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プロフィール
コメント数 370
性別 男性
ホームページ https://camuson.exblog.jp/
自己紹介 自分のブログに映画や本の感想文を書き溜めておりましたが、読まれることが絶無のため、こちらに出張しております。
もし興味がありましたら、弊過疎ブログにもお越しください。

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261.  ノーカントリー 《ネタバレ》 ある男が、きな臭い事件に、フラフラと自ら巻き込まれていくというような話です。あまり説明的ではなく、丁寧で渋くて味のある映像と役者の演技で、終盤まで、飽きずに引き込まれていきます。ですが最後、どちらかというと視聴者の期待を裏切る展開を選択したため、丁寧に下ごしらえしてきたものが、不意にあっけなく宙ぶらりんになって、大きな感動が得られず、終わってしまったなという感覚が残りました。もっとベタな展開でも良いので、わかりやすく心揺さぶるものがあった方が良かったかなと。十分な下地ができていただけに受け入れられると思うのですよね。無常観、無情感もわからなくはないのですが。主人公、渋くていいです。ゴツいのにオカッパの殺し屋の彼は凄味があって良かったです。奥さんは最後の最後、急にカッコ良かったですけど。結局どうなったのだろうか。[DVD(字幕)] 7点(2023-03-09 19:32:13)

262.  まぼろしの市街戦 《ネタバレ》 ある街にドイツ軍が時限爆弾を仕掛け、イギリス軍通信兵の主人公が、爆弾を探し出して解除する役目を負います。一般市民は街から逃げてしまい、派手な格好をした精神病患者が街に繰り出します。彼らは、自分が貴族や将軍や売春宿の女将の生まれ変わりと思い込んでいて、主人公もハートのキングになりきって、彼らとうまくやりつつ、任務の遂行をめざすというような話です。ヨーロッパの古びた石造りのモノクロームの街と、色とりどりの服をまとった精神病患者達の饗宴(狂宴?)とのコントラストが美しいです。ただ、かなりわざととらしい喜劇仕立てなので、見る人を選ぶと思います。私としては、苦手な部類でした。ヒロインはピチピチでかなりカワイイです。[DVD(字幕)] 4点(2023-03-08 18:40:57)

263.  バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) 《ネタバレ》 かつてヒーロー「バードマン」(バットマン風)として人気を博した老いた映画俳優が、ブロードウェー舞台劇に主演兼演出で打って出るというような話です。業界の裏側を見せ、かつ、劇中劇と劇中現実の境界を曖昧にさせるところなどは、「脳内ニューヨーク」の感覚に似てるかなと思いました。なにせ、男女ともに、個性と主張の強い、濃ゆい人だらけで、仕事がらみだけでなく、元妻、元彼女、現彼女、子供までが、関係入り乱れて応酬を交わすので、飽きる暇が無いです。場面が変わるところでも、映像処理で長回し的に繋いだことも、テンポの良さに貢献しています。プレ講演だからとアドリブで暴れまくる人気俳優、そいつが娘にちょっかいを出すなど、主人公から見て、かなりムカつく役をムカつく顔の人が好演(後で調べると、日本語も話せるナイスガイらしい、それだけなりきって好演してたということですね)。「バットマン」の映画を見たこともないし、マイケル・キートンを初めて見ましたが、前知識が皆無でもメチャクチャ楽しめました。随所で笑えます。[DVD(字幕)] 9点(2023-03-08 18:39:05)

264.  リザとキツネと恋する死者たち 《ネタバレ》 日本かぶれのアラサー女子リザが主人公。日本の妖怪(九尾の狐)と昭和歌謡とを組み合わせたコメディ作品。主人公の女性は、日本かぶれが度を過ぎて、往年の若かりし日本の歌謡スターの幽霊が見えるようになります。この幽霊が、実は妄想ではなく、狐が化けたもので、主人公の恋路を邪魔して、相手を次々と殺してしまうという話です。うーん。ベタベタのコメディをやるなら突き抜けて欲しいんですよね。ちょっと女性が好みそうなファンシーな味付けの小綺麗な映像だったりするのですが、笑い以外のところで保険を打っているように感じてしまいました。なるほど「アメリ」の影響が大きいと思われますが、なるほど同じように苦手な作品でした。日本人歌謡スターを演じた彼は日本人とデンマーク人とのハーフのようです。この映画で彼だけが美形です。ま、主人公のアラサーもそこそこの美人と言えますが。日本の歌謡スターのレパートリー曲には結構力が入っています。60~70年代のグループサウンズ的なノリの良い曲が多いのですが、日本語の歌詞もインチキではなくちゃんとしていて、こだわりを感じました。そこは評価できます。作詞・作曲も日本人雇ったのでしょうかね。気になります。[DVD(字幕)] 3点(2023-03-08 18:36:09)

