく分からなかったし、渡瀬と五月の顔見知りを示唆するカットとか、最後に医者が劇中で触れた組手で手を組んでるカットとか、イチイチ意味ありげなのに消化不良だった。  しかしながら、小林麻美の美しさは、本作の一番の特徴で見どころである。この時代に若者だった自分には、どうしてもこの時代の美人というものに、抗えない魅力を感じてしまう。だから、この映画もこの人のおかげで最後まで見る事が出来た。[DVD(邦画)] 3点(2013-05-22 06:48:53)《改行有》

266.  七人の侍 《ネタバレ》  ちょっと長かったがその分、武士と百姓のそれぞれの事情や、いきさつなどの描写が十分で面白かった。実際の戦のシーンはちょっと長すぎる気もするが、侍たちが半分やられちゃうには、充分な時間をかけないと不自然だものな。意外だったのは、ポスターにも大きく描かれている菊千代が、大した手柄も立てずにやられちゃうことだが、これは重大な意味を持っていると、私は考えている。  ちょこっとだけ気になるのは、武士たちが村を守る事になってから、百姓たちが兵隊になるところが唐突に映る。結局は兵隊がいないと戦えないとか、自分たちで戦わなければ村は守れない、とか言うシーンはあって然るべきだと思う。  さてしかし、最後に志村喬が言ったように、本当の勝者は百姓たちだ、と言うのは興味深い。彼らは、自分たちでも少しは戦うが、戦いの主導と主戦を、侍たちに依頼している。  戦いを他人に頼んで安全を確保する。長老の知恵は、現在の日本の知恵だ。それは数百年先んじていた知恵だったのか、現在の政策が数百年遅れているのかは分からぬが、今日本は自ら侍になるべく動き出している。  菊千代の死の意味は重大と前述したが、百姓から武士になった彼のように、日本がならねばいいのだが……。[DVD(邦画)] 8点(2013-05-21 15:00:53)《改行有》

267.  愛情物語(1984)  最初と最後のミュージカルシーンが、キツかった事しか覚えていなかった。それどころか、自分の記憶の中では、林隆三とやったやつと混同していたりもした。    デビュー作の『時かけ』の次作で、あれから一年しかたっていないのだから、演技者として厳しいのはしょうがない。監督はパンフレットの中で、「演技を引き出した」など自画自賛しているが、私には最後の笑顔のカット意外に、演者・原田知世として見るべきところが見えなかった。  彼がもう一つ言及している、「二次使用三次使用に耐えうるように、PV的要素を入れて永続的に楽しめる」点についても、さすがにしょぼくて頷けない。当時のファンは、「あのダンスシーンをもう一回見よう!」なんて思って、ビデオを再生したのだろうか?  いや、むしろ原田知世のPVに、豪華俳優陣のドラマが付属していたと考えるのが、正しいのかもしれない。きっと、そうだ。だから彼の思惑通り、30年後にこのPVは映画枠放送という形で二次使用されたのだ。  ビデオといえば、今回パンフを見直して驚いたのだが、映画パンフレットにその作品のビデオ「発売中」の広告があるなんて初めて気付いた。そんな時代だったっけ?[地上波(邦画)] 3点(2013-05-16 20:10:12)《改行有》

268.  ある兵士の賭け 《ネタバレ》  いくら独立プロダクションの経営が大変とは言え、石原プロ作品のいつもいつも協賛企業の製品を宣伝するかのようなシーンは、ゲンナリする。石原裕次郎ほどの看板でも、映画の資金を集めるのは大変だという事か。  まあそれはさておき。物語は実話ベースの、米兵・アレン少佐が無茶な行軍を賭けにして、賞金を孤児院に寄付する話。タイトルから、勝手に「生死をかけた兵士の決断」的なモノをイメージしていたので、なんだか文部省特選的なイイ人の話に若干戸惑う。  カメラマンの非難する、アレンさんの朝鮮戦争での事件が、彼に罪の意識を与えているっぽいのだが、私にはそれが全く問題に感じられないので、彼の贖罪的な意識(だと思うんだが)も感じにくい。  むしろ、従軍カメラマンなどしている割には、甘っちょろい正義感で兵隊を非難する、裕次郎氏の物語なのかと思った。それにしちゃあ裕次郎の考えの移ろいが描かれていない。  裕次郎が彼の後を継ぐラストシーンを見た時に、「ああ、アレンさんは一粒の麦だったんだな」と感じた、その通りにカメラマンの心を変えた一人の軍人と実を結んだカメラマンの物語のはずが、片方の描写が不足だった。ちなみに本件を書籍化したもののタイトルも『ひとつぶのむぎ』で、それを知った時にはちょっと驚いた。[DVD(邦画)] 6点(2013-05-15 23:22:14)《改行有》

269.  ぱいかじ南海作戦 《ネタバレ》  ぱいかじに吹かれていると、いろんなことがどーでもいい気分になってくるらしい。それを感じられるかどうかが、この映画の評価の分かれ道だ。そこを乗り越えると、とてもおおらかに泥棒を許せたり、勝手に踏み込んでくるTVクルーに笑顔を振りまけるのだろう。だが私には、乗り越えられなかった。  永山君を引き留める主人公の描写があまりにいい加減で、笑わせたいんだろうが笑えないという状況が、不愉快(実に正しい字面だ)ベースを作ってしまうのだ。どーでもいい気分どころか、泥棒たちと同じ穴の狢になって、あさましく人を騙そうとしている主人公を見ていると、後の展開に素直に心動かされることができない。 [DVD(邦画)] 4点(2013-05-14 18:23:53)《改行有》

270.  探偵はBARにいる 《ネタバレ》  何かに似ていると思って考えたら、遠い記憶がよみがえってきた。ファーストシリーズのテイストを期待して見てみたら、コミカルの部分を間違って解釈して超駄作になっていた『ルパン三世』第二シリーズ。  そんな感じ。  本作は、(TVの方の)『探偵物語』の、ギャグ的な部分を拡大解釈して、大間違いしたハードボイルドではないだろうか。主人公たちが痛い目にあっても、死にそうになっても、神の采配を知って安心感を感じているように見えてしまうのも、コミカルに過ぎるからではないか。  これは本格ミステリではないんだから、犯人が判ってしまってもいいから、もっと小雪の描写をしてその心情を納得させてくれないと、復讐と言われても気持ちが乗らない。[地上波(邦画)] 4点(2013-05-13 07:26:32)(良:1票) 《改行有》

271.  アイアンマン3 《ネタバレ》  私にとってのアイアンマンの魅力って、あり得そうな工業的技術によって実現する、バトルスーツヒーローという部分である。いわゆる超人でない、テクノロジーの物語だから良いのだ。  そういう世界に一番似合わないのは「怪物」だ。確かにバイオテクノロジーは科学技術だが、今の工業技術とアイアンマンの間の飛躍度合を、遥かに飛び越えたエクストリミスという技術は、魔法というかもはや「怪獣」に近い。  それがアメコミの敵役だと言われればそうなのかも知れないが、今までの(少なくとも映画版の)世界観とちょっと違ってて、私には残念に映る。  今回の物語の中心軸と思われる、トニー・スタークの心の話・「私がアイアンマンだ」に着地する話にはあまり興味をひかれなかった。彼がどんなにスーツを捨て、ナントカリアクターを取り外して自分を取り戻した気になっても、物語がそこに帰結するように出来ていない気がするのだ。  それに、どうせアベンジャーズ2でアイアンマン復活するんだろうし。  それにしても、一番手前に設定されている3D版字幕って、目が疲れるわ…。今度から2Dで見よう。[映画館(字幕)] 5点(2013-05-12 02:56:47)(良:1票) 《改行有》

272.  HINOKIO ヒノキオ 《ネタバレ》  ピノキオは人間になりたいと思っていたが、このヒノキオは人間の姿で出て来るのを拒否している。ちょっとひねった面白い設定。  不登校対策で、超科学の遠隔操作ロボットが、生徒のインターフェイスとして学校に通う、という設定が実にユニークで面白い。と思っていたら、Wikipediaによると、実際にロボットで登校している人が外国にはいるというから、世の科学技術というのは知らぬ間に進むものだ。  子供の友情が、引きこもり少年の心を開く物語、と思っていた。基本、間違っていないと思うのだが、ゲームの世界と現実の世界の関連が、イマイチちゃんと機能していない。もちろん、リコーダーを風の笛として吹いて、それがサトルを死の淵から連れてくる話にしちゃうと、それはそれで私には受け入れられないオカルトになっちゃうが。だからといってあれだけ無関係なのもどうか。やはりあのエピソードはNGだろう。  もうちょっと現実的な方法(少なくとも映画で示されたテクノロジー)で、サトルをこちら側へ呼び戻す物語を考えて欲しかった。私的には父親に撫でて貰った感覚や、友達たちとの触れ合いの感覚あたりをテコに、少年の心を開くセンで行った方が良かったと思う。  不満点もあるが、現代日本の科学的ピノキオ物語として、そこそこ面白かったと思う。ジュンの女の子設定は要るのかどうか微妙な気はしたが、彼女が取り戻した「女の子」はきっとジミニーのもらった勲章だったのだろう。[DVD(邦画)] 6点(2013-05-06 15:52:42)《改行有》