265.  ツィゴイネルワイゼン 《ネタバレ》 本作は今回初見なのですが、なんとなく、勝手に、若かりし日の大谷直子の妖艶な姿 というひもづけをしていました。実際見てみたところ、若かりしと言うわけではなく、私の知っている大谷直子そのものでした。と言うことで、そっち方面ではちょっとスカッたのですが(裸で指ぱっちん意味不明です。)、それより、原田芳雄が原田芳雄らしくてほんと良かったです。豪胆で放埒なんだけど、乱暴な感じはなく、安っぽくもない。知性がにじみ出るとか感じさせずに、バカっぽくもない。たまに丁寧語使ったりするのも違和感なくハマっています。作品としては、雰囲気映画なんですよね。映像も美しく、嫌いではないですが、ストーリーがちょっと散漫で、原田芳雄のキャラ以外であまり引っかかるものがなかったです。[DVD(字幕)] 5点(2023-03-08 18:34:10)

266.  セッション 《ネタバレ》 原題は「Whiplash」。邦題の「セッション」は、また随分と生ぬるくしてしまったものだなと。さて、日本ではよくあるスポ根もの(文化系スポ根)ですが、アメリカのエンタメ作品としては珍しいのではないでしょうか?この手の物は日本だと、良くも悪くもどこかギャグテイストが漂いますが、舞台がアメリカとなると、十分あり得ると思われ、リアルでシリアスな作品になり得るところが興味深いなと思いました。主役の学生ジャズドラマーが、最初は間が抜けた顔をしているなと思ったのですが、だんだん凜々しくなっていきます。生徒の方が最初から熱血過ぎてもダメで、いいバランスが取れていたと思います。教官が生徒を屈服させるのに有効なのが、補欠メンバーを常に同席させ、正メンバーの倚子を餌に、気にくわなければ即時交代。一方をけなすために、一方を褒めるという手法です。DVDには、投資家を得るための試作品としてつくった10分あまりのショートフィルムが納められているのですが、ほぼ同じキャストで主役だけが入れ替わっています。上記の教官の手法とダブっていて、なかなか乙なことをするなぁと感心しました。[DVD(字幕)] 8点(2023-03-08 18:30:56)

267.  夜と霧 《ネタバレ》 アウシュビッツ強制収容所の当時のモノクロ映像と、10年後、緑に覆われ廃墟となった強制収容所のカラー映像を交互に切り替え、静かな導入から始まり、徐々に惨劇が詳らかになる構成です。新緑に覆われた強制収容所跡地は、空が抜けるように青い。鉄条網がややぶっきらぼうであることを除けば、至ってのどかで静かな雰囲気が漂い、この10年前に惨劇が起きたとは想像ができません。国破れて山河在り 城春にして草木深し 廃墟と緑はノスタルジーさえ感じさせます。なぜ人の尊厳がここまで蹂躙されたのか?映像は、理由を語らず、その事実を突きつけるのみです。大量の裸の死体をブルドーザーで捏ね集めるシーン。人の形をしたものが、絡み合い、物理演算モデルCGと見紛う粘土のような挙動を示す映像が衝撃的です。[DVD(字幕)] 7点(2023-03-07 13:38:41)

268.  独裁者と小さな孫 《ネタバレ》 とある国の調子こいた爺さん独裁者と、更に調子ぶっこいた孫男児の話です。独裁者が、官邸から街を一望しながら、電力停止の命令を発すると、街の灯りがすべて消えて真っ暗になり、孫も大喜び。孫にも同じように命令させて、何度もやっているうちに灯りが付かなくなります。ついに、反体制分子が蜂起したようです。独裁者は家族を先に自家用飛行機で国外に逃がしますが、孫息子だけは、爺さん独裁者と一緒に残るとダダをこねます。すぐに家族の後を追って国外逃亡するつもりが、味方と思っていた軍も反体制派に寝返ったので、官邸に戻れなくなり、国内を逃亡することになります。変装して、流しの興業者を装いつつ逃亡している間に、悪政によりすさんだ社会と、自分に対する不平不満を見聞きしてしまう という内容です。とてもシンプルな内容ですが、体制は、時が来れば、信じられないくらい簡単にあっけなくひっくり返るものであるという感じが良く出ていて、なるほど実際こんな感じなんだろうなぁと思いました。甘やかされて育った孫の、状況を飲み込まないお花畑なバカさ加減に、鬱陶しさが募っていき、しまいには殴りつけたくなってきます。まあ、それだけよく演じていると言うことができます。序盤だけ出てきて国外に逃げてしまう仲が悪くて罵り合う美人姉妹が、結構好き。[DVD(字幕)] 6点(2023-03-06 19:16:16)

269.  ドグラ・マグラ(1988) 《ネタバレ》 原作既読です。映像化作品の存在は前から知っていたのですが、長年入手困難な状態で観ることかないませんでした。何がきっかけなのかわかりませんが、2016年に復刻し、レンタルDVDにも供されることになったので観ることとしました。原作は日本三大奇書の一つでもあり、作品世界が文体や技巧に依存している部分が大きいため、映像化のハードルは随分と高いと思われます。そのような条件の下では、よくやっているなと思いました。特に狂人治療場の雰囲気は、思い描いていたイメージに近かったです。正木教授役に桂枝雀は、最初はちょっと違う感じがしたのですが、なかなか、どうして、これを観てしまうと、他の人では代用がきかないように思えてきます。原作の深みを出すのは難しいですが、これはこれでありですね。[DVD(字幕)] 6点(2023-03-06 18:48:02)

270.  ブルックリン 《ネタバレ》 アイルランド出身の若い女性が、都会でのリア充な生活を求めて、アメリカNYブルックリンに移住する話。ブルックリンにアイルランド系の若い女性の単身移住者が数人集まる女子寮があり、主人公はそこで暮らしながら、高級店の接客係の仕事を始めます。慣れない異国での生活に、初めは手間取りますが、少しずつ、仕事にも慣れていきつつ、一方でステップアップのために大学に通い、会計の勉強をしつつ、その一方で恋愛もしつつ、リア充値を高めていきます。そんなさなか、親族の不幸で故郷に戻ることになります。恋人としばしの別れとなりますが、相手の男も心配だったのでしょう。形のだけの結婚をしてから帰郷することにしますが、幸か不幸か・・・続く。いやいや、主人公がかなりの美人なのに、なおかつ可愛いという。しかも聡明そうで、凜としているし、いやいや、そいつもいいけど僕と結婚してくださいという感じです。まあ、女性の男選びは、人生の選択なので、迷ってしかるべきだし、いいんじゃないですかね。いわゆる揺れる乙女心なわけですが、個人的には嫌味な印象は持ちませんでした。イタリア人の夫は先見の明があったのですね。ハッピーエンドのようで、そうとも限らないとか考えさせられるところは悪くないです。あと、寮のどこにでもいそうな、おしゃべり女たちが、ほんとにどこにでもいそうなレベルで良かったです。[DVD(字幕)] 6点(2023-03-06 18:43:28)

271.  ウルフ・オブ・ウォールストリート 《ネタバレ》 原作小説は未読。ちょっと、ホリエモンとかがブイブイ言わせてた頃を連想しましたが、ITバブルは、それでも、多少なりとも中身が少しありましたが、こちらは、すべてが虚業ですからね。主人公のディカプリオは、それなりに名の通った証券会社に就職して、その会社の売上No.1男から、ヤクでテンション上げて売上成績も上げる方法を学びます。胸を叩きながら低い声で歌いテンションを上げることを学びます(ラグビーのハカみたいなものでしょうか?)。その後、ブラックマンデーで勤めていた会社は倒産。電話で口八丁で低位株を売りつける方法で復活。徐々に、地道に、派手に会社を大きくしていく物語です。前にNo.1男から学んだとおりにヤクは常用してるし、職場にストリップ嬢、風俗嬢を呼んで乱痴気騒ぎをしたり、とにかくメチャクチャで基地外で破滅的なのですが、でも、社員慰労会をやる日本的経営と言えなくもないなと思ったり。仕事の内容に魅力は感じませんでしたが、刺激になりました。[DVD(字幕)] 7点(2023-03-06 18:31:19)