273.  青銅の魔人 第一部  その昔、乱歩が正史に語った言葉「映像作品は、まず原作者の言う通りにはならない」を思い出さずにはいられない。  ビジュアルがしょぼい、透明人間の必然性が無い、そのトリックも画面で起きていることを解明できていない、などなど諸々の問題はある。  だが、そういう事は時代とターゲットを考慮すれば、まだ呑み込める。しかしそれでも問題なのは、いやしくもあの怪人二十面相の小悪党感である。  原作では悪役ゆえ、神(乱歩)の采配によりいつも明智にしてやられはするが、日本一の探偵と互角に渡り合う日本一の怪盗である。正体を見破られても、ビルの上に追い詰められても、平然としていて欲しいのである。  品位と威厳をもって悪事をなしてほしいのだ。町のチンピラの頭領くらいにしか見えない二十面相なんて、二十面相ではない。  ちなみに『青銅の魔人 第一部』の項だが、ビデオでは四部まで収録されており、すべてを通して観ての感想である。[ビデオ(邦画)] 3点(2013-05-06 00:35:20)《改行有》

274.  美味しんぼ 《ネタバレ》  三國連太郎と佐藤浩市の関係をつなぎ直した作品らしいが、観る者にはそんなこと関係ない。  原作を読んでいないしテレビも見ていなかったので、よく分からんが料理対決の部分の説得力が無さすぎではないだろうか?片方は「贅沢な素材よりも普通の真っ当な食事に…」的なよくあるヤツだし、もう片方に至っては、思い出に対する評価になってしまっている。さて次に、と思って見ていると、何と物語がそこで終わる。  そもそも料理というのは勝負事ではないのに、そこを無理に勝負に仕立てた挙句に結果を出さない、というのが何ともフラストレーションがたまるのである。  映画の主題は親子の絆だから、と言うならそれでもいいが、己が持ち込んだ仕掛けなのだから、その料理勝負という仕掛けと絡めて親子を描くのが、真っ当な描き方ではなかろうか。[地上波(邦画)] 4点(2013-05-02 23:36:58)《改行有》

275.  未完の対局 《ネタバレ》  本作は日中国交正常化10周年記念作品であり、初めての日中合作映画だという。パンフレットを読むと当時すでに、南京大虐殺の教科書記述をめぐって日中で揉めていたようでもある。  ちょっと日本軍が悪く描かれすぎなきらいはあるが、不幸な戦の歴史を乗り越え、そんな出来事の前に打った碁の続きをソラで始める二人の姿が、両国の進むべき道筋という意味を込めて感動的に描かれている。  と、解釈しておくが、ちょっと引っ掛かかる事がある。  両国棋士の孫娘(つかさちゃん!)が最後に中国人棋士に言ったセリフ「碁の事ばかり考えて世の動きなんか考えなかったんじゃないの?」が痛く突き刺さるのだ。  この娘は両国の血を引いた、どちらにも偏らない立場の、いわば日中親善の象徴的存在。その娘が「本当の悲劇の原因はあなた方の『我』ではないのか?」と問いかけるのは、なかなか巧い構造だと思う。  島の領有をめぐって、ゴタゴタが絶えない昨今、「あんな所に来る漁船など護衛艦出して沈めてしまえ」なんて思ってしまう私だが、偶にはこういう映画を見て、相手側の気持ちを考えてみるのも良いのかもしれない。[ビデオ(邦画)] 6点(2013-05-01 19:05:52)《改行有》

276.  キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー 《ネタバレ》  スーパーマンが普遍的な正義の象徴とすると、キャプテン・アメリカはどこまで行ってもアメリカの象徴、しかも何と言っても彼は米軍人。我々他国の人間には、その辺がちょっと引っ掛かるところである。映画的にはストレートにドイツ軍を悪者にしてないし、日本人を日系アメリカ人として出しているのも、世界市場に向けた配慮なんだろう、などと余計な事を考えさせる。  普通の戦争で活躍させるヒーローが、あまりに超人すぎると間抜けな自己満足作品になってしまうので、主人公はちょっと身体能力の高い人どまり。決してビルを飛び越えたり弾丸を弾き返したりはしない。何でも防げる盾はあるけど、基本的には人間。そこが良いんでしょうなあ。  後に共闘する事になる他のヒーローと比べると、若干分が悪いけど。  せっかく主人公をリアルに作ったのに、敵ボスは絵に描いたようなアメコミ的キャラで、ちょっと残念。しかもコイツ、あんまり強くないし、その兵隊たちも強力な武器を持つわりに、弱すぎる。  それにしても、こいつと言い、今回見たハルクの敵といい、スパイダーマンの敵といい、アメコミの悪役って力を欲して化け物になるヤツ多すぎだな。世界一の力を持った国の人たちは、実は力を得る事に、恐怖心や罪悪感を抱いているのだろうか?[DVD(字幕)] 7点(2013-04-29 21:47:28)(良:1票) 《改行有》