272.  40歳の童貞男 《ネタバレ》 家電店に勤める男が主人公。仕事の後に同僚の男同士の飲み会につきあってみると、案の定、下ネタ、セックス経験の話になってしまいます。童貞であることがバレでもしようものなら、これまでの人としての行いは一切関係なくバカにされるというは、どこの国でも同じのようです。自分が体験した最もホットなセックスというお題になり、主人公は乳房を砂袋のような感触だったと表現したことで、ホントか~?となって、童貞がばれてしまいます。主人公の童貞がばれるやいなや、その噂は会社中に広まってしまいます。どこの国も、人をバカにしたくて仕方ない人が大勢を占めているようですね(笑)ま、それでも同僚達は、主人公が童貞喪失できるように、彼らなりに気を利かせて、ナンパができる場所に連れて行ったり、いろいろ指南したりして、それほど悪い奴ではないようで、楽しく見られました。この手のコメディは、役者の演じ方次第で、相当イタイ作品になる可能性があるのですが、みな演技が上手くて、イヤミな感じがありませんでした。特に、女上司役がスゴいと思いました。結構な美人であの貫禄を出せるのが凄いなと。あと、連れ子が色っぽくて好き。[DVD(字幕)] 6点(2023-03-05 21:20:34)

273.  インターステラー 《ネタバレ》 今世紀に入ってからは、SF出尽くし感がある分、安易な作品が減って、淘汰された質の高い作品が出始めているような気がします。本作品は、いわゆるウラシマ効果が主題で、これだけではまったく新鮮味がないわけですが、これに、時間が空間化された多次元空間の存在を組み合わせることで、終盤にあっという間に話が収斂して、見事に伏線が回収されて、感動を補強します。多次元空間の存在は、後から考えるとあまりにご都合主義なのですが、その映像表現が素晴らしいので、その場では魔法をかけられたように魅入ってしまい、粗探しモードにはなりませんでした。結局、良い作品をつくるということは、粗をなくすことにエネルギーを費やすのではなく、それを補ってあまりある何かを押し通すことなんだなと感じ入った次第です。[DVD(字幕)] 10点(2023-03-05 16:00:43)(良:1票)

274.  セデック・バレ 第一部 太陽旗 《ネタバレ》 台湾の原住民が首狩り族だったという話は聞いたことがあります。日本が統治する際に苦労したと言うことも風の噂で聞いたような気がしますが、それ以上のことは知りませんでした。なので、そんな未開の土人をテーマに映画ができるものなのか?しかも、2部作?というのが見る前の正直な所感でした。ですが、これが見始めると実に興味深くて、エキサイティングで、作品世界に没入してしまいました。台湾原住民達は部族ごとに島内で敵対しているわけですが、他部族との闘いは、一に奇襲、二に奇襲で、油断しているところを襲って、背後に回って大鉈で首を狩るという具合で、鬼ごっこや、サバイバルゲームのような無邪気さがあるのですよね。敵の首を狩るまでは1人前の男として認められないとか、首を集めるほど部族の中で尊敬され地位が高くなるとか、首狩りが、部族の文化に組み込まれて、システム化され、いわばゲーム化されているわけです。よくこんなんで、つい最近まで全滅せずに生き残れたものだと思うのですが、むしろ首狩りありきで、島の生態系がうまくバランスしていたと考えるべきなのでしょうね。こんなことを考えさせられてしまう映画作品に今まで出会ったことがないので、まず、それが、驚きです。本作は首狩り族の青年が台湾を植民地化する日本人に対して蜂起する「霧社事件(1930年)」を扱っています。途中は長くなるので省きますが、壮絶な大虐殺をクライマックスに第1部は幕を下ろします。原住民の無邪気な残虐性、計略性と、欧米などに比べると激甘な植民地支配手法の対比がとても面白いなと思いました。史実とはかなり違い、演出過多になっているようですが、その分、本当にエキサイティングで、面白いです。全体的に、日本人がマヌケになっていますが、主人公をヒーローにするためには、演出上、いたしかたないですね。[DVD(字幕)] 9点(2023-03-05 15:48:24)

275.  セデック・バレ 第二部 虹の橋 《ネタバレ》 第1部では、学校の運動会にセデック族が奇襲をかけ、首を狩りまくるところで終わりました(霧社事件)。本作、第2部では、日本の反撃が始まり、セデック族は、健闘しながらも追い詰められていくという流れです。第一部のクライマックスを超えるイベントがあるわけもなく、基本単調な展開の中では、近代兵器に対抗する変幻自在のゲリラ戦のアクションで、緊迫感を保っていると思いますが、さすがに日本軍弱過ぎだろというのが目につき始めてきて、そこでちょっと笑ってしまうと言うか、没入感が弱まりました。最初から負けると分かっていても闘わなければならない、敗れゆく者の美学のようなものは感じられ、日本の武士道的な価値観にも通ずると思っていたところ、最後にそれを言葉にして言われてしまうと何だかなと。果たしてどこまで実際に則しているのかが不明なので、他の資料等を調べたくなりました。[DVD(字幕)] 7点(2023-03-05 15:43:11)

276.  君よ憤怒の河を渉れ 《ネタバレ》 いきなり見知らぬ女と警察が現れて、指を指されて、アンタ私の体をムチャにしたじゃないケダモノ!とか言われて、主人公の高倉健が逮捕されてしまいます。(レイプとか強姦より、体をムチャにしたの方が断然エロいですね。昭和的なエロさです。)一旦は逮捕されたものの、検察官という自分の立場が証明され、濡れ衣を晴らすためにも、自宅の家宅捜索に同意し同行することとなります。そこで、あるはずもない盗んだ指輪などが発見されてしまいます。自分が何者かにはめられてると気付くと同時に、もはや自分の主張が通らないことにも気付き、トイレの窓から逃亡。その後、自分への容疑を晴らすために、真犯人探しをするというサスペンスです。いや~、メチャクチャ面白い。シリアスを基調としているのですが、突拍子もないトンデモ展開が巧みに混ぜ込まれていて、大笑いしてしまいました。緩急が素晴らしいです。特に馬のシーンは驚愕と爆笑でした。終盤の病院の展開は、ありがちな題材を取って付けたような感じがしてしまいましたが、他の作品では見られないような高倉健の演技が見られたのでよしです。高倉健、原田芳雄、池部亮、大滝修二、中野良子、倍賞美津子 役者がすべてすばらしいです。中野良子はまったく美人じゃないのに、大人びていて芯の強い色気があるのですよね。比べると倍賞美津子は、当時は若くてアイドルのよう。顔の巾が広めのカワイさです。中森明菜的な。音楽は、シーンに合っていないところが散見されましたが、それはそれで時代の雰囲気が感じられました。[DVD(字幕)] 7点(2023-03-03 20:06:20)

277.  日本のいちばん長い日(1967) 《ネタバレ》 太平洋戦争終戦日の前日から玉音放送まで、ポツダム宣言を受諾すべきか否かで煮詰まる閣僚会議、その後の御前会議、ポツダム宣言受諾に反対する若い陸軍将校達による玉音放送阻止のクーデター未遂事件(宮城事件)などを描く歴史ドラマ。玉音放送に至るまでの裏側に、こんな濃密なドラマが渦巻いていようとは、想像もしていなかったです。まさに映画のようにドラマチックな史実。上層から下層まで、様々な人間が、各々の思惑で、同時並行的に動き、それが絡まる歴史のダイナミズムが感じられました。天本英世がハイテンションなわりに、何をやっていたのか、イマイチわからなかったですが。ゴタゴタ感があって良かったです。役者も熱演。特に、軍部の大物達のクセのある面構えと腰の据わりようが凄いです。若き日の黒沢年雄は、常時四白眼で、ちょっと力入り過ぎと思いました。(米国amazonのreviewを見たところ、唯一の弱点は、young army officersがover-playedなところだと指摘されてました)[DVD(字幕)] 9点(2023-03-03 19:57:23)(良:1票)