277.  インクレディブル・ハルク(2008) 《ネタバレ》  若者の怒りの限度を超す事を、キレると表現される。若者が切れやすくなったと言われて、もう20年くらいたったろうか?キレるというのは「プンプン」と怒っているだけでなく、暴力行動が伴うものらしい。  カルシウムが足りないとか言われたりもするが、映像・書籍などによる若者文化の影響を指摘する者もいる。  本作の主人公についても、怒りがそのパワーを覚醒するという設定が面白い。が、その状態で理性をコントロールできなくなるというのは、もっと興味深い。キレているのだろうか?  私の好きな物語上のある刑事は、「力を発揮する時には、相手を憎むんですよ」と言い、私の好きなミュージカルの楽曲は、「怒れるものの歌が聞こえるか~」と歌う。だからと言う訳でもないが、Wikipwdia「ハルク」のページで記述されているような、怒りというものが必ずしも負の感情だとは、私には思えない。怒りは時に何かを成し遂げる力となる。  目的が不純ではあるが、科学実験の憐れな被害者であるこの主人公が、理性的に怒る、と言うとちょっと理解しづらいが、理性を持って怒れる日が来るのを見たいものだ。  あ、それがアベンジャーズか?[DVD(字幕)] 7点(2013-04-29 21:47:08)《改行有》

278.  マイティ・ソー 《ネタバレ》  家庭の事情により、神様は嫌いだが神の物語は好きなのである。科学と神話の適度に融合した話も同様だ。  アベンジャーズをより理解しようと思って観てみたが、やはりこちらを先に見るべきだった。あの兄弟にはこんな因縁があったのか。  物語は、王となる兄が傲慢の罰により力を失った隙に、弟が謀反を起こすが、心入れ替えた兄が復権し弟を征伐するという、昔話にありそうなモノ。コミックのヒーローだったと言うから、このストーリーの中のどこかで、毎週だか毎月だか人間を救っていたのだろう。  しかし今作では、あんまり人間側ドラマに面白い所はない。というか、氷の国人たちも、もっと地球を攻めて来て、もっと人間にかかわって欲しい気がする。神々の争いの影響がロボット一体というのは、ちょっと寂しいのではないだろうか、  とは言え、あの変なロボットは凄い。パーツを組み立てた構造物では無い感じのキモチワルさ、甲虫やムカデを思わせる全身の分割具合、顔の中なんてガランドウで、人のカッコをしているだけに余計不気味。それにヘンに巨大すぎない、俊敏でない、弱くない、というのもイイ。 [DVD(字幕)] 6点(2013-04-29 21:46:49)(良:1票) 《改行有》

279.  黒部の太陽 《ネタバレ》  このダムの事は、小学校で教えられた記憶がある。日本が世界に誇るものの一つだった。本作はその前段階の工事である、トンネル掘りの話。何か話が『海峡』とダブる。  しかし、こちらのプロジェクトの原動力は「電力需要の増大」。いきなり発電所がダウンした経験を持つ今の我々には、図らずも説得力のある話になった。が、そのあたりはあまり描かれずに、現場のトンネルやたちの話が中心。  前時代的なトンネル掘りの爺さんの息子で、専門教育を受けているらしい裕次郎が、合理的な判断で工事を否定するのだが、いつの間にか工事責任者の一人になっているのが、ちょっと腑に落ちないと言える。  まあ、やることに決まったならまっしぐらに進む、というのが望ましい会社員なのかも知れないが、精神論的に物事を突き進めるというのは、日本人の悪い癖だ。  で、結局『海峡』と同様、水に悩まされる工事だが、こちらもシールドマシンでトラブル解決。なんか凄い新技術科かと思っていたが、調べてみると結構昔に開発されたものらしく、ちょっとガッカリした事は事実。  それでも、黒部の自然は美しく、難工事に挑む技術者の物語には熱くさせられる部分はあり、殊に出水シーンの迫力は凄い(ありゃ、これ前にも書いたな)ので映画としては面白い。  ところで原作ありきとは言え、この話がなぜ黒部の太陽というタイトルなのか、ちょっとわからなかったのだが、最後にトンネルが開通したシーンを見て、『黒部の風』でもよかったのではないかと思った。[DVD(邦画)] 8点(2013-04-24 16:05:33)《改行有》

280.  太平洋ひとりぼっち 《ネタバレ》  出航前の主人公はロクでもない奴だが、何だかんだ言っても人のやれない事を成し遂げたというのは、大したものだ。  あえて「偉業」や「立派」という言葉を使わないが、人が目標を成し遂げるエラさというのは、本当のところ、その行為の意義とは関係ないチカラにあるんだろう。だから人は、こんな意味の無い事でも、感動してしまうのだろう。  また、たった一人の航海による、精神的な部分での葛藤など、役者・裕次郎の本領を見た気がした。 [DVD(邦画)] 7点(2013-04-23 18:05:18)《改行有》

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