278.  ムッソリーニとお茶を 《ネタバレ》 イタリアは芸術の都フィレンツェを舞台に、イギリス人コミュニティの視点から第二次世界大戦を描く、毛色の変わった戦争映画です。見始めると、イタリアが舞台なのに、ほとんどの人が英語をしゃべっていることに、疑問を感じましたが、フィレンツェに在住のイギリス人コミュニティの話であることが分かってきます。主人公は、イタリア人実業家の私生児の少年です。父親の子育て放棄により、イギリス人秘書に引き取られ、イギリス人コミュニティの中で育てられることになります。コミュニティには、同じ言葉をしゃべる外国人という立場であることから、アメリカ人も含まれています。しかし、かつてムッソリーニとも親交があり、今でもティーパーティーにふける在伊英国大使未亡人からすれば、商売や研究、芸術趣味のために来ているバイタリティ溢れるアメリカ人女性は、野蛮以外の何物でも無く、その未亡人が、ことあるごとにアメリカ人の悪口を言っているというのが前半です。主人公が少年から青年に成長するとともに、世界情勢は悪化し、戦争からは縁遠い芸術の都にあっても、第二次大戦に巻き込まれていくというのが後半です。戦線から離れたところから見る第二次大戦の一側面として、参考になりました。国境が地続きの国家間の戦争って、日本に住んでいるとなかなかイメージできないのですよね。興味深いと思ったのは、日本の真珠湾攻撃によりアメリカ軍が大被害を受けるというニュースに、イギリス人コミュニティに笑みがこぼれるところです。安堵の表情に近いかも知れません。これは「日本軍グッジョブ!」という意味ではなく、アメリカが参戦したことに対する歓喜です。なるほどなぁと思いました。ひ、人が死んでんねんで?とも思いましたが。後で調べてみたところ、監督の半自叙伝的な作品とのことなので、この作品の空気感はそれなりに信頼できるものだと感じました。[DVD(字幕)] 4点(2023-03-03 19:49:18)

279.  のぼうの城 《ネタバレ》 でくのぼうにあやかり「のぼう様」と呼ばれる成田長親(忍城城主の従兄弟)が、城主不在時に石田三成勢に攻められるも、農民を味方につけて、あっぱれな戦をするという話です。ポテンシャルが高いのに色々と残念なところが多い作品です。素材はとても面白いです。コンピュータグラフィックス、特殊効果も頑張っています。堤防の決壊のシーンなどは素晴らしいです。しかし、演出面、脚本面でアチャーと頭を抱えてしまうところが多かったです。役者の演技力のデコボコ感が半端ないのですよね。軽薄で薄っぺらな色男の役柄を入れたくなるのは分かるのですが、成宮がとにかくへたっぴで。それを補える華や美貌やオーラがあれば良かったのですが・・・華がないのは榮倉奈々にもあてはまります。のぼう様役の野村萬斎も、序盤は演技過剰で、ちょっと見ているのがツラいです。長親が「のぼう」を演じているという劇中構造を考慮に入れても、ちょっと浮きすぎています。昔の「あぐり」の飄々とした演技が良かったので、どうしてこうなっちゃったかなと。終盤はさすがの凄味を見せつけてくれますが。三成役の上地は結構良かったです。冷徹な役がハマっています。山口智充も与えられた役を十分にこなしてます。鈴木保奈美も端役ではありますが、貫禄があり、見直しました。佐藤浩市はさすがです。あと、脚本の問題で、嘘臭すぎるというのがあります。泥まみれの農民が城に上がれるように、のぼうが泥まみれになるとか、農民の子供がおにぎりを渋るシーンとか、必要ないどころか、しつこいと思ってしまいました。その分を、リアリティや深みを与えるために使っていればなぁと。[DVD(字幕)] 5点(2023-03-03 19:38:17)

280.  ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅 《ネタバレ》 「あなたに百万ドルが当たりました!」という偽の手紙を本物だと信じ込み、ネブラスカ州に賞金を取りに行こうとするモンタナ州に住む爺さん。偽物だと言っても聞く耳を持たず、ネブラスカをめざしてふらついては、補導されたりするので、仕方なしに、中年息子がネブラスカまで連れて行くという話。ネブラスカに行く途中、爺さんが若い頃暮らしていた小さな町に立ち寄ります。百万ドル当選したことを漏らしたところ、田舎の人たちなので皆それを信じて、町中に知れ渡ってしまい、いろいろなことが起きていきます。基本コメディーと言っていいと思いますが、頑固親父の哀愁がベースにあり、味わい深い仕上がりです。思いっきり間(ま)をとって、タメをつくる手法を使っていますが、アメリカ映画で、これをやったのは、かなりの冒険だと思われ、良くやったと拍手を送りたいです。デブ兄弟(アメリカ人としては標準)のキャラがとにかく強烈でした。でも、いかにもいそうな感じ。あとは婆ちゃん。[DVD(字幕)] 8点(2023-03-03 19:32:17)

